会社でよく働いている人は3割くらいで、残りは適当にやっているという話を時々聞く。
ある研究機関の発表として、新聞におもしろいことが載っていた。
アリは「働き者」のイメージが強いが、熱心に働くのは全体の3割ほどだそうだ。
あとの7割は適当に怠けている。
よく働く3割のアリを集めたところ、やはりその7割は怠けるようになるという。
集団には「あそび」や「余裕」が必要で、働き者ばかりの集団は成り立たないということだろうか。
おなじ給料をくれるのなら、なまけものの集団にいたいものだ。
話は少し違うが、なまけものが得をすることがある。
技術者の労働の成果は時間で計算される。
たとえば、壊れた機器を修理する場合、その費用は出張料と部品代、そして修理にかかった時間で割り出すようになっている。
ベテランは、短時間で完全に直してしまう。
初心者は直すのに時間がかかり、しかも同じところがまた壊れることが多い。
これは普通「直した」ではなく、「直った」と呼ぶ。
長い時間働くわけで、その分の費用はより多くなる。
これでは、技術の未熟な人間の方が、たくさんお金を取れることになってしまう。
会社での評価も、高くなるに違いない。
とても不合理な話だが、現代社会の一般的な仕組みである。
精一杯努力する優秀な技術者が、報われる世の中になって欲しいものだ。
私はもちろん、報われない優秀な技術者だった。(たぶん)