補聴器のハットリBlog

耳ときどきお酒

補聴器のメンテナンス 手グス付け

2017-02-27 13:50:28 | 補聴器


お客さま使用中の補聴器が引っ張り出すツマミ(手グス)が切れたので

再取り付けを行いました。


写真右の補聴器の下に付いているアンテナのようなものが取り出し手グス
写真左の補聴器は根元から切れています。

テグスとは、釣り糸のことです。

ナイロンやフロロカーボン、PEラインがありますが

加工のし易さや、耐久性を考えるとナイロンが一般的です。

2年くらいで劣化して切れることがあります。

「テグス」が正しいのですが、

なぜが補聴器屋さんでは「手グス」と書く人がいます。
(自分の周りだけかもしれません)



今回のワイデックス製補聴器は、

部品の組み込みがカートリッジ式になっているので

ロックを解除して取り出します。



古いテグスを取り接着材を除去します。



新しいテグスを通して、玉結びをし抜けないようにします。

接着材を使い固定する方法が一般ですが、

次に切れた時の作業のし易さを考慮し、玉結びした部分をUVレジンで固定します。



テグスを固定し、部品を元通り組み上げたところ。



テグスの先端を適当な長さにし、摘まむ玉が抜けないように引っかかりを作ります。



UV(紫外線照射機)を使いUVレジンにて摘まむ玉を作ります。



右がメーカーで付けたテグス。左が今回付けたテグス。

摘まむ玉が小さいですが、十分摘まめます。目立ちにくくもなります。

今回は、持込の補聴器でしたので、2,000円いただきました。

作業時間は、15分ほど。

この作業は、販売店によって出来る出来ないがあり

中には、表から接着するだけのところもあります。

メーカーに出すと預かりから納品まで1週間を要し、

料金も3,000円から8,000円掛かります。

地味な部品ですが、無いと不便で。

少し自慢の作業でもあります。

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柄革の調整

2017-02-25 15:32:07 | スポーツ


「弘法筆を選ばず」という言葉の意味は

自分の出来ないことを、物や人のせいにはしてはいけない。

というよな事を諭すときに使うと解釈しています。

漫画家は鉛筆で真円を描けるが、私には描けない。

つまり道具というハードではなく

技術やセンスというソフトが長けているという意味でしょう。

誰でもある程度は道具に拘ります。

まさか、プロの機械整備士が

「私には技術があるので、仕事で使う工具はすべて100均です」
(100均に失礼ですが)

となる訳はありません。

私も、物や人のせいにはしないために、ある程度道具には拘ります。

そんなんで、

今日は剣道に使う竹刀の柄革(手で握るところ)を調整しました。



写真に写っている上の柄革が32㎝。革が厚いので今のところ出番無し。
下が、今回調整する柄革。33㎝。革が薄いので伸びやすくもあります。

今使っている竹刀の太さに合わせた柄革を用意したところ

好みの長さより1CM長くしっくりこないので詰めることにしました。
(竹刀のバランスにもよるのですが、全国レヴェルの人は㎜単位で拘るそうです)



先ずは、柄革の表裏を返します。



今回のは新品で薄い革なので返しやすいですが、

上の写真のように棒などを駆使してひっくり返します。

ペンチで引っ張ったりもするのですが

何しろ新品なので傷つけたくなく止めました。





全部ひっくり返って柄頭(端っこ)の始末が見えました。



糸を切って始末を解いたところ。糸を通す穴は全部で12個でした。



33㎝だった長さが34.5㎝に。

始末する部分が1.5㎝ということになります。



1㎝カットのつもりでしたが、元の糸を通す穴の切れ込みを含め12㎜切ることになりました。

始末に必要な15㎜を点線で、糸を通す穴に位置もマーキングしました。



端っこ12㎜をカットしたところ。手前角を若干残しているのは

柄革を縦に縫い合わせている糸の玉止めを残したかったから。



糸を通す12個の穴をカッターで開け、そこにタコ糸を通していきます。



こんな感じで



1週通します。



硬く縛るのはもちろん。しぼまった革が花形になるよう均一に形を整えます。

その方が、仕上がりがきれいになります(多分)。



裏表を元に戻すと

やっぱり、きれいな菊門放射状の皺。





32㎝を予定してましたが、12㎜カットしたため31.8㎝に。

竹刀に嵌めただけでも仕上がりは前後しますし、使っていくうちに伸びても来るのでこんなもんでしょ!

これで、試合に負けても柄革のせいにだけはしないで済みます。

あと2個、同じ長さの柄革があるのですが

正直詰めるの面倒くさいです。

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風の強い一日でした

2017-02-24 17:40:31 | 日記
今日は、

朝から冷たい風が一日中吹いておりました。

定期点検のお客さまが数人来店されたのみで

静かな日でした。

ネタがありません。

そういえば

ここ数年でMA-1なるフライトジャケッツが流行っています。

流行に敏感な私も

アルファ社のMA-1を愛用しております。


アイフォンを息子に取られたので、コンデジで撮影
お腹を一生懸命引っ込めてます。

但し、二回り前に流行った時に購入したMA-1です。

高校3年の時に購入。25年は経過しています。

これを着るのが恥ずかしい時代もありましたが

今は、堂々と町中を歩けます。

ただ

サイズがちと縮んだかな!?

それとも

高校生の時より15kgも太ったせいかな?

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ワイデックス ビヨンド デモ器入荷

2017-02-23 18:06:55 | 補聴器


今月発売の新製品

ワイデックス ビヨンドB2-F2とB3-F2のデモ器が届きました。

B2-F2が、両耳で430,000円
B3-F2が、両耳で620,000円となります。

ちなみに

最上位器種のB4-F2が両耳で960,000円
最下位機種のB1-F2が両耳で310,000円です。
(最下位という表現は不適切ですが)

ビヨンドは、昨年登場したユニークシリーズの音質を継承しつつ

ついに、アイフォンと直接つながるようになりました。

早速、B3-F2を使ってみました。



以前にも触れましたが、私の聴力。

数年前に突発性難聴を患い、左耳の聴力が軽度ながら低下したままです。

騒音下での聞き取りが困難です。



パッケージをか開けて、確認。



上の写真の左二つがビヨンド。右二つがユニークです。

内部までの撥水処理の強化とボタンの形状変更。

ボタンはフェザータッチ化され、押しやすくなってました。



見難いですが、本体中央付近の青いマーク。

左右識別マークも大きくなってます。

ここで一言。

私は、この左右識別マークを必ず付けるようにしてます。

メンテナンスした時の左右を間違えないための安全策と

お客様に少しでも左右が分かりやすくなること。

あと、少しでも隙間を塞いで汗や水から補聴器を守るため。

以前の職場でも付けないスタッフ多かったです。

メーカー出荷時に仮の蓋がされいる機種もありますが

されていない物もあり、ちょっとした気遣いだと思います。

ちなみに私は、両耳の場合シリアルの若い方が左と決めています。



ビヨンドは残念ながら出荷の段階では、蓋がされていないようです。

蓋がないのであれば、デモ器とは言え識別マークを同封してくれもいいと思うのですが。



組み立ててい行きます。



純正の耳栓を使うべきですが

スターキーの耳栓がお気に入りなので使います。

本来は、耳栓部分も誂える方が装着と音が安定します。

私は、各メーカーごとに誂えるお金がないので既成耳栓です。



またここで一工夫。

必要の有無は別として、本体とワイヤーの接続部に汗が入るのを防ぐため

シリコーングリスを塗ります。

実際、お客様の補聴器でこの接合部が濡れていたのを見てから始めました。



組みあがりました。



早速、ワイヤレスにて調整します。



補聴器の仕様を設定。

基本、自分で使うときの音量はメーカー推奨値です。

ここで一つだけ調整



ワイデックスは、細かい音に対する騒音抑制も働くのですが

耳鳴りに悩む私としては、これがかえって仇になります。

なので耳鳴りの気になる左だけソフトレベルの騒音抑制をOFFにします。

調整が終わったので



アイフォンの設定です。

アプリケーションのDL。ブルートゥース接続を行い



アプリケーション起動です。

この手の機能は、携帯から出力される音なら殆ど補聴器で直接聞けます。



ワイデックスは、3バンドながらイコライザー機能があります。



更に、ストリーミング中の音と外部の音との混合比の設定もあります。

個人的な感想ですが、各メーカー比較して

音楽鑑賞についてはオーティコンが一番良いような気がします。

ただこれは、好みもあるでしょうから・・・。

まだまだ、スマホとの連携はユーザーには浸透しないでしょうが

機能としては、必然の進化なのでしょう。

20年前には、想像もつきませんでした。

補聴器としての基本的な面で

撥水の強化とボディーの細かな改善をしたことの方が

私としては賞賛いたします。

素晴らしいですね!

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補聴器3メーカー比較と調整の考察

2017-02-22 17:33:34 | 補聴器
まとまりのない内容になるかもしれませんが

タイトル通り

3メーカーの補聴器効果測定上の比較をしてみました。

結論から書くと

各メーカー共数字上はおおむね良い結果が出たので

名前を隠す必要は無え宣伝も兼ねて公表します。

・フォナックナイーダQ30SP 持込の補聴器 オーダーメイドイヤモールドベントなし
・オーティコンオープン3  デモ器  既製クローズ耳栓ベントあり
・ワイデックスユニークU2-FS デモ器 既製クローズ耳栓ベントあり

尚、時間的なお客様負担を考え、かなり略した測定となります。

事の発端は、お客様使用中のナイーダQ30が調子よくないとの主訴。

具体的には

調整後、聞き取りが悪くなった(購入も調整も病院)
イヤモールドが抜けてきてハウリング(ピーピー音)がする。
耳に欠ける部分が喰いこんで痛い。
昨年までは、オープンフィッティグで使用されていましたが
一時的な聴力変動でパワータイプのレシーバとイヤモールド(ベント無)に
変更したそうです。現在の聴力は比較的良いとのこと。

病院がらみなので、こちらでは手が出せませんが、

状況確認をすることになりました。

まず、聴力



聴力を見る限り、オープンフィッティングが最優先のようです。


(写真撮り忘れで使い回しです)

語音明瞭度を見ると、標準の音圧より大きめが最高明瞭度のようです。



ナイーダ左の特性図です。

一時的な聴力悪化時の設定のままで通常では考えられない音量です。

ただ、本人はうるさいとは感じないとの評価でした。



ナイーダの装用閾値です。

補聴器の音量(利得)の割りには、高音域の閾値が上がっていません。

これは、他の2器種も同じ傾向で、補聴器の性能というよりは聴覚の謎の部分です。



装用耳の弁別は、この後の測定のことも考え両耳で。

でも、良い結果にはなっています。


オーティコンオープン3装用閾値


オーティコンオープン3弁別測定40dBHLのみ


ワイデックスU2-FS装用閾値


ワイデックスU-2FS弁別測定40dBHLのみ

オープン3、U2-FS共に高音域の閾値が上がらないので

メーカー推奨値より5dBほど利得を上げています。

かなり端折った測定ですが、測定上の差は出ませんでした。

ナイーダ音量過多が外などでの聞き取りを悪化させていると考えられます。

オープンフィッティングから現在の音量への調整であればなおさらです。

ハウリングと痛みについて、私の見立てでは

本体とイヤモールド間のワイヤーが短いのが原因。

短いため常に引っ張らられた状態のため耳介の痛みと

イヤモールドが引っ張られて抜けてきてハウリングするものと思われます。

後日

気になっていた設定で再度効果測定を実施


ワイデックスU2-FS装用閾値


ワイデックスU2-FS弁別測定

両耳での評価になりますが、オープンフィッティングで

メーカー推奨値のままです。

上記のクローズフィッティングでの3つの結果と殆ど変わりません。

私がお客さまに説明する言い回し通りです。

焼き鳥に例えて
・補聴器本体は素材
・各メーカーの音量の決定(メーカー推奨値)は秘伝のタレ

ホントに良く出来てます。

測定にお付き合いいただいたお客様は、自覚評価として

オープンフィッティングでは音量不足に感じるとのこと。

数字だけでの判断ではなく、お客さまの好みの音もあるかと思いますが

現在のナイーダの調整は、私には到底認められません。

・音量を上げれば、騒音も上がる。
・騒音が上がれば、聞きにくくなる。

誰にでもわかることです。

やっぱり

何を言いたかったのか分からない文書になってしまいました。

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木刀手入れ

2017-02-21 18:02:26 | 日記
昨日記事につづき、剣道ネタです。

木刀をきれいにしてみました。


手入れ前の木刀

5年分の血と汗と涙と胴着の藍が染みついてます。



手垢も・・・。

100番の紙やすりで粗削り

240番の紙やすりで仕上げ



かなりきれいになりました。



以前、他の木刀も削りましたが

240番で仕上げると、新品以上に表面つるつるになります。

耳管時間の都合上、小太刀は次回に。

今日も

お客様の補聴器効果測定で、面白い症例があったのですが

まとめる時間が無かったので、また次の機会に。

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竹刀の手入れ

2017-02-20 17:57:29 | 日記


昨日の日曜日

ささくれた息子の竹刀を手入れし

ついでに自分の竹刀も見たところ、

ささくれどころか折れているのを発見!

やはり、乾燥した冬場は壊れやすいのですね。

ちなみに

先週の稽古で、私の左足の親指の付け根も裂けました。

昨日一日、息子にスマホを取られていたので

折れた竹刀の写真がありません。

新しい竹刀は、ばらしてヤスリ掛け。

その後、油を塗ってから組み上げてます。


ヤスリ掛けの図


ヤスリの図100均製

入念に手入れをして、安全に長持ちするよう願かけしてます。

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お客様からの情報

2017-02-18 16:36:27 | 補聴器


先日の産経新聞に掲載されていたそうです。

ご提供いただき、ありがとうございました。

記事中の30万台とか56万台というのは

メーカーからの出荷ベースです。

増えた要因として

・補聴器のデジタル化による性能の向上

・高齢者の増加

・両耳装用率の増加

が多いと思われます。

30万台だった平成2年は、100%がアナログ補聴器
(若干違うかもしれません)

56万台の平成28年は。97%がデジタル補聴器

デジタルに移行した平成12年頃までの10年間で11万台増え

41万台にまで伸びています。

それに

両耳装用率がここ10年で20%から46%に増えているので

それだけでも50万台以上にはなってしまいます。

補聴器人口が増えているかというとちょっと???

もう一つ気になるのが

ネットの普及で通販が増えたこと。

出荷台数に含まれるメーカーからもそれらしき補聴器があり

昨年の出荷台数も増えているように見えます。

私も買い物のほとんどがネットなので

通販を否定するつもりはありません。

ある程度の知識があり、あまり高い期待を持たず割り切れる人なら

使いこなせるかもしれません。

まさか、通販にオーダーメイドの補聴器と同等の期待をする人はいないと思います。

ましては、パソコンの基本操作(ネットサーチやネットショッピングの方法)ができない人が

通販の補聴器を使いこなせるとは到底思えません。

そのために、専門店はあるのです。

なので

私も含め補聴器専門店は、誠実に補聴器の販売に就き

少しでも補聴器人口を増やしていく必要があると思いました。

堅苦しい文書になってしまいました。

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補聴器の修理

2017-02-17 18:38:09 | 補聴器
今日は、メーカー修理に出した補聴器を

お客様にお渡ししました。

ご購入いただいてから、2年半が経ち初めての修理でした。

汚れ浸透によるレシーバ(スピーカー)の出力低下で

部品交換を含む分解掃除で16,000円でした。

補聴器のメーカー修理は

概ね15,000~20,000円が相場です。

過去の経験からも、2年から3年に一度は修理が必要になる場合があります。

ただ

ここ数年は、各メーカー共撥水加工やボディー(ハウジング)の設計等改良され

修理が少なくなったような気がします。

機械である以上、不可抗力の故障あるでしょうが

やはり

定期的なメンテナンスと普段乾燥を心がけることが

一番大事なことだと思います。

今日は、写真なしです。

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