皆様こんばんは。
今日は祝日㊗️という事で、かねてより楽しみにしていたインド映画”RRR”(アールアールアール)を観て参りました
何を隠そう(※隠していない)私はインド映画が大好きです。
推しはA.R. Rahmanさん(音楽家)、Saroj Khanさん(振付師)そしてAamir Khanさん(俳優)です。
うーん、我ながら照れくさいほどメジャー中のメジャーどころなチョイスだねえ!
フラ業界で例えるなら「ケアリイさんとクアナさんとアリアナさんが推しです」と言ってるような感じと思ってください。
Rahmanさんはかつて日本にインド映画ブームを巻き起こした『踊るマハラジャ(Muthu)』のサントラを手掛けた方と言えばわかりやすいですね。
あとはスラムドッグミリオネアが一般的に有名でしょうか。私などはインド映画のサントラをランダムで聴いてて「アアッこれ最高…!」と思うと大抵この方の作品です。
Aamir Khanさんも日本でヒットした『きっと、うまくいく』主演俳優としてご存じの方が多いでしょう。
ただ私のイチオシは“PK”であり、これはインド映画のみならず私が観た全ての映画の中でベストオブザベストです。
で、推し振付師のお話!
インド映画初の女性振付師Saroj Khanさんの振付はとにかく可愛いから…!
めちゃくちゃ可愛いのに変態的細かさの振付なのが最高なんですわ…!
突然大勢のダンサーがワラワラワラーッと出てきて踊り出すインド映画あるあるなシーンも、よく見ると作品の時代設定はもちろん振付師によっても全くテイストが異なっており、かなり民族舞踊色が強いもの、ジャズダンスなど欧米のダンスの影響を色濃く受けているものなど様々です。
振付は歌詞とリンクしている事が多いのですが、Sarojさんの振付はシンクロ率がとても高いように思われます(お恥ずかしながらヒンディー語が全くわからないんで字幕と照らし合わせての推測ですが)。
で、細かいのに動きがとても綺麗…!上手に踊れば必ず美しく見せられる振付なのです。
そういう意味ではフラ業界で例えるならナニ・リム・ヤップさんというべきか。
って熱く語りましたがこの映画に上記の推しの皆様は一切出て来ません。
なぜならRRRはテルグ語映画だから‼️
テルグ語…それは数多あるインドの言語のひとつです。
こういう字を書くらしい。(Wikipediaより引用)
メチャクチャ可愛いうえにちょっとアラビア文字みたいな形の字もあって初見から好感度高めの文字です(えっ?普通の方は文字の第一印象でこの言語の好感度高いとか仲良くなれそうとかそういう視点では見ないんです???)
インドの場合、言語が違う=地域が違う=作られる映画もそれぞれで活躍する方々もまったく違うのですね(ラフマーンさんのように複数の地域に羽ばたいて活動する方もいらっしゃるけど)。
私は今までほとんどヒンディー語とタミル語の映画しか観ていなかったので、RRRの出演者も制作チームの方々も全く存じ上げませんでした
しかし監督のラージャマウリさんはなんとあの『バーフバリ』の監督でいらっしゃいます。
あの名作の監督が取り組んでいる新作に↓こんなシーンがあると聞いたら、もう気にならないわけがない!
いやぁもう一目惚れしましたよ。
舞台はヨーロッパの街並みですが(どうも撮影されたのは侵略される前のウクライナのキーウらしい)、繰り広げられるのはインド映画の醍醐味であるド派手なダンスシーン!!
そしてまた俳優さん2人ともダンスが上手い!あれほど身体の芯を動かさずに激しい足捌きをこなせるのは卓越したダンス技術あってこそです。
私がインド映画で一番好きな豪華ダンスシーンはこれとフィナーレの二曲のみですが、ダンスのシーンに限った話ではなく、このRRRという映画全編を通じて役者さんたちの動作がダンス的な美しさに満ちていて感動しました。
例えば劇中の多くを占める戦闘シーンすら美しい。
戦っている最中の彼らの動きは実に滑らかで、すごい無茶な大立ち回りを演じても一連の動作が流れるように繋がっているため観客を爽快な心地にさせてくれます。
対照的に敵が多勢のくせに主人公サイドに翻弄されてギクシャクと愚鈍な動きをしているのも対比を強調していて爽快です。
また、戦闘シーンの「動」の中の要所で効果的に「静」の部分を入れるのも最高です。
例えば深手を負ったはずの主人公が力強く立ち上がった時、友を助けるために戦神の様な姿となって登場した時など、ここぞという場面にスローモーションで映し出される姿の美しいこと!
映画でもダンスでも流れる様に動いた方が美しいのは当然ですが、右から左へ流れ去ってしまっては観客を置いてけぼりにして何も残りません。
漫画の見開き2ページの大ゴマの如く、一瞬足を止めて印象を強く残す部分も必要です。
ただしそれはだるまさんがころんだみたいに脈絡なくピタッと止まるわけじゃないのです。本当に必要な場所でなければならず、しかも厳密には完全なる停止ではない。前後のシーンとの間が分断されていてはいけません。
そして、最も重要な事として、大ゴマでじっくり見せるに耐えうる美しさがなければなりません。
この映画のダブル主人公を演じる役者さんは流石ダンスも踊れる方々だけあって、スローモーションで映画館の大画面に全身を映し出されても、隅々まで神経が行き届いており非常に美しかったです。
「動」のパートにおける極限まで無駄を省いた流れるような動作と、「静」パートにおけるきめ細やかさ。
いずれもダンサーにとって必要不可欠な要素であり、RRRを徹頭徹尾ドラマチックで美しい作品たらしめているのです。
…………って、ここまで書いてきてなんか誤解を呼んでそうな気がして参りましたので、もう一度確認しましょう。
この作品の主人公はこちらのお二人です。
一般的には「美しい」より「カッコいい」あたりの方が似合いそうなお二人ですし、実際この上なくカッコいいのも確かです。
しかし、お二人の流れる様なアクションやスローモーション時の完璧なポージングが、どうしても私には真っ先に「美しい」という印象をもたらして来るのです。
また、舞台演出の面でもやはり美しさを感じました。
ラージャマウリ監督の緩急の付け方の見事さと言ったら!!
さっきも書きましたが、いくらテンポを速くしても欲張って詰め込んでもそれだけでは良い物ができません。観客の前を右から左に流れ去っておしまいです。
大ゴマで見せる部分があってこそ、全体のテンポの良さが活きるのです。
これは踊り手というより舞台の作り手として大変勉強になりました。
ストーリーに関しては、私などよりもっとずっと上手に書いておられる方が大勢いらっしゃると思いますので多くを語りません。
ただ、インド映画の王道といえる勧善懲悪ストーリーで、正義の者はどんなに辛い思いをしても必ず報われますし、逆に悪者は自分の犯した罪に相応しい報いを受けます。
あーー、すっごく私の好きなタイプ。良い意味でも悪い意味でも「報い」が平等に与えられるお話が一番好きです。現実もそうであってほしいですね(ニッコリ)
よく劇中で「復讐したって○○さんは喜ばないよ!」とか余計な事を言ってくる困ったちゃんがいて、そのせいでいまいちスッキリしない結末になっちゃう作品もありますが、幸いRRRには「そうだ!やったれ!!」と鼓舞する人は居てもヘンな偽善で止めてくる人は一切出て来ないので安心です。
あっという間の三時間のラストには豪華ダンスシーン第二弾が待っています。
このシーン、文脈的にインド各地の英雄かな?と思われる方々の肖像が次々出てきて、私を含むほとんどの日本人観客にはどなたがどなたかわからない事でしょう。
しかし劇場で買えるパンフレットでとある先生がバッチリ全員解説してくださってますので、パンフレットは買う事をおすすめします。
計算し尽くされた舞台で一流のダンサーが躍動するかのように美しく、スカッとするお話で最後まで安心して観られるRRR、イチオシ映画でございます。
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