天使の図書館ブログ

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Cool&Passion2-【5】-

2012-05-30 | 創作ノート
【受胎告知】レオナルド・ダ・ヴィンチ


 今回はの前文は、カルとD・Sってどんくらい性格正反対なんだろー☆的なことについて、少し書いてみたいと思います♪(^^)

 確かにまあ、よくあれだけ性格正反対で……百年も一緒にいる(いた)よね的なww(笑)


 D・S          カル

 熱い          冷静

 短気          気長

 好色          禁欲的

 無計画         慎重

 凶暴          慈悲深い


 etc.etc.……っていう感じとゆーのか、なんてゆーのか(^^;)

 ちなみに↑は、こみくす5巻のガラの科白が参考になってます(笑) 

 なんていうか、それでもカルが「尊敬する師でもあった男」って言ってるのはたぶん、魔術に関してはD・Sが天才的だったからだと思うんですけど、例の「未使用・改訂版」を読んでから、D・Sって無原罪なんだな~っていうところが、実は一番カルと似てるのかなって思いました。。。

 いえ、カルはD・Sとは違って、無原罪の器を通してではなく、女性の胎から生まれてきたっていう意味で違うわけですけど、背負わされた十字架については、自分で選ぶ余地がなかったっていう意味では、罪があるとはいえない気がするというか(^^;)

 そんで、サタンの言い種ではないんですけど、それであればこそD・Sは「完璧なまでに純粋で美しい」んだとも思うんですよね。

 D・Sとカルが惹かれあってるっていうのは、そういう部分の魂の純粋さに相通じるものがあるからなんだろうな~と思ってて……あと、カルがD・Sに惹かれた点としては、唯一自分を必要としてくれたっていう刷り込み(?)もあるとは思うんですけど、一緒にいて「こんな自分でも生きてていい」っていうのがたぶんあったのかなって思いました(^^;)

 母様を殺害してしまってからのカルっていうのは、まずは自閉症→それからD・Sやネイと徐々に口を聞くように……っていう感じだったのかなって思うんですけど、それ以降も何か、ほんのちょっと「楽しい」とか「嬉しい」っていうことがあっても、「自分はそんなふうに感じてはいけない」っていう罪悪感に長く悩まされたんじゃないでしょうか。。。

 でもD・Sっていうのは、敵を皆殺しにする過程ですら楽しむよーな男なわけで(笑)、そーゆーのをずっと見てたらなんか、D・Sと同じようにそれを「面白い」って感じるんじゃなくて……「ありのままの自分でいていい」というか、何か功績を立てたり、D・Sの役に立つっていうことで、カルの中では少しずつ自己肯定感が生まれてきたのかなって思ったり

 うん、普通だったらそのままD・Sと同じく残虐非道な道に走っててもおかしくないと思うんだけど(だって、生まれつきあれだけの魔力があるわけだから)、そこがカルの繊細な優しいいいところなんだと思います

 自分が本来一番大切にしたかった人→母様を殺してしまったから、もうあとは何千人殺そうがどうでもいい……っていうんじゃなくて、自分が小さい時に魂のリミットを越えて傷ついてるから、もうこれ以上自分も傷つきたくないし、誰のことも傷つけたくない……みたいのがたぶんありますよね、カルって。

 ただし、軍を率いる司令官としては、裏切り者のことは容赦なく処罰したりとか、そこらへんの顔は別だと思うんですけど(^^;)

 今の現実世界でも、カルタイプの人は存外多いような気がしたり。。。

 一度魂にものすごい傷を負ってしまうと、その傷を1ミリでも広げられると耐えられないので、そっから向こうは自然<心の麻痺地帯>になるというか。

 そこから少しずつリハビリみたいなものをカルはしていって、そこに深く関わったというか、一番大きな役割を果たしたのがD・Sだったんだろーなと思います。

 うん、自分にとってそれ以上1ミリでも広がると耐えられない傷があると、他人のことも1ミリでも傷つけようとは思わない……カルの繊細さとか優しさっていうのはたぶん、そこに起因してるような気がします。

 ただカルの場合、それが単なる無関心さとかクールな態度でしか表面には表れなさそうなんですよね、基本的に(^^;)

 自分は癒されたいとか、赦されたいと思ったりしてはいけない人間だ……というのが根底にあって、だからそこから出てくることが滅多にないというか。

 でも唯一D・Sがカルにとって別格なのは、そーゆーカルのことをD・Sだけが「オマエ、ヴァカなんじゃねーの?気に入らねー男なんか殺しまくって、気に入った女とはヤリまくる!!それがオレ様の人生だ!!」みたいに言って、カルのことを小突きまわれるからなんだと思います(^^;)

 イコール、だからオマエも好き勝手して生きろ!的な??

 いえ、ウィキでD・Sとカルの関係がピーッ!!だと知って以来、カルのあのD・Sの慕い方っていうのは、ニワトリについて歩くっていうことでいいのかなって思ったり(笑)

 その設定が原作で本当に採用されるかどーかはわからないんですけど……原作者様の中ではこのふたりってそゆことなんだと思った時に、わたしの中ではカルとD・Sのフォモ説☆っていうのは完全になくなったというか(^^;)

 なんていうか、もし本当にカルの望みがそれで、原作者様的にもそういう見解だったとしたら、カルシェラなんて書いてちゃいけないかしら……☆みたいのが、ちらっとあったりしなくもないのでww

 まあ、原作カルを忠実に考えた場合、カルは今後も誰とも恋愛フラグが出るでもなく、エリヤとしての使命をまっとうする感じなのかな~とは思いつつ、28巻なんて、いつか本当に出るのかしら☆と思う昨今、こんな妄想でもしないとカルシェラに対する萌えがどうにも止まらないのでしたorz

 それではまた~!!



       Cool&Passion2-【5】-

 その日、地方の一領主に過ぎぬヘイスティングス卿に我を折らせるのに、カル=スは相当骨を折ることになった。

 農奴の奴らがみな、自由民にでもなったらどうしますか!?領主の税収は減り、貴方様の下僕であるこのわたくしめもまた、王である貴方様にお捧げする年貢に苦しまなくてはなりますまい……もしそんなことにでもなったら、嗚呼、もしそんなことにでもなったとしたら……!!

 カルはそんな論法によってヘイスティングスが食い下がろうとする姿を、辟易として眺めやっていたのだが、先に下した自分の判決を翻すつもりはさらさらなかった。

 訴えを起こした小作人の言い分は実にもっともで、ヘイスティングス卿が彼を不当に扱い、長く(それも何十年も)こき使って搾取してきたことは明白な事実であった。

 そこでカル=スは、この元農奴の小作人に自由民の地位を与え、また40エーカーの土地も彼のものになるよう、法的な措置を取ってやることにしたのである。

「カル様、あやつめは、40エーカーの土地を取り戻したいというよりも――そこは我を折って譲ってやるから、かわりのものを寄こせと、そう言っているのだと思いますよ」

 カル=スが信任を置いている顧問のひとりが、そう王の耳に忠言を囁いた。 

 そこでカルも、溜息とともにヘイスティングスにいくらかの報奨金を取らせて、追い返すということにしたのである。

 一応、表向きの名目は、長く忠節を尽くしている臣下に対する報奨金……とかなんとか、そんなところだった。カルは自分に適切な忠言を囁いた顧問に、銀の櫃に金貨や宝石の詰まった財宝を用意させ、ヘイスティングスに与えるということにしたのである。

「ああ、我が王、カル=ス様。どうか王が、永遠にでも生きられますように……」

 そう言って拝跪するヘイスティングスのことを、カルはゴキブリが何かのように見下してから、その日は夕刻に自分の寝所へ戻った。

 いつもは昼食も、シェラの給仕で自分の私室でとるのだが――この日はヘイスティングスが昼食の時間までもへばりついて離れないため、カルは珍しく大広間にある食堂のほうで昼食をとることにしたのである。

(王など、一度なってみると、実につまらないものだな……)

 どこかで正しい裁決を執り行ったところで、今度はそれを不服とする不満分子が、別のところで甘い汁をすすろうと画策する――政治などというものはおよそ、そんなくだらないことの繰り返しにすぎないのだ。

 その点、ダーク・シュナイダーは、自分が征服した領土において、<政治>などというものは一切行わなかった。今にして思えば、あれはあれで王として正しい態度ではなかったかと、カルはそんなふうにも感じる。

 それからカルは、茜色に染まった自分の私室で、ベッドの端に腰掛け、ただなんとなくぼんやりとした。

 ダーク・シュナイダーならばおそらく、世界を治める王として、自分が気に入った女と寝ることに対し、いささかのためらいも感じはしないに違いなかった。

 善い政治を行いたいという願いの元に、王となったカル=スでさえも、近ごろではこんなふうに感じる……そんなささやかな願いさえも叶えられないなら、一体なんのための王なのか、と。

 夕食は、自分の部屋でとると家宰のディロンに言い渡してあったから、侍従のひとりを通し、そのことがシェラに伝えられ、やがて彼女がいつもどおりワゴンを押しながらここへやって来るだろう。

 鬱陶しいヘイスティングス卿のお陰で、昼間は一時的に忘れていられたが――今朝、この部屋の鏡の前で自分が何をしたか(あるいは何をしようとしたか)を思いだし、カルは溜息を着いた。

(突然急に服を脱げなどと言われ、おそらく驚いたことだろうな。それに私がしたことは実際、セクハラに近い……)

 と、そこまで考えてから、カルは苦笑した。

(いや、セクハラに近いのではなく、セクハラそのものだな)

 カルは、シェラがこの場にやって来たらどういう態度をとったものだろうと、少しばかり思案した。

 もしシェラが、今朝は何もおかしなことなど起きなかった、といったような顔をしていたとすれば、自分もそれに合わせ、何もなかったという顔をするしかないだろう。

 また逆に、変によそよそしかったとすれば……どうしたらいいだろうか?思いきって、夢の中でのように、「オマエが男でないことはわかっている」とでも切りだしてみるべきだろうか?

 だがこの日、カルがそんなふうに色々考えたことは、すべて無駄に終わった。

 何故といえば、シェラに伝言を伝えにいった侍従がそのまま戻ってきて、「シェラ様はお加減が悪く、臥せっておいでですので、夕食の給仕は出来ないとのお返事でございました」と、カルにそう申し伝えたからである。



 >>続く……。





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