La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

マヤ仮名

2024年06月11日 | 設備/外構/庭

浄化槽のために掘り出している礫岩の中から、黄色い粘土(この記事の真ん中へん)に続き、薄緑色の粘土を発見した。

 薄緑色。

 黄色。

あと庭には赤い岩も転がってるんだが、そちらは砕いてみないと粘土になるか分からない。でもマヤの陶器に使われてるから、可能性はある。

で、その薄緑。遺物の青・緑系の色はマヤブルーか翡翠(ここ産ではない)が多そうだが、長い年月で欠け落ちたり劣化したりすることもあるだろうから、こういう色の粘土も使ったかもしれない。古代文明はともかく、面白そう。(ただ、どうやって焼く?)

その浄化槽は、残り2立米を掘り始めた。

 地上あたり。

  ズームしていくと

 こう。

底で水平方向に穴を広げている。

 立ち上がり。

風呂の外に坪庭を作るのでリクエストしたんだが、それに排水管が刺さっている。

 引っこ抜いた。

掘り始めに縁を固めたとき、排水管の傾斜を考えて太い管を挿してあった。

 準備しておいた管(4月)。

掘り出した礫岩で埋まってるので手抜きして立ち上がりを通してあった(勾配が取れない)が、これは手抜き工事なため当然やり直し。

 

 エアコン室外機を載せる台。

 完成。

わざわざ大きい岩を砕いてコンクリに混ぜようとしていたので、庭に散らばっている割れたブロックや割れたタイルやセメントが固まったものなどを入れるように指示した。瓦礫が残ったって困るだけなのに、何考えてるんだか…。

 

 切り倒した木のあたり。

先日、切り倒してもらった(この記事の後半)木のあたりに埋まっているゴミを片付けて地面を均してたら、さっそく休憩場所にしていたw。自分達はゴミをポイ捨てするくせに、我々がきれいにしたところへ飲み物休憩や昼ごはんを食べる場所を移動する。まったくw。

 

  サクベ、ここまで。

 

前にきれいにしたミニ・セノーテは、きれいな岩肌の大きな穴になってたんだが、知らないうちに「鳥や動物が飲めるように」と作業員が水を入れていた。2日くらい放ってあったんだが、案の定、ボウフラが湧いた。それも大量!

井戸から流れ出る水を見て、所詮たまり水なんで一気に興味を失ってしまっていたのもあるが、ボウフラはとんでもない。工事が終わっても、雨季には防ぎようがない。

 埋めた。

いらない岩を入れたかったが、蚊の野郎はほんの小さい水たまりでも卵を産む。土ではつまらないので、岩混じりの砂の砂だけを入れた。ついでに、マヤ仮名で我が家のイニシャル(一文字目)を描いた。

ちなみにマヤ仮名というのは古代のマヤ文字を単純化したもの。マヤ語の勉強を始めたとき、ローマン・アルファベットで a だの á だの a´ だの  áa だの tza だの tz´a だの dza だの書くのが非常にうざったく、どうにかならないかと思っていた。実際、マヤ文化好きーなメリダ人の間に起こる「それ間違ってる」や「その語源、違う、別の言葉」といった議論の原因は、彼らは自覚していないが絶対にこの面倒くささにある。

 こんなの。

それでとりあえずカタカナで書き始めたんだが、ふと、なんでマヤ文字があるのに仮名を作らないのかと不思議に思った。ランダという宣教師が焚書したせいでマヤ文字は歴史上の過去のものになっている。考古学の範疇。それは分かるが、解読が進んだのだから、西洋のアルファベットを使ってこんな面倒臭い書き方をするより、表音文字くらいリバイバルさせればいいのにと思ったのだ。ほら、漢字から平仮名やカタカナを作ったみたいに。

 古代マヤ文字のカレンダー。

ある日、マヤ人の友達とその話になって、1人が「いや、マヤ語にも文字がある」と言って上のみたいな káabá とか書き始めたので、「違うそれはマヤ語じゃない、ローマン・アルファベットだ、君たちが侵略だなんだと批判しているスペイン語での表記だ」と言った(ついでにカタカナでマヤ語を書いて、日本語で表記したらこうなるんだと説明した)ら、もう1人が非常に興味を持った。他にも「そういうふうに考えたこともなかったが、確かに」と言う人が数人出てきた。

が、彼らは学校でスペイン語を覚えた母語=マヤ語話者で今では完全なバイリンガルだが、文字セットはローマン・アルファベットしか知らない。マヤ語の専門家でもない。マヤ語は基本的に話すためのもので、何か書くときはマヤ語を使わずスペイン語で書く。人によっては上の黄色いやつみたいになら書ける(逆に言えば、スペイン語を解しないマヤ人は、実質文盲である)。

自分たちにはマヤ仮名というものが分からないからちょっと作ってみてと言われてしまって、ある日本人に協力を求めた。結果、わたしがテキトーに単純化するよりすごいものができた。由緒正しい古代マヤ文字とその決まりに則った、かつ文字セットとしてもとても美しい仮名。

これまでアルファベットで書くことに何の疑問も持たず、日本語の漢字→仮名の知識などまったくない社会への提案なので、すぐに「さあ、使いましょう!」とはならない。少しずつ話を聞いてくれる人を探して、どうか?と聞いていくつもりなんだが、いかんせん家ができて落ち着くまでは身動きが取れない💢。とりあえず、自分ちにだけ書き記したというわけです。


村のマンゴー

2024年06月07日 | ユカタン諸々

メキシコの他の州や中米の他の国で結構前からマンゴーの季節になったとの話をちらほら見たが、ようやくうちの村にも旬がやってきた。村の人たちは未熟なやつも食べる(お約束のチリパウダーとライムかけて)が、ニホンジンは甘くて美味しいのが好き。ようやく樹上で熟してきた。

 マンゴー・ヒガンテ。

去年、隣家のおばさんちを建てていたチームの親方(偶然だが今住んでる村の隣村の人)からもらったとき、普通にくし切りにしようと皮をむいて散々苦労した。大きすぎて、つるつる滑って大変だったのだ。今年は日本でやるように三枚おろしにして斜めに切れ込みを入れて食べることにする。売値は、一箱 150ペソ(1300円くらい)、2個で 15ペソ。現在、追熟させている。

 ヒルベルトがくれたマンゴー。

種類を聞いたら知らないと言われたが、写真を見た人はアルフォンソっぽいと言っていた。ちなみに日本に輸出されてるのと同じくらいの大きさ。食感はねっとり、味はさっぱり系でとても美味しかった。

 我が家のマンゴーの木。

種類はアタウルフォで海辺の家にいた頃も好んで食べてたんだが、残念ながらこの木は自生で農業用のじゃないのと、親方曰くの「年寄りすぎる」木だそうで、収穫用に農業用のを1本植えるつもりでいる。でも、まあ、実がなった。

 採る準備。

村で買った「果物とり棒」に配管用のパイプを繋ぐ。

 えらい高くて大変。

 食す。

自生種なので、味はいいんだがスジが多くてイマイチ。

ーーー

 黄色い岩。

床下を埋めるための岩混じりの砂の中に、黄色い岩とその割れた欠片を発見した。濡れてたのを触ってみたら、指にねっとりつく。粘土みたいな感じ。

 こんな感じ。

これはもしかすると、マヤの遺跡で発見される陶器の材料ではなかろうか。

 こういうやつ。

新居に落ち着いて時間ができたら実験してみる。

ーーー

 村のナチョス。

普通、ナチョスというとユカタンではこんな感じの料理で少しずつ違ってたりするんだが、この村のは誰が売ってるのもみんな同じ。トルティーヤを切って揚げたもの(トスターダと言うが、既製品じゃなくて手作り)に、豚ひき肉を炒めたものと黒豆のペーストとレタスと溶けたチェダーチーズの組み合わせ。別に、トマトと玉ねぎとシラントロを混ぜたものが付いてくる(あ、もちろんハバネロサルサも)が、ないほうがいいと言う人も多い。本当に、どこに頼んでもまったく一緒だが、肉炒めと黒豆の味付けが違うので、一応、誰のが美味しいとかはある。

 ご存知、隣村のスーシーセット。

ボリュームたっぷりで、メリダの似たようなメニューの半額くらい。最近は野菜の天ぷらの具を味付けなしで炒めたものを付けてもらっている。

ーーー

 洗車。

隣の家が薬中(おそらく)のリハビリハウスで、全員で運動したり発表会したり、なかなか興味深い。この日の清掃活動は掃除じゃなくてオーナーの車を洗うことで、なんとうちのもついでに洗ってくれた! 前の道はバイクがガンガン通って、非常に埃っぽい。3日置いとくと指で絵が描けるくらい汚れる。洗うところがないのでずっと放ってあったんですごく汚かったが、ピカピカ(ユカタン基準)になった。

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 近所の家の塀。

「完璧」じゃなくて「幸せ」でいなければならない…と書いてある。この辺の家の塀は、ほとんどが政党のロゴや立候補者の名前がペンキで描かれている。最近選挙があったので新しいのもあるが、前回のがそのままになっている家や、前回のの上に今回のを描いた(前回のがはみ出て見える)家もある。選挙に関係ないこういうのは珍しい。

 選挙の結果。

与党の大勝でした。ユカタンでも、現知事などが所属している昔から強い傾向のある政党は負けて、州知事選も連邦与党の立候補者が勝った。市町村長も同じく、与党公認や与党連合公認がずいぶん勝った。

メキシコの他の多くの州では現大統領が勝ったとき既にそうだったんだが、ユカタンでは6年遅れで来たという感じ。村の知り合いに聞いたら、物の見事に現大統領の上っ面だけの言葉にメロメロになっている。貧困層に分配しているとかああとか。実際、国の貧困率(収入が基本的かつ健康的な生活を送るためのコストを下回る世帯の率)の数字は下がったが、公約でいい結果が出たのってそれくらいじゃなかろうか。

ユカタンでは州知事が別の政党だったんで、どこ(連邦給付・州・市町村)の予算でどうしたかは詳しく検証しないと比較しづらい。貧困世帯で実際に生活が楽になったと言う人には会ったことない。村の住民は、平均的なメキシコ人以上に、データで発言する人たちじゃなくて現大統領の言葉にコロッと行くタイプ。ここ6年、考えを変えた(ポピュリズムに流された)メリダ人の投稿(大統領素晴らしい!など)がFBで大量に流れてきていた。その影響が大きかったんだと思う。

財政悪化(連邦の)、どうするんでしょうね。ガソリン価格上昇も止められなかったし。新大統領がどれだけ親分から離れて独自路線を展開できるか次第といったところです。