モラルハラスメント・ブログ

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調停準備7~土砂降りの雨~

2006年05月31日 10時36分29秒 | 離婚調停





玄関に届いていた薔薇の花束を手にして、
私が一番最初にしたことは、
中に「金めのもの」が入っていないか、探すことだった。

どう見積もっても、7000円~1万円はするような花束だったから、
もしかしたら、と思ったのだった。
もちろん、お金は入っていなかった。
代わりに、メッセージカードが入っていた。

「離れていても、
あなた達のことを愛しています。」

私はそのメッセージカードを破り捨てた。
愛しているなんて、嘘だ。
私達を愛しているなら、
花束ではなく、米をドアに下げていくはずだ。
薔薇は食えない。
食える植物だったらよかったのに。
花がついていてもいいから、
食える植物にして欲しかった。
いや、どうせ薔薇を買うなら、
どうして代わりに
ドーナツやケーキを買ってくれなかったのか、
私はぶつぶつとそんなことを考えつぶやきながら、
薔薇には罪がないので、大きな花瓶に生けた。
こんな誕生日なんて、最低だと思った。
最低最悪の誕生日だと思った。

そもそも夫は、花束の好きな男だった。
私はそれまで花束を乱発する男に出会ったことがなかったので、
最初は驚いたが、
貰うと嬉しいもので、うきうきしながら飾ったものだった。
けれど、その時薔薇の花束を生けてしげしげと眺めた私は、
夫は花束を贈る自分が好きなのであって、
受け取る私の気持ちなど、
全然考えていないのだということを知った。
贈り物は、喜んで欲しいという気持ちを形にするもので、
間違っても「贈っている自分に酔う」ためにするものではないだろう。
けれど夫にとっての花束はずっとそういう存在なのだと、
私はその時に再認識した。

また、
花束を届けに、家の付近に夫が来たことを、考えた。
もし子供達に遭遇してしまったら、どうしたのだろう。
私が一人のときに会ってしまっていたら、
どうなったのだろう。
何度も何度もシミュレーションした、
自宅付近での待ち伏せを想像して、
恐くて恐くて仕方なくなった。
背筋が凍る気分だった。
できる事なら、よっぽどDV保護法による接近禁止を打ちたいと思ったが、
警察の窓口で、受け付けてもらえなかったことを思い出した。

実はここで書きそびれているが私は脱出後に、
友人より、
「傷害罪で夫を訴えることが可能なんじゃないか?」と言われ、
訴える訴えないにかかわらず、
傷害罪に当たるかどうか、
同罪により訴えることが可能なのかどうか聞きたくて、
警察に相談をしに行った事があった。

私は、警察の担当の男性に、
骨折の経緯を話した。
医師から、危ないところだったと言われたと言ったら、
その男性は、
「ベビーカーを蹴り上げた結果、あなたに当たり、
あなたが負傷したのだから、それは傷害罪ではない。」
と言った。
「いや、すぐ前に座っている私に向かって蹴り上げたのだから、
故意に私に当てようとして蹴ったのであるから、
たまたま当たったわけではないから、
傷害罪でしょう?」
そのように尋ねると、男性は、
「うーん、空手の有段者の夫が直接あなたの顔を蹴れば
明らかにDVだし保護法の適用が受けられるけど、
間に何か物があったのならDVとは言い切れない」
と言った。
「たまたま当たったとも言える場合がある。」
「じゃ、間にあったのが刃物だったり、灰皿だったら、
DVになるわけですか?」
私は苛立ち尋ねたら、
「刃物や灰皿なら相手を傷つけるために故意でやったと思われるが、
あなたに対して蹴り上げたのはベビーカーだから、
故意にあなたを傷つけようとしたとは考えにくい。」
私はとっさに、
「あっ、じゃ、罪にならないわけですか?」
と言ったら、男性は、
「過失到傷でしょうな。」というので、
「それは傷害罪とは違うのですか?」と聞くと、
「まあいずれにしても立件はしにくいですわ。日も経ってるし。」
などとのらりくらり逃げられたことを記憶している。
DV保護法の接近禁止についても、
「次何か起きたら」「つきまとわれたら」などという、
お粗末な対応だった。

最近、DV保護法に基づき、警察に何度も通報したり、
接近禁止を打って欲しいと嘆願しても、
結果女性のパートナーが刺されてしまう事件が多いが、
あの警察の対応なら仕方ないと、その度に思う。

そんなわけで接近禁止について、
警察に言っても仕方がないのはわかっていたし、
今それを打ったら夫が逆切れするのは目に見えていたから、
私は山口先生に、接近しないように伝えてもらおうと思った。
私は先生にメールをした。

「先生、本日は私の誕生日でした。
自宅に帰宅すると、夫からの花束が届いていました。
もちろん、その他のもの、婚姻費用は入っていませんでした。
それでお願いなのですが、
たびたび気まぐれでここを訪れられても迷惑ですし、
子供への影響も考えますので、
今後この家に来たりしないよう伝えてもらえませんか?」

送信ボタンを押した。
押しながら、
先生が間に入ってくれていることを、
心から有難いと思った。

翌日昼前に、先生からメールが届いた。

「この時期(調停前)に来訪とは、
ご主人も勇気がありますね。
誕生日とはいえ、普通ははばかられるものだと思いますが、
そのへんがズレているところなのでしょう。
本人宛電話をして、その旨伝えておきます。
その場合、
「俺の善意をあだで返しやがった」などと曲解すると思いますが、
相手方の性格上、仕方ないことですね。
また、先般まっち~さんから頂いた「離婚事由」の件、
詳しく伺いたいのと、調停の打ち合わせがしたいので、
近いうちに事務所に来てもらえますか?
私は今週なら金曜、
来週なら火曜木曜が都合が良いです。」

「了解しました。
打ち合わせの件、
早いほうがいいので金曜でお願いします。
また、薔薇の件、
相手方にどう思われても結構です。
法的抑止力がなくても、
何もかも先生にすべて伝わると知るだけで、
こちらに向く足が少しでも鈍れば、
それだけでも十分と思います。」

そのように打って、着替えて家を出た。
事務所に到着すると、所長に呼ばれた。

「お疲れさん。勤務時間の件だけどね。」

「あ、お疲れ様です。はい・・・。」

「やっぱり今のところは、午後だけでいいみたいだわ。」

「そうですか、そうですよね。」

「来年になったら、もしかしたら、朝から入ってもらえるかもしれない。」

「そうなんですか?」

「うん、去年も同じ派遣会社から、
来てもらってたんだけどね、
うちも決算前は会計が忙しくなるから、
1月~3月は結構集中して忙しいのよ。
だから、今年の初めは、朝から入ってもらってたのよ。
あの、前任の人の話ね?
だから、大丈夫だと思うけど・・・
まあ確約はできないけど、
そう思っといて。」

「わかりました、ありがとうございます!
お手数お掛けして、申し訳ないです・・・。」

「君って、話変わるけど、
も一度履歴書見たら、営業だったらしいよね?」

「あ、はい、そうです、メッチャ営業です。」

「(笑)そうか、営業でも対応できるか?」

「ちゃんと離婚できたら、営業に戻りたいですね。
人と話をするのが好きなので。」

「そか、当社もね、最近は営業部門を派遣に依頼したり
するようになってるから、またいろいろ聞くかも知れないから。」

「そうなんですか、ありがとうございます。
では、当面はこのままで来年からフルで入れる、
と思っていていいですか?」

「そうやってちゃんと押さえるところが、
営業っぽいわな!うんうん、いいよ。」

所長はにっこり微笑んでくれた。

当面数ヶ月はしんどいけれど、
来年からはなんとかなりそうだからホッとした。
それまで、なんとか凌がなければ。
どうしても昼からの仕事では、食っていけない。
事務所の近くにコンビニやコーヒーショップがあったので、
午前中だけのアルバイトもいいかも知れないと思った。
その日仕事が終わったあと、百均へ寄って、
履歴書を買って、駅前に寄って、写真を撮影した。
それから、子供達を迎えに行った。
激しい雨が降っていた。

保育園に到着すると、
前が見えないほどの豪雨に変わっていた。

子供達を迎えに部屋に行くと、
私のところに、息子が泣きながら抱きついてきた。
聞くと、いじめられた、と言う。

「何をされたの?」

「あんな、みんなに、
お前とは遊んだらへん言われた。」

「誰に言われたの」

「ゆうさく。それと、よしやと、しんじ。
一番言ってくるのはゆうさく。」

「ゆうさくくんに、やめてって言ったの?」

「言ったけど、遊んでくれへん。」

「先生には、話したの?」

「先生に言うたけど、怒ってくれへん。」

「わかった。明日先生に聞いてみてあげるね。」

すると、当人のゆうさくくんが、
私のところに、走ってきた。

「あんな、こいつが悪いねんで、
こいつがな、叩いたり蹴ったりすぐにしてくるしな、
恐いこと言ってくるからな、遊ぶのいややねん。」

「そう、ごめんね。
○君、叩いたり蹴ったりしたの?」

わが子は顔を真っ赤にして言った。

「俺はそんなんしてへん!」

嘘を言っているようではない。

「してないって言ってるけど、どうかな?」

「蹴ったやんけ、殴ったやんけ、
お前~って追いかけてきたやんけ!」

以前から、私は、わが子から、
ゆうさく君にはよく苛められていると聞いていた。
ゆうさく君がわが子にそんなふうに言い寄ってきたが、
私はその瞬間、ゆうさく君に対してとても苛立っていたし、
わが子にちゃんと事情が聞きたいと思ったから、
とりあえず連れて帰ることにした。
用意をして、部屋を出た。

「お前なんかもう遊んだらへんからな!」

わが子と、私の背中に向かって、
ゆうさく君がそう叫んだ。
私は娘に雨カッパを羽織らせて、
息子が靴を履くのを待った。

娘を抱いて、傘を差して、
息子が出てくるのを門のところで待った。
息子のうしろに、ゆうさく君が来ているのを見ていた。
雨で泥だらけの園庭に出た途端、
ゆうさく君が背中から思い切り息子を押したので、
息子はつんのめって、
泥だらけの地面に転倒した。
膝に、服に、顔に、泥が付いた。
息子が立ち上がる前に、
私はゆうさく君に向かって走っていた。

「ちょっと、ゆうさく君、何するんよ!」

「しらん、こいつがボーっとしてるから当たってしまった。」

なんて子だ、と思った。
先生に言って、親にも伝えてもらわなきゃ。
泥だらけになって泣いている息子の手を引き、
土砂降りの雨の中車に向かった。

なんだかみじめだった。
理不尽で、悔しくて、悲しくて、
泣きそうだった。
あの幼稚園に居たなら、こんなことにはならなかったんじゃ・・・。
そう思いかけて、やめた。
この頃になったら随分私は、
「もし脱出しなければ」と思わないようになっていた。
それは、
「もし脱出しなければ」
と考えても、もう仕方のないことだったからだ。
脱出は、避けられなかったし、
その後知ったこともたくさんあったじゃないか。
私にとって、自分自身の過去と向き合って、
自分を取り戻すことも、
夫という人間について、離れて考える事も、
絶対に必要なことだったんだから、
よかったじゃないか、そう思えるようになってきていた。

それに、
いちいち泣いている場合ではなかった。
泣けば、次々と押し寄せる人生の荒波に、
母子ともに飲み込まれて、沈んでしまうに違いない。
もしくは濁流の中、繋いだ手を離してしまうかもしれない。
そう、あの頃の私は、
幼子二人を抱えて、嵐の中、
激しい雷雨に打たれながら、
増水した大きな川を流されているような気分で居た。
少し気を抜くと沈んで、3人とも死んでしまう。
もしくは、夫に、
「やっぱりお前には無理」と
子供達を取り上げられてしまう。
だからどんなときも肩に力が入っていたし、必死だった。

どんなときも、
今は、泣いている場合じゃないと、
唇を固く噛んで、
歯を食いしばって泳ぎ続けたあの頃だった。

その夜先生宛のノートに、
今日起きたことを書いた。
先生からは注意しておきますとの返事が書いてあっただけだった。
息子の気持ちが気になったが、
もう大丈夫などと笑って言っていたので、
大丈夫なのだと思っていた。

履歴書もその日のうちに2通書いた。
いつもやることや考えることが山積みで、
でもどれも思うように進捗せずに、
気持ちばかり焦っていた。

木曜の夜先生から電話があった。

「明日9時でもいいかな、早いかな?」

「あ、いえいえ大丈夫です、
いつもお気遣いいただいてすみません。」

「夫さん、電話したよ、ほんま疲れるね、
なんというか、よく一緒に生活してたよね。」

「はい、すみません、
先生に間に入っていただいていて本当に助かります。」

「まっち~さんには、
わざわざ花のことまで報告しなくてもいい、とか
夫婦の間の事情に割り込む権限まで持っているのかとか、
わけわからんことほざいてたわ。」

「・・・・そうですか・・・」

「あと、自分はうつ病で、先生と受け答えするのが疲れると、
仕事に行くだけで精一杯なのだから、
連絡しないで欲しいって言ってたわ。
それと、
これ以上先生から攻撃されて仕事に支障をきたしたら、
先生を訴えますとか言ってたわ。
仕事取り上げて楽しいですかとか、言ってたなぁ・・・
調停ほんまにするんですか、言うから、
通知が来たでしょ、って言ったら、
このことは一生忘れないとか言ってたわ。」

「そうですか・・・」

「まあとにかく調停やね。
調停行って、言われたことや、
それをどう受け止めたかで、変わることを期待するのみやわ。」

「そうですね・・・。」

「何、元気ない?」

「いや、考えなきゃいけないことが多すぎて、
頭がぐらぐらですわ。」

「はっはっは、そりゃそうよね、次から次だもんね。」

先生には、こちらの生活のことなど、
見えるはずもないし、
ずっと共働きで、夫婦で大企業の社長以上の収入と資産があるのだから
ギリギリの私の生活など、想像すらし難いのだろうとふと思った。

「まあ明日も色々と、聞きにくいこと聞くけど、
大事なところだからね、よろしく。」

「はい、離婚事由ですよね。了解です。
じゃ明日宜しくお願いします。」

そんな風に電話を切った。

明けて金曜の朝だった。
午後私が仕事をしていたことから、
打ち合わせは決まって朝一番だった。
あわただしく保育園に子供達を届けてから、
朝一番に先生の事務所へ向かった。
離婚事由についてグルグルと考えながら
大阪行きの電車に揺られた。
とりあえず、離婚すればいろんなことが変わる。
とりあえず、目前のことだけ片付けていこう。
とりあえず、とりあえず、とりあえず・・・


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
次から次へと… (半三本)
2006-05-31 11:33:41
花の件,警察の件,お子様の件,調停の件.

たくさんあるので,何からコメントしていいやら.

当時のまっち~様もたくさんあり過ぎて,

頭がいっぱいになっていたのでしょうか.



とりあえず,という言葉が気になります.

そして目先の事しか見えていないようにも読めます.

それほどまでにまっち~様は余裕がなかったのだと,

改めて思いました.
返信する
はじめまして (なな)
2006-05-31 14:47:21
はじめまして、いつも読ませて頂いてます。

私の夫もモラかもしれません・・・

夫もとても花束を贈ることがすきです・・・



いつも次が気になる展開ですが、

体に気をつけて、更新、無理なさらないでくださいね。

応援しています。
返信する
つらいですね (かなちゃん@夫の浮気にサクッと対応)
2006-05-31 15:10:02
でも、つらいなんて言ってられない。

そんな状況がひしひしと伝わってきます。



弁護士さんがさばけた余裕のある人で、

逆に良かったのではないかと感じます。
返信する
私もバラの花束をもらって (にゃりんた)
2006-05-31 17:28:17
ころっといってしまい、結婚してしまったんですね・・・。

結婚してた頃もよく花束をくれました。

何かって言うと花束でした。

私、植物は嫌だって言ってたのに・・・。



お子さんが他のお子さんにいじめられているのを目の当たりにした時のまっち~さんのお気持ちを考えると胸が痛みますね。

どんな理由であれ、子供がそんな風にされているのを見たら親はいたたまれないと思います。

とってもせつなくなりました。
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