モラルハラスメント・ブログ

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脱出、その後19~リストカット~

2006年04月20日 00時12分25秒 | 脱出後





夫が去ったあと、私はそこに座ったままで動けずに居た。

裏切られても、裏切られても、
傷付けられても、傷付けられても、
信じてしまった。
もしかしたら、があると思ってしまった、
哀れな女のボロボロになった姿がそこに存在した。

実物は、身動きすることすらできないほどに、
内面を傷つけられていた。
傷ついているかどうかもわからないほどに、
自分の身の上に何が起きたかわからないほどに、
私はうつろに、空虚に、ただそこに存在していた。


夫視点で見てみれば、当時の私は、
許し続けた7年間の生活の後にもかかわらず、
拒絶に次ぐ拒絶の連続だったのだろう。
だからこそ、また戻って許し続けてくれと、
そのためのサービスを提供し続けたつもりだったのだろう。
けれど、
「こんなにしてやったのに」
私が思うように動かなかった。
それは、許せないのだった。
だから、待っているわけにいかないので、
脅しに次ぐ脅しという作戦をとったのだろう。
最後は、俺の力というものを一番誇示できる方法で、
妻に完全に「敗北感」を味あわせた。
これできっと、俺にはかなわないと頭を垂れてくる、とでも
思ったのだろうか。

夫は、必死だったのだろうと思う。
いや、そんな「夫の気持ち」など、なぜ考えてやる必要があろうか。
私の心をズタズタに引き裂いて、鼻骨を折り、その後も
私を傷つけ続ける相手を、どうして理解してやる必要があろうか。

今も私には、「相手主体」の考え方がこびりついていて
時に譲り過ぎているなと思う部分があるが、
当時の私も、その日までは、脱出をしていながらも、
「夫は・・・」「夫は・・・」と思っていた部分が多かった。

夫は、どういう人なのか、
どんなことをしてくれたのか、
どういうところが悪くて、どういうところがいいのか。
そんなことを一生懸命、足したり引いたりして計算する。
夫と向き合って、夫とやり直しができるか検討する。
望む結果が出なくて堂々巡りをする。
結果的に、家に居るときとなんら変わりはないのだった。

ここまで打ちのめされて、
「お前の心も体も、俺にとっては大して意味のないことだ」と
はっきりと強調して大声で叫ばれて頬を打たれるような思いをして、
初めて私は、
自分のこと考えなきゃ、と思うにいたるのである。
なんと、愚鈍な心なんだろう。

ここまで打ちのめされて、ようやく、
「私は」どうしたいのか。
「私は」どう生きるのか。
「私は」どれだけ傷ついてきたのか。
そこに目を向けなければいけないんだと気付く、
それが、何よりも大切なことなのだろうと気付く。
相手主体の人生は、相手次第で大きく狂うが、
自分主体で生きる人生なら、そう大きくは狂わない。
私は、あまりにも価値観の違う相手主体ですぺて振り回されて生きてきたが、
相手の望むように、機嫌を取って生きればそれで
自動的に幸せという見返りがいただけると甘い考えで居たが、
どこまで頑張ってもこういった
「搾取専門」の相手と一緒に居ても、
自分にとっての幸せは訪れないのだ。
「自分主体」の人生を歩まなければ、
本当の幸せは手に入らない。
自分主体の人生とは、自分の言動に責任を持つことで、
相手主体の人生とは、その行動派まるでとても美しいようで
自分が負うべきものを一部や全部人に依存して生きることだ。

そう思うようになったのはこのような事件がきっかけだった。
けれど、ともかくこの事件の後、少なくとも1週間は私は動けなかった。
泣いて泣いて泣いて・・・
ふとんの中で、横になって、
自分の涙が自分の瞳の上を流れていくのをただただ眺めていた。
自分が傷ついたのか、何をされたのか、
その事実に直面する意欲もないほどに、
打ちのめされていた。

自分の弱さと、愚かさを責めた。
あのような男を信じた自分を、思い切り責めた。
子供達に申し訳なくて、自分自身にも申し訳なくて、
なんだかわからなくて、涙ばかり出た。
どう生きたらいいのか、もうわからなくなっていた。

私なんかがどんなに頑張っても、
何もうまくいかないんじゃないかと思った。
もう生きていても仕方ないんじゃないかと思った。
そもそも母親にいい子じゃなきゃ要らない要らないと言われて、
夫と結婚してからは蔑まれて避けられて無視されて、
つまりは結局私なんて生きる価値のない人間なんだ。
こんなつまらない私が子供達を連れてきちゃいけなかったんだ。

ただただ横になって、泣きながら、
朝も昼も食べずに、私はこうして日々を過ごした。
ガンガン体重が落ちたし、ふらふらしてきたが、
そんなことに関心はなかった。
ただ、子供達の食べることと着ることだけやり過ごして
日々を浪費した。

その日から10日ほど経ったある日、
夫からメールが来た。
「どうして電話に出ないのですか。」
「どうしてメールに返事もくれないのですか。」
私は、そのころ、取り合うことすら困難で、
夫からのメールの着信音が鳴るだけで
以前はビクついていたのに、
それすら感じない心になってしまっていた。
まさに何もかもがどうでもよかった。

さらに数日後、深夜だったかと思うが、

「俺はあなたにとって意味がない人間だというのがわかりました。」

「これ以上生きていても仕方ないと思います。」

「今俺が死ねば、何がしかの金をあなたと子供達に残せます。」

「今まで本当にありがとう。」

などと、延々とメールが届いた。
私は、それどころではなかったものの、
今までと違う尋常ではない内容に、慌てた。
このまま死なれては、この夫発のメールが残ったら、
遺族に私が恨まれると、咄嗟に思った。

「なんで、そんなことばかり言うの。」

「死にたいのは私の方なのに。」

夫は、さらに続けた。

「俺は消えるしかありません。会えばあなたを傷つける。

あなただけでなく、いずれ子供達も傷つける。

俺が消えてなくなれば、あなたたちは安全だし、

心配なく過ごせることでしょう。

いつだって、あなたたちのことが大好きで、

俺は見守っていますよ。」

天国からかよ。
地獄だろうがよ。
と今なら突っ込めるが、
あの時は、これだけ落ち込んでいるのに、
これ以上の負荷を私にかけないでくれという気持ちと、
やはり、子供達の父親を、自分のメールのやりとりの中で
失わせてはいけないという気持ちがあった。

なんとか、力を振り絞って、
電話をかけた。
夫は、電話に出るなり電話口で泣いていた。
私も、かける言葉が見つからず、ただ受話器を持って座り込んでいた。
心は無のままだった。
無でいたほうが、傷つかなくて済む。
無でいたほうが、高望みしなくて済む。
無でいたほうが、楽でいい。
表情も脳もすべて無にした状態で、私は佇んでいた。

夫が、またしても、

「どうしても俺が嫌か」

などと、答えにくい質問を投げかけてきたから、私は黙っていた。

「俺は、メールにも書いたけど、今から旅立つつもりだ。」

私は、やめてと言ったら、また今から来ると言われても困るので、
さらに黙っていた。

「こないだは、馬鹿なことをしてすまんかった。」

珍しく、謝罪してきたので、私は心を無にしたままで、

「ああ、子供ができたらどうするつもりなんよ。」

と言った。

「人の気持ちなんて、存在しないと思っているよね。あなたって。」

とさらに言った。
夫はめそめそと電話口で泣いていたが、

「俺は傷ついてないし、そんなことはどうでもいい。
ただ、あなた達を傷つけるのがいやだから、もうそばにいたくない。」

と言ったので、

「うん、そばにいないのはわかったよ。けど死ななくてもいいんじゃないの。」

私が落ち着き払って話すと、夫はしゃくり上げながら、

「俺なんか、生きていても意味がない人間なんや。
死んで、お前達に残してやるしかないんや。
生きていることが間違いなんや。ゴミみたいなもんや。」


そう言った。
私は、なんだか共感する気持ちになった。
ああ、そうだなぁ。自分も、ゴミみたいなもんだよなぁ。
生きていても、意味がないよなぁ。
傷つけられてばっかりの、こんな人生要らないよなぁ。


夫の自分語りをずっと聞き入っていたら、
急に睡魔に襲われた。
精神的におかしいとき人は、
全然眠くなかったり、突然眠くなったりするもんだと思う。

「あのさ、寝る。」

そう言って、返答を待ったが、一向に返答がないのを確認して、
私は一方的に電話を切った。
眠くて眠くてたまらなかった。
もう、心のスイッチも体のスイッチも切りたいと思った。

すぐに、メールが来た。

「リストカットです。すぐには死ねませんが。携帯の電源を切りますので。」

あの事件の夜以来初めて、私は頭にカーッとくるものを感じた。
初めて「感情」らしきものを感じた。
あれ以来久しぶりに感じた感情というのは、
「怒り」の感情だった。
「こいつは、どこまで行っても自分、自分なんだ」
と思った。はらわたが煮えくり返った。

「そうですか、わかりました。
今から実家と警察と消防に電話しておきます。」

私はそうメールを返信した。
夫から慌てて電話が鳴った。

「人に迷惑かけたくないんや。」

「迷惑かけたくなかったら、なんで、リストカットなんかするねん!
ほんま迷惑やねん!
死ぬ死ぬ言うて、
私の気持ちなんてな~んにもわかってない人が
なんであんたが死ぬ死ぬやねん、
私が死にたいわ、どっちが傷ついたと思ってるねん、
いい加減にして!」

「傷ついたのはお互い様や」

「へ?お互い様?どう考えたらそういうことになる?
あんたが私にどれだけのことしてきた?
で、私があんたにどれぐらいのことしたっていうん?
どこでどうはかったらお互い様になるんよ、私わからんわ。
とにかくなぁ、私眠いんやわ、ほんまに。
今から実家に電話しとくからさ、
息子さん変ですよ、死ぬ死ぬ言うてますよって電話するからさ、
それで、おかあさんに話きいてもらいや。
私はもうなんもできへんから、
私は私で生きていくだけで精一杯なんやから。」

「お前は生きていくだけで精一杯でも、
俺は仕事にいかなあかんのやぞ。こんな状態でも。」

「あのね、仕事はね、誰だっていかなあかんねんわ。
私がいようが、子供がいようが、成人男性なら仕事に行くでしょぅが。
それを行ったった稼いだった金やったってやめてくれる?
それが嫌なら結婚しなけりゃよかったしさ、
あんた結婚してよかったことはなんもないって言うてたやんか。
だから、清算するんやん、それでええやんか。」

「いや、俺はおまえ達がおらんかったら仕事してない。」

「話まだあるんやったらおかあさんにして。私は寝るから。
どうする、おかあさんには私が電話しよか?」

「・・・・・おふくろやおやじには迷惑かけたない。」

「ほな、救急車呼ぼうか?おとなしく寝る?どっち?」

「こんな深夜に救急車来たら、近所で大騒ぎになる。」

「そでしょ、迷惑でしょ。だからまた明日考えたら?」

「・・・おやすみ」

「はいどうも、おやすみ。」

電話を切った。
電話の子機を、壁に向かって思い切り投げつけた。
子機の中の単三電池が飛んで、鏡が割れた。
夫に対して初めて怒鳴ったが、
それすら、どうでもいいことだった。
何もかもが、どうでもいいことだった。

そんな私には、ここから先のことが見えるはずもなく、
今日一日生きていた、とただそれだけの毎日だった。
こんな精神状態で放って置いてよくなるわけもなく、
どんどん私は日増しに病的に落ち込んで行った。
傷だらけの人生だったが、間違いなくこの頃が一番、
私はボロボロになっていたと思う。
その頃から、私は私自身と、私の生い立ちと、
私の生きてきた道と、全てを疑うようになって行き、
さらなる深い泥沼に足を突っ込んでいくことになる。





・・・
この頃のこと、正直言って、思い出せません。
空白というか、前後がウロというか、
まったく何をしていたか記憶にありません。
そんなわけで、千切れた記憶をかきあつめて書いていますが、
ここからはこんな泥沼調子が続くので、どうかご容赦下さい。






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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
・・・・。 (あずき)
2006-04-20 00:53:00
よく生きていてくれました。まっち~さん。

騒ぐだけ騒いで振り回す。

ほんとに・・・・・なんていったらいいのか・・・
返信する
Unknown (かなちゃん@夫の浮気にサクッと対応)
2006-04-20 03:08:30
精神的にどん底に居るころの記憶って、

元気になってから考えると

思い出せないことが多いようですね。



ここまでのことがあって精神的に

正常でいられる人はそうはいないし、

そこから回復したということは、

本当にすごいことだと思います。
返信する
大丈夫ですか? (ねこ)
2006-04-20 04:51:40
まっちーさん、書かれていて大丈夫ですか?

辛くないですか?

読みながら苦しいです。

でも、現実をしっかりと受け止めたいと思います。

トラバさせていただきました。
返信する
今は大丈夫との事ですが (半三本)
2006-04-20 09:20:27
書いてて辛くありませんか?

今幸せなら,無理に昔の辛いことを思い出す必要はないと思います.

頻繁な更新が,まっち~様を追い込んだりしないか心配です.
返信する
感情移入しちゃいます (saki)
2006-04-20 09:36:03
ほんと~に、腹が立ちますね~。

判で押したように「死ぬ」って言いますね。

本当はどうぞご自由にと冷めたことを言った方が、死ぬ気もなくなるのだろうけど、言えないんですよね~

本当に死なれたら困ると思って。

美輪明宏さんの言葉で、「劣等感の強い女は、悪い男に騙される。」というのがあります。自分に自信がないと、「支配的な男」に目をつけられやすいです。まっち~さんも、自分から好きになったというより、相手に「見つけられてしまった」のではないでしょうか?こういう男に目をつけられないためにも、自信をもって生きることは大切だなと思います。

あ~これからも泥沼な話が続くと思うと、タイムマシンでまっち~さんを助けに行きたくなります(泣)。

返信する
きっとそれが力になります (Q)
2006-04-20 10:41:59
レモンティの頃から

気になってひっそり見守っていました。

あれから2年になるのですね・・。

こんなに大変なことがあったのですね。

本当に辛かったですね。



でもそれを乗り越えられた経験が

これからのまっちーさんの力になります。

今まで苦労した分以上に幸せになってね(ノ_・。)
返信する
無理しないで。・゜゜・(>_<;)・゜゜・。 (あずき)
2006-04-20 12:05:09
無理して書かないでくださいね。

今のマッチ~さんに必要なことならいいのだけど、更新が早いので心配です。

「ひとのために」しなくてもいいのです。

いま、まっち~さんが幸せでいてくれれば。

もちろん、読みたい人ほかにもいっぱいいるだろうけど、もし、辛かったら無理しないでください。
返信する
読むのが切なく苦しいのですが (mamapooh)
2006-04-20 12:17:57
それでも気になって読まずにはいられません。このサイトに出会って、まっちーさんの文章を読んで、色々な事に気づきました。鬱で自暴自棄になっている姉との接し方も変わりました。辛い体験を書き、客観視することが力になることを願っています。

ただ、皆様が心配されているように、ご自身の負担にならないことを祈ります。



身勝手な元旦那さんをやっと、やっと突き放してくださり、胸のつかえが少し降りました。
返信する
死にたいなら勝手に死ねば? (wingseed)
2006-04-20 18:57:55
σ(・・*) わたしは自殺願望出ていた時期があって、貨物列車にダイビングしたい気分になっていました。夫に「死にたいなら勝手に死んでくれ。迷惑さえかけなければいいから」って言われたんですよ。夫との夫婦関係に初めて疑問を抱いた瞬間だったりします。



本気で死ぬ人間は「今から死ぬ」なんて電話しませんよね~!



まっち~さん、書くことで無理しないでください・・・
返信する
さようなら、罪悪感を読んで (ジーコ)
2006-04-20 22:16:22
初めまして。今月の頭に主人とケンカをして、離婚ブログを見始め、まっち~さんのブログに出会いました。

わたしは自己主張が強いし、自己愛も強いので主人はモラではありませんし、とても優しいです。

今年こどもが産まれ、幸せいっぱいで毎日を暮らしているなかで、こどもを正しく優しい子に育てるヒントがまっち~さんの言葉にたくさん込められているので読ませて頂いております。

「さようなら、罪悪感」の記事で「弟をネグレクトしたのは・・・」という文がありますよね?

妹さんの話はよく出てきますが弟さんがいらっしゃるとは思っていなかったのでビックリしました。

ネグレクトの意味が分からなくて、検索して背中がぞっとしました。

弟さんもご健在でしょうか?

すみません、こんなこと・・・今更ですよね

気になったので・・・
返信する

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