白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

てのひらのむこうがわ

2006-02-20 | 純粋創作

読みやすい位置に再掲します。




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「てのひらのむこうがわ」




ねえ
てのひらって かがみみたいだよ
じぶんを うつすんだ
もう はんとしがすぎて
においもしないし
ずっと からだがじんじんして
おもたくて あついけど
ちょっと きょうは
なんだか
やさしいね
ねえ せんせい
せいめいせんの うらあたりにね
ぼく せんろがみえるんだよ
おとうさんと
おかあさんと
でんしゃでね
ならにいったんだ
しかに てをかまれて
ちがでてね
いたかったよ
ぼくね
あのときにみた ちのいろは
あかかったよ
あかかったよ
うそじゃないもん
でもね
きのう
おかあさん
ぼくのちは
しろくなってるんだよっていうんだ
うそだよ
ぼく
め みえるもん

さっき さかむけ むいちゃった
ね ぼくのちってあかいよね
しろくなんかないよね





せんせい
ぼくね
ゆりちゃんがすきなんだ
ゆりちゃんがね
きょねんね
ちょこれえとくれたの
ちっちゃくってね
あまくってね
もうすぐほら
ばれんたいんだし
またゆりちゃんにちょこもらうの
でもね
ゆりちゃんね
おみまいにきてくれないんだよ
ここにきてくれないんだよ
ぼく ふられたのかな
ちがうよね
ゆりちゃんなにしてるんだろ
けんたもさいきんこないね
じゅんもよっちゃんもこないね
ぼくのことわすれたのかな
ぼくね ちょこもらいたいしね
はやくさっかーしたいから
はやくここからでてね
はしってがっこうにいってね
そう
ゆりちゃんにあいにいくの





なんだか
さむいね
きゅうにさむくなってきたね
ふゆだもんね
しんしんしん しん
しゃんしゃんしゃ ん
びゅーん
って
ひこうきとぶんだよ
のりたいよ
おきなわ いきたいな
あったかいもんね
おかあさん と おとうさんと
いつか ゆりちゃんとおよぐんだ
さんごとか みて
もぐって
さかなとおよぐの
せんせい おきなわ いったことある
いいなあ
せんせい ずるいなあ
ぼく まだ いったことないよ






おかあさん 
おかあさん めが あかいね
め こすったんでしょ
めいしゃさん いったら
ここ めいしゃさんあるから
ほら






きのうね
ゆりちゃんとね
けっこんするゆめみたの
ゆりちゃん
まっしろのどれすきてるの
ぼくがあげたんだよ
ほら
ぼく
おとしだまのちょきんが
さんまんえんぐらいあるでしょ
でね
ものすごくきれいなどれすをね
ゆりちゃんにかってあげるの
すごいでしょ
ほんとにきれいなんだよ
でね
ぼくもね
しろいかっこいいふくきてね
ゆりちゃんとてをつないでね
きょうしつのみんながね
ぼくたちのこと
うわーっていうんだよ
ぼくたちにね
ばいばいっていうんだよ
でもね
ぼくね
ゆりちゃんとわらってるの
ばいばいっていわれても
ゆりちゃんといっしょだから
ぜんぜんさみしくなくて
でね
ゆりちゃんにね 
おはなあげるんだ
でもね
めがさめちゃってね
がっかり
ゆめだったから
さめちゃったもん
さめないでほしかったけど
ゆめだったもん
いやだなあ





ペルとさんぽいきたいね
はやくげんきにならなきゃね
でもね
なんか じんじんしてるんだ
ねむたい
ふああ
ねむいね
おかあさん
また いっしょにねてよね
あたま なでてくれるよね
ほら
ぼく いまぼうずだから
すごくつるつるで
おもしろいよ

ほら





ふああ
ぼく ねむい
ねるね
つかれた
はあ
はあ





ねむいね
くらいね
おそと いなくなっちゃった
あした ぼく め さめるかな
ぼく いなくなってたらやだな
でも ゆりちゃんのゆめだったら
あんまり おきたくないな
また ゆりちゃんのゆめ みたいな
じゃね
おやすみ
おかあさん
ばいばい








(2005.12.09)



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小学生の、こどもになったつもりで
ちょっと書いてみました。
文章の練習です。
藤井貞和もどき。




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