モラルハラスメント・ブログ

モラルハラスメントな夫と壮絶なバトルの末離婚した二児の母のブログ☆モラハラブログリンク集もあります☆

脱出、その後20~総攻撃~

2006年04月21日 14時21分54秒 | 脱出後




私は、買い物に行って、ご飯を作る以外の仕事は何もせず、
ただただ横になって泣いていた。
泣いて泣いて涙が枯れたときは、
ぼーっと、何も考えず、何も感じずに、
心と体をただ横たえていた。
生ける屍というのは、ああいう状態を言うのだろう。
子供達と接する時間は、どうにかこうにかやり過ごしていたが、
あとはもうとにかく何もする気力が沸かなかった。

ネット上の友人であるSさんには、
私のその状態について報告していた。
彼女とは、その時既に半年以上の付き合いがあり、
私が脱出前からいろいろなアドバイスをくれていた。

また、ネットの掲示板で知り合った、Nさんという人が、
心配してメールを下さることがあった。
後にこの方とは、リアルで会うことになる。
でもこの時は人に会うのも話すのも億劫で、
最低限可能なのが、メールでの会話だった。
それほどまでに、自分が落ち込んだのは、
間違いなく生まれて初めてのことだっただろう。

狂言のリストカットメールから、
夫と私の距離は確実に遠ざかった。
ずっと土日のいずれかか、もしくは泊まりで
子供達を義父母と夫に会わせていたが、
さすがにこの修羅場のあとだから、
夫も連絡しにくくなったのだろう。

2回ほど土日の面接交渉がなくて、
気になっていた頃に、また夫からメールがきた。

「俺は、もう子供達ともあなたとも二度と会いません。」

「どういうことですか。」

「俺は、金だということがわかりました。
家族で一緒に暮らす夢が破れた今、やることがはっきりしました。
子供達の成人までの養育費を支払う段取りを今しています。」

「どうやって払うの?」

「私にもしものことがあったら、
ちゃんとあなたにお金がいくように段取り済です」

「子供達に会わないっていうのは?」

「俺は、遠いところへ行ったって、そう伝えて下さい。」

「はぁ?」

「俺が子供達と会えば、子供達も俺の悪い性格が伝染って、
酷い奴になってしまうと思います。
だからもう、会わないほうがいいって。」

「そんな、この間までずっと会っていたのに、酷い。」

「子供達には俺のことは忘れてもらって下さい。
俺は遠いところへ行きます。半年待ってください。」

わけがわからなかった。
ともかく、子供達にはもう二度と会わないらしい。
土日のたびに、子供達は、
「パパのところに行かないの?」と聞いてきたが、
その頃から私は、
「あのね、お仕事で忙しいんだって。だから、会えないんだって。」
そう、うそをつくようになった。
仕方がなかった。

川崎社長から電話があった。

「あのさ~、彼落ち込んでるわぁ~」

「はい、仕方のないことです。」

「自分、大丈夫?しんどくなってない?」

「ああ、しんどいですね。なんか疲れてきますよ。」

「彼さぁ、死にたいとかわけのわからんことばかり言ってるよ?」

「そうなんですか。私にも言ってましたわ。」

「ちょっとさ、悪いけどそっとしてやってくれる?
またボクから話するけどさ、
なんか、普通じゃないよ二人とも、どうしちゃったんよ。」

「すみません。二人でやりあって、疲れました。」

「とにかくねぇ、彼今ちょっと普通じゃないし、
しばらく彼から連絡しないように言うから、
あなたも連絡とらないようにしてみて?わかった?」

「はい、わかりました・・・・」

「自分も、しんどかったら、病院行くんやで?」

「はい・・・」

なんだか、とても迷惑そうに言われたけれど、
ともかくどうでもよかった、
早く電話が切れてくれとあの頃はそう思っていた。

ある日、
私は、いつものように横になっていた。
もうどれぐらい笑っていないだろうと思った。
何も考えず何もしないことが普通になっていた。
義理の姉から電話があった。

「知ってる?まっち~さん。
○○ちゃん(元夫)は、うつ病と判断されたんよ。
だから、会社も休んで、2年は療養しないといけないらしいよ。
死ぬ死ぬばかり言って、会社もずっと休んでいるみたい。
今度、病院連れて行くことになったから。
もう、私達ショックでショックで、
ずっと泣きっぱなしで。」

何も感じないようにして横になっていたが、
正直この話はショックだった。
というより、次の瞬間咄嗟に、
「嘘だ」と思った。
夫がうつ病なわけがない、と思った。

義姉は続けた。
「だから、病人相手だから、もう離婚の話はしないであげて欲しいんよ。
あなたもそういう辛い思いしたことあるんだから、
うつ病の辛さがわかるでしょう?
これ以上彼を刺激したら本当に大変なことになるから、
もうあなたからは連絡しないでね。絶対に。」

「夫婦なんだから、ほんとうはまっち~さんが診てくれるはずの立場なんだけど。
でも、それはできないってことみたいだから、
こっちでなんとか対応するから、とにかく刺激しないでね。
離婚したいのはやまやまだろうけど、
このまま○○ちゃんのこと追い詰めたら、
もらえるものも貰えなくなるからね。
そうしたら一番困るのはまっち~さんでしょ。
私達も生活があるのに、本当に大変なんだから。」

もともと、一方的に話す人だった。
よく、2時間ぐらい言いたいことを言われて、
仕事の愚痴や世間話に相槌をうっていたら、
一方的に切られるってことがザラだった。
あっあっあっと私が言いかけるうちに、
また、人と話すのが久しぶりだったからめまいがしていた私に、
追いかぶせるように言葉を投げかけて来られたので、
正直まともに対応できずじまいのまま、電話は切れた。

「とにかく、○○ちゃんへの、一切の電話とメールを禁止しますから。」

なんだろう、今の。
私が、悪者になっている?
知らぬ間に、加害者にされている?
で、禁止?
禁止が得意だった夫の、その姉からの、またまた禁止かい?
わけがわからなかった。
2年療養?会社休む?誰が?

事実を受け入れられないまま、一日が過ぎた。
翌日、家の電話が鳴った。
今度は、夫の上司からだった。
その人は、私の元上司でもあり、
毎日毎日仕事を共にし、苦労を乗り越えてきた間柄だった。
私は懐かしさのあまり、電話に出た途端、泣きそうになった。

「元気か?」

「部長???部長!!!」

「なんか、いろいろあって、大変やったらしいなぁ。」

「そうなんですよ、本当に、いろいろ・・・」

私はそれ以上言えずに、涙があふれてきて、
いっぱいいっぱいになってしまい、
口を押さえながら受話器に耳を当てていた。

「あんな、彼今大変な状況なの、知ってる?」

「えっ・・・あ、病気のことですか?」

「まっち~君のせいやからな!」

「部長・・・」

「そうやろ?大体な、

夫婦っていうもんはお互いに助け合っていくもんや。

いろんなことあってもな、

許しあって、かばいあって、

いろんな壁を乗り越えていくもんなんや。

いつも、俺言ってたやろ?

二つの道があれば、困難な方を選べ、と。

そのほうが、結果的には後悔しない選択になると。

あいつのそばに戻って、あいつを支えてやってくれよ。

あいつがかわいそうで、そばで見てられないんや。」

「部長、私もいろんなことがあって、・・・」

「いやいや、まっち~くん、それはね、わがままだよ!

キミがわがままだから、こういうことになるんだよ。

言ってることが、彼の方がずっとまともだよ。

彼は子供達や、まっち~くんが大事だから、病気になったのに、

どうしてそれがわからないの?」

「・・・・・。」

「仕事だってねぇ、子供二人抱えてなんて、絶対やっていけないよ!

そんなの、母子家庭なんてどんなに悲惨か、知らないから甘えてるんや!

彼がお金払えなくなったら、たちまち皆路頭に迷うんでしょ?」

「部長でも私、DVで・・・」

「知ってるやろ?

彼はまだ子供なんだって。これから成長するんだって。

だから、手の上で転がしたらいいんやって。」

「でも、私怖いんです・・・」

「バッカやなぁ、まっち~君はもっと優秀な女性だと思ってたよ。

何が怖いって?彼のどこが怖いって?

子供達はどうするんよ?

子供達はかわいそうじゃんか!

両親そろってない子は不幸なんやから!

子供を不幸にしたいの?」

「・・・・・。」

私はもう、何も言えなくなっていた。
頭が真っ白になっていた。
世話になった恩師で、大好きな人だった。
ずっと一緒に、いろんなことを乗り越えてきた、上司だった。
私の成長を、誰より喜んでくれた、恩師だった。
思い切り、遠くに、突き飛ばされたような
思い切り、高い崖から突き落とされたような、
そんな感覚だった。
以降何か部長が言いながら電話を切ったが、
どのように対応したかも記憶していない。
きっと、また連絡するから考えておくようになどと
言っていたに違いないと思う。

思い切り、非難され、責められ、叱責を受けた。
部長にしてみれば、かわいい部下同士の喧嘩なのだろう。
年上で上司の私が折れるべきというのは、
部長視点での考えなのだろうが、
弱ってフラフラになっている私の体調を
さらに崩すのに最適な攻撃だった。

義姉といい、部長といい、
私を極悪人のように非難してきた。
私は、それを聞いていると
もしかしたら自分は極悪人なんじゃないかと思えてきた。
けれど、どう自分のこれまで受けた仕打ちを軽く軽く見積もったとしても、
夫の罹ったばかりの「病気」の方が気の毒という、
考えが理解できなかった。

四面楚歌に立たされた気がした。
誰一人味方なんていないんじゃないかという、気がしてきた。
けれど、それすら、どうでもいいと思えてきた。
どうせ、私の人生なんて、
うまくいかないようにできているのだ。
どんなに頑張ったって、幸せになってなれっこないんだ。

もう・・・どうでもいい・・・・
もう・・・何もかもどうなってもいい・・・・

子供達を保育園に迎えに行くだけ行って、
帰りにコンビニ弁当や菓子パンを買って
それを与えて私は横たわるようになっていた。
もう、食事もどうでもよかった。
トイレへ行くのすらおっくうだった。

私がソファに横になっていると、
まだ幼い娘が、

「まま、ちょうしわるいん、だいじょぶ?」

と小さな小さな顔で覗き込んできた。
息子が、娘よりは少し大きな手のひらを、私の額にあて、

「うん、あつくないみたいだけど。

まま、もしわるくなったらいってね。

ぼく、じゅーすかってきてあげるからね。」

と言った。
いつも、私が倒れたら、この自動販売機のこのジュースを買うよう
何度も練習していたからだった。

「ぼく、ちゅうちゅうしゃのおじさん、でんわしてよんであげるからね。」

私は、二人を思い切り抱き締めて、泣いた。
こんなママでごめんなさい。
こんな馬鹿なママでごめんなさい。
こんなところに連れてきて、遊んであげられなくて、
幸せにできなくてごめんなさい。
心配ばかりかけてごめんなさい。

「ごめんね。ママしんどいばっかりで、ね。」

娘が「ママ泣いてるん?」と慌てた。
息子がティッシュを走って取ってきてくれた。

「まま、だいじょうぶ。わたし、おてつだいするから。」

「まま、ボクがまもったるからだいじょうぶやで。」

泣きながら笑った私のために、
私が元気になるように、
子供達が水やらお菓子やら、おもちゃやら、
たくさん家中の楽しそうなものをかき集めてきてくれた。

「ごめんね、ごめんね、ごめんね・・・。」

今なら、ここでごめんと言うことは、
何より子供達の罪悪感を芽生えさせる原因になるとわかるけれど、
あの時は、私は、精一杯だった。
それしかなかったし、そうしかできなかった。
ともかく生きるわけでもなく、
死ぬわけでもなく、
寝るわけでもなく、
起きるわけでもなく、
私は口をあけたまま、ただ佇んでいた。

おととしの、夏頃のことだった。



たくさんの、ご心配のコメントありがとうございます。
みなさんとても優しくて、胸が熱くなりっぱなしでした。
途中で辞めると、もう二度と書きたくなくなる気がして、
なんとか続けてしまっています。
私は元気ですので、ご安心下さい。
そして、もう少し、お付き合い下さいね。





私をコントロールしないで!―あなたを支配するパートナーとの縁の切り方

ヴォイス

このアイテムの詳細を見る


良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖

草思社

このアイテムの詳細を見る






最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
2年前のこととはいえ・・・ (ゆいもも)
2006-04-21 15:05:43
まっち~さんにしてみれば昨日のことのように思われることでしょう・・・



この崖っぷち状態をよくぞ乗り越えられたと思います。



思い出したくないこと、忘れたいこと、嫌な思い出は、

この際ぜ~んぶ思いっきり書き綴ってください。



書くということはエネルギーが要りますが、それだけ元気になられたということだと思います。



いつも応援しています!



返信する
Unknown (らぎ)
2006-04-21 15:13:50
まっち~さん、こんにちは。時々コメントさせていただいています。

このシリーズはずっと読ませていただいています。

まっち~さん辛くないですか?私は正直読んでいて辛いです。コメントも何度も書いては、投稿できませんでした。

でも今、まっち~さんが、はきだせるものを全部出してしまった方がいいのかな?と思い始めました。

まっち~さん、私も最後までがんばってお付き合いさせていただきます。

まっち~さん、無理をせず、お体だけはどうぞお大事に。体が資本ですからね。
返信する
卑怯者 (M&M)
2006-04-21 15:32:21
卑怯者はどこまでいっても卑怯者ですね。

そして卑怯者はみんな、考え付くことが一緒。

どこまでも自分のことしかありませんから、暴力で人を従わせられなければ、死ぬとか病気とか言いたい放題。

まっち~さんのブログを読んで

「あ~私の元夫と同じだ・・・」

と何回思ったことでしょうか。



周囲の人からの二次被害はつらいものですが、男性女性に関わらず、「面倒なことが周囲で起きているのが嫌」「夫婦喧嘩はよくあることだけれど、離婚となると自分の倫理観を脅かすのでがまんできない」という人たちって、たくさんいますよね。



そういう人たちは、夫婦のどちらが離婚を求めている場合でも、何が問題なのかではなくて、「妻はもっと賢くやるべき」と言い、反論すれば「ほら、そういう女だからダメなんだよ」と言う。



川崎社長や部長は、それに加えて、多分どんよりと周囲を自分の気分に巻き込み続けるまっち~さんの元夫が面倒になっちゃったんだろうな。

その苛立ちも、ぜんぶまっち~さんに向かってしまったんでしょう。本当に迷惑なことです。
返信する
Unknown (スイカズラ)
2006-04-21 23:29:34
やり方が卑劣ですね。

でもって、周りにもアホが多すぎる!

元夫、みんなをうまい事支配しちゃってるんですよね。なんでこういう事にばかり長けてるのか?

そのエネルギーを他に使え!と言いたい。

まっち~さんの代わりに私が元夫に言ってやりたい~!

「あんたが死んでも誰も困らんで!はよ死に!」と。

だってどうせそんな事出来るわけないですもん。

もう、腹が立って腹が立って…((o(>皿<)o)) キィィィ!!
返信する
今同じ状況です・・・ (wingseed)
2006-04-22 10:21:50
私も職場結婚なのですが、同じような状況に直面しています。離婚したいと相談しても私に問題があるから一蹴されてしまうんですよね・・・尊敬していた人たちからの言葉はショック大きいですわ。

みんな敵と思わないと乗り切れないのかもしれない。
返信する
何もかも (かなちゃん@夫の浮気にサクッと対応)
2006-04-22 12:30:42
何もかもが悪い方向へ行くとはこのことでしょうか。



元夫の話しか聞いてない義姉さんや部長さんに勝手なことを言われ、心もずたずた。



本当につらかったでしょうね。
返信する
二言(笑)。 (ユリコ)
2006-04-22 17:48:37
一言目。うつは、根気よく病院に通って適切な治療を受けていれば2年もかからずに、きれいに治る病気だと聞きましたが、私の聞いた情報が間違っていたのですか?とにかく2年はうそだろう、ってかうつ病であるってのはうそだろう└(_ _ )思わず突っ込んでしまいました(;^_^A

二言目。いつ誰がまっち~さんに辛いことがあったときに、夫としてかばってくれたと言うのでしょう、誰か説明してくださいな(苦笑)。



という感じで、理不尽なことだらけですね!ふんがっ!!
返信する
Unknown (のんの)
2006-06-05 23:02:22
結局かなわない…人間、結局どうたちまわるかなんだって失望したこともありました。



>何もかもが悪い方向へ行くとはこのことでしょうか。



私も似たような状況を経験してつらかったので、

この言葉、まっち~さんの日記に非常に共感しました。



こういう状況でたとえ相手からやられたことを報告しても

その異常さに「嘘つき」と信じてもらえなかったり、

「悪口ばかり言う」なんて言われて…

一方的にやられて耐えてきたのに…

周りの人からも誤解される…本当につらいですよね。

セカンド・アビューズ?でしたっけ?

これ、本当につらいです。

自分がおかしいのかな?って思ってきて、つらくてつらくて体が動かなくなりました。
返信する

コメントを投稿