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7月20日(水)ナデシコ

2011-07-20 12:43:35 | ★③(は)お父さんの閑話365日(転載)
7月20日(水)ナデシコ

世界の頂点に立った「なでしこジャパン」が昨日凱旋した。記者会見に臨んだ選手達は自然体で、偉業を成し遂げた気負いを感じさせなかった。何とも爽やかな乙女達である。なでしこの名が本当に相応しいと思った。

なでしこは日本に古くからあった植物である。明るくてやや乾燥気味の土地を好む多年草で、カワラナデシコが代表的である。万葉集の時代から園芸植物として種から育てて鑑賞されていた。大伴家持が詠んだ歌に「我がやどにまきしなでしこいつしかも花に咲きなむ」というのがある。自分の家の庭にケシ粒ほどの細かい種を蒔いて育て、それが花を咲かせる喜びを歌っている。

おそらくこれは日本古来のヤマトナデシコであろう。時代が下って中国との往来が盛んになると、カラナデシコが入ってくる。在来種と区別するために唐の国から来たナデシコと呼んだのだろう。現在セキチクと呼ばれているものである。

清少納言、紫式部、和泉式部など10世紀後半から11世紀初頭に活躍した女流作家が、いずれもヤマトナデシコとカラナデシコの名を挙げて、花の美しさを称えているところを見ると、両者とも当時人気の草花だったことが分かる。

ヨーロッパと交流するようになってから日本に渡ってきたカーネーションもナデシコの仲間である。地中海沿岸原産のカーネーションは、園芸的に改良されて通年栽培されるようになった特殊なナデシコである。

ナデシコの仲間は一見華奢に見えるが実は強靭である。わが家に生えているのはセキチクの一種と思われるが、手入れしなくても雑草と共存して逞しく生きている。「なでしこジャパン」も次世代へその逞しさを引き継いで欲しい。