舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

Nahiwa観賞レポート

2008-10-06 00:58:41 | ダンス話&スタジオM
というわけで、今日「Festival Na Hiwahiwa O Hawai'i」を観て参りました

会場の「JCBホール」に行くのは初めてだったんですが、まあずいぶん立派な劇場ですね。
収容人数が2,000人を超えるにも関わらず、配置を工夫してどの席からも舞台が遠くなり過ぎないようになっています。東京ドームのそばにいつの間にかこんなホールができていたなんて知りませんでした。

というよりフラがこんな大劇場で踊られる日が来たことが私には衝撃です。一般人がフラダンスとフラメンコの区別がつかなかった時代からなんと遠く隔たってしまったことか。

かように大流行の時代が訪れたのは我々のような古参者からすればたいへん嬉しいことなんですが、問題は踊りたがる人が多い割に観ようとする人が少ないってことです。

一昨日書いたように、こんにち多くのフライベントは日本人出演者がチケットを買って舞台に立ち、これをハワイからのゲストを呼ぶ費用に充てています。
それなのに、出演をすませた日本人ダンサーはこれからようやくハワイからのゲストが踊ろうというその時に荷物をまとめて帰ってしまうんですよ。
私は東京のイベントでしばしばそういう光景を目撃して驚愕しています。
皆さん、自分が踊ればそれで満足してしまい、本場の人の舞台を見たいと思わないのでしょうか。

私は「質の高い」舞台を選んで観るべきと思っています。
なぜなら質の高い舞台は見る目を養い、向上心をかき立て、良いインスピレーションを得るのに役立ちますが、そうでない演技は誤った美意識を育てかねないうえ、「自分の方がまだしも上手い」と思ったが最後その人の上達はそこまでで終わってしまうのです。

フラは若さや体力、運動神経がすべてではありません。
むしろ何十年単位の経験を経ないと得られないものが数多くあり、取り組み方次第で一生上達し続けることができる踊りなのです。
それこそがフラの一番の魅力といえます。この楽しさを味わわない手はありませんね。

日本人ダンサーの多くが出来る限り質のいい舞台を見ようとし、自己満足に終始するのみでなく「観賞に堪えうる踊り」を目指して努力するようになって初めて、フラが本当に日本に根づいたことになるのでしょう。


で、その第一歩。本物のハワイのフラを観ようではありませんか。
今日のステージはまずミス・アロハフラのスガヌマさんから始まりました。私が観たのは昼の部なので、うれしいことにカヒコを観ることができました。
そして、もっとうれしいことにスガヌマさんの踊りは見事な上達を遂げていました

大会のときは正直「踊りの力じゃなく血筋でミスになったクチだなあ」という印象だったスガヌマさん。
しかしこの数カ月の間の上達は目覚ましかったとみえ、すっかり地に足のついた、誇り高い踊りを踊っていらっしゃいました。

大会の時気になった肩の揺れも今日はだいぶ抑えられていましたし、ステップの足運びにマミちゃんの嫌いな誤魔化し(=必要以上にカカトを上げるなど)がなく、基礎がきっちり出来ていることをうかがわせました。
私が好きだったのは「表情」と「背中」です。誇り高く頭を上げ、「Pali e ke kua」を体現したまっすぐな姿勢、しかもそれらが決してわざとらしくありません。
フラはどんな技巧を凝らすより自然に踊ることが難しい踊りですが、弱冠20歳にしてかなり自然な領域まで達しているスガヌマさん、今後が楽しみなダンサーです。


続いて出て来たのはカピオラニ・ハオさんのチームでした。
すいません、なぜか私オブライアン・エセル氏が出ると思い込んでたんですけど、氏は夜の部だったのですね。カレオ・トリニダッドさんが出られなくなり一部出演者に変更が生じたせいで記憶が混乱してしまったようです。

ともかく、カピオラニさんはかの人間国宝アンクル・ジョージ・ナオペのお弟子さんです。
アンクルジョージの系列の踊りの特徴なのか、こちらのグループは男女にさほど大きな差がない気がしました。というより女性の踊り方がかなり男性っぽい。私あたりの感覚からすると女性にしては脚が開きぎみのように感じました。
男女の踊りをことさらに変える教室と、あまりそうしない所がありますね。

つい自分を基準に考えてしまうけれど、もしかするとうちの系統「イリマ・スタイル」は特に女らしい踊り方なのかもしれません。
パーティーの余興で「イリマスタイル物真似」をしてくださったハワイのミュージシャンの方も、そういえばことさらに女っぽく踊ってましたっけ。
もちろんうちの男性の生徒さんは女らしく踊る必要はありませんが(笑)。

その点、次に出てきたアロハ・デリレイ先生のところのスタイルは、今日見た3つの中では一番うちに近い感じがしました。
教室の成立年代や地域を考えると不思議はないんですけどね。

センターをつとめたスガヌマさん(彼女はここに所属しているのです、というより幼少のうちにご本人でここを選んだそうな)のキッチリした基本動作を見ると特に近さを覚えました。コアカでわざとらしくカカトを上げたり歩幅を広げたりしないところとかね。
ただ、こちらの方がイリマより古典的なスタイルに忠実だと思います。イリマフラスタジオはその昔、カハラヒルトンのようなオアフの主要ホテルのディナーショーなどを手掛けていたような教室なので、もっとショーの要素を重視しているのですね。

ちなみに私のいう「イリマスタジオ」は現在の「ハーラウ・モーハラ・イリマ」とは一切関係ありません。
あちらは非常に典型的なアンティ・マイキの系統で、私もアンティ・マイキの上品なスタイルは好きですが、様々な点がうちとはだいぶ違います。


最後に出てきたオラナ&ハワード・アイご夫妻の教室は日本でも有名ですね。
しかし実はこちらの踊りはいわゆるフラとはちょっと違います。いわばネイティヴ・ハワイアンよりむしろアメリカ人受けしそうなスタイルですね。
とてもショーアップされていて、ゴージャスな衣装も派手な振り付けも豊かすぎるほど豊かな表情もたいへん分りやすい。三女シェルシーさんが踊る姿を見て白人女性が涙を流したというのにもうなずけます。

衣装がゴージャスなのは素晴らしいことです。こちらの衣装には見習うべき点がたくさんあります(マミちゃん的視点で)。
ただ、そのたっぷりしたスカートの分量をフルに活かすためか、スカートをしっかり揺らそうとするあたりに作為のにおいを感じずにはいられません。
ほかにも、腰を大きくスウェイするためか大きくとった足幅といい、アップダウンの激しい動作といい、見る目が完全に養われていない段階でうかつに真似しようとすると事故が起きる要素です。

私がフラに詳しい人に「オラナさんとこの物真似」をやると必ずといっていいほど受けます(笑)。
しかし真似しやすい特徴は両刃の剣です。本当は抑えるべきところを抑えた上でしなければならない動作を、安易に目立つところだけ真似してしまうことによって、踊りは間違った方向に向かいます。

じっさい、後半でクムのオラナさんが若いダンサーたちに混ざって踊ったところを見ると、オラナさんご本人には私がダンサーたちを見て「アレわざとらしいなぁ」とか「鼻につくなぁ」と思った要素は見られず、自然に綺麗に踊っておられました。
ほかの先生方も同じでしたね。ダンサーたちがするとわざとらしかった動作も、クムには一切見られないことがほとんどでした。

これはプロとそうでない人の技術の違いといってしまえばそれまでですが、私は「伝達の過程で起きた拡大解釈」ではないかと思います。
先生がほんのわずか持っている癖や、ごくたまにだけ使うスパイスを、あたかもそれがすべてであるかのように取り入れてしまうと、元の先生にはない作為的な踊りが生まれてしまいます。
あるいは、教えているインストラクターに悪い癖があるのかもしれません(それが怖くてインストラクターは使えないんだってば)。
いずれにしても、どこかで拡大解釈された結果であるのは違いありません。

これらの拡大解釈が淘汰され、身体に馴染んだ自然な動作になったとき、「本当に上手いフラ」が出現します。
この自然淘汰には時間がかかる。だからこそ、フラはある程度の年数に達しないと十分に上達できないし、一生上達の楽しみが終わらない踊りなのです。

ナーヒウ゛ァヒウ゛ァ帰り

2008-10-05 18:47:30 | ダンス話&スタジオM
「ナ-ヒウ゛ァヒウ゛ァオハワイ」観て参りました♪
出演グループは全部ハワイのチームばかりで(チーム内に例外の人もいましたが)とても為になる舞台でした。

あと、演目のかなり多くがウチで踊ったor現在練習中の曲と被っていたのが嬉しかったです!なぜかメリーモナークの演目は偶然の一致がやたら多いんだよなぁ(笑)
昨日の公演を観たうちの生徒さんたちはさぞ興奮したでしょうね♪

詳細は帰宅後レポートいたします!まずはこれから新宿ゴスロリ店詣りだ~(笑)

Na Hiwahiwa O Hawai'i

2008-10-04 02:20:06 | ダンス話&スタジオM
今週末にJCBホールで開かれるフライベント「ナー・ヒヴァヒヴァ・オ・ハワイ」を観に行かれる生徒さんのために、「出演者解説あんちょこ」を用意させていただきました。
グループそれぞれの特徴を(独断と偏見を交えつつ)画像のようなイラスト入りで解説したものです。

ちなみにこちらのスケッチは今年のメリーモナークの際に大会を見ながら速記しました。だから絵文字もメチャクチャ乱暴でどのていどお役に立てるか分りませんが(笑)、マミちゃんが隣の席でまくしたてる衣装への注釈を残らず書いておりますので、うちがどんな点に留意して衣装を考えているか垣間見られるはずです。

マミちゃんが見ているのはたぶん、世の中の9割のフラ関係者は決して気にも留めない事がほとんどだと思います。
というより視点自体が違うんでしょうな。おそらくほとんどのフラ関係者は「ハワイ島だから赤いドレスなのね」とか「こういう意味の内容だからこのレイなのね」とかいったことに目を向けていると思いますが、マミちゃんはVOGUEの解説に載ってるようなことしか言いません。

こないだ生まれて初めてマミちゃんと同じ路線でメリーモナークの衣装を論じた記事を見たんですが、長年マミちゃんのファッション論を聞かされてきた経験からいえばまだまだ踏み込みが足りなかったですね。
しかし、これまでずっと「意味との合致」という点でしか論じられてこなかった風潮を思えば(そしてマミちゃんはその風潮に大いなる不満を持っています)、こういった切り口が登場してきたこと自体をありがたく思うべきかもしれません。


おおっといけない。今日は週末のイベントの話でした。

このイベント、日本では珍しく日本人のグループが一組も出ないという、まことに稀有な存在です。
ほとんどの方はご存じと思いますが、日本で開催されるショーの多くは「出演料として一曲あたり数十枚~百枚のチケットを買ったグループが出演する」というシステムでチケットをさばいています。
それなのにこのイベントには日本人が一組も出ないという。チケットを売るのがさぞかし大変だったことでしょう。
その並々ならぬ労に敬意を表すと同時に、だからこそ見る目を養いたいダンサーの皆様にぜひともお勧めのイベントです。

上達のためにはまず見る目を養う必要があり、見る目を養うためにはとにかくステージを見るべきだと思いますが、我武者に見りゃいいってものではありません。
質の高い踊りを見ることが質の高い目を養うからです。

健康な身体づくりのためには日常的に良質なものを食べるように心掛けなければならないのと同じで、観たものの一つひとつがすべて自分自身の踊りにつながると考えれば、下手な鉄砲状態で舞台をたくさん観さえすれば何かの役に立つという発想は正しくないと分ります。
できるだけ質の高いものを選り分けて観るようにすべきだと私は思うのです。
とりわけ私のように見たままをカメレオンよろしく取り込んでしまう覚え方をするタイプの人ならなおさらです。

しかし最初は何が「質の高い踊り」なのか分らないのが実情です。
そんなときはハワイの一流どころの演技を見れば一番確実です。もちろんジャッジが必ずしも公正とは限らない以上、成績だけで実力を判断するのは危険ですが、最高峰といわれるメリーモナークの上位入賞者であれば、少なくとも歴史ある大会のプライドにかけてあまり酷い人は入賞させられませんから間違いは起きにくいといえます。

今回の「ナー・ヒヴァヒヴァ・オ・ハワイ」はそんなメリーモナークの上位入賞者だけを集めたショーです。
特に土日の昼の部は、歌手も含めてなかなかのラインナップ。
私の楽しみにしていたカレオが出られなくなったのは残念ですが、衣装のゴージャスなオラナさん、まったき正統派のアロハ先生、そしてマーク様と同じ流れを汲むオブライアン・エセル氏など、各チームに見どころがあります。
とりわけお勧めはアーティストのズッターマイスターさんですね。彼の歌を聴くためだけでも行く価値はあると思います。

フラチームはともかく、歌手の質が昼の部と夜の部で違い過ぎる(昼と夜で歌手もダンサーも出演者が違うのです)と他人事ながら心配していたら、夜の部にもウェルドンさんという現在最注目のアーティストの出演がめでたく追加決定しました。
ウェルドンさんの歌なら私も聴きたいくらいです。よかったよかった。


ちなみに、かくいう私は日曜昼の部に馳せ参じます。
この日に合わせて例のドレスも作りましたしネ。

いかんべ写真

2008-10-03 00:54:29 | ダンス話&スタジオM
今日は矢板で新しくメンバーを募集したグループの初レッスン日でした。
めでたくメンバーが増え、生徒さんたちも喜んでくれて良かったです

今日から新規スタートということで募集しましたが、来月やそれ以降に新しく加わるメンバーもいるそうです。
今後も随時メンバーを募集しておりますので、途中からでもお気軽にどうぞ


ここに載せた画像は8月のいかんべ祭の時に矢板の生徒さんが撮ってくださったものです。
今日のレッスン時に持ってきてくださいました。
画面からは分りにくいけど、実際には結構雨が降っていたんですよねえ。
まったくもって誰一人転ばなくて良かった
あと、雨の中最後まで舞台を見たり写真を撮ったりしてくれた方々に感謝です

来月のイベントは季節柄屋内ばかりなので、天候の心配がないのがありがたいですね。
暑がりだからと夏イベントの出演を控えていた生徒さんも来月からイベントに復活です(笑)。


そうそう、我々スタジオMはご希望があればイベント出演に馳せ参じます
2人から300人以上まで、出演人数はご希望に応じてアレンジ可能です。
出演時間に応じてプログラムを作成いたします。
また、「フラだけ」「ベリーダンスだけ」「タヒチアンも入れて」などのリクエストにもお応えいたします...が、お客さまにとってはいろんなジャンルが混在していた方が楽しいと思います。

出演条件としては「着替え用スペースがあること」「ステージ環境が整っていること」の2点さえ大丈夫ならどこでも参ります。
ステージ環境といっても、「足場が安定している(=砂利や青ビニールシートの上でない)」「夜イベントならライトがつく」「極寒や酷暑ではない」みたいな必要最低限の条件さえ揃っていれば問題ありません。


ステージに追われるあまり踊りの質を落とすことだけは避けたいと思っているのですが、ご要望があればできる限りお応えいたしますので、どうぞお気軽にお呼びくださいまし

新ドレスと秋のイベント

2008-10-01 23:48:51 | ダンス話&スタジオM
只今、我々のドレスを洋服屋さんにお願いしています。

生地はハンドプリントが有名なハワイのデザイナーのもので、ここは生地だけでは売ってくれないのですが、例によってマミちゃんはお店で売っているデザインに満足できず、ようやく生地の入手に成功してオリジナルドレスを作れることになりました。

しかしそういう経緯でやっとこさ入手した物ですから、いつものように生地を際限なく使えるほどの量はありません。
そのうえ柄の入り方が今までにないタイプなので、まず効果的な生地の裁ち方を考えるのに時間がかかりました。
ちなみにマミちゃんはドレスを作る際に柄の入り方をミリ単位でお願いしています。デザイン画を描く時点で私の手許にわずかでも狂いが生じると物言いがつきます。彼女の脳内では仮縫いより前にすでにそうとうリアルな完成図が出来上がっていて、私が完成品を見て「おお、綺麗な形じゃん」とか感心すると、さも当り前と言わんばかりに莫迦にした顔をされます。

熟考の甲斐あって生地の効果的な使い方を見つけることができ、できる限りスカート部分の量を増やすために入れた生地も違和感なくつながりました。

今回使った物のような柄の入り方をした生地は世の中にもたくさん出回っていますが、既製品を見るとマミちゃん目線ではどうにも野暮ったい使い方しかされておらず、効果的な使い方が思いつかなかったために避けてきた種類の生地でした。
でも今回の我々のドレスを作ったことでだいぶ参考になりましたので、これからは団体用ドレスにも臆せずこのアイディアを使っていこうと思います

うちのドレスはまず我々二人のドレス(舞台デモ用だったりパーティーや観劇用だったり目的はさまざまです)から着想を得て作られることが多いです。
ただ、今年のうちの白黒ドレスみたいに生徒さんからいたく気に入られた場合はそっくりそのまま同じ物をお揃いに使うこともあるけれど、あれは本当に稀なケースですね。ふつう、何らかの形で改良が施され、去年のエスメラルダ仮装からヒントを得たジプシードレスのようにまったく原形をとどめない形でアイディアが反映されることがほとんどです。

あ、今作ってるのはディズニー仮装用じゃないですよ(笑)。
ディズニー仮装も生地は取り寄せてあります。小物の注文も済ませました。だから今のが出来上がり次第、そちらの製作に取りかかるつもりです。

小物は理想的な物が売っておらず手作りしようか悩んだのですが、せっかく衣装をゴージャスに作ったのに手作り感まるだしの小物で台無しになるのだけは避けたいので、やはりプロの力をお借りします。
小物って実は意外と重要です。接客業の人はまずお客さんの腕時計と靴を見るというくらいですから。

まあディズニー仮装は後日においといて、スタジオMの秋イベントが決まってまいりました。
一つはほぼ決定です。日時もだいたい決まりまして、現時点では第1ステージと第2ステージの時間が近いので、内容を変えようか悩んでいるところです。
もう一つのイベントも日にちが間もなく確定するようです。

いずれのイベントも、詳しいことが決まり次第こちらでお知らせします


さて、明日はいよいよ矢板のクラスです。
嬉しいことに新しい生徒さんもいらっしゃるとか
基礎からシッカリ丁寧にいきますよ♪

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