舞栗倉庫

過去ログ

東村山市民じゃぁないけれど。

2006-08-14 16:16:14 | Money
東京都東村山市に西武鉄道の駅、そのま~んま「東村山駅」がある。
駅前の一番店がイト-ヨーカドーで、1分も歩けば住宅街という所謂準ローカルのベッドタウンにある駅。
改札は2つ、東と西にある。以前より栄えていた東口に対して西口地区は道路も狭く商店の進出もあまり無い。人の回遊性に乏しい西口周辺住民は東口に対して妬みを持っていた。

そこに市民の想像を遥かに超える再開発の話が突如持ち上がる。西口に地上100mのマンション建築という計画だ。ビル予定地とバス通りを1つ挟んだお隣は2階建ての一般住宅が並ぶ低層住宅専用地域(市役所で用途地域を確認してないけど、多分そうだろうと思う)だ。

推進派は「案件は昔からあったのだし、計画は議会で承認されたもの。後戻りは出来ない。」と言う。


市長は3期目。元々西口地区の商売人だった市長は、東口に対抗して西口を活性化させたいという願いを抱いていたらしい。
「3期目となる市長選時に西口再開発を公約として掲げ、市民の信任を得て当選したのだから100mビルは計画通り建設する」「多くの市民は反対意見を持っていない。サイレントマジョリティは賛成だ」が市長の言い分だが、公約に掲げてあったかどうか疑問視されてるらしいし、仮にあってもビラに小さく載せた程度で演説してないんじゃないかなぁ。反対していらっしゃる方々のご意見を見てみても「そんなこと知らなかった」ようだし。現場を知ってる人にとっちゃ非常識の一言で終わりだろう。

100mビル建設の表向きの名目は「市の中心地としてふさわしいランドマークを造る」だ。
そして大部分が分譲マンションとなるビルは民間企業に買い取らせる。市外から流入して来る市民の住民税により逼迫している市の財源の起爆剤になる、と。

そもそもなんで自治体がマンション造るんだ?「住宅供給公社はいらないのでは?」と以前議論されてたけど自治体がマンション造るってのは時代に逆行してないのかなぁ?



なんか変だぞ、と思ったのが半年ほど前。市民の中から再開発事業を疑問視する人達のブログなどで情報収集してみると・・・

やっぱり東村山版大本営発表なのか?

起爆剤だって?バカなことをお言いでないよ。分譲住宅は180戸程度。一世帯当りの平均人数掛けたって400人しか増えないじゃん。400人が払う消費税ってどれ位大きくカウントしてんのさ。それにさ住民税払うのは大人だけ、400人分の住民税増額が見込める訳じゃないんだぜ。電卓叩かなくったって暗算できるよ。毎年の歳入不足分どうやって補うのさ。計画がセコ過ぎ。幻想抱かせるならもっとでかいことぶち上げないとね。


コームインから出たこんな台詞があった「半径10キロ圏内からも商業施設へ消費者が・・・」って10キロって言ったら国分寺も所沢も大泉学園も立川も入るじゃん。ぜ~んぶ商業スポットとしての格が段違いの街、逆立ちしたって東村山は勝てませんよ。マンション下層階に生協のスーパーが入った位でどうやって他所からお客さん集めるって言うのかねぇ。開いた口が塞がらないよ(セブンイレブンじゃあるまいし「開いてて良かった」なんて言わないでね)。生協から出るのは地元の個人商店へのマイナスの影響だけだろうね。

「流入者は所得が高い人が多いと思われる」ってのも言い草の一つにあるらしいけど、多くの高所得者が東村山に・・・来るかぁ?来ないね、断言する。お金持ちはね、生活コストについても敏感でね、法人住民税の少ない自治体、要するに貧乏な自治体は避けるね。今後どんどん国庫からの交付金が少なくなって来るんだから、子供の医療費や細かいところで言えば公民館の利用費など、同じ生活を営むのであれば出来るだけ出費の少ないところを選んで住居を構えると考えた方が真菰茸、でなくって、まともだね。港区なんて子供が中学卒業するまで医療費タダだしね。
東村山は生活コストを逆に値上げしたらしいじゃん。

それに交通の利便性にも疑問あるなぁ。準ローカルだから電車で都内に出るにはそれなりに時間がかかるし、幹線道路が細くて1本しかないからいっつもじゅうたいしてて、車で通過するのに苦労するよ。

というより、今後もマンションを「買う」人は減らないと考えてんのかなぁ。深くは考えたことはないけれど、三多摩地区って戸建住宅を分譲するとアッサリ買い手がつくんだけど、マンションだと営業さんが売りさばくのが大変らしい。キャッチバーよろしく夜の9時ぐらいでもマンションの前で声張り上げてたよ、「ど~ですかぁ?ご主人、ホテルのようなマンションですよぉ~」。

今でさえ日本中の住宅の1割が空き家になってるのに、その上、長期的な地価下落と増税されるであろう相続税に備えて地主は借地契約を辞めて戸建てやマンションどんどん建てて売りさばいてるじゃん。すかいらーくだって新店舗の用地手当は、地主が借地契約を嫌がったために不動産の証券化に変更せざるを得なくなったしね。
もはや供給過剰になってるところに分譲マンション建てて目論見通り売れるのかぁ?大いに疑問だね。

今は未婚・晩婚、来年からは熟年離婚の増加で総世帯数はいっとき増えるかもしれないけど、日本人自体が減って来るんだからいずれ世帯数だって減って来るのは自明の理だ。

ただでさえ膨大な税金投入して建築してさ、売れ残ったら住民税収だって見込みより減っちゃうんだからね。

この話を知った時「へぇ~、未だにハコモノ行政に希望を抱いてる市長がいるんだ、東村山市民も可哀想に」と他人事だった。
でも国庫交付金も都からの助成金もつぎ込まれるのよねぇ。今現在の初期投資はビルと道路整備とペデデッキと地下駐輪場で140億なんだって。民間が考える費用対効果、初期投資回収までの期間は実に47年。回収まで半世紀もかかる案件に投資する勇気・・・フツーないね。ジョージ・ソロスでもこんな長期過ぎる投資にゃ手を出ないんじゃなかろうか。

47年という期間にしても算出したのは談合疑惑が大有りのセントラルコンサルタントだし、その他のキャスティングだって官製談合でおなじみの東亜建設工業。



沖縄の北谷町美浜に「アメリカンヴィレッジ」と言うリゾートタウンがある。
戦後米軍基地があり返還された跡地に行政が造ったのは、ハコではなくアスファルトを敷いただけの駐車場だ。それを無料で利用できるようにしたおかげで駐車場を中心に商業施設がたくさん進出し、今では巨大ヴィレッジが出来上がっている。おされなお店やレストランにシネマコンプレックス・・・老若男女、大勢のお客さんで賑わっている。

そんな中、いっつも閑古鳥が「ヒエ~・ヒエ~」と鳴いている施設がある(閑古鳥がヒエ~と鳴くかど~か知らないし、そもそもカンコという鳥を見たことがない。上野動物園にでもいるのか?ご存知の方がいらしたら、どうぞ教えてみてくれたまえ。カンチョーという鳥は知っている。九羽でワンセット・・・)。簡保が建てたレジャー施設「サンセット美浜」だ。温泉、プール、宿泊設備、テニスコートなどがあり駐車場のキャパは200台。

かつて駐車場に10台以上車があるのを見た覚えがない。利用者は身内が多いんじゃないのか?
経営責任を感じないコームインのやることなんか、こんなモンである。




100mビルの目的は、建築で地価の上昇を狙いビル完成後も立ち退かず一等地に残る一握りの人間の財産価値を高めること・・・じゃないよな、まさか。

ごく短い距離だけ道路の幅員を広げたのは、ビル予定地の容積率を上げるため以外に目的はあったのかねぇ。少し行けば元の幅の道になるから交通面でも安全面でもメリット感じないぞ。



国会でもよく耳にする議会用語で「それにつきましては、過去の経緯で決定いたしましたことでして・・・」ってのがあるけど、根っからヒネくれてる僕としては「詳しいことは言えないけれど、もう手打ちしちゃったんだも~ん・・・」と聞こえる。

もしも裏でお金が動いてたら、汚いお金を銀行や企業を通してキレイにすることをマネーロンダリングって言うけど、納税者から集めたキレイな血税を表に出せない汚いお金にすることはなんて言うんだろうか。


亀田コーキの件で立川談志が「下衆の勘ぐりってのは当たるもんだ・・・」と言っているけれども、ここには書かない僕の「下衆の勘ぐり」は当たってるのかねぇ。