ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

88.離れる力

2018-04-14 22:59:32 | 仕事 キャリア ライフキャリア
キャリア支援の仕事をしいると、段々と意識するようになる事がある。「いつ離れるか」。特に、様々な事情で就職困難となっている方の就職・就労支援の場合、先が見えてこないことが多い。関係構築はできても、その後の自己理解や仕事理解を踏まえ、啓発的経験を経て意思決定をし・・・というステップに沿って進むことは稀である。もちろん、本人の経験、能力、希望などを踏まえて求人とマッチングさせることもあるが、就職後に長続きしない事も多い。本人の意欲の問題かもしれないし、支援する側のスキルの問題かもしれないが、原因究明にあまり意味はない。なぜなら、行政からの紹介で〝支援″を受けに来る対象者が次々といるからだ。そもそも他の機関ではマッチングがうまく行かないから来ている。

 もう何年も、何十回も面談している方もいる。基本的には傾聴の姿勢で相手を尊重し、ステップを意識しながら相手の自己決定を促すのだが、教科書通りに物事が進むことは少ない。うまくいっていると感じている時こそ、こちらの独りよがりになっていないか注意する必要もある。焦りや苛立ち、ストレスを感じることもある。

 そんな中で、意識するようになったのが「いつ、離れるか」ということ。「相手の自己決定を促す」ことは、見方を変えると、人はこちらの思い通りには動かないということと痛感している。そして、自己決定のタイミングは、その人の性格や能力、経験値、心身の状態や置かれた環境によっても違う。寄り添うことや伴走することも大事だが、こちらが負担や限界を感じたり、なれ合いになってきたりしたら、時機を見てうまく離れて行くことが必要と思う。情が移ることもあるが、なおさら自分でなければ・・・などと思わない方が良い。まして自分のスキルアップのために支援を続けるなど論外だ。何人もの転機にいつまでも寄り添い、他人の人生に責任を持つことなどできないのだから。

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