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11月19日(土)喪中欠礼

2011-11-19 10:42:50 | ★③(は)お父さんの閑話365日(転載)
11月19日(土)喪中欠礼

11月に入ると年賀状の準備を始める方が多い。喪中につき年末年始の挨拶を遠慮する旨の挨拶状が届くようになる。これは例年のことであるが、今年特徴的なのは身内を東日本大震災で失った方からのものが多いことである。3月11日に起きた大地震と津波の爪痕の大きさがこんなところにも現れている。

服喪中は昔からいろいろな儀礼的な禁忌が行われてきた。これは日本のみならず地域、民族を問わず行われていることである。人間の死はそれだけ大きな出来事だという証拠でもある。

直接の遺族や身内の者が普段の生活と異なった禁忌を行う背景には、死者に対する愛着と死に対する恐れがある。そのために死後の節目ごとに儀式を行い、亡くなった人を偲び霊魂が安らかに眠ることを祈る。

と同時に死は穢れの概念とも切り離せない要素を持っている。だからその穢れを地域社会や交友関係のあった人から隔離する必要がある。年末年始の挨拶欠礼は、そのような考えから発生したのではないだろうか。

連れ合いや身内を失って悲しみが消えないのに「明けましておめでとうございます」と年賀状が届いたら、気持ちを逆なでされる気持ちになるだろう。誰が考えたか欠礼挨拶はそれを予防する賢いやり方だと思う。

現在ははがきで挨拶状を送られるようになったけれども、郵便制度が整っていない時代にはどのようなやり方で服喪中であることを知らせたのであろうか。