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◆「ピアノ・サンド」
離婚後、一人暮らししてる主人公が、100年前のピアノを預かって欲しいと頼まれる…。
「ブラック・ジャム」同時収録。
野間文芸新人賞受賞作家だそうだ。
なんつーか、読後感が悪いです。
別にエグイとか、登場人物に嫌悪感がわくとか、そういうのじゃないのに、なんともいやあな気持ちになってしまった。
帯の「この小説は見知らぬ町の見知らぬ場所への入り口である」というのは、確かにそうなんだろう。
ともあれ、このいやああ気持ちは何なのか、考えてみる。
うーーーん。
ようするに、主人公がさっぱりわけわからないからなんだろう。「ピアノ・サンド」は不倫もしていて、肝心のピアノにどうこうということもたいしてなく、物語は唐突に終わる。
「ブラック・ジャム」は、腕のやけどのあとのために、ネガティブになっている主人公。
ま、単にこれだけの問題ではないんだろうけど。でもね。
ネガティブで、クールを通り越して酷薄な主人公っていうの、私は苦手です。