「弘法筆を選ばず」という言葉の意味は
自分の出来ないことを、物や人のせいにはしてはいけない。
というよな事を諭すときに使うと解釈しています。
漫画家は鉛筆で真円を描けるが、私には描けない。
つまり道具というハードではなく
技術やセンスというソフトが長けているという意味でしょう。
誰でもある程度は道具に拘ります。
まさか、プロの機械整備士が
「私には技術があるので、仕事で使う工具はすべて100均です」
(100均に失礼ですが)
となる訳はありません。
私も、
物や人のせいにはしないために、ある程度道具には拘ります。
そんなんで、
今日は剣道に使う竹刀の柄革(手で握るところ)を調整しました。
写真に写っている上の柄革が32㎝。革が厚いので今のところ出番無し。
下が、今回調整する柄革。33㎝。革が薄いので伸びやすくもあります。
今使っている竹刀の太さに合わせた柄革を用意したところ
好みの長さより1CM長くしっくりこないので詰めることにしました。
(竹刀のバランスにもよるのですが、全国レヴェルの人は㎜単位で拘るそうです)
先ずは、柄革の表裏を返します。
今回のは新品で薄い革なので返しやすいですが、
上の写真のように棒などを駆使してひっくり返します。
ペンチで引っ張ったりもするのですが
何しろ新品なので傷つけたくなく止めました。
全部ひっくり返って柄頭(端っこ)の始末が見えました。
糸を切って始末を解いたところ。糸を通す穴は全部で12個でした。
33㎝だった長さが34.5㎝に。
始末する部分が1.5㎝ということになります。
1㎝カットのつもりでしたが、元の糸を通す穴の切れ込みを含め12㎜切ることになりました。
始末に必要な15㎜を点線で、糸を通す穴に位置もマーキングしました。
端っこ12㎜をカットしたところ。手前角を若干残しているのは
柄革を縦に縫い合わせている糸の玉止めを残したかったから。
糸を通す12個の穴をカッターで開け、そこにタコ糸を通していきます。
こんな感じで
1週通します。
硬く縛るのはもちろん。しぼまった革が花形になるよう均一に形を整えます。
その方が、仕上がりがきれいになります(多分)。
裏表を元に戻すと
やっぱり、きれいな
菊門放射状の皺。
32㎝を予定してましたが、12㎜カットしたため31.8㎝に。
竹刀に嵌めただけでも仕上がりは前後しますし、使っていくうちに伸びても来るのでこんなもんでしょ!
これで、試合に負けても柄革のせいにだけはしないで済みます。
あと2個、同じ長さの柄革があるのですが
正直詰めるの面倒くさいです。
補聴器のハットリ