ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

60.還暦過ぎた人の再就職支援に思うこと

2016-11-01 22:38:19 | シニア 人生100年
 還暦を過ぎた人の再就職相談や支援のための面談の仕事をしている。大企業や公務員のように、定年後の再就職先がある程度確保されているシニアとは事情が異なり、中小零細企業に長く勤めたり転職を繰り返してきた人、自営業をやめた人、ブランクのある人など、雇用保険や年金も十分ではない人の相談が多い。再就職先がなかなか見つからず悩んでいる人や、あきらめかけている人も少なくない。最近では、家族や子供の支援も得られず独居生活で、最終的には生活保護に頼らざるを得なくなる人もいる。

 そのような人たちとの面談を行う際に、まず心がけていることがある。それは、その人の半生(歴史)を聴くということ。キャリアとは、過去、現在、未来のつながりだから、次に踏み出す勇気も、壁を乗り越える胆力も、自分の居場所を見つける気力も、これまでの人生を肯定的に捉えることから始めないと本物になりにくいと思うからだ。勿論、相手によっては過去のことを話したがらない場合もあるし、関係構築が不十分な段階で人生や本心を聞き出そうとしても逆効果となる。

 「これまで、お仕事中心でがんばってこられたんですね。振り返ってみてどう思いますか?」「へえー、そんなご経験があるんですか。よかったら、もう少し聞かせてください。」「いろいろご苦労されたんですね。」など切り出し方は相手にもよるが、こちらが話を聴く姿勢を見せると、少しづつ話し始める人が多い。そして、ひたすら聴いているうちに時間が来て、「あっ、すみません、しゃべりすぎました。普段あまりこんな話ししないので。ありがとうございました。」とすっきりした表情になる。

 「年齢的に無理ですよ。」と訳知り顔でアドバイスしたところで、相手の役には立たない。相手の持つ宝を引き出し、ささやかでも希望につなげてゆくことが役割だとつくづく思う。人生の先輩方のいろいろなお話は、おもしろくためになる。
 

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