舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

勉強は楽し

2009-06-23 23:42:16 | ダンス話&スタジオM
昨日、ガンダムやら戦国武将やらの事をもっと勉強したいけどその暇がない...と嘆いたわけですが。
私は、いえ私たちは勉強が好きです。大好きです。
特にダンスのためとあらば、時間を無理くり捻出してでも、寝食を忘れてでも勉強したいほどです。

というわけで、先月の白樺湖ハワイアンフェスティバルの写真が主催の方から届きました。
これは舞台出演後の写真です。そう、「どこかのショーに出てるんですか」と、あらゆる方から訊かれた時ですね。
...確かに、この妙にカメラ慣れした感じのポージングといい(※ちなみにこの隊形になるにあたって打ち合わせは一切なし)、派手なヴィジュアルといい、ステージ上でのやけに慣れたフォーメーション(種を明かせば直前に骨髄バンクで踊ったばかりだからなのですが)といい、何かとショーダンサー的かも...。
マミちゃんは20年以上前に舞台演出とかプロダンサー用の振り付けも手がけていた人ですから、まぁ、何かとショーダンサー的になるのも自然といえば自然です。

そんなショーダンサーな我々ですが、翌日のワークショップの時間になると一気に模範的生徒に早変わりです。
いえ、べつに模範的に振る舞うつもりでそうしてたわけじゃなく、一緒に出ていた生徒さんに指摘されて初めて分ったんですよね。
なんでも、その方によると、レッスン中の我々は先生のお話を相槌とか打ちながらもの凄く真剣に聞いて真面目にレッスンをしていて、その真面目さときたらカワイイほどだったとさえ言われてしまいました(汗)。
いえ...別にカワイイつもりなどなく、普通にレッスン受けてただけなんですが......。

でもそこでハタと気づきました。そういや、生徒さん達と一緒にレッスンを受けるのは実に十数年ぶり(以前ハワイツアーの時にもそういう機会があった)で、我々がレッスンを受けている姿を見るのが初めてという生徒さんもずいぶんいらっしゃったのですね。
そうすると、確かに我々がレッスンを受ける側に回っている姿というのはもの珍しいかもですね。

レッスンは楽しいです。今回のワークショップでは、うちの生徒さん達にもそう思っていただけて、とても嬉しかったです。
何故楽しいかというと、レッスンは我々にとって仕入れのネタではないからですね。
これが振り付けを「仕入れる」ためだけのレッスンだったなら、この半分いえ10分の1も面白くなかったでしょう。
振り付けを「仕入れる」かわりに、我々は個々の先生の個性や雰囲気、踊り方・教え方の違いを知る貴重な場だと思っています。

ってか、振り付けはそんな短期のレッスンで「仕入れる」ことができるモノじゃないでしょ。系統立てて本物のダンスを学んできた人だったら、そのくらい常識として分るはずです。
実際に「仕入れる」魚でさえ、競りに参戦するにはそれなりの修行が必要なんだから...って、このたとえはチョット違うな(笑)。
あ、例えるならこっちの方が良いな。一流シェフのレストランメニューみたいなすごいレシピを「仕入れ」ても、料理の技術がしっかりしていなければ一流シェフの料理にはなりません。遠く及びません。
その昔、料理番組のアシスタントが「これでご家庭でもホテルの味に出来ますねっ」と奔放なご発言をしたところ、先生役だった当時の帝国ホテルのシェフがニヤリとして「さぁ、それはどうかな」と言ったそうな。
そのひと言で、私が名も存じ上げぬそのシェフに尊敬と同感の念を抱いたのは言うまでもありません。

そこで視聴者に媚びて「えぇえぇ、出来ますともホテルの味に」とか言わなかったところが、尊敬すべき点です。
そして、「同じレシピでも同じ物は出来ない」という真理を突いたところが、同感した点です。

ダンスも同じ。レシピ、もとい振り付けが手に入れば同じだと思ったら大間違いです。
最も大切なのは踊り方です。料理の技術が優れている人が作ればどんなシンプルな料理も美味しく出来るように、踊り方の出来ている人が踊ればあらゆる踊りが素敵になり得ます。

嬉しい事に、最近ではだいぶその真理に気づいた生徒さんが多くなってきました。
「振り付けよりも、一つ一つの動きをしっかりと極め、先生と同じように踊れるまでにしたい」とおっしゃるクラスもあるくらいです。
「先生の踊り」をそこまで良いと思ってもらえた事を光栄に思うと同時に、質を極める事こそ大切なのだと気づいてもらえた事が、何よりダンス屋冥利に尽きます。

そういう境地に達する事の出来た人(残念ながらすべての人がこの境地まで行けるわけではない)は、もう既にかなりのところまで見る目が備わったと言えます。あるいは、正しく見る目を養う道が開けたとも言えますね。
この段階での自分自身の踊りの技術は、人によってさまざまだと思いますが、このまま行けば確実に向上できて、美しい踊りが身に付いていくでしょう。

理想を言えば、まだそれほど経験を積まないうちにこの境地に達する事が出来るのが、よりスムーズな上達のためにはベストなのですが。
これがなかなか難しい。「ダンスは質だよ」といくら口で言っても、ご本人に実感として理解してもらわないとやっぱりダメなんですわ。

だから我々としては、なるべく踊り方の良し悪しを比較する機会を作ったり、「見る目を養うために観るべき資料(&観ちゃマズいもの・笑)」を提案したりして、道がどっちに延びているかを照らす事が出来ればと思いつつ、日々是精進しておりますです。

最新の画像もっと見る