マンションのトイレは窓がなく、換気扇があっても涼しくはない。
昨今の暑さはこの密室空間に及び、尋常でない状態になる。
じっと座っているだけで胸のあたりにたらーりと汗が落ち始め、しまいには顔から汗が噴き出る始末。
小さい方はまだしも、大きい方になると熱気と臭気で気を失いそうになる。
「熱中症」と「ガス中毒」で倒れたりしたら、ニュースのネタになってしまうかも知れない。
ドアを開けたまま、するというのもひとつの手である。
昔、父が良くやっていたことを、懐かしく思い出す。
家に他に誰もいない時は良いが、そうでない時はこの手は使えない。
トイレにエアコンがあるという家は、あまり聞かない。
最終防衛手段として入手可能な武器は、「うちわ」だ。
風と一緒に少々別の匂いも来るかも知れないが、許容範囲内であろう。
最近は不景気なので、街に出ても宣伝用のうちわを配っている姿を見かけない。
トイレ内に常備しておくのが理想だが、その度毎に持参することもやむを得ない。
小さな工夫が、最終的に貴方の身を守ることになるに違いない。