『カエルの王様』と『カメ』を小脇に抱え、IKEAの食品コーナーを覘くと掘り出し物を発見!!
昔、リレハンメルオリンピック組織委員会にいた頃にお世話になった、アクアビットとニシンの酢漬けがあるではないか。
アクアビットはジャガイモを蒸留した、いわば北欧の芋焼酎で、40度という高いアルコール度数と独特の癖があるスピリッツなのだけれど、仕事が終わってからオイルサーディンをツマミに飲むアクアビットは最高だった。
飲んだ瞬間に蒸発するアルコールで口の中は冷ややかになり、それとは反対に食道から胃にかけて燃えるように熱くなる。
夜にはマイナス25℃以下に下がる環境では、これぐらいでないと酔えなかった。
ビールはいくら飲んでも飲んだ気がしない。ビールのアルコールは確実に身体を酩酊させているのだが、寒くてちっとも飲んだ気にならないのだ。
そんな@幕張の冬の友だったアクアビットも、日本で探すのは難しかった。
八重洲の地下街で見つけたものも、1本3,000円以上した。
他で探したものの見つからなかったので、2本買い求めて1本は大事に取ってある。
そんなアクアビットが1,000円以下で買えるのだ。
ニシンの酢漬けは、いわゆる生ニシンのマリネ。
料理の付け合わせとして出されることが多く、日本でいう漬物みたいな存在だと思う。
日本人の口にも合う味付けで、@幕張が住んでいたリレハンメルのアパートメントホテルでも毎回この酢漬けが出てきていた。
このニシンの酢漬けといえば、リレハンメル駐在時代に強烈な思い出が一つ。
オリンピック本番で視察に来たJTB出身のK主幹、ノルウェーの料理が口に合わなかったらしく「不味い、不味い」を連発していたらしい。
そのK主幹が唯一、気に入ったのがこのニシンの酢漬けで、ある日のホテルの朝食でもたらふく食べたらしい。
その後、とある競技場に関係者用バスで向かっていたK主幹、車中で気分が悪くなって朝食に食べた物をすべて吐いてしまったのだそうだ…
食事中の人、スマヌ!
結局、バスのドライバーや親切な乗客たちによって介護されたK主幹は救急車で病院に運ばれ、恐らく阿鼻叫喚の修羅場であったろうバスの中もきれいに掃除されて一見落着すれば……よかったのだが。
救急車で病院に運ばれたK主幹は、たぶん長旅の疲れが溜まって体調が悪かったと想像するものの、病院ではただの食べ過ぎと診断されたらしい。
翌日にはアルペン会場で働く@幕張も、現地の同僚から話を聞かされていた。
曰く、「日本人がバスの中で倒れて、救急車で病院に運ばれたようだ…」
「日本人だと? オマエの友達ではないのか? 病院に行くか?」等々…
とてもじゃないけど、言えなかった。なので隠し通してしまった。
K主幹が当時の上司の一人だったってこと。
だって事の真相が前日の夜に、日本人の間を駆け巡っていたから。
ニシンの酢漬けの食い過ぎが原因だなんて、50過ぎのオヤジのやるこっちゃないって。
そんな思い出のあるニシンの酢漬けだが、ご飯とも相性が良くて酒にも美味しい。
他には、フィンランド産のライ麦クリスプブレッドとジュースを二種類購入。
クリスプブレッドは薄いビスケットみたいなパンの一種で、@幕張はスライスしたキャラメル風味のノルウェーチーズを乗せて食べるのが好きだった。
このキャラメル風味のノルウェーチーズも日本に帰ってきてから探しているのだけれど、どこを探してもどうしても見つからない。
後はノルウェー政府観光局あたりに聞くしかないと思っているのだけれど、もし聞く機会があったら“ノルウェー風キャビア”と仲間内で渾名されていた「何かの魚卵入りバターのチューブ」の商品名と一緒に聞いてみようと思う。
ジュースはコケモモのジュースとニワトコのジュース。
ニワトコ(エルダーフラワー)のジュースはヨーロッパでは比較的ポピュラーな飲み物らしく、また薬効があるとしてノルウェー駐在時にも風邪の予防や二日酔いの時によく勧められたジュースで、味は@幕張的には「白樺の樹液ジュース」を連想させるちょっと不思議なもの。でも結構美味しかった記憶があって、久し振りに飲んでもそれなりに美味しかった。
コケモモは信州でもジャムや果実酒に加工していて知られているので購入したものの、このジュースの味は@幕張的に「もう、いいや」でした。
う~ん、最後が残念…