La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

ピピアン

2024年03月30日 | ユカタン諸々

かぼちゃは以前「カンボジアがなまってカボチャになった」などといって東南アジア原産だと思われていたが、今の認識は中南米が原産地ですね。メキシコ産かぼちゃも日本のスーパーにたくさん並んでいると聞く。不思議なのが、ユカタンに限らず「メキシコのかぼちゃは水っぽい。よって煮物などしにくい」というのが、在墨日本人の共通認識であること。その上、ユカタンのかぼちゃは小さくて平たくて、日本のかぼちゃのような形に切りづらい。種類が違うのを輸出してるんだろうか。

そのユカタンかぼちゃには食べるために買うのとは別の種類がもうひとつあって(身も食べるのかもしれないけどここではほとんどない)、こちらは種を使う。隣のマリアが作ってくれたのがこれ。

 玉子のピピアン。

かぼちゃの種(ペピタ)で作る粉を使って作ったスープみたいなもの。とうもろこし粉を使ってもっと粘り気があるようにして、サルサのように肉などにかけることもある。左の皿が、ポーチドエッグのスタイルで調理された玉子。

 別バージョン。(c) Tsikbales

ゆで卵を作ってそれを入れる。マリアは「ときどき上手くいかない」と言ってたので、ハナからゆで卵式では作らないんだと思う。で、そのかぼちゃの種の粉。

 種を干して乾燥させる。

ああ、干す前に洗ってワタを取るのが大変。で、干したあと乾煎りして挽いて粉にする。この粉を使っていろんな料理を作る。中南米の他の国にも似たような料理があって、要は先住民の伝統料理です。ピピアンの他には、ディップみたいなのとか、肉や卵と炒めた料理がある。

粉といっても、他の食品と同様、結構粗挽きだし硬い部分も混ざってるんで普通の小麦粉みたいじゃなくてすりごまみたいな感じだが、スーパーには工場で挽いたきめの細かい粉も売られている。ちなみに乾燥工程が短くてかつ乾煎り(トースト)しないで挽いた粉は、薄い緑色をしている。ユカタン料理として有名な(例によってマヤ人はあまり作らない)パパツレスは、同じかぼちゃの種の粉でもそちらを使っている。

少し塩味をつけることもあって、挽いたあとに足したり、隣のおじいちゃんのように乾燥させる前に塩水に漬けてから干すこともある(保存目的もあるのか?)。

 おじいちゃんの、干す前の種。

マリアは、ただの粉を作って、料理を作るときに塩で味を整えるやり方。

  粉を溶かした汁を濾している。

豆乳や水羊羹みたいに布で濾す方が簡単なんだが、調理用の布がどこかに行ってしまったとかなんとか。ハンカチや手拭いを使わない人たちなんで、タオルか服しかなかったのであろう。

味は…、別に馴染みがないとかヘンな味ってことはないが、なんとも形容しがたい。味自体は違うけど、味付けなしのゴマだれを想像してもらえば。。。ユカタン人は大好きだが、この手間のかけようなので、丁寧に作った美味しいピピアンを食べる機会は少ないんだと思われる。人んちで見たの初めて。

 

 メリポナの一種、ウスカブの巣。

メリポナ(針なしミツバチ)は結構種類が多いそうで、これは全長3、4ミリの極小(岩の、右側の白いところに見える黒い粒が蜂)。幼虫は数の子みたいな粒くらいだった(黒いところにある黄色い粒々)。なんと、岩の中に巣を作っていた。普通のメリポナ(普通の蜂蜜より栄養価が高いとかなんとか)の蜂蜜よりさらに希少で甘いらしい。

 どうするか相談中。

  別の巣箱を作って移す。

なんでもそうだが、どんなに希少だとか可愛いとか大切な動物だと話していても、基本的に彼らにとって食料であるものは、きっぱり食料扱い。前に見学に行ったメリポナ養蜂場は文化保存の目的から伝統的な巣を作っているが、こちらは将来蜂蜜を取りやすいような形で巣箱を作っていた。

 

こないだ借家のゴミになっているドアに描かれたについて書いたが、

 こんなの。

考えてみたらこの辺にはトラ模様の犬が少なくない。半分野良みたいな飼い方なので単に遺伝だと思うが、結構いる。

 こんなの。

トラ吉と呼んでいる。もっと模様が薄かったり、茶色にトラ模様だったり。なかなか凛々しい。


しずく処理 ②

2024年03月29日 | 新築

【3/27, 28の作業】屋根(続き)、浄化槽(続き)、床下充填

 

  破風?(樋なし)のペチペチ。

 しずく処理部分、完成。

軒の先っぽの濃くなっている部分がゴテロ。微妙に傾斜があったら、鎖樋かなんかつけて可愛く和風にできるが、とりあえず現時点ではそこまで考えない。

 逆(南面)も同様に。

まずは、ブロックの間のコンクリや飛び出ているプレハブ梁を壊して、面を滑らかにする。

 型枠。

昼過ぎに帰ってきてしまったが、明日からセマナ・サンタの休みなので、ペチペチまで終わらせているかも。

 

 岩混じりの砂。

基礎を掘ったあと搬入されて、土台の下くらいのレベルまで地面を埋めるのに使ったが、残りはそのまま外に放置されていた。1階屋根に上がるための足場を組んだりしたのでずいぶん固く固まっていた。というか、そもそもこの岩混じりの砂というのは、単に掘り出した土と岩を埋め戻すよりしっかり圧がかかって固くなるので買ったんだった。それを崩して、1階床のコンクリスラブを打てるように埋める。

 ネコで各部屋へ。

 シャベルで適当に平す。

あとは自然に固まっていく。ちゃんと圧をかけたい気もするが、意外とうまく固まる。年月が経つうちに床面が凸凹してしまうというようなことも聞かない。これを道路の陥没穴を埋めるのに使えばいいのに、テキトーにアスファルトを流して終わりなんで、メキシコの道路はすぐまた凸凹だらけになる(こちら、メリダの路上の穴修復工事)。

 

 浄化槽は、延々と掘るのみ。

ラハが大きく露出したので、ドリルを使わずハンマーで叩いて砕く。若い衆はゴンゴン叩いてもポロポロと細かい欠片が崩れるだけだが、中堅が何度か叩くとガツンと大きく割れて崩れる。それにしても、砕くどころかこんなハンマーを持ち上げるだけで大変そう。海辺の家の建設時、人力で地面を掘り出したのを見てすごい!と驚いたが、今思えばあちらは砂地。ここの地層と比べたら、腕力とか根気というより単なる動作(それだけでもすごいのはさておき)で、掘るのはどうってことなかったのではなかろうか。

昨日から50センチくらい深くなった。先は長い。


しずく処理

2024年03月28日 | 設備/外構/庭

【3/26, 27の作業】屋根(続き)、窓ドア枠左官(続き)、浄化槽

 

 屋根の上で何やら作業。

 パラペットの型枠。

海辺の家で、排水溝その他の周りの防水処理の甘さを経験していたので、どうにかなしでいけないかと考えていた。大雨やハリケーンのときなど、排水溝の数が少ないのか雨水溜まってってないかと思うほどだし、傾斜がおかしくて流れていかないところがあるし、パラペットそのものとの接続部が怪しかったりして、とにかくここの施工品質で屋根の上にプールのようなものを造るのは避けたかったのである。

ちょうどベテラン2人が作業していたので、施工品質云々には触れず、今の借家で天井の端から壁上部に雨漏れの跡がぐるりと付いているが絶対嫌だと訴え、別のやり方にしてもらうことになった。

 やめて型枠を外す。

 パラペットなし、モルタル2層目。

  軒の先っぽ。

こちらの写真はモルタル2層目がずいぶん前に終わっていた1階の屋根だが、2階の屋根も同じようにしてもらう。ゴテオといって、しずく処理みたいな意味でしょうか。これで、雨水が壁を伝うのを防ぐ。

 下から見た型枠。

ここでは樋はつけないので破風っていうんですかね?軒の先っぽの面、そこが2センチくらい下に伸びてて、軒天に雨水が伝わらない。これを2階の屋根(陸屋根)でもやってもらう。それでいいんです。屋根の上にプール造るな。

 

 いよいよ浄化槽掘り。

ここの浄化槽は、海辺と違って穴を掘ってブロックを積むのでなく、石で壁面を作るらしい。説明を受けたんだが、見たこともないのでちょっと想像と違ってるかもしれない。とにかく、いよいよ掘り始めた。基礎工事のときに、ここの地盤を見ているので、はっきりいってえらい大変そうだというのは分かる。でもこの辺りではこういうやり方だと言うので、そういうやり方で造ってもらう。

 ドリルも使う。

案の定、ラハ(固い岩盤層)にすぐ当たった。ドリルを使っても結構大変そうだが、見ていると中堅は若い衆よりはラクに崩していく。なんていうか石だから、筋というか結晶の向きみたいなのがあるのか。

 

  おまけ。

この作業チームの別の現場に連れてってもらった。向かいにマヤの家が建っている。そんなところで、メリダによくあるような四角い家を建てていた。ミニマリスタ様式というんだが、みんな大好き。もろ、メリダや海辺でよくあるタイプ。狭い土地で、裏庭にはプールも作るそうで、家自体は敷地幅いっぱいに建てている。

親方は、こういう「モダンな」家も建ててるよと自慢したかったようで、それは素晴らしいんだが、暑そう。いや、施主の好みで親方のせいじゃないんだが…。

世界中どこにでも、己の好みの見栄えを優先して、その土地に合わない家を建てる人はいる。はっきり言ってここは暑い。これを書いている今日も、40℃を超えている。来月末まで酷暑は続く。酷暑が終わっても暑い。軒もなく風も通らなかったら、今我々が住んでいる借家のようなサウナ地獄になる。そのくせ、シャワーは水だけだった(内陸なんで冬は結構気温が下がるが温水なし)。流行りのモダンな家だけど、そこんとこはいいのか?!


買い物(隣村)

2024年03月27日 | ユカタン諸々

借家にはキッチンがないので出前生活で、飲み物やおやつを買うくらいなら村で済むが、そうはいかない物を買いにときどき隣のオシュクツカブ村まで行く。コーヒー豆とか猫砂とか。うちのような小さい村だと「◯◯じゃダメなの?」となって買う人がいないくらいの物ですね。

 スーパーの駐車場に馬。

これまた、当たり前のようにいる。このスーパーでコーヒー豆などを買い、業務用スーパーでチーズを買う。ハムなどもめちゃくちゃ安いので、家ができてご飯を作るようになったらもっとこっちでいろいろ買うと思う。そしてもう一軒のスーパーで猫砂を買う(海辺では庭の砂で固まったので買ってなかった)。そのスーパーは狭苦しくて薄暗くて、それなら村の雑貨屋のほうがいい…ってな感じだが、色々試した猫砂の中でそこのプライベートブランドのが一番よかったので、わざわざそれだけ買いに行く。

それから、お菓子を買いにスーパー・ハイジへ。料理するようになったら日本食料品店として大活躍することになるが、とりあえず今のところは相棒お気に入りのチョコを買って、何か面白いものがないか見て回る。今回は nissin の袋麺と、スナオシのインスタント支那そばを見つけたのでそれも買った。メキシコでは、袋麺はマルちゃんが人気でカップラーメンは日清が人気なので、こんな田舎まで来ると日清の袋麺はスーパーには売ってない。ちなみに麺はマルちゃんのほうがいいけどスープは日清のエビ味が一番日本のラーメンっぽくていいんです。あ、メキシコで売ってるのはチリ唐辛子とかライムとか変なチキン味とかなんで、ほとんどの種類は買う気になりません。

 アロマコーナー

ハイジには、食料品だけじゃなくて本当にいろんなものが売られている。アメリカインディアンが魔術に使う香り(らしい)ロード・オープナーなるオイル?や、中東の香炭もあった。こんな田舎で誰が買うのか、謎。

 村の出口にある果汁絞り工場。

 買取価格の看板。

わたしがグレープフルーツを買っている、近所の購買所の搬入先。村人の評判が悪いことは書いたが、さらに最近、社長が「与党の選挙運動イベントに参加しないなら金を取る」と脅しているという、地元メディアのニュースもあった。まだ当局が動いていないので文句が出ているだけの段階だが、いかにもありそうなことである。

ーーー

先日、建設中の我が家の納戸で卵を産んでいた鶏が、また産んでいた。前回は作業員が見つけたんで取られてしまったが、今回は彼らは休みな上、4個! 

 さっそくTKG。

海外では玉子を生食をする習慣がないので、新鮮さを心配して邦人が一番悩むメニューである。よくわかってない人はコストコのオーガニックがどうとか言ってるが、オーガニックは関係ない。鮮度もいいに越したことないが、サルモネラとはあまり関係ない。殻じゃなくて黄身が汚染されてたらもうそれは運が悪かったとしか言いようがない。それでも新鮮なもので、かつ母鳥が元気なことを知ってるので、リスクを取る気にもなる。何と8年ぶりにありつけた!

 見逃した卵…

は、孵っていた。ヒヨコが6匹。親鳥は隣の家との間のブロック塀を越えられるが(全部は来ない、2番いだけ)、ヒヨコは無理。なので、おそらく母鶏はもう隣家には帰らず、我が家かヒルベルトんちの庭で面倒を見ているのだと思われる。つまり、ヒヨコは我々(ヒルベルト一家とわたしたち)のもの。万歳。

 こないだもらったトウモロコシ。

馬用の藁を運んでいた人からもらったものをバラバラにして天日で干している。その後アルカリ処理をして挽くと、トルティーヤを作るトウモロコシ粉になる。そんなことしなくても美味しいトルティーヤや美味しいトルティーヤ用生地は売ってるが、ちょっと自分でもやってみたくなった。実験ですね。

  借家のゴミ。

ゴミというか、解体したドアなんだが、引っ越してきたときから裏庭に放ってある。ああ、ユカタンらしいな、ジャガーだなと思ってたんだが、よく見たらジャガーじゃなくてトラ模様ですよね、これ? なぜトラだったんだろう?

 月夜。

うちの周りには大きい木がたくさん生えていて、夜は何だかわからない鳥の鳴き声がする。黒々とした木々のさらに上に目をやると、月の前を赤みを帯びた雲がゆっくり西に進んでいく。それだけのことなんだが、海辺で見る月と違う。すごくマヤっぽいと思った。


壁仕上げ

2024年03月25日 | 新築

【3/15-20の作業】窓ドア枠左官、電気の配線

 

21日から作業なし。壁の仕上げ材料をまだ買っていないので、二、三人来てほんのちょっとの作業をするより別現場に集中しているんだと思う。

ところで、壁の下地1層目二層目と書いたが、予算削減のため二層目で終わりにすることにしたんだった。つまり二層目は下地じゃなくて仕上げとなる。元は、モルタル層(ペチペチ)を二層、その後マシヤと呼ばれるこの辺の家の仕上げ材(こちらもモルタル)の予定だった。下地であるペチペチを通常以上に丁寧にやってもらうことで一層だけにし、その後マシヤで終わり。

というのも、どの家もペンキ塗装仕上げだった海辺と違い、ここではマシヤ仕上げの家が多いが、要は塗り壁なので、雨や湿度に関して認識が違いすぎるマヤ人にいつまでも「この点は大丈夫か?」と質問&確認を続けていても、完全に納得するまで行かないのだ。後からペンキででもチュクムででも防水塗料ででも仕上げればいいので、現時点ではその分節約する。

この辺ではブロックを積んだだけの家どころか、細い丸太で囲っただけのマヤ小屋に住んでいる人もいる。気密性能がいいだ何値だなんてのは、何それ美味しいの?な世界なんです。

 浴室ペチペチ完了。

 キッチンも。

 浴室電気配線。

 2階も。

 リビングも。

 玄関も。

 ドア枠が付く面の仕上げ。

垂直も念入りにチェック。海辺の家では正確な長方形じゃない開口部で寸法を合わせるのに入居後夜中まで建具屋が苦労してたが、ここでは微調整で大丈夫そう。

 隣のゴミ一家の鶏。

階段の下の納戸の奥にいた。朝、作業員が追い立てたら

卵を産んでいた。

不法侵入なので、当然没収。産卵小屋?でも作りたいが、防犯目的で我が家の犬くんを庭で放し飼いにするので、どこにどう作ったらいいか。。。


シシュ

2024年03月22日 | ユカタン諸々

  シシュ。

牛のいろんな部位を牛そのものから出る脂で揚げ煮した、マヤ料理。これの豚バージョンが、チチャラ(ユカタン以外ではチチャロンという、ご当地モノあり)です。観光地でしか食べたことないと、豚の皮を揚げたものという認識かもしれないが、ローカルな店では皮以外もごった煮で、とても美味しい。

 この辺のチチャラ。

皮じゃなくて肉から売れていくw。皮も美味しくて、皮だけでも肉入りでもどっちが上という話ではないが、原始的に作らない店では皮だけ売ってるという印象を受ける。メリダで食べるとだいたいこんな感じで皮だけ。

で、その牛バージョンがあり、牛を屠るときについでに作って売る定番料理のひとつ(もう一つはチョコロモ)だということは知っていた。現場飯で出てきて、やっとありつけた。ありつけたというか、「今度の土曜日、売るよ!」とバイクで宣伝してるのを聞くだけで、どんなものかわからなかったので、怖くて買えなかったのである。

牛バージョンでは皮は食べないので、やはり「そのものの脂で煮る」というところがミソなんだと思う。ちなみに、牛の頭の料理では、皮も使うという(食べたけど、細切れになってソペの具になってたので分からなかった)。

味は部位によって多少違うが、こってりしたコンビーフ。

 若い味のトマトのサルサと。

若い味ってわかります?要は完熟イタリアントマトみたいな味じゃなくて日本のトマトみたいな青い味。そういうトマトを選ぶのかは、聞くの忘れた。ただ、どんなトマトを使おうと、あんまり合わない気がする。ラムチョップなどについてくるミントソースとか、わさびとか、さっぱりしたものが合いそう。家ができたらご飯を炊いて、シシュ丼とかしてみたい。お茶漬けとか、乾燥させてふりかけにしても美味しいかも。

あと、豚でチチャラを作った後はラードができるが、牛の脂は食用にしないらしい。

 

 チャヤ入り炒り卵。

「豚肉と黒インゲンの煮物」同様、ユカタン人は大好きだがユカタン料理リストには載ってこない料理。この写真のはちょっとチャヤが多めで、普通はもう少し炒り卵っぽい。こちらは普通に塩で味付けてあって、葉の近くの茎がチャヤの味が一番濃くて美味しい。

  生命力!

そのチャヤだが、うちの前の道端に生えているのをちょん切って敷地内に植えたら、どこかの犬にやられたらしくポキっと折れていた。が、次の日見たら、こう。しっかり自己治癒して、首が座っていた。びっくりした。

 ヤシの実とミントのトロレス。

前回食べた苺クリームはこちら。暑すぎてすぐ溶けるからか、機械が作れないからか知らないが、日本のかき氷みたいなのはなくて、かいた氷はみんなクラッシュアイスかというくらい荒い。なので、「気温が何℃を超えるとアイスクリームじゃなくてかき氷…」みたいなのは分かるが、ありつけない。そういう土地で、このしゃりしゃりアイスはとてもありがたい。これはいちごクリームと違ってココのほのかな味とミントが効いてて、とても美味しかった。結構いろんな種類があるので、他のも試してみる。

 

 ウアノの花にミツバチ。

 

 とうもろこしの穂付きの藁。

馬用だという。餌じゃなくて敷く。トウモロコシ畑では、収穫後のとうもろこしを軸にしてインゲン豆を作ることが多いので、この藁は貴重なんではなかろうか。何か理由があって無用になったのかもしれない。

 実の部分もあった。

質問して写真を撮ってたら、くれた。茹でて、チリパウダーやライムの汁をかけて食べる。おやつとして人気だが、個人的にはあまり好きじゃない。粒をとって天日で乾燥させてアルカリ処理して挽くと、トルティーヤを作るための粉になる。粒のまま取っておくと、種まき用にも使える。

 

 うちに転がっていた鉄条網。

ヒルベルトが何かの目的で使ってたけど外して放ってあったもの。現場の若い子が切っていたのでどうするのかと思ったら、針金として使うという。建設資材として買った針金の残りもあるが、ちょっと錆びてきてるので、鉄条網のツンツン出ている危ない部分を曲げて、こちらを使うという。結構大変そう。

 ボンネットのロックを修理してた。

彼らは、ガイジンが大好きなエコ目的のリサイクルには興味がないが、「何かそのへんのもので代用してどうにかする」のはすごく得意だ。日本人ならすぐ修理屋だメーカーのお客様センターだと騒ぎそうなことでも、ちゃちゃっと自分たちで直してしまう。その代わり、とてつもなく便利な何かとか、めちゃくちゃ使いやすい何かを作る…つまり日本人が得意なことは苦手。両方というわけにはいかない。


フェンス

2024年03月18日 | 設備/外構/庭

電気公社が「隣の家との間に仕切りがないのでダメ」と言って帰っていき、引き込みできなかった件(この記事の最後)の対応。親方が指示を出して他の現場へ行った後、若い衆だけで作業を始めた。

 ヒルベルトんちとの境界のあたり。

2本の引込み柱と手前に埋めた丸太を結ぶラインが境界で、「なんとなくこの辺」レベルのあやふやさ。ヒルベルトが手伝いに行く農園の機械がブルーシートに覆われて、ずっと前から放置されている。右端に見える赤い物もそう。邪魔と言っちゃ邪魔だが、敷地は広いし動かすにも重いし、そもそもまだ土地が完全にうちのものになってなくてマリアの所有地なのでお互い何も言わず、ずっと鎮座している。

 鉄筋格子を打ち付ける。

若い子は、鉄筋格子のロールの重さをちゃんとわかってない。あああ〜などとバランスを崩して、メキシコ人なんで陽気に騒ぎながらやってるもんだから、側から見ると遊んでいるように見えるw。若いの3人がああだのこうだの苦労しているのを見かねて、中堅が「こうしろ」と助けに来た。要は釘で打ちつける。

 ロールを伸ばす。

この写真に写ってるのがヒルベルトの家。そのへんから奥は、うちの犬が脱走しないように塀を作るが、基本的に両家の間には間には何も置かず、オープンアクセスにする予定。この鉄筋格子のフェンスは、電気が引けたら取っ払う。

 

  作業ゴミでまだぐちゃぐちゃ。

もともとあまり手を入れてなかったが、型枠を止めていた針金やコンクリやモルタルが落ちたり、足場にする木材の切れ端をそのへんに放ってあったり、だんだんぐちゃぐちゃになってきた。ひこばえや新しい芽も出てきた。

 岩や砕けたブロックなどを避けて、枯れ葉を燃やす。

  地面が露出するときれい。

これまでは、あっち側(東)の境界との間が「ジャングルだったのをテキトーに伐採したまま、どうなってるのか分からない」状態だった。あっちへ行きたければ家の東側から、こっちで作業したければ家の西側から…という感じで、真ん中辺りは足を踏み入れる気にならなかったのが、なんとか行き来できるようになった。どの部分も把握できてる一つの敷地として繋がった!

 

 卵を抱く、小鳩の親鳥。

 孵った。

その2日後には巣立っていた。他の鳥と比べると早い印象。

 おまけ。

磨いたらきれいになりそう。


果物

2024年03月16日 | ユカタン諸々

  オレンジ購買所から出荷。

ヒルベルトの隣の家で出荷作業をしていた。最近グレープフルーツを買ってるとこなんだが、メインの扱いは苦いオレンジで、村の果汁絞り工場に持っていく。ちなみにわたしが買うグレープフルーツは、テキトーに採れた物も一緒に持ち込まれたり、オレンジ以外のものも作ってる馴染みの客から買ったりするらしい。

果汁絞り工場は村はずれにある。州政府も絡んだビッグプロジェクトで作られたが、絞った果汁を一般市場で売れる商品にする別工場までドラム缶で出荷するという、マヌケな工場。なので村への恩恵が少なく、おいしいところはプロジェクトに関わった者だけが持っていくというわけで、村人にはとても評判が悪い。

 みかんをくれた。

グレープフルーツはもう旬が過ぎてなかったが、代わりに…と言ってくれた。半端物ではあるが、こちらにとってはどっさりな量。なんとも欲がない。

 今の旬はマメイ。

だが、パイスと呼ばれる品種改良された種類以外、今年は不作らしい。とはいえ、1日に2回くらいトレーラーが出るという。

ところで、中南米産の珍しい果物としてマメイを紹介する日本語の記事をいくつか読んだが、気づいたことがある。あのですね、味の説明はだいたい「柿みたい、甘すぎる」って感じで、わたしもこの村に来るまでは「熟れすぎた柿」などと書いてましたが、採った日とその翌日までの完熟マメイは、柿じゃなくてスイートポテトです。2日目から味が変わる。追熟のとも味が違う。何個も食べて分かった。

そもそも「どこどこ産」的な付加価値がモノを言うことがあまりないメキシコ、さらにその点に寄与する高度に発達した運送形態もない。マメイみたいな世界的にはマイナーな果物は、産地と消費地で食べているのが別物でも、誰も気にしない。ああ、美味しいマメイを食べられて幸せ。

 マンゴーが実をつけ始めた。

旬は5月くらい。村にも「もう甘いよ」と言って少し出回ってるが、他の州からの輸入モノであろう。こんなに暑いのに、なぜここの方が遅いのか謎。

ーーー

 アマポーラ。

変な花だと思って木の写真(この写真は別の村の)を撮ってたら、その家の娘さんが花をくれた。歌にあるアマポーラは花だが、これはアマポーラの「木」の花。メキシコらしいダイナミックな花。

ヒルベルトの牛。

2頭のうち好き嫌いせずよく食べていた方が、いよいよ卒業。おとして肉として売るのでなく、くじ引きの一等賞になる。まだまだ育つので、若い牛の肉とするか、もっと肉を増やすかは、当選者の自由だという。ちなみに一口150ペソ(千円ちょっと、5口以上割引)で、二等三等は現金が当たる。

ヒルベルトんちのひよこ。

こちらも順調に育って、もうすぐ食べられる。残念ながら、全部オスだった。メスなら生卵目当てに買ったのに。

 隣村の教会。

こちらもデカイ。


日本風浴室エリア

2024年03月15日 | 新築

【3/12-14の作業】 壁下地1層目、2層目(窓枠)、電気の配線

 

彼らには分かりづらい間取りの風呂場脱衣所洗面とトイレがある一角の続き。先日、高さを確認した仕切り壁が進んだ。

 小梁を乗せる穴。

 小梁の上に一段。

 →  完成。

 トイレの入り口も。

 

内壁の担当スペースのペチペチが終わった面々から外壁へ。

 北面(続き)。

  北面2階。

壊さなければならない上桟は、残してあるw。今まで見た現場でも、我々が指摘して上が「間違えた、やらなければならない」と認識し、その会話を近くで聞いてても、下は着手しない。コンクリを壊すのは大変なんで、最後の最後まで残してある。上のエラー度合いによって、下を使えるか上が自らせざるを得ないか、変わる。ここではどっちになるか?

  東面1階と2階。

 南面。暑くて大変。

 西面。

 

細かいエリア。

 書斎ペチペチ完了。

  階段も。

 玄関脇トイレの入り口。

ドアの上が空いていたので、ブロックを積むために小梁を打った後、ブロック積みが完了。

 奥の寝室の入り口。

玄関脇トイレと同じく、ドアの上にブロックを積むための小梁。

 車庫。

 

  窓枠がつくところ。

 2層目の素材。

なぜかここだけ先に2層目を塗るらしい。海辺の家のときは、ペチペチが全て終わった後で、親方が表面を整えていた。ここでは整えるだけじゃなくて寸法まで測りながら作業しているが、建具屋には現場で採寸してもらうことになっている。

 

 引き込み柱にシール。

電気公社へ新規の申し込みに行き、手続き完了シール(緑色)をもらってきて貼った。これを目印に、公社の作業員が来る。

  配線。

ところが、公社の作業員が来たのはいいが、引き込み柱の奥を見て隣のヒルベルトとの間に境界塀がないから作業できないと言う。申し込みで柱の写真を提出してOKだったんだが、ダメだと言い張る。ちょうど親方がいなくて(そんなに早く公社が来るとは思ってなかった)らちがあかず、帰ってしまった。あとでみんな、「そんなの聞いたことない」「よく来る奴と違う、賄賂目当てか?」などと話していた。ベテランの1人が、逆隣りのゴミ一家との間には塀を作ったのでそっちに柱を移動させる案を出したが、親方は余った鉄筋格子で簡易的なフェンスを作って、公社の作業が終わったら取っ払えばいいと言う。結構ムカついたらしい。何でもいいので任せておく。

 

 リビングの外壁。

親方が水道の配管を間違えたとこ(前の記事)の穴は埋めてあった。


文句を言ってはいけない

2024年03月12日 | 新築

【3/7-11の作業】 壁下地1層目

 

ブロック積みやコンクリ打ちと違って目立たないペチペチが、粛々と続く。彼らが別の現場に行ったり、熱波に襲われて連日40℃超えだったので我々も午前中で帰ったりしていたので、作業中の写真はほとんどない。

 キッチン完了。

 玄関に着手。

足場の上に立っている彼の向こうに渡してある板は、来客用トイレのドアの上をオープンにしてしまっていて後から梁を打つための型枠。

今回、来客用トイレは分けて、玄関を上がらずに入れるようにした。我々の経験では、うちに遊びに来るメキシコ人のうち3分の1は面白がって靴を脱ぎ、3分の1は日本人の家なので言われたら靴を脱ぎ、残り3分の1を傍若無人かつ遠慮なしのLさんと、親父がそうなら仕方ないLさんの子供、彼らと一緒に来た人が占める。南部の村に引っ込んだんで客は減るだろうが、村の人たちとは仲よくしたい。仲良くしたいが、日本ってどこ?な人たちに説明するのはメリダ人以上に面倒なんで、遊びに来る人は車を出したガレージをテラスがわりしてもてなす。で、玄関を入ってすぐ、靴はそのままで入れるトイレを使ってもらう。外トイレも考えたが、間取りの関係でこうなった。もちろん、我々住民は家の中のトイレを使う。

  風呂場と脱衣所と洗面台。

先日、仕切り壁の高さを確認したので、積み始めたブロックも見える。

 2階も着手。

 北面外壁も着手。

 

 電気の引き込み線。

引込口(ブレーカーがつく位置)まで作業してあった。

 引き込み柱。

赤い線で隠しましたが、打ち付けてある板に名前が書いてある。明日、電気公社へ申し込みに行くのでその準備。以前は人が住んでいなかった土地への新規の申し込みになるので、普通の使用開始申し込みとちょっと書類が違う。身分証明の他に、「メーターをつける準備はできてます」という意味でこの柱の写真と、位置の確認のために売買の約束の契約書と、同じく位置の確認のために隣のヒルベルトのうちの領収証を持っていくとのこと。連邦の公社とはいえ、田舎の支店ではいろいろ違って、しょっちゅう顔を合わせている親方とはこうって感じなのかもしれない。

 

 土台と床下に変な穴、発見。

  外壁を貫通。

キッチンからリビングを通って外に出る穴が掘ってある。そっち側の外には220Vの井戸ポンプやエアコン室外機があるので電線の可能性もあるが、穴がキッチンから伸びてるので水道が怪しい。これは変だということで次の日親方に確認したら、いろいろごまかしていたw。

こういうときメキシコでは怒っちゃいけません。間違えたんだろとかああとか言わないで、「奥の家の水道を移動させるとき家の下を水道管が通るのはよくないって話してたから水道じゃないよね?何の穴?」とミスをほのめかし、相手がやべえと思って「いや、ここは…」と言ったら「そうだよねえ、安心したよ!」とニコニコ相手を立てなければならない。言い訳ばかり…などと思ってはいけない。

まぁこれまでの経験では、うちの親方は信頼できる。オノレの間違いを通そうとするようなことは絶対にない。

話は飛ぶが、メキシコでメキシコ人の対応に怒っている日本人、ほとんどこれが原因だと思う。政府、銀行から小っさい店、配達の兄ちゃんまでいろいろ。メキシコ人はごまかす、言いくるめようとする、何を言っても謝らない、等々と怒っている。話を聞いてるだけなんで分からないけど、どうも最初から「文句を言う」気満々で問い合わせたりしているように感じる。北米人も同じ。で、ヘソを曲げられて理不尽な扱いを受けてますます怒っている。日本では客の方が悪くても「誤解を招くようなことをして申し訳ありません」と謝られることが多いし、ヘソ曲げるなんてありえないだろうけど、そうじゃない国も多いし、メキシコ人は怒られるのが大嫌いらしい。我々はいつも、まずはニコニコ挨拶して、「困った!あなたが頼り!助けて!」というスタンスで行く。笑顔で挨拶すればまず向こうも笑顔になる。滅多にないが、ふてくされた顔で「なにそれなんだけど〜」と言われても「そうなんだ!知らなかった、教えてくれてありがとう!」と言うと絶対に態度が軟化する。まぁ、都会だとお互い疲れててそういう余裕はないのかもしれない。