マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

和風ステーキ

2011年07月06日 | 一品料理
夏になると、どうしても生魚を使用した刺身や寿司があまり売れなくなる。

さっぱりとした刺身や寿司がなぜ売れないのか不思議だが、あまりに暑い日は「ざるそば」や「そーめん」の方を体が欲しがるのかも知れない。

だが、どういうわけか、日替わりランチの中で「ステーキ」だけは年間を通して人気のある商品だ。

今日は「美味しいステーキの焼き方」と「和風ステーキのタレのレシピ」を紹介しよう。

鉄板 和風ステーキ

<和風ステーキのタレ>配合

酒        500CC
みりん      500CC
醤油       1000CC
砂糖       800g
老抽       200CC 老抽は中国のたまり醤油(なければ普通のたまり醤油を使用)
たまねぎ     2個
おろしにんにく  150g

<美味しいステーキの焼き方>

①肉は常温まで戻してから焼く
②焼く前に肉の筋や繊維を切っておく
③塩は焼く直前に振る
④両面をすばやく強火で焼いて焦げ色を付け、旨みを閉じ込める
⑤日本酒(またはブランデー等でフランべして肉の臭みを消し、また、肉を軟らかくする。)
⑥肉を何度もひっくり返さない

①肉を冷蔵庫から取り出して直ぐに焼くと、肉の中心が冷たいので、焼き始めても中に火が通りにくく、焼き過ぎてしまったり中が生焼けになるので、肉は中心が常温になるまで戻しておく。
②肉の筋や繊維をあらかじめ切っておくと、肉が縮んだり反り返ったりしない。
③塩を振るということは肉を塩で〆ることと同じこと。
塩を振るのは肉を焼く直前か、焼いてる途中にする。
④フライパンを強火で熱してラードを入れて、フライパンから煙が出る位になってから肉を入れ、弱火にする。
 約1分間焼いてから、肉をひっくり返し強火にし焦げ色が付いたら弱火にする。
⑤片面を焼き、肉をひっくり返したら、日本酒又はブランデー等を振りフランべする。
 アルコールを入れることで、肉の臭みを消し、また、肉を柔らかくする効果がある。
⑥肉は片面づつ焼き、何度もひっくり返さない。

「魚は大名に焼かせろ、餅は乞食に焼かせろ」という昔からのことわざがあり、これは貧乏人と大名(お金持ち)を例えに、魚を焼く時のコツを教えたものだ。

貧乏人は、いつもお腹をすかせいるので、早く食べたくて、まだかまだかと、焼き加減を点検する為に、何度も餅をひっくり返すが、大名は焦らずにじっくりと構えている。

実はこの焼き方が、魚を焼く時のコツで、餅は焦げやすく何度もひっくり返しながら焼く方が良く、また、魚はまず片身を七分どおり焼き上げてから、ひっくり返して反対側を焼いた方がよい。

肉も魚と同じで何度もひっくり返すと、せっかくの肉汁がどんどん抜け出して肉も堅くなってしまう。

また、料理店ではジュー~というシズル感を出す為に、熱した鉄板にステーキを乗せてお客様に提供しているが、どうしても焼き過ぎになりやすい。そこで、お客様のところに届くまでの時間を計算して、焼き過ぎに注意しなければならない。
家庭で食べる時には、皿を温めておくと肉が冷たくならず、美味しく食べられるだろう。


尚、肉の旨みというのは、肉の脂の味と言ってもよい程で、安いオーストの牛肉でも和牛の脂で焼くと格段と旨くなる。

そのステーキにわさびを付けて食べるのが一番美味しい「和風ステーキ」ではないだろうか。




 




最新の画像もっと見る

コメントを投稿