舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

マイケル追悼式

2009-07-09 02:20:49 | 徒然話
昨日、稀代のスーパースター、マイケル・ジャクソンさんの追悼式が行われました。

いや~~、前評判どおり素晴らしい式でしたねえ!!!
ニュース番組でのダイジェストだけ見ても、偉大な人に十分相応しいものだったと思います。
母マミちゃんは「マイケルは人種や国境を超えた音楽性の持ち主だと思っていたのに、式でのパフォーマンスがブラック・ミュージック寄りで驚いた」と申しておりました。
確かに、スティーヴィー・ワンダー御大(しっかし流石の歌唱力だった)、マライア・キャリー、そしてジェニファー・ハドソンと、キャリアや世代はさまざまでもブラック・ミュージックの皆さんが目白押しでしたよね。

しかし、マイケルの音楽がどれほど超越した存在であっても、その根底において最も重要なのはやはりソウル、ブラック・ミュージックだったと私は思います。
ハワイ留学時代がちょうどソウルトレイン全盛期にあたり、ダンス教室に行ってない時間帯はディスコで踊り狂っていたマミちゃんも(っていうかどんだけダンス好きなんだ)、おそらくは同じ意見でしょう。

残念なのは、ウチにはCNNなどが入らないため、フルバージョンで観られなかった事です。
読み込みの遅いパソコンなので(たぶん何か私には与り知れぬ原因があると思う)インターネット中継も断念しましたし...。
もし、どなたかフルバージョンを録画された方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただければ幸いです。是非ダビングをお願いしたいと思います。


豪華きわまりなかった式典のなかでも、最も人々の心を打ったのは、やはり長女・パリスちゃんのスピーチだったのではないでしょうか。
かくいう私も、もしレッスン前の化粧を崩せないタイミングでなかったら、落涙を禁じ得なかったと思われます。

とりわけ、彼女の「あなた方が思うよりもずっと、お父さんは最高の父親だった」というひと言には、きっと「マイケルの本当の姿が誤解され続けていて可哀想」と、彼女達とその父親に深い同情を覚えた方も多かった事でしょう。

しかし、私の考えは微妙に異なります。

すなわち、マイケルはそれほどまでに素晴らしいお父さんでありながら、その「最高の父親」としての側面を、決して公には出さない事に成功していたのです。
それは、彼が真に一流のプロ意識を持っていた事を何より物語っている事実だと、私は思うのです。

「良い父(母)親像」や「幸せな家族像」を利用して名を売る事は容易いですし、じっさい、そのようにしている人々も少なくありません。
もちろん普通の人が家族で仲良くしていて、その写真をいつでも持っていたりブログに公開したりする事はとても良い事です。
けれどもそれはあくまでも「一私人」だからであって、エンターテインメント業界に身を置きながら公の場でそのように振る舞う人の事を、私はプロだとは考えておりません。

演劇や音楽のプロを名乗る以上、表舞台では徹頭徹尾自分の役を演じ切るべきだと、私は考えます。
「家庭でも『郷ひろみ』だった(by元妻)」と言わしめたGo様のように私生活までなり切っていてもいいし、マイケルのように「最高の父親」という舞台裏での顔を持っていても良いけれど、とにかく舞台の上まで自分のプライベートを引っ張り出してこない人こそ、真のエンターテイナーなのです。

特にマイケルの場合、晩年はとかく好奇の目にさらされ、好き放題の(時には悪意すらある)評判を立てられていましたが、それでもなお彼は「最高の父親」の側面を舞台裏に隠し続けていたわけです。
その路線で売って好感度を上げるという選択肢もあったにもかかわらず、ですよ。
安易にそれをやらなかった事によって、マイケルはスーパースターとしての自分の存在を守り、それ以上に子供達の事も好奇の目から守り通したわけです。

この式を機に流されたミュージックビデオのクオリティ(既に一流でありながら、右肩上がりに進化し続けている)だけでなく、彼の生き方を見ても、マイケルが不世出のエンターテイナーであった事がはっきり再確認された追悼式であったと言えましょう。

マイケルの晩年、特にその最期は決して幸せだったとは言えません。
私自身、自分の一部は未だにこの事実を受け入れられません。彼には(たとえパフォーマンスをしなくても)もっと幸せに長生きしてほしかったと思います。
しかし、どれほど悲しくても、彼が遺した功績は絶対に色褪せませんし、私はマイケルの遺してくれたものに感謝しつつ、この先もずっと彼を忘れずにいたいと思います。

パリスちゃんの言うとおり、マイケルが今頃天使達に囲まれて、とびきり楽しい時間を過ごしている事を祈ります。

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