先日、いつものようにスーパーに食材の買い出しに行ったら、「白魚」を見掛けたので買ってきた。
たぶん冷凍の白魚を解凍して販売しているのだと思うが、薬品処理はしていないようだ。
以前、この白魚を「軍艦寿司」用のネタに加工して欲しいと、日本の大手回転寿司チェーンからの依頼があり、中国の「江蘇省」等を見て廻ったが、白魚の販売業者の多くが既に日本向けに白魚をたくさん輸出していて、こちらが欲しい「3㎝~4㎝」サイズだけでは売らないと言われたことがある。
白魚は大きなサイズでは、10㎝を超える物があり、このサイズではとても軍艦寿司には使えないだろ。
幾つかのサイズのサンプルを少量ずつもらって家に帰り試食をしてみたのだが、大量の「ソルビット」(添加物)が使われていた。(かなり甘い味がするので食べてみれば直ぐに分かる)
「ソルビット」(ソルビトールとも言う)の使用目的としては、「水分を保持」するので、冷凍しても重量が変わらず、また、解凍後も「食感を保持」し、そして「甘い味を付ける」為だと思われる。
ただし、中国では白魚の殺菌の為に「ホルマリン」を使用している業者もあるようで、たびたび、日本の通関検査で中国からの白魚に「ホルムアルデヒド」が検出されている。
「ホルマリン」は消毒薬にも使われているが、ホルムアルデヒドが35%~38%含まれた水溶液がホルマリンで、食品への使用は禁止されているが、手軽に入手できるのでこれを使う業者が後を絶たないようだ。
尚、白魚と言えば、今年の5月頃に中国の江蘇省で、偽物の「白魚」が見つかっている。
この偽物の「白魚」は泰州市の魚市場で、白魚を購入した消費者が変だと思い、市の衛生部門に持ち込み、品質検査をしたところ魚でないことが分かったようだ。
どのような原料でこの偽物の白魚が作られたかは、今も調査中のようだが、シリコンとか何かプラスチックの材料等が含まれているようだ。
今回、スーパーで買ってきた「白魚」にも何か添加物が含まれているのではないかと思い、家に帰り臭いを嗅いでから少量を生のまま口に含んでみたが、ただ、冷凍を解凍しただけで添加物は何も使われていないようだ。
さて、この白魚をどのように調理しようかと考えて、白魚を出汁でサッと煮て絹さやと卵を加えて「卵とじ」にしようかとも思ったのだが、「白魚のオリーブオイル煮」にすることにした。
この料理はスペイン料理の「ウナギの稚魚のオリーブオイル煮」のウナギの代わりに白魚を使ったものだが、「生しらす」などで作るともっと本場の味に近くなるだろう。
実はこの「ウナギの稚魚のオリーブオイル煮」には忘れられない思い出がある。
20年以上も前のことだが、ヨーロッパに10年程住んでいた頃、夏は地中海沿岸の海に太陽を浴びに行き、年末から正月の休みは、イタリヤやスペインやポルトガル等に行き美味しいレストラン巡りをしていた。
特に楽しかったのはイタリアで、「ダ、メオパタカ」等の高級レストランに12月31日に予約を入れておくと、食事が終わって24時前に新年へのカウントダウンが始まり、新年になるとお客さんどうしが皆、誰かまわずキスをして朝まで踊ったり歌ったりと本当に楽しかったものだ。
ある年にはスペインで新年を迎えることになり、朝までのダンスは無いが、スペイン広場の近くの「バハマール」(干潮)というマドリッドでも魚介料理で有名なレストランを予約した。
その店には「ベルギー田川」の先輩と一緒に行ったが、高級店なのでちゃんとスーツにネクタイはお決まりだ。
そして、「バハマール」でお目当ての「ウナギの稚魚のオリーブオイル煮」という料理を生まれて初めて食べたが、オリーブオイルで熱々に煮たウナギの稚魚を木製のフォークで食べるという食べ方も面白く、何よりとても美味しかった。
この「バハマール」では奮発していろいろな料理を頼んだのだが、「ソーパ デ マリスコス」(魚介のスープ)が運ばれてきて、口にして『オヤッ?』と思った
とても「塩辛い」のだ。ちょっと塩辛いどころでなく、かなり塩辛い。
そして、次に運ばれてきたのが「サルスエラ」(魚介の煮込み)だったが、この料理は「塩辛い」を超えて、まるで塩を食べているようだった。
料理店に行って味のことで文句を言ったのは、この時1回きりだが、マネージャーを呼んでスペイン語で「塩辛過ぎる」と言ったところ、マネージャーはそのサルスエラの皿を持って厨房に行き、5分位経ってから皿を持ったまま戻ってきてこう言った。
『この料理は塩辛いのではなく、強いのです』
こちらもあきれてしまって、後は何も言わずに支払いを済ませてホテルに戻ったが、あの料理を「強い」と言い切った料理人(シェフ)のプライドには勉強させられることが多い。
我々料理人は毎日料理を作っているが、上海に来たら少し甘めの味とか、お客様の好みに味を合わせてしまうこともある。
お客が塩辛いと言おうが何と言おうが「これが俺の味だ!」と言い切れるプライドに屈服させられた思いだ。
さて、また話が長くなってしまったので、ウナギの稚魚の代わりに白魚を使ってオリーブオイル煮を作ってみよう。
◆「白魚のオリーブオイル煮」の作り方。
1)用意する物。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/83/c150cdbb80d0266b99f6ce07088df24f.jpg)
写真手前の左から「白魚」「ニンニク」「鷹の爪」。写真奥の左から「塩」「オリーブオイル」「黒コショー」。
2)作り方。
①ニンニクをスライスする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/26/04576239019df74fd4015e70891f8cfe.jpg)
②フライパンを弱火に掛け「オリーブオイル」を入れる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/e2/dee48b5e6d05a8a944214ff9e1270f69.jpg)
③鷹の爪を加えて香りを出す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/cf/222cec737e1d90c8100226c732d559e8.jpg)
④ニンニクを加える(焦がさないように注意しよう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/a7/2f1b2487bf129df8c1724010ae818de0.jpg)
⑤白魚を加える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/4e/f016a6e71102b63a7155af267cf0ac76.jpg)
⑥塩を振る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/6d/0a065aa175afa8e8777d4ab40ac323a2.jpg)
⑤コショーを振る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/64/e518fc8163fa76ff0413f06e096daa06.jpg)
⑥2~3分煮込む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/86/e71837df2950c309bcf21c86bcaecc5c.jpg)
⑦皿に盛ってパンを添える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/c0/91817db62837d1a7be1f358324b350ab.jpg)
さて、今回も「エクストラバージンオイル」をたくさん使って、ニンニクもたくさん加えているが、ニンニクオイルをパンに付けていっぱい食べたいからだ。
メタボになると知りながら、ニンニクオイルを付けるとパンが美味しく、ついつい食べ過ぎてしまう。
さて、次回は「ボイル甘エビ」を使った「超簡単おつまみ」の話をしよう。
たぶん冷凍の白魚を解凍して販売しているのだと思うが、薬品処理はしていないようだ。
以前、この白魚を「軍艦寿司」用のネタに加工して欲しいと、日本の大手回転寿司チェーンからの依頼があり、中国の「江蘇省」等を見て廻ったが、白魚の販売業者の多くが既に日本向けに白魚をたくさん輸出していて、こちらが欲しい「3㎝~4㎝」サイズだけでは売らないと言われたことがある。
白魚は大きなサイズでは、10㎝を超える物があり、このサイズではとても軍艦寿司には使えないだろ。
幾つかのサイズのサンプルを少量ずつもらって家に帰り試食をしてみたのだが、大量の「ソルビット」(添加物)が使われていた。(かなり甘い味がするので食べてみれば直ぐに分かる)
「ソルビット」(ソルビトールとも言う)の使用目的としては、「水分を保持」するので、冷凍しても重量が変わらず、また、解凍後も「食感を保持」し、そして「甘い味を付ける」為だと思われる。
ただし、中国では白魚の殺菌の為に「ホルマリン」を使用している業者もあるようで、たびたび、日本の通関検査で中国からの白魚に「ホルムアルデヒド」が検出されている。
「ホルマリン」は消毒薬にも使われているが、ホルムアルデヒドが35%~38%含まれた水溶液がホルマリンで、食品への使用は禁止されているが、手軽に入手できるのでこれを使う業者が後を絶たないようだ。
尚、白魚と言えば、今年の5月頃に中国の江蘇省で、偽物の「白魚」が見つかっている。
この偽物の「白魚」は泰州市の魚市場で、白魚を購入した消費者が変だと思い、市の衛生部門に持ち込み、品質検査をしたところ魚でないことが分かったようだ。
どのような原料でこの偽物の白魚が作られたかは、今も調査中のようだが、シリコンとか何かプラスチックの材料等が含まれているようだ。
今回、スーパーで買ってきた「白魚」にも何か添加物が含まれているのではないかと思い、家に帰り臭いを嗅いでから少量を生のまま口に含んでみたが、ただ、冷凍を解凍しただけで添加物は何も使われていないようだ。
さて、この白魚をどのように調理しようかと考えて、白魚を出汁でサッと煮て絹さやと卵を加えて「卵とじ」にしようかとも思ったのだが、「白魚のオリーブオイル煮」にすることにした。
この料理はスペイン料理の「ウナギの稚魚のオリーブオイル煮」のウナギの代わりに白魚を使ったものだが、「生しらす」などで作るともっと本場の味に近くなるだろう。
実はこの「ウナギの稚魚のオリーブオイル煮」には忘れられない思い出がある。
20年以上も前のことだが、ヨーロッパに10年程住んでいた頃、夏は地中海沿岸の海に太陽を浴びに行き、年末から正月の休みは、イタリヤやスペインやポルトガル等に行き美味しいレストラン巡りをしていた。
特に楽しかったのはイタリアで、「ダ、メオパタカ」等の高級レストランに12月31日に予約を入れておくと、食事が終わって24時前に新年へのカウントダウンが始まり、新年になるとお客さんどうしが皆、誰かまわずキスをして朝まで踊ったり歌ったりと本当に楽しかったものだ。
ある年にはスペインで新年を迎えることになり、朝までのダンスは無いが、スペイン広場の近くの「バハマール」(干潮)というマドリッドでも魚介料理で有名なレストランを予約した。
その店には「ベルギー田川」の先輩と一緒に行ったが、高級店なのでちゃんとスーツにネクタイはお決まりだ。
そして、「バハマール」でお目当ての「ウナギの稚魚のオリーブオイル煮」という料理を生まれて初めて食べたが、オリーブオイルで熱々に煮たウナギの稚魚を木製のフォークで食べるという食べ方も面白く、何よりとても美味しかった。
この「バハマール」では奮発していろいろな料理を頼んだのだが、「ソーパ デ マリスコス」(魚介のスープ)が運ばれてきて、口にして『オヤッ?』と思った
とても「塩辛い」のだ。ちょっと塩辛いどころでなく、かなり塩辛い。
そして、次に運ばれてきたのが「サルスエラ」(魚介の煮込み)だったが、この料理は「塩辛い」を超えて、まるで塩を食べているようだった。
料理店に行って味のことで文句を言ったのは、この時1回きりだが、マネージャーを呼んでスペイン語で「塩辛過ぎる」と言ったところ、マネージャーはそのサルスエラの皿を持って厨房に行き、5分位経ってから皿を持ったまま戻ってきてこう言った。
『この料理は塩辛いのではなく、強いのです』
こちらもあきれてしまって、後は何も言わずに支払いを済ませてホテルに戻ったが、あの料理を「強い」と言い切った料理人(シェフ)のプライドには勉強させられることが多い。
我々料理人は毎日料理を作っているが、上海に来たら少し甘めの味とか、お客様の好みに味を合わせてしまうこともある。
お客が塩辛いと言おうが何と言おうが「これが俺の味だ!」と言い切れるプライドに屈服させられた思いだ。
さて、また話が長くなってしまったので、ウナギの稚魚の代わりに白魚を使ってオリーブオイル煮を作ってみよう。
◆「白魚のオリーブオイル煮」の作り方。
1)用意する物。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/83/c150cdbb80d0266b99f6ce07088df24f.jpg)
写真手前の左から「白魚」「ニンニク」「鷹の爪」。写真奥の左から「塩」「オリーブオイル」「黒コショー」。
2)作り方。
①ニンニクをスライスする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/26/04576239019df74fd4015e70891f8cfe.jpg)
②フライパンを弱火に掛け「オリーブオイル」を入れる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/e2/dee48b5e6d05a8a944214ff9e1270f69.jpg)
③鷹の爪を加えて香りを出す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/cf/222cec737e1d90c8100226c732d559e8.jpg)
④ニンニクを加える(焦がさないように注意しよう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/a7/2f1b2487bf129df8c1724010ae818de0.jpg)
⑤白魚を加える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/4e/f016a6e71102b63a7155af267cf0ac76.jpg)
⑥塩を振る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/6d/0a065aa175afa8e8777d4ab40ac323a2.jpg)
⑤コショーを振る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/64/e518fc8163fa76ff0413f06e096daa06.jpg)
⑥2~3分煮込む。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/86/e71837df2950c309bcf21c86bcaecc5c.jpg)
⑦皿に盛ってパンを添える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/c0/91817db62837d1a7be1f358324b350ab.jpg)
さて、今回も「エクストラバージンオイル」をたくさん使って、ニンニクもたくさん加えているが、ニンニクオイルをパンに付けていっぱい食べたいからだ。
メタボになると知りながら、ニンニクオイルを付けるとパンが美味しく、ついつい食べ過ぎてしまう。
さて、次回は「ボイル甘エビ」を使った「超簡単おつまみ」の話をしよう。
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