マグロチャンピオンの料理道場

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料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(21)ボイル甘えび

2011年10月17日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
今、日本にはグリーンランドや北欧、カナダ等から刺身用の甘えびがたくさん輸入されて、スーパーの魚売り場で買う事もできるし回転寿司などでも気軽に食べることができるが、甘えびを最初に刺身用に加工して日本に輸入したのが、日本の水産会社の「スクーナー」で今から30年程前のことだ。

デンマーク領の「グリーンランド」で現地のエスキモーを使い「刺身用の甘えび」を開発してスクーナー社が日本に甘えびを輸入するまでは、甘えびはすべてヨーロッパ向けにボイル加工されていた。

スクーナー社は「刺身用甘えび」で日本市場を開拓して、グリーンランドの発展に大きな貢献をしたことから、1995年にグリーンランド政府より最高名誉勲章「ナサナット・イン・ゴールド」を受賞している。

実はこの「ボイル甘えび」には、ちょっとした思い出がある。

20年以上も前の事だか、ヨーロッパに住んでいた頃、マグロの仕事がしたくて「ベルギー田川」を辞めて、ベルギーの首都ブラッセルにある、「MarProduct」という水産会社に就職した。

会社からは、2トントラックを1台与えられて、注文を取るのも配達も全部1人でやっていた。

自分の担当はアジアで、「日本料理店」「中国料理店」「インド料理店」「ベトナム料理店」等を担当していた。

当時は日本がバブルの頃でもあり、また、「高級中国料理店」や「インド料理店」が「大きなサイズの海老」など、高い商材をたくさん買ってくれていた。

特に、マグロは当時でも高かったので、売上も利益もいつもダントツだった。

自分の担当はアジアだったが、他に「スペイン料理店」担当、「イタリア料理店」担当、「フラマン料理店」担当等、何人かのセールスマネージャーがいて、それぞれ小さかったが自分の部屋と2トントラックを会社から与えられていた。

夕方になると会社の大型トラックが、フランスのランジスという中央卸売市場に魚を買い付けに行き、明け方に戻ってくるので、荷物をそれぞれの販売先に仕分けして配達することになる。

だいたい、朝の10時頃には販売先の「日本料理店」や「高級中華料理店」等へ運ぶ荷物をトラックに積んで、伝票を書いて配達に行くが、高い商材ばかりを扱っていたので、早い時には午後の3時には配達を終えて会社に戻ってくることがあった。

そうすると、「スペイン料理店」担当の荷物が、まだ山積みで会社の前に残っている。

それは、4㎏のトロ箱入りの「イワシ」や「冷凍のボイル甘えび」など、安い魚ばかりで、そういう安い魚の注文ばかりが多くて1回で荷物を配達することができずに何度かに分けて運んでいるのだ。

時には2トントラック1台分の「イワシ」や「冷凍のボイル甘えび」よりも、マグロ1本の売上の方が高い時もあり、夜遅くまで配達をしているのを見ると気の毒な気持ちになってしまう。

そこで、こちらの配達が早く終わって会社に戻った時には、配達を手伝ってあげることがしばしばあった。

会社の同僚は、モロッコ人やスペイン人やオランダ人など国籍は様々だったが、皆とてもいい奴で配達を手伝うのは仲間として当然のことだった。

手伝いの配達も最後になってくると、日本人が配達に来るのが珍しいのか、魚の配達先の「スペイン料理店」でオーナーから『一杯飲んでけ』と誘われることになる。

こちらも酒は嫌いではないので、ご相伴にあずかるのだが、そんな時にビールのおつまみに出してくれたのが「ボイル甘えび」だった。

「冷凍のボイル甘えび」の箱は毎日、会社で見ていたが実際に食べたことはなかったが、一つ、つまんで食べてみると、これが「やめられない、止まらない」のだ。

最近は日本でも「ボイル甘えび」が売られているようなので、まだ食べたことがない人には絶対におすすめしたい。

「ボイル甘えび」は上海でも大きなスーパーに行けばどこでも買えるが、「カルフール」に行くと「真空パック」入りがあるのでそれを買って、自宅の冷凍庫にはいつも2袋程入っている。

下がカルフールで購入した「冷凍甘えび」の写真。


食べ方はとても簡単で、皿の上に乗せてラップをして、電子レンジで1分程チンするだけだ。

塩味もついているので、そのまま食べられる。(加熱し過ぎると堅くなるので注意しよう)

さて、この「ボイル甘えび」だが、焼いて食べても美味しいが、今回、オリーブオイルで「揚げ焼き」した料理をもう一品紹介しよう。

◆「甘えびのオリーブオイル揚げ」の作り方。

1)用意するもの。
「ボイル甘えび」「オリーブオイル」「塩」

2)作り方。
①フライパンを中火に掛けて、オリーブオイルを多めに入れる。


②両面をこんがり揚げる。


③塩を振る。


④皿に盛ってレモンを添えて出来上がり。


頭から尻尾まで甘えびの美味しさを食べ尽そう。

さて、「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」だが、中華料理を未だに紹介していないようなので、次回は中華料理にしてみよう。








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