Rikoの再建日記~気ままな恋文

病期3の乳がんから自家組織再建、リンパ浮腫治療、抗がん剤後の薄毛治療など、心身共に毎日が昨日からの再建って感じの日々♪

再発・転移のために~セカンドバースデーの日に

2012年11月20日 15時22分23秒 | 乳がん

 

夢のような嵐ライブを体験してしまい、ますます貪欲に生きようと思う今日この頃・・・・・

気がつけば、11月20日はセカンドバースデー。術後3年になる。

術後三年検診はペットを来月予約なので、クリアかどうかはまだわからないけど、

何故だか、不安の負の字は今年は全然よぎらない。今のところね。

まぁ、その日だから、ちょっと久しぶりに乳がんの事も書こうかな。 

乳がんに限らず、がんになってしまった以上、再発・転移は完全に否定して生きていくより、こころのどこかで、意識しているほうがある意味楽ではないか。その考えが私のたどり着いたところ。それは、日々おびえているとかではなく、また、もしかして・・・って懸念する症状があるときにおびえない、怖がらないというのとも違う。

単に、人はいつか死ぬということを知っているというのと同じような感覚で、再発・転移をとらえてるという事だ。

別の言い方をすれば、大きな地震がくるかもしれない、という事に備えておく防災避難グッツのような感覚。

まったくネガティブではなく、ポジティブな心の準備。で、ポジティブだからと言って毎日考えているわけでもなく、むしろ忘れてる。

そんな感覚で手にした本がある。

 「もそも、がんが再発したら」編著・国立がん研究センターがん対策情報センター

とても、シンプルに、スタンダードなこと、あたりまえのことが書かれている。でも、いざというときは冷静に判断したり思い出したりできないことだ。

そして深く突っ込むことはしてないけど、

「補助代替療法に興味を持ったら」

「未承認薬について」

「臨床試験に参加するには」

など、多くのがん患者・家族が対象なだけに(事例は一人ひとり違う)深く突っ込めないけど、そうした項目をあげてるだけでも、何かの時の道しるべになってくれる、もしくは、そのきっかけを作ってくれる事にはなるだろうなと感心した。

もちろん、

心のケアの問題、経済的な問題など、再発・転移に伴うほとんどの事柄を網羅している感じだ。

一番感心したのは、

医師は医学は知っていても、「人・患者」をしってるわけではない。知っていたとしても、上手くコミュニケーションをとれるとは限らない。むしろ、とれない医師のほうが多い。その事を前提で書いてくれている部分があって、そこにはとても敬意を感じた。

医療の本で、医師の一部分とはいえ、そのコミュニケーションのお粗末さを認めるというのは勇気があることだと思ったからだ。

だから、けっこう愛情をもってこの本を読むことができた。

本全体を通して、私が受け止めた第一の事は、再発・転移の時、どういう生き方をしたいかを考えること、それが転移がんの治療の根底にあることをつたえようとしてるんだなぁ~という事。

それには、「言葉」これが基本だよね。

 

だけどね~、私はずっと感じてきたことがあって、この前のオフ会でもそんな事ちょっと話題になったのだけど、

例えば「エビデンス」ってことば。

これ、科学的根拠にもとずく結果・・・・・・とかなんとかという定義はあるようだけど・・・・・医師はそんな定義としてこの言葉を学んだわけではなく、

エビデンスという医学言語として、多くの症例、事例、論文などから医師としての血肉として身に付けた言葉として、このエビデンスをつかってるとおもうの。

使ってるし、使い分けてる。

日本人が「ありがとう」を感謝の意味だけでなく、時にやんわり断るときとか、単なる形式的につかったり、皮肉を込めてつかうことだってありうるのと似た感じとでもいうのかなぁ~

医師は医師言語として、このエビデンスって言葉をいろんな場面で、いろんな意味で使い分ける。それもかなり本能的に。

そんなことが、この「エビデンス」に限らず、沢山あるんだな~

延命とか、

効果がありますとか、

有効でしょうとか、

どのレベルで表現しているのか、それは一般人の言葉ではなく、医師言語なのだ!

と、のちのち気づくこととか、多々あった。

きっとこれからもあるだろう。

そんなことの積み重ねが、患者・家族側と医師とのズレになり、治療計画・将来設計に大きな誤算となることもある。

大変だよ~~

 

なぜなら、

私が受け止めた大切な視点は、再発・転移の時、どういう生き方をしたいかを考えること、それが転移がんの治療の根底にあるんだという事だから。

どういう生き方をしたいか、これが治療方針と直結するのだ!

 

この本には、たとえば髪を失ってまで生きてたくないという希望があったっていいと思う。その考えを伝えたうえで、さらにその人の最善をみつけるコミュニケーションをとり、納得できる治療を受けること(受けないことも含めて)こそが大切なのだというような事も書かれていた。

 

攻めの治療、緩やかな治療、痛みのない生活・・・・・・・・・・色んな選択肢があるのだ!

それを選択できることが、がんの大きな救いなんだと感じた。大いに、選択したいと思った。自分にとっての正しい選択を。

 

 

再発・転移のない今、この本を買ってよかったと思った。

 

いろんな読み方、使い方があるだろうし、読むときの状況でも受け止め方は違うと思う。

 

でも、我が家の防災避難グッツとして、いつもわかりやすいところに置いておこうと思った。