マグロチャンピオンの料理道場

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ワインに合う和食(10)牛肉のピリ辛ステーキ、彩り野菜のソテー添え

2014年01月22日 | シラチャー ジャスミンホテル
中国人は豚肉、韓国人は犬肉、日本人は牛肉。

ちょっとおかしな書き出しになったが、これは各それぞれの国民の好きな肉のことなので変に誤解をしないで欲しい。

以前、中国で5年程生活していたが、中国では一般的に肉と言えば豚肉のことを指す。

たとえば、日本人の好きな「牛肉とピーマン炒め」(チンジャオロースー)だが、中国に行って「チンジャオロースー」を注文すると「豚肉とピーマンの炒め」が運ばれてくる。

なぜなら中国では肉(ロー)と言えば豚肉のことを指す場合が多く、もし、「牛肉とピーマン炒め」が食べたければ「チンジャオ・ニューロースー」と言わなければ通じない。

今では中国の上海や北京などの大都市では中国料理店でも牛肉料理を出す店が多くなったが、まだまだ一般家庭では圧倒的に牛肉よりも豚肉を好んで食べている。

次に韓国だが韓国の犬食文化は起源が分からないほど大昔からあり、さすがに今では料理名を変えて出しているところが多いが、日本人が夏の暑い時に「うなぎ」を食べるように、犬肉は精がつくと今でも犬を食べることは韓国人にとってはご馳走のようで、年間200万匹以上の犬が食用とされている。

誤解の無い様に補足するが、食文化というものは各国それぞれ違うので、他国の食文化を批判することは誰にもできないと思う。

日本や欧米諸国では犬を家族のように思っている人が多いので「犬食」はかわいそうと思う人が多いと思うが、フランスではガチョウや鴨に機械で強制的に餌を食べさせて「脂肪肝」にさせた「フォアグラ」を好んで食べているし、多くのヨーロッパの国で「馬肉」や「ウサギの肉」はどこのスーパーマッケットでも販売されている。

日本では「イルカ」を食べる地域もあり「魚の活き造り」や「おどり食い」も海外から批判を受けている。

また「鯨」だが、今のように石油を燃料として使ってなかった時代には欧米では鯨を乱獲し「鯨の油」だけを取って「鯨肉」は海に捨てていた。(これが鯨の個体数が少なくなった大きな原因とされている。)

鯨を一頭捨てるところなく無駄なく有効に使う日本に、急に「捕鯨禁止」を押し付けるのはご都合主義以外の何ものでも無いと思う。

韓国以外に中国の大連など東北地方でも犬食をするが、日本で「犬」という漢字が中国では「狗」(ゴゥ)という漢字で、天狗の「狗」の字なのでメニューを見れば直ぐにわかる。(自分も大連に1年半程住んでいたことがあるが、さすがに一度も犬肉は食べなかった。)

韓国料理店で「犬肉の鍋」を勧められたことも何度かあったが実際にとても美味しそうで、寒い日には確かに体が温まるのではないかと思う。

ただし、犬はもしかしたら食べたかも知れないが韓国の「ホンオ・フェ」というガンギエイの切り身を発酵させた物はものすごい匂いがするらしい。

世界で一番臭いとされているスエーデンの「シュール・ストレンミング」というニシンを塩漬けにして缶の中で発酵させた食品(缶詰)以上の臭さとの話もありそんな物を本当に韓国では食べているのだろうか。

しかし、日本にも「くさや」が好きな人がいるので、案外いけるのかも知れない。

また、テレビ番組などで韓国の「トンスル」が取り上げられることがあるが、今でもこんな物があるのか疑問だ。(とても説明する気にならないので、気になる人はインターネットででも検索するといいだろう。)

そして、日本人が好きな肉はなんと言っても「牛肉」ではないかと思う。

日本でも戦前までは肉と言ったら「豚肉」を指し、今でも地方に行くと「すき焼き」と言えば「牛肉」ではなく「豚肉」を使うところもあるようだが、たいていの日本人に好きな肉はと尋ねれば「牛肉」と答える人が多いと思う。

また、日本人の好きな料理のランキングの上位にも「ステーキ」や「牛丼」など牛肉を使った料理が多い。

さて、今回は牛肉のステーキにたくさんの野菜のソテーを添えた料理を紹介するが、この料理にはなるべく多くの種類の野菜をたっぷり使い「牛肉と温かい野菜のサラダ」のようにして食べてもらいたい。

現代社会ではどうしても野菜が不足がちになるが、「肉料理を食べる場合には肉の2倍量の野菜を食べよ」とも言われているので、健康管理の為にもとくに繊維質の多い根菜を中心にたくさんの野菜を使っていただきたい。

豆板醤とワサビが味にアクセントをつけているので、1人前では少し多いかと感じても、女性でもこの一皿をぺロット食べることができると思う。

ダイエットで肉を敬遠している人にもおすすめの一品だ。

◆「牛肉のピリ辛ステーキ、彩り野菜のソテー添え」の作り方

(調味液を作る)
①ボウルに三杯酢を大さじ2入れる。


②醤油を大さじ1加える。


③みりんを大さじ1加える。


④酒を大さじ1加える。


⑤砂糖を小さじ1加える。


⑥豆板醤を小さじ1加える。


⑦ゴマ油を小さじ1加える。


⑧よくかき混ぜる。


⑨牛肉を⑧の中に20分程浸しておく。


(野菜の下処理)
①野菜を用意する。(季節の野菜をお好みで)


②キューリ、長ネギ、ニンジンは千切りにする。その他の野菜は食べやすく切る。


③揚げた千切りポテトを皿に盛り、千切りにした野菜を散らす。


(本調理)
①フライパンを中火に掛けてサラダ油を敷き、⑨の調味液に浸しておいた牛肉を焼く。


②両面をこんがりミディアムレアーに焼く。


③フライパンから牛肉を取り出す。


④フライパンは洗わずそのまま中火に掛け、野菜を加える。


⑤さっと炒める。


⑥肉を浸しておいた調味液を加えてさらに炒める。


⑦炒めた野菜を中心に盛る。


⑧牛肉を食べやすい大きさに切り、ワサビを少量ずつ牛肉に塗って炒めた野菜の上に盛る。


⑨完成写真。


この料理に合うワインだがやはりボルドーの赤でブドウの品種は「カベルネ・ソーヴィ二オン」がおすすめだ。力強い味のソースにはボディーが重いワインを合わせよう。

さて、次回の「ワインに合う和食」だが「スズキ」を使った魚料理を作ってみよう。

中華の技法も使って今までにどこにもなかった料理にしたいと思う。




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