天使の図書館ブログ

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マダムX。

2011-08-04 | 絵画
 きのうの記事に書いた、「La muse」の第9号はボストン美術館の回で……表紙はサージェントの「エドワード・ダーリー・ボイドの娘たち」に描かれた三女のメアリーでした。

 サージェントはベラスケスの「ラス・メニーナス」の構成を意識してこの作品を描いたそうですが、見ていると確かに雰囲気的に似ているように感じますよね。

 ちょうどいい画像が見当たらなかったので、言葉でだけこう書いてもわかりにくいかも、なんですけど――今回のタイトルは「マダムX」なので、サージェントといえばまず最初に連想されるのはこの絵だろうということで、そちらのお話に移りたいと思います(^^;)

 以下、ウィキよりコピペ☆


 >>サージェントは、1884年、パリのサロンに出品した『マダムX』という肖像画(ニューヨーク、メトロポリタン美術館蔵)によってスキャンダルにまきこまれることとなる。この肖像画は当初『・・夫人の肖像』という題名で発表されたものだが、明らかに当時の実在の女性であるゴートロー夫人(アメリカ出身で、フランス人銀行家のピエール・ゴートローと結婚した)を描いたものであると見なされた。この絵は人妻を描いたものとしてはあまりにも官能的であり品がないとして、当時の批評家から非難されたのである。サージェントが翌1885年、パリを離れてロンドンに居を構えたのは、この絵をめぐるスキャンダルから逃げるためであったといわれる。


 というのが、この美しい夫人を描いた絵画なわけですけど、今わたしたちが見ても「品がないってどこが!?」っていう感じがしますよね

 最初の絵ではドレスの右肩の肩紐が垂れていたそうですが、そうであっても、「べつに裸ってわけじゃないんだしww」っていうのが、現代のわたしたちの一般的見解のような気がします。

 ゴートロー夫人は当然結婚されている身であり、サージェントに頼みこまれてモデルを引き受けたそうなんですけど――まさかこんなスキャンダルになるとは彼女自身思ってもみなかったに違いありません。

 依頼を受けて肖像画を描く身だったサージェントが、初めて自分から描いてみたいと思ったのが、ゴートロー夫人で……ふたりは実は不倫関係にあったとか、そんな事実はないようですけれども、にも関わらずそこから「官能的な美」を読みとった人々に批判を受けることになり……う゛~ん。でもむしろ、一枚の絵画にそこまでの<力>があったことこそが、「マダムX」が名画であることの証しみたいなものですよね。

 ちなみに、ちょっと関係ないかもなんですけど、ゴヤの絵に「裸のマハ」と「着衣のマハ」ってあるじゃないですか。

 あの絵を並べてみると……。
(☆全体を見るには、記事の一番下のスクロールを右にしてくださいませ♪)








 あの、この絵を二枚並べると、何故か不思議と裸の絵のほうより服を着てるほうがエロい感じがする☆って思うの、わたしだけですかww

 つまり、「マダムX」が非難を浴びたのって、そういう理由からだったのかな~という気がしなくもないんですよね(^^;)

 裸のマハは、西洋美術で初めて実在の女性の陰毛が描かれた絵だそうですが、もしこのモデルの女性とゴヤが仮に寝てよーと、なんかこの二枚の絵を見てると許せる気がする……でも、ゴートロー夫人の絵のほうは、サージェントと夫人の間に「何か関係がある」と直感されるというよりは――肉体関係なんていう下品(?)なものを持たずに、これだけ完成度の高い官能的ともいえる<美>をサージェントが描いてみせたことのほうに人々は腹を立てたのではないか、というように感じてしまったりww

 まあ、以上のようなことは、完全にわたしの独断と偏見による分析なんですけど、サージェントの絵には好きなものが多いので、これからもっと色々細かいところまで調べてみたいな~と思っています♪

 ちなみに、「エドワード・ダーリー・ボイドの娘たち」に描かれた4人の娘たちは、生涯独身のまま、ずっとこの絵と暮らしていた……なんて聞くと、彼女たち4人の人生がどんなものだったのか、個人的にすごく気になりました(^^;)

 だって、四人の娘さんとも、とっても可愛らしいんですよ。

 長女のフローレンスはしっかり者の長女で、次女のジェーンは大人しくて静かな性格、三女のメアリーはお転婆さんで、四女のジュリアは甘えん坊……もちろん、こんなのは絵を見たわたしの勝手な<妄想>にすぎないことなので、実際はどうだったのかを調べてみたい気がするんですよね。

 そして、ここからはさらにわたし個人の勝手な妄想ですけど――もしサージェントにこの絵を描いてもらうということがなかったとしたら、ボイド家の娘さんたちは実は違った運命を辿ったのではないかと想像するのは、行きすぎでしょうか?

 つまり、サージェントの絵の中に、あどけない少女時代の娘しか有し得ない<何か>を持っていかれたっていうことなんですけどね(^^;)

 時々、一瞬の中に永遠を塗りこめるって、そういうことなんじゃないかな~と感じることがあるので。。。

 ではでは、最後にこちらもサージェントの大好きな絵画、「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」を貼って、この記事の終わりにしたいと思います♪

 それではまた~!!







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