舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

夏企画!メレフラのお作法

2014-08-05 05:10:47 | ダンス話&スタジオM
8月に入りいよいよ夏本番、毎日のように様々な場所でフラやハワイ関連のイベントが開催され、メレフラに参加する機会も多い事と思います。
あ、メレフラというのは「フラ版ディスコ」。生演奏なりCD音源なりに合わせ、好きなように踊りましょうという自由参加のステージであります。不思議な言葉だよなあ。誰が造ったんだろ。


しかし大変残念な事に、世のメレフラを見ておりますと、少なからぬイタい人が散見されます。
そこで本日は、メレフラでイタい人になってしまわないためにはどのような振舞いが望ましいか、個人的な見解をお話ししたいと思います。



(1) そもそもそれはメレフラなのか?

まず根本的な事から参ります。
フラダンス愛好家の中には「他人様に踊りを見せたくてしょーがない症候群」の方々がいらっしゃいまして、そういう方はハワイアンソングが流れていてイイ感じにスペースが空いていればいつでもどこでも踊って良いと思っておられるフシがあります。
まあ、誰も見ていないところで自由に踊るぶんには深夜の駐車場でヒップホップの練習をする若者や、明け方の公園で太極拳をする人達と一緒で何ら問題ないのですが、この症候群の方々は残念ながら、「人に見せる」事を至上の喜びとするあまり、TPOを考えず人前に文字どおり踊り出てしまうのが問題です。

最も問題になりがちなのは生演奏のステージですね。
最初からメレフラと銘打たれた公演であったり、バンドの方から「どうぞ自由に踊って下さい」とのMCがあったりした場合を除き、生演奏は決して自由参加タイムではありません
どんなに自分の十八番が流れてウズウズしても、「呼ばれてないのにジャジャジャジャーン」をやらかしてしまわないよう、くれぐれもご注意下さいまし。

一般的にハワイの生演奏は最初から「自由に踊って下さい」とアナウンスされる事はあまり多くなく、バンドの方に指名された人が出て来て踊る事が多いです。
これは決して踊り手が自分から売り込むモノじゃありません。招かれて初めて踊らせて頂くのが礼儀です(そりゃそうだ。こないだ我々もハワイでのナタリーさんのライヴでまさにお招きに与ったけど、誰があんな汗と疲労で顔面崩壊状態の時に売り込むもんか)。

もしあなたが英語力に絶対の自信が無い場合、ハワイで生演奏のステージの時に誰かが客席から出て来たのが見えたとしても、「あ、踊っていいんだ!じゃあ私も!!」と思い込んで出て行ったりしない方が賢明です。


(2) メレフラに相応しい服装

さて、ここからが本題、ホントに誰でも参加してオッケーなメレフラの話です。
参加するイベントにメレフラタイムがあったり、最初からイベント自体がメレフラパーティーだったりした場合、どのような服装で参加するのがよろしいか、という事から参りましょう。

ハッキリ言ってメレフラ自体が自由参加のものですので、どんな格好をしていても別に問題はありません。
ただ、やはり他人から見て「あ、アレはちょっとイタいな……」というのはありますね。




例えばこんなのとか。

たとえば同じ教室の仲間とメレフラに参加する場合、お揃いで気合い入れて行こうと考える事自体はもちろん自由ですが、そのお揃いが教室指定パウ&Tシャツとかだとけっこう…いえ、だいぶイタいです(笑)。
そもそもパウってのは「練習着」だからね。いくら自由に踊るメレフラといえど、人前で踊る場で着るもんじゃありません。
普段のレッスン以外に人前で着るとしたらまあ、せいぜいイベントのリハーサルか、ワークショップくらいのもんですかね。
そこへもってきて教室名までご丁寧に書いてあったりすると、「ぅゎ~…あの人達、気合い入ってるね~…(※引き気味)」という目で遠巻きに見られかねませんので、ホンットお勧めしかねます。

また、練習着でなくとも、メレフラの前後の出演時の衣装でもないのに気合いの入りまくったステージ用ドレスを着たり、ありったけの装飾品をこれでもかと付けまくったりしますと、これまたイタい姿になりがちですのでご注意下さい。
みんなでカラオケしに行った時に一人だけ紋付袴をはいて行った状態をご想像いただければ、そのイタさが伝わるかと思います。


あともう一つ別の理由でお勧め出来かねるのがジーンズです。
それ以外にも脚やお尻周りがピッタリしたパンツルックはやめておいた方が無難です。

なぜなら、ジーンズやピッタリしたパンツは踊っている時の下半身の状態が良くも悪くも浮き彫りになるからです。
普段パウをはいてレッスンしている時にはパウによって誤魔化されていた部分が、情け容赦なく露になるのですね。

もちろん踊っている時の姿勢が美しい人なら無問題なのですが…。
自分の下半身の状態が美しいかどうか、自分自身ではなかなか分らないものです。
少なくとも私がフラ雑誌などで目撃した「ジーンズでメレフラやっちゃってる人々」は全員(自主規制)
ですので、姿勢の事など気にせず気楽に踊るためにも、ジーズは避けた方がよろしいでしょう。


(3) メレフラ仕様のフラを踊ろう!

メレフラは発表の場とは違いますので、踊り方もそれにあわせて変える必要があります。




まずは物理的なスペースについて。
とりわけ混み合った会場の場合、ステージ用のダイナミックな振付をそのまま持ち込むと周りの人に迷惑がかかるおそれがあります。
目安としては、両手を広げたくらい=直径1.5mくらいの空間を使って踊る事を心がけましょう。
スタイルによってはステップの歩幅が広めのところもありますが、周りの人口密度を見て柔軟に調節する事が大切です。

もしそこまで混んでいないとか、スペースが十分にある会場であっても、ステージで踊る時よりも「軽め」「スペース小さめ」に踊るようにした方が、メレフラに相応しい踊り方になります。
メレフラであまり肩にチカラが入った感じで踊っているのは大変痛々しいモノですので、メリモの特典映像に入っているクムのダンスタイムを参考に、隣の人とお喋りしながら踊るくらいのノリで緩やかに踊りましょう。

あ、カ●オ・トリ●ダッ●さんのフラはあの場で浮くくらいものすごく気合いが入っていますので、メレフラ仕様の踊り方としてはあまり参考になりません(爆)。


(4) 全体のスペースを考えよう!

メレフラの時はえてして踊る方にばかり神経が行きがちですが、自分の踊りやすさのためにも、そして周りの人達のためにも、全体のスペースを意識して踊るようにしましょう。




どういうことだってばよ。
極端にいうとこういう事です。

よくメレフラのとき、ものすごく限られたエリアにダンサーが集中していて、それ以外のスペースがガラ空き、って事が結構あります。
でもコレ、ちょっと周りを見渡せば気づくはずなんですよね。
冬眠中に身を寄せあって暖をとる小動物じゃあるまいし、何しろ踊っているんですから、さっき言った1.5mくらいのスペースは確保出来るように広がりましょう。

それと、やたら隅っこや後ろの方に入りたがるのもスマートとはいえません。
人口密度のバランスから言って自分が前や中央に出た方が良いと判断した場合、潔く出るようにしましょう。
だからといって常にセンター!一列目!!って出しゃばりさんもあまり美しくないですけどね。


(5) メレフラは「気楽に」「ユルく」踊るべし!

ここには「メレフラは自由に踊る場なんですから、上手下手は気にせずに踊っていいんですよ」という新人さんや自信の無い方への励ましのメッセージであると同時に、それと逆方向の人にも是非肝に命じていただきたい事柄です。
っていうか、どんなにたどたどしくても、途中で忘れたり間違えたりしても、一生懸命踊っていたり楽しんでいたりする姿を見てイヤな気がする人は誰もいないわけですよ。少なくとも私はそうです。

問題なのはむしろ、自信を持ってドヤ顔で踊っている人ですね。
自信を持つのは結構だけれど、実体が伴ってないとホントみっともない代物になってしまいます。

さっき言ったように、広いスペースを使って自分のステージと同じようにダイナミックに踊っちゃったりすると、それが発表会などでは「迫力あるわぁ」などと褒められた踊りであったとしても、メレフラにおいては完全にイタい人です。
それに、内輪の集まりでもない限り、メレフラではどんな人が観ているか分りませんから、あまりドヤ顔で踊っているのも考えものです。
私が一番緊張したのは、まだお元気でいらっしゃったジョージ・ナオペ師の前で踊る事になった時だったなあ~。
まあナオペ師レベルの方にはそうそうエンカウントしませんが(笑)、下手をすると踊っている自分よりもその曲について熟知している人が見ている場合だってあるという事は、心の片隅に留めておいた方が良さそうです。
そうすれば少なくとも「実力と見合わないドヤ顔」なんて見苦しい状態にはならないはずです。


(6) 脳内マニュアルではなくその場で曲を聴いて踊ろう!

数年前、ある場所でCD音源を使ったメレフラタイムがありまして、ある有名な先生がアフリリを踊り始めました。
しかしそのアフリリはホオケナのアフリリでした。
そう書いただけで分る人には何が起きたかお分りいただけるでしょう。


ホオケナのアフリリには、一般的にあまり歌われる事のない部分が存在します。
私はたまたまホオケナのアフリリがそうである事を知っていた上、ウチのというかイリマフラスタジオのアフリリにはその部分が存在しないため、踊らずに観ていました。

すると、自信たっぷりに意気揚々とアフリリを踊っていた某先生。
途中で歌詞と振付けの乖離が起り、そのままハイナまで終えてしまったため、先生が〆のポーズをしたところで曲がハイナに突入するという悲劇が発生しました。

その先生が運悪くホオケナバージョンをご存じなかった…というのはあり得る事ですし、それはちっとも恥ずかしい事ではありません。
しかし問題は、歌詞が途中でズレてきた事に最後まで気づけなかった事です。
せ、先生なのにハワイ語の歌詞を聞いておかしいと思わなかったわけ。
まさか自分が踊る曲の歌詞が分らないとか無いよね。せ、先生なのに。


確かカヒコでチャントとかもなさっている先生だったので、うわべだけでなく本当にチャントが出来るハワイ語能力があるなら、その場で歌詞を聞いて即興で踊れてしかるべきです。
私の記憶が確かならば、アフリリのその幻の部分は「私は花を摘んでレイを作る、忘れ難いレイ、いつまでも」みたいな簡単な内容だったはずなので。
即興がムリでも、とりあえずハイナの動作をしながらHa'ina mai ka puana~の歌詞が聞こえて来ない時点で疑問に思って欲しかったですぞ、先生。

ハイナも聞き逃してしまった場合、最終的には「音がまだ終わらない」という事からまだ〆じゃないと気づくべきです。
つまりこの先生は、実際に流れている曲を聴いて踊っているのではなく、脳内で再生されている曲またはカウントで最後まで踊ってしまったのでしょう。

このような悲劇を避けるためにはどうすべきか。
必ず「その場に流れている曲を聴いて踊ること」に尽きます。
自分の知っているのとまったく同じミュージシャンのCD音源だったらともかく、生演奏だったり、あまり覚えの無いバージョンだったりした場合は、ホント「聞いてから反応する」のがとても大事!!!
それとあまりドヤ顔で踊っていると、こういうミスの際にもイタさが激増しますので、その意味でもドヤ顔はしない方が賢明ですな。



(7) 集団での振舞いには特に気をつけるべし!

イタい事を集団でやると、イタさが個人の比では無くなります。
どういう事をするとイタい集団になってしまうのか検証しましょう。




何よりイタいのは、メレフラなのにウリウリなどの楽器類をバッチリ準備してあるケースです(笑)。
確かにイベントによってはメレフラの演目が事前に分る場合があります。
でも、いくら分っていても楽器を持って来るのはちょっと大袈裟だな。まあその時の自分のステージで使う楽器をたまたま持っていたという事もあるだろうけれど、楽器を振りかざして踊り出した日にゃ、そうでない人はスペースの点でも雰囲気的にもなかなか踊りづらい状態になってしまいます。
自分達だけの貸切メレフラでない時は、他の人の事も考慮して自粛するのが大人の対応といえましょう。

ウチにはメレフラの鉄板曲でありながらメレフラでは決して踊らない曲があります。
それはカイマナヒラ。ウチではこの曲をプイリで踊るんですね。
なので、お酒の入った席で手元の割り箸を持って踊れる雰囲気でもない限り(笑)、この曲は傍観に徹します。


次にイタい団体さんは、メレフラなのにフォーメーションをおっぱじめるケース(笑)!
(笑)とか書いたけどホントに居るから笑えないよ~。
まるで自分達のステージであるかのようにスペース全部を使って複雑な隊形に並んだり、わざわざステージの片側にスタンバイして入場からやってのけたりなど、メレフラを私物化するありさまは見苦しい事この上ない!!
というより、そこまで私物化したいなら何故自分達だけの空間でやらないのか甚だ疑問なんですが…まあ、これが最初に言った「他人様に踊りを見せたくてしょーがない症候群」なんでしょうな、きっと。


メレフラは誰もが気楽に楽しめるのが魅力のイベントです。
しかし、気楽に楽しめるからこそ、その人の本性やフラの実力がよく見えるものでもあるということを、是非とも覚えていていただきたいのです。






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