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ヘヴォ詩選☆その3。

2011-08-05 | 作品☆Pick Up!!
 ※使用させていただいているイラストは、幻想素材サイトFirst Moon様のものです。利用規約を守らず転載or再配布したりされないよう、よろしくお願い致します。


 わたしたちの旅は終りに近づいていた
 わたしたちの足はほとんど
 永遠と呼ばれる
 あの存在の道の奇妙な曲り角まできた

 わたしたちの歩みはふいに畏れをおぼえて
 足はゆっくりと進んだ
 前方には町があったが そこまでは
 死者の森で

 後退は望めなかった
 後は閉ざされた道
 前は永遠の白い旗
 そして神がすべての門にいた


(エミリー・ディンスン「不在の肖像」より。新倉俊一さん著/大修館書店)


 ええと、このシリーズ(?)はタイトルがヘヴォ詩選☆ということになってるんですけど、引用しているエミリーの詩は絶対絶対絶対(×∞)ヘヴォ詩などということはありません(当たり前^^;)

 まあ、今回の詩は「ヘヴォッ!!」とかいうより、何日か前に「作品語り☆」という記事のところで「ハーフムーン」っていう小説の文章をコピペしていて――小説中に5篇ほど詩が出てきたので、それをちょっと写してみようかと


   【1】

 一度足を踏み外したら
 奈落の底まで転げ落ちるのはあっという間――

<人生の悪夢>という名の谷底まで


   【2】

 油断していると
 断崖から突き落とされる

 それがわたしのこれまでの人生で得た
 一番の教訓だった――

 そしてわたしは今も断崖にいる


   【3】

 体の中に
 手に負えない獰猛な獣が住んでいる

 そしてそれが心を食い破っても
 狂気に走る道さえも
 わたしには閉ざされている

 錆びついた錠は役には立たず
 わたしをどんどん深みへと誘っていく

 断崖の上のわたし――
 戻ることも進むことも許されず
 ただ不毛な叫び声が
 荒野と荒波に虚しく響き渡るだけ


   【4】

 鉄の串に、醜い蝶の幼虫が
 生きたまま 貫かれている

 さあ、薪に火をつけて
 それをあぶってちょうだい

 そしてあなたがその焼け爛れた匂いを嗅ぎ
 必死に身を捩る虫を
 舌で嘗めて味わって食べてくれるなら

 もし本当にそうしてくれるなら
 わたしの惨めな心も少しは慰められるかもしれない


   【5】

 あたしの両の瞳をあげる
 もう闇しか見えるものがないから

 あたしの両の耳をあげる
 もう何ひとつ聞きわけられる音がないから
 あたしの両方の腕をあげる
 もう抱きしめるものなど何も残されてないから

 あたしの両方の足も何もかもを引き裂いて
 すべてあなたのものにしてください

 そのかわりどうかあたしのことを殺してください
 どうかお願いします……神さま


 ……なんとも暗い詩ですねえ(^^;)

 でもわたし自身は結構、明るく楽しい気分について書いた詩よりも、こういう傾向(?)にあるもののほうに惹かれるほうかもな~なんて(笑)

 確か上の詩は、「ハーフムーン」ののぞみの心境としてあらためて書いたのではなく、あちこちに書き散らしていたものの中からこの5篇を取ってきたのだと記憶してます。

 まあ、今となってはそんなことすらどうでもいいことですけどww

 こういう暗~い感じの詩ばかりを集めた詩の束があったはずなんですけど、ワープロのフロッピーから復元して取り出せるかどうか、現在すごくあやしい感じになっていたり

 今似たようなものを書けって言われてもちょっと難しいので、作品のインスピレーション(?)のためにもう一度読んでみたいと思わなくもないんですけどね(^^;)

 それではまた~!!





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