La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

シシュ

2024年03月22日 | ユカタン諸々

  シシュ。

牛のいろんな部位を牛そのものから出る脂で揚げ煮した、マヤ料理。これの豚バージョンが、チチャラ(ユカタン以外ではチチャロンという、ご当地モノあり)です。観光地でしか食べたことないと、豚の皮を揚げたものという認識かもしれないが、ローカルな店では皮以外もごった煮で、とても美味しい。

 この辺のチチャラ。

皮じゃなくて肉から売れていくw。皮も美味しくて、皮だけでも肉入りでもどっちが上という話ではないが、原始的に作らない店では皮だけ売ってるという印象を受ける。メリダで食べるとだいたいこんな感じで皮だけ。

で、その牛バージョンがあり、牛を屠るときについでに作って売る定番料理のひとつ(もう一つはチョコロモ)だということは知っていた。現場飯で出てきて、やっとありつけた。ありつけたというか、「今度の土曜日、売るよ!」とバイクで宣伝してるのを聞くだけで、どんなものかわからなかったので、怖くて買えなかったのである。

牛バージョンでは皮は食べないので、やはり「そのものの脂で煮る」というところがミソなんだと思う。ちなみに、牛の頭の料理では、皮も使うという(食べたけど、細切れになってソペの具になってたので分からなかった)。

味は部位によって多少違うが、こってりしたコンビーフ。

 若い味のトマトのサルサと。

若い味ってわかります?要は完熟イタリアントマトみたいな味じゃなくて日本のトマトみたいな青い味。そういうトマトを選ぶのかは、聞くの忘れた。ただ、どんなトマトを使おうと、あんまり合わない気がする。ラムチョップなどについてくるミントソースとか、わさびとか、さっぱりしたものが合いそう。家ができたらご飯を炊いて、シシュ丼とかしてみたい。お茶漬けとか、乾燥させてふりかけにしても美味しいかも。

あと、豚でチチャラを作った後はラードができるが、牛の脂は食用にしないらしい。

 

 チャヤ入り炒り卵。

「豚肉と黒インゲンの煮物」同様、ユカタン人は大好きだがユカタン料理リストには載ってこない料理。この写真のはちょっとチャヤが多めで、普通はもう少し炒り卵っぽい。こちらは普通に塩で味付けてあって、葉の近くの茎がチャヤの味が一番濃くて美味しい。

  生命力!

そのチャヤだが、うちの前の道端に生えているのをちょん切って敷地内に植えたら、どこかの犬にやられたらしくポキっと折れていた。が、次の日見たら、こう。しっかり自己治癒して、首が座っていた。びっくりした。

 ヤシの実とミントのトロレス。

前回食べた苺クリームはこちら。暑すぎてすぐ溶けるからか、機械が作れないからか知らないが、日本のかき氷みたいなのはなくて、かいた氷はみんなクラッシュアイスかというくらい荒い。なので、「気温が何℃を超えるとアイスクリームじゃなくてかき氷…」みたいなのは分かるが、ありつけない。そういう土地で、このしゃりしゃりアイスはとてもありがたい。これはいちごクリームと違ってココのほのかな味とミントが効いてて、とても美味しかった。結構いろんな種類があるので、他のも試してみる。

 

 ウアノの花にミツバチ。

 

 とうもろこしの穂付きの藁。

馬用だという。餌じゃなくて敷く。トウモロコシ畑では、収穫後のとうもろこしを軸にしてインゲン豆を作ることが多いので、この藁は貴重なんではなかろうか。何か理由があって無用になったのかもしれない。

 実の部分もあった。

質問して写真を撮ってたら、くれた。茹でて、チリパウダーやライムの汁をかけて食べる。おやつとして人気だが、個人的にはあまり好きじゃない。粒をとって天日で乾燥させてアルカリ処理して挽くと、トルティーヤを作るための粉になる。粒のまま取っておくと、種まき用にも使える。

 

 うちに転がっていた鉄条網。

ヒルベルトが何かの目的で使ってたけど外して放ってあったもの。現場の若い子が切っていたのでどうするのかと思ったら、針金として使うという。建設資材として買った針金の残りもあるが、ちょっと錆びてきてるので、鉄条網のツンツン出ている危ない部分を曲げて、こちらを使うという。結構大変そう。

 ボンネットのロックを修理してた。

彼らは、ガイジンが大好きなエコ目的のリサイクルには興味がないが、「何かそのへんのもので代用してどうにかする」のはすごく得意だ。日本人ならすぐ修理屋だメーカーのお客様センターだと騒ぎそうなことでも、ちゃちゃっと自分たちで直してしまう。その代わり、とてつもなく便利な何かとか、めちゃくちゃ使いやすい何かを作る…つまり日本人が得意なことは苦手。両方というわけにはいかない。


ゴミ一家と、その椰子

2024年01月31日 | 設備/外構/庭

(前半、前の前の記事からこっちに移してきました。もう読んだ方、飛ばしてください)

 西側の塀を作るとこ。

隣のゴミ一家との境界には、古い石垣がある。うちの敷地も長年手付かずだったし、隣はゴミを捨てたりしてたんで、もう、ひどい状態になっていた。写真見てください、ひどいでしょ? 我々が買うと知ったら多少片付けるのかと思ってたら、とんでもない。嫁が、我々がきれいにしていると「ゴミばっかりだね」なんてヘラヘラ言ってくるような人間でとても仲良くする気になれないし、そもそもゴミを捨て続けられても困るんで、高さのあるブロック塀に造り替えることにした。

 ゴミ塚。

白っぽく盛り上がっているところは、長年彼らが投げ捨て続けたゴミに土や石が混ざってできたゴミ塚。掘っても掘ってもゴミが出てくるんで途中でやめたとこ。

 ムカつくんで晒す。

うちの二階から見た彼らの家。マヤの家を見てると、うわー我々には無理だなと思うことが二つあって、一つは流水を使わないこと。これはどの家にも共通する。もう一つは汚らしさで、これは家によって違う。が、土足文化なんで、うちと外でゾーニングするという感覚はない。きれいにしている家ももちろんあるが、それは我々がメキシコ生活に慣れたからそう思うんであって、日本人の感覚からするときれいとは言い難い。少なくとも衛生的では決してない。

が、この隣のゴミ一家はぶっ飛んでいる。お爺ちゃんはいい人だし、孫世代で普通の人もいるし子供に罪はないが、ちょっと信じられないレベル。上の上の写真、拡大してもらえると、青いTシャツを着たお爺ちゃんが、うちの作業員が壊していった石垣から出たゴミをひとりで片付けてるのが見えます。お爺ちゃん、業を煮やして手伝えって言ってたみたいだけど…。

 猫が邪魔しているw。

現場飯を漁りにくるんで慣れたのか、スヤスヤ寝ている。ってか、ついでに言うと、子猫が4匹いたんだが、1匹いなくなった。ウリ坊に似た子犬も、今週は見ない。もう1匹の犬も、多分もうすぐ死んでしまう。増えるに任せて面倒を見ない。なんて無責任なんだと怒りがわく。

(ここまで、前の記事からの移動)

 

 道路側は、ここまで掘れた。

お爺ちゃんのゴミ拾いも多少進んだ。そして今日は、ゴミ一家の危険なヤシの木を倒す日。

 これ。すごい斜め。

前に業者が来たときは、肝心のヤシでなくなぜか道端のを切り倒していったが、うちが塀を作るんでもう待ったなしである。

 本日は別の人。

東南アジアの写真なんかでもよく見るが、まあすごいですよね。葉などを落としてマチェーテで(つまり機械を使わずに)切り倒すのかと思ったら、なんと縄を結わくだけで帰っていった。つまり、切り倒すのはうちの現場の面々。

 縄を引っ張る組。

 切り倒す組。

 砂利に向かって倒したい。

 が、別方向へ。

飯場のテーブル(ブロックに乗せた板)が割れてしまった。

 葉を落として、実を食べる。

汁が入っているのはほとんどなかった。そして、またしてもムカつくことに、切り落とした葉や実がついていた房は、我が家の眼の前の道へ。このへん、マヤ人同士なんであまり気にならなくて、わざわざゴミ一家の前にまで運ばず、うちの搬入口になってるところのすぐ脇に捨てていた。葉も実も燃えにくいわけじゃないが、なんで我々がせにゃならんのだ💢 おまけに実を食べた後の殻というかカスというかも散乱している。もう、諦めた。石垣を壊して出てきたゴミ同様、あとでまとめてどうにかする。


村の祭り

2024年01月24日 | ユカタン諸々

要領がわかんないのと天気が悪いので、ついでにしか祭りを見物してないんだが、今度はピザを買いに行ったついでにみた様子を。

  教会。

一応、この教会の名を呈した祭りらしい。このときはミサの準備ではなく、ただ解放されてて数組がお祈り?に来てたんだと思う。夜に中を見るのは初めて。結構、きれい。

 村の産物の展示場入り口。

村の人には人気がない様子だが、オシュクツカブのオレンジ祭り同様、こっちの方が興味深い。ただ、やっぱり時刻的に出展者も休憩中だったかも。本当に閑散としてた。

 入り口に柑橘類。

ヤシの実もあった。海辺の村でガンガン植えているブラジル椰子とは違って背が低く、実がもっと丸っこい種類。そういえば、なぜかマメイはなかった。あまり真剣に展示してないのかもw。

  ヤギ。

もちろん食肉として。

 ロバ。

牛もいたが、今日は牛さんは別のところで主役を張る。撮りにくかったので写真がないんですが、鶏、七面鳥、あとよくわからない鳥が食肉として、それからなぜかフクロウも展示されていた(夜だけど寝ていた)。

 苗木。

中のブースでは、灌漑設備や種やオーガニック栽培の指導などの会社が出展していた(いなかったけど。来年以降、ちゃんと見学する)。

 円形劇場への入り口。

見物客でなく、カウボーイ参加者が入るところで、ピックアップ1台が停まって入場をコントロールしていた。外には競技会の次の試合に出るカウボーイたち。

 周りにもカウボーイたち。

まだ少年ってな若い子から渋いおっさんまで。カッコいい。

競技会は祭りのメインで、祭りの間は毎日午後4時からおそらく10試合ずつくらいやっている。ぐるっと円形に三階建てで造られている観客席は、幅5から10メートルくらいに分けられていて、1スペース3階分に各牧場主が割り当てられる。牧場主は、自分とこの試合がある日は家族や親戚揃って駆けつけて応援する。いくつかのスペースは、海辺の村ではなかった一般客用。最後の日だけは「市役所の日」だそうで、村役場(はい、本当は市なんです、ちんけですが)のお偉いさんと、主要牧場主の家族だけが、ああ、日本でいうと馬主席みたいな感じで割り振られるらしい。…というのは全部後から現場の親方に説明してもらって分かった。

 

 うちで採れたサポテ。

チコサポテという種類。これまでに食べたサポテの中で一番甘い!万歳!

 黒豆。

メキシコ中でよく食べられている黒いインゲン豆で、ユカタンにも「黒豆と豚肉の煮物」という料理がある。ユカタン人は大好きなユカタン料理だが、全部茶色で見栄えが悪いので、インターナショナルなメディアが選ぶユカタン料理ベストなんちゃらなんかでは取り上げられない。で、その黒豆だけ。

こちらはマヤ料理で、カバシュという。調味料をほとんど使わずただ薪でコトコト茹でただけだが、だいたい採れたての豆を使う。メリダなんかだとほとんど乾燥豆しか売ってないが、新しい豆だと豆の味が濁ってなくて結構美味しい。


ベフコ

2023年12月30日 | ユカタン諸々

注連飾りを作るのに、生え放題の蔓草を引きちぎって家で茹でてたら、ほうじ茶のような匂いがしてきた。なんとも香ばしくて味見したところ、さすがにほうじ茶には劣るけど、まぁまぁ。

色もほうじ茶。

飲んでも構わないものなのか調べたら、メキシコ国立自治大学のレポートがみつかって、いろんな効能があるという。

さらに売ってもいる。

アメリカ市場で、ジャマイカ産が健康食品がグアコという名で売られている。それも高額でw。確かシーモスドリンクも、ジャマイカ産の海藻が本物ヅラしていた。この蔓草は種類も多く、暑いところでは珍しくないので、どれが本物って話じゃないが、ジャマイカ、やるな。ユカタンも観光客ばかり誘致してないで、こういうのを見習うべきだ。

今度は若い葉をむしってきた。

お茶なんて、大抵の植物はハーブティーとしてなら「不味いとまではいかないから飲んでもいいか」じゃなかろうか。植物なんだから、気休め的な効能なら何にでもあるし。

これは単なる「敷地内の豊かな植物」の1つじゃなくて村の名前になってる草だし、あの香ばしい匂いに期待して乾燥とか揉むとか蒸すとか実験してみる。

ーーー

 現場の子がバイクを新調した。

なんでマヤ人の若い子が大阪のおばちゃんみたいな趣味なんだ?と思ったら、ピクパンサー号なんだという。ピンクパンサー、懐かしいな、現役だったのか。

 現場飯。

鶏肉とじゃがいもと人参とハヤトウリとかぼちゃとレンズ豆と、ちょっとだけスパゲティが入っている。スパゲティとして食べるのではなくて、マカロニみたいな位置付け。栄養たっぷり。

  隣のゴミ捨て一家のヤシ。

うちとの境界間際に生えているのが、例によって手入れされてないせいで斜めに伸びているし、なんか根元が怪しいので非常に危ない。こないだも7つぐらい実をつけた束がどさっと落ちてきてびびった。ゴミ一家もどうにかしなくてはならないとようやく重い腰を上げたらしい。。

 育ちに育ったヤシ。

が、切り倒しにきたおじちゃんは、道に面した1本だけ切り倒して帰ってしまった。まぁ、大変な作業だし時間も時間だったし、また来るだろう。うちがきれいにすると周りもなんとなく手を入れ始めるのは、海辺の村で経験済み。このゴミ捨て一家がどこまでするのかは知らないが。

パン屋がくれたカレンダー。

昔懐かし企業のカレンダー。あと、商店街のタオルとか、空欄に自分のとこの名前や住所を入れるタイプ。金出すなら買わない絵づらだけど、オカンは便利じゃんと喜んで壁に貼ってインテリアぶち壊す…的なw。年齢のせいかユカタンの田舎暮らしのためか、結構、嬉しい。


引っ越し

2023年08月28日 | ユカタン諸々

業務連絡兼ねて…

 家が売れた。

ここでもしつこく人が増えた増えたと書いてきたが、我慢の限界を超えたので引っ越すことにした。理由ときっかけは以下のとおり。

① 隣地に米人が建てている家が二階建で、絶景朝日を拝めなくなることがわかって嫌気がさした。

② 数年なかった長めの(3日くらい)停電があり、その後も同じく3日くらいネットに繋がらない日が続いた。原因は電力負荷の上昇とアクセスの集中、つまり人口増加にインフラ整備がついていってない。不便を承知で来てるので多少は構わなかったんだが、しばらくなかった現象の原因に移民増加が絡んでるってことで嫌気がさした。

③ 隣地の完成が見えてきて、毎日3組ぐらい来ては甲高い声の英語が聞こえる…のが続いて嫌気がさした。

人が増えても「メキシコの田舎らしい村が活気付いた」のなら気にならないんだが、最近は平日に村の中心部を通るとオサレ(っぽい)カフェにガイジン(西洋人)が溢れかえっている。アメリカのどこかにいるみたい。

以前は素朴なメリダ人が「ビーチ沿いの静かな漁村、遠いところ」と認識していたこの村にも、近代的な都市っぽいものへの憧れの波が押し寄せてきたのもある。波は、新しく建てられてる別荘の建築様式だったり、SNSで増えているメキシコ人リベラルの発言という形で感じられる。メキシコ中部東部から引っ越してきた人の共通観念に影響を受けたメリダ人は、今のユカタン政府の経済発展政策(州財政の立て直しを兼ねた街の開発・観光客誘致など)を喜んでるから。

 昔の村の野球広場。

毎日この馬が草を食み、ときどき村の子供達がベースだけ持ち込んで草野球をしてたとこ。そういえば姪っ子が来たときに行ったカウボーイ技術大会も、ここに古い木材で見物席を建ててやってた(動物愛護の流れで禁止されたのを受けて2年前になくなった、保守派はユカタンの伝統だ!と言ったが負けた)。

  中央政府の金で改装された。

人工芝にナイターができるライト。柵で囲って、予約制になったのか普段はアクセス不可。こういう開発に対して、喜ぶタイプはSNSで絶賛するが、自分ちの子供が好きなときに遊べなくなったと思ってる質素な暮らしの村人なんかは井戸端会議で愚痴ることはあっても声を荒立てたりしないんで(保健所や友達んとこなんかで耳に入る)、なんとなく「発展して嬉しいと皆が思ってる」イメージが出来上がっていく。

 先日、ホースでお隣さんの井戸から水を引かせてもらった。

再度の水圧低下でうちの貯水タンクに溜まっていかず、断水状態。新築時から貯水タンクを増やしたり地面を掘って水道管(ホース)の位置を下げたり…を何度も繰り返してきたが、去年の夏休みと比べてもガンっと別荘が増えたので、またしても。水道局曰く、もうこれ以上の対策は無理。

増えてきたガイジンのように深い井戸を掘れば水道に頼らなくてもよくなるんだが、ちょうどストレスになってきた頃で、この家に金をかけたくない。無自覚だったが少し前から引越の選択肢が頭にあったんだと思う。

さらに水道局の職員から聞き出したところによると、現在増強している(そして市長が仕事したと自慢する)ポンプは、去年まで少しずつ増やしてきたものより低性能らしい。市が資金をプログレソビーチの観光客向け整備など別のことに使っているため。

 以前は何もない海岸と野原だったとこ。

 うちの屋根から南西方面。

 北東方面。

草っ原や藪だけだったのが、家だらけ。お向かいさんとお隣さんとあと2軒のご近所さんの、ユカタンらしい(伝統的とまではいかないけど質素なブロック造)小さな家がポツポツだったが、このとおり。

 南東方面。

矢印の赤い建物は東西10キロくらいの間に一軒だけあった、コーラやジュースや袋菓子だけを売ってる、日本の新幹線ホームの売店みたいな店(弁当もアルコール飲料もないけど)。隣村までの通り沿いにあって、引っ越してきたときはうちの屋根から見えた唯一の建造物だった。それがこのとおり家だらけだし、今はそういう店も他にたくさんできた。夏休みとセマナ・サンタの週末しか店を開けていなかったのが、儲かっていると見え、今では一年中、毎日開けている。実際、その隣村までの道路、以前は村の中心部に行くまで一台もすれ違わないのが普通だったのが、最近は小道から入るのにも数台通過するのを待たなければならない。

 この小道にも、塀で囲まれた家が両側に建った。

昔、メリダ人がゴミを捨てていかないように遺跡風に石を並べたところ。夜は真っ暗、それも鼻をつままれても…レベルの暗さだったが、新しく建ててる家はもれなく防犯目的で大光量のライト、それもセンサーじゃなくて常時照らしてるやつをつけるんで、もう別の道である。

えーと、田舎趣味、近代化反対、西洋人嫌い…と言われればそれまでだが、我々は質素で素朴なメキシコらしい田舎を選んだつもりだったのである。さらに、他国から移住してきて、日本の日本人みたいに自分が住む地域のことを愚痴ったり批判したりするわけにはいかない。移民は移民らしく、内政に干渉したり現地の文句を言ったりせず、ありがたく住まわせてもらうものである。その上、金もないのにぐうたら暮らすために移住してきた身としては、ストレスを感じながら生活するのはまっぴらごめんだ。

。。。というわけで、5月に相棒と相談して引っ越し先を検討した。今はメキシコ全土が移住先として人気で、隣のカンペチェ州(ユカタン以上の田舎)なら海沿いもまだ…と期待したが、移民 の増加と土地価格の上昇はそちらへも押し寄せていた。さらにユカタン州は安全だっていうんで引っ越してくるメキシコ人も多く、人口増加がどの街どの村へどう広がるか、しっかり検討しなければならない。我々には、東京のど真ん中なのに朝の通勤電車に4人しか乗ってないような静かなところへ引っ越したら数年後には開発の嵐に襲われた…という失敗歴がある(月島のあたりです、豊洲なんか野原だったのに)。

しっかり検討しなければ、前回の二の舞になる、ただ好きなところへ引っ越すわけにはいかない。ポイントは、① 人気の海の近くじゃなくて内地(ついでに土地信託が必要なくなる)、② 有名な遺跡などがなく、無名な状態が続きそうなところ、③ マヤ鉄道の駅から遠く。海の近くに居たかったがどのみちビーチはもう人だらけで独り占めは無理、平日からガイジン年寄りが散歩してたりメリダ人がジェットスキーで遊んでる状態。で、南部の村の一つに絞った。同じ州内の引越なんで車のナンバープレートや運転免許の変更がなく、内陸なんで土地を買うのに余計な手続きもない。

何度か行って新たに買う土地の目星がついたので、今住んでる家を売りに出してから3ヶ月。ようやく売れました、万歳。時間がかかった理由の一つは為替変動。円と同じく米ドルとカナダドルも、対メキシコペソで爆下げしている。4、5年前?の3分に2近くまで落ちた。不動産屋曰く買い控えたり様子見したりしているらしい。

それから、最近になって移住してくる大勢ってのは、以前我々が享受していたメキシコの田舎でなく本国と変わらない便利さで自分たちは苦労のないところの、憧れの家に住むのを望む。我々が来た頃は、皆しっかり調べて不便でインフラも整ってないのを承知で来ていたが、今はそうじゃない。我々みたいに「こんな発展途上国の僻地なんだから不便さは我慢。自然の中のでっかい土地さえあれば!」とは考えない。高性能井戸+家の水回りの水圧を上げるためのポンプ+ソーラーパネルと蓄電池…で断水と停電対策をがっつりしてあって、プールがあって、塀で囲んであって侵入予防の監視カメラなどもついてて、ここの自然な環境でなくヤシを植えた小洒落た庭があって、比較的土地が狭くてもきれいな家が人気。金持ちはウォーターフロント限定。貧乏人(なんと借金してまで移住してくる年寄りがいるらしい!)は、お洒落だけどチンケなアパート(マンション)。

うちは当初はもう一生引っ越すつもりなんかなかったから、無駄に大きいだけで間取りは日本人の家。風呂とは別のトイレや段差のある玄関があるくせに、各寝室にトイレやシャワーやウォークインクローゼットがない。まぁ、広いだけで日本のマンションみたいな家です。リフォームするにしろ買い手はちょっと悩むって感じ。

人が増えてきている間にここら辺の不動産価格と建設費が上がったおかげで、幸いそういう状況にあっても最後には高くで売れた。時間はかかったけど。

外国人は信託を組まないと不動産を購入できないので、その手続きに数ヶ月かかり、最終契約は少し先になる。その後は、ディープなマヤ文化にとっぷり浸かります。あ、その前にまた新築工事の記事を書くことになるか。。。


反面教師① 工程管理

2023年07月28日 | 新築

いよいよ今週末、隣地のオーナーが引っ越してくるという。2月に着工して、施主は5月末の入居を希望、小さい家でもそれは無理だろと思ってたが、現場監督もそのくらいだと言っていた。結果、7月末の竣工。しかも、ドルで計算していた施主にとってはペソ高で工事費が上がったことになり(いやマジでペソの上がりっぷりは結構なものです)、外構工事ほとんど無しでの引き渡しになる。

我々は隣地の着工以前から「今度家を建てるときはもっと(機能的に)いい家にできるねー」などと話してて、メキシコでの建築工事に興味があるんで、隣地の工事は反面教師として非常に勉強になった。それを記録しておく。

 

 東面。この家の向こう側が我が家。

 したかったこと。

街でなく海辺に移住したいガイジンの憧れの家っちゅうのはみんなこれ。海に向かってプール付きの広いテラスがあり、室内との境は大きな掃き出し窓がある。ユカタンに限らずメキシコのどこのビーチエリアでも、金を持っていたらこのスタイルにする。それを、海でなく他人の土地に隣接する 10m x 40m の狭っ苦しい土地に建てようとしたところから悲劇は始まった。

一番上の写真は隣地の庭からでなく、その隣のそのまた隣から撮っている。プールから1mのラインが敷地境界。確かに景色だけなら東向きがいい(我々が朝日を堪能していた方角)。が、それも隣の敷地次第なわけで、案の定、新築工事が始まった。奥行きが40mもあるので、庭の作りようによっては「憧れのビーチハウスのテイストが少しある可愛い家」になったと思うが、どうしてもこうしたかったらしい。

 プールと掃き出し窓

建てやすくはない土地に建てることを自慢するためか、施主に望まれて建築士も張り切ったんだと思う。

この辺のほとんどの土地は奥行きが長くて、だいたい車を停める前庭の先に家、奥に広い庭というのが一般的である。奥行きの方向に長い家というのはあまりない。それから、メキシコの在来工法はブロック組積造で、ブロックを積んだ壁全体で建物を支える。なので、天井まで、かつ幅の広い開口部というのは建設作業員には馴染みが薄い。一般的な設計でなく特異な住宅の建設に慣れた優秀なチームはユカタンにもいるだろうが、あいにくレベルの高い作業員は現在マヤ鉄道関係で忙しく、隣地の作業員のレベルは中の下くらいであった。

現場監督は、英語ができて、普通のユカタン人よりレベル高そうな、いかにも外人にウケるタイプ。だが実際は調子いいだけのカッコつけ野郎で、施主にゴマを擦ることばかりに熱心で、ほとんど現場に来ない。

図面など見たこともないような作業員が半分以上なのに監督からの指示もないもんだから、まず基礎のラインを間違えた。ここは布基礎で、ユカタンでは大きな岩を使う(うちのときの基礎工事)。造って数日後にようやく来た監督は己の怠慢を棚に上げ、現場作業員たちを罵倒した。ちなみに本当の格差社会であるメキシコでは、召使いに対する主人みたいな態度をとる人は結構いる。貧乏人をバカにして態度に出す金持ちも多い。

これで監督に対する親方と現場作業員の信頼、一緒にいい家を建てよう!感は一気に失せた。結果、できたのは間違いを正した位置の基礎でなく、地面を掘らずに地表に岩を積んでモルタルで固めたもの。手抜きである。メキシコ人ってのは不満を感じさせたらお終い、謝るどころか平気でこういうことをするし、怒ってヘソ曲げた役所や銀行の担当者がそれはないだろってな態度と理不尽な理由で却下拒絶…なんてことはしょっちゅう聞く。

そして、その上に立てた独立柱(上の写真の真ん中、壁など何もない一本立ちの柱)の細いこと! ここは屋根もコンクリで、かつ2階も載ってる。壁全体で支える普通の家の柱でさえもっと太いw。おそらく見栄え重視の構造ギリギリ計算だと思う。結構すぐ、どこかでひび割れが出たり開口部の掃き出し窓が開かなくなるんじゃなかろうか。

日本みたいにある程度の品質を期待できるところじゃない上に、監督がちゃんと仕事をしない可能性も高い。うちの監督のLさんも実は大丈夫大丈夫!とあれこれ誤魔化した。なので、「慣れた仕事で、下手にしようと思ってもできない」ような作りにしておいた方が、いろんなリスクが低い。基礎の位置を間違えたのも、突き詰めればそれ。基本的にブロック積んで4mごとに柱…にしておけば、こういう問題は起こらない。

そもそも工程管理がなっとらん上に、基礎の位置間違え以降、監督と現場の不協和音は日に日に大きくなった。手抜き指示→よくわかんないからテキトーな工事、気分悪いから来ない→聞くの面倒なんで分からないとこもテキトーに、不備が出て罵倒→不貞腐れて手抜き…などなど、もう側で見ていてハラハラどころか笑っちゃうレベルの負のスパイラルであった。

その不協和音の延長で、設備とのコーディネートもめちゃくちゃ。通常、配管は事前に埋め込んでおくんだが、仕上げが終わった後に壊す、コンクリの柱も壊すw…なんてことの多いこと多いこと。

  

そして挙げ句の果てに

  

雨漏れ。ほとんどが、壊したところから漏れている。もうこの時期には現場の雰囲気が悪すぎて、壊すのもテキトー、そこへ通す配管のつなぎもテキトー。自分ちだったら悪夢以外の何物でもない。

施主のアコガレのせいでやりにくそ〜なところにいろんな管があるんだが、それでももう少しシンプルにできたはずなのに、なぜか距離や場所など「そうじゃない方が…」な設計になっている。もしかすると、開発許可申請(建築士が描く図面)以降、理由は知らんけどやたらと変更があったんじゃなかろうか。監督と現場がギスギスしているところで、これは致命的。

ところがこの時期、施主(アメリカ人のおばさん)は連日オトモダチを引き連れて内覧ツアーに来た。多いときは1日3回w。邪魔なだけではない。そもそもこんなひどい現場になってしまったのは、おばさんが変な家を建てたがったからだと現場は思っている。ガイジン大勢に現場をウロウロ歩き回られて、気分がいいわけがない。

ってか、我々が見て大丈夫かな〜と思う点や少なくとも水漏れ跡とか壊した跡がいくらでもあるのに、おばさんはそんなことは一切気にせず。「ナーイス・ハウス!」「オウ、サンキュウ!」なんてやり取りばかりである。ガイジンって声でかいし、現場作業員からすれば煩わしいことこの上ない。ちなみにこの現場は、上棟式もやってない。ここのは施主が買ったご飯とビールで打ち上げ!なんで、そういう節目なしにダラダラ続いてどんどん問題が出てくるようになって…という状態。

キリがないので、工事中に出てきた問題とアホちゃうかと思った細かい点をどんどん上げていく。

 ちゃんと閉まらない。

そもそもブロック積みや左官工事も日本と比べ物にならないほど誤差が大きいこの国で、実測しないで図面通りに作って搬入するなんて気違い沙汰。でもって、大きい開口部作って、ただでさえ暑いところなのに温室状態だよ…と思ってたんだが、遮熱どころか断熱ガラスでさえない。さらに、施主が選んだのはプライバシー確保のためのミラーガラス…まではよかったが、なんと内側からもミラーになっている(両面ミラーフィルム貼り)。

 室内から撮った写真。

えーと、うちを一切かまわず景色を堪能しようと思ったんですよね? 見えなくていいんですか?

 一階屋根の端にある外廊下(幅1m)。

ドル安で手すりをケチった。風が吹いたら結構怖い。雨が降ってたら足元滑りやすいし。

 南側の庭。

 したかったこと。

開発許可を得るために敷地の4割残さなければならない「自然のエリア」。敷地奥なのにも関わらず伐採ゴミを積んだままにして建設ゴミも加わっていた部分は、2日かけて全てのゴミを燃やし(違法)た。着工前は「きれいな砂地にしてヤシを植えて…」などと言ってたが、資金難にておしまい。砂地にヤシで何が自然やねん…だが、これはちょっとかわいそう。ここの植物は強くて、刈り取ったくらいじゃまたガンガン生えてくる。日が経たないうちに手を入れた方がいいと思う。

 小道から見たファサード(玄関)。

灰色と青と黄色の壁で、掃き出し窓のガラスなどの雰囲気を考えたらバウハウス調なのかと思っていたが、「メキシコで有名なスタイル」なんだという。おばさんの話から想像するに、建築士がルイス・バラガン風と説明したらしい。が、おばさんはメキシコが誇る有名建築家を知らなかった。監督が媚を売って「どれにしますか〜?」などとおばさんに選ばせた玄関タイルや金具などがことごとく合わず、結果デザインがとっ散らかった。本当にそういう家に住みたいのか、心の底から不思議。

 開口部北側の壁。

上部の小窓はマヤの意匠で、現在はよく塀なんかに使う。

 遺跡。色んな模様がある。

たまーに屋内で使ってる人もいる。ちょっと前までは、そこまでオシャレじゃなくてただセメントを固めて作った枠ってなのもあった。換気と採光のため、つまり窓の代わりなんだが、ガラスがない。外壁に使うと、蚊が入り放題。ハリケーンでなくとも雨が降り込み放題。いったいどうするんだろ?

 バラバラな小物。

監督が「ドアノブ、どうしますか〜?」「シャワーヘッド、どうしますか〜?」と聞いた結果。ノブは金色でオサレだが蝶番は廉価版で、すぐ錆びる→開かなくなる。シャワーヘッドも金色でオサレだがカランは廉価版で、すぐ水道のミネラル分がこびりつく→硬くて回しづらくなる。金色のもそれほどいいメッキに見えないが、デザイン的にもこれでよかったのか??

ーーー

今までにも色々ここに書きたい不思議ちゃんはいっぱいあったんだが、まとめて書いたらえらい長くなってしまった。まぁ、記録なんでよかろう。あともう1点、仕上げの素材に関することがあるが、それについては改めて書く。


ハチドリの赤ちゃん

2023年03月23日 | ユカタン諸々

 生まれたて。

 巣。

成鳥はときどき来るが、巣を見つけたのは初めて。ゴルフボールくらいのサイズなので最初見てカマキリの巣かと思ったが、それにしては丸っこい。上から覗いたら、パチンコ玉より小さい卵が入っていた。2日後にヒナ誕生。何のヒナかなと思っているところに親鳥登場。そりゃそうだ、こんなに小さい巣も卵もヒナもハチドリ以外ありえません。赤ちゃんは、全長約 1.5cm で、頭が正露丸より少し小さいくらい。

 ちなみによくいる鳥(全長15cm くらい)の巣。

最近、砂地にヤシの木だけという庭の家が増えてきたので、我が家の大きな木は貴重なのである。

 

  最近の海。

ちょっと水がクリアになってきたが、海岸侵食がひどい。

 海藻サラダ。

まだほとんどいないけどどうにかトサカノリを見つけた。

 

 大きくてびっくりのカマキリに睨まれた。

 

 近所の家に突如現れた五三桐。

 入り口と車庫の間に表札がわり?の文字。

その表札がわり?のは、悔しいが読めない印相体?の文字か模様かわからない。文字だとしてふた文字の下に、漢字の一ではないただの横線一本。その下に、なんちゃってジャパレスがよく使うフォントで家の文字。商売をしているでもなさそうな普通の家なので、おそらく「何かニホンの紋章などを飾りたい」という変なメキシコ人かカナダ人であろう。

あまり通らない道なんだが、停電が続いたため周囲を見て回って気づいた。ちなみに停電にも慣れてきて、何分続くと半日コースとか、どのくらいの範囲だと作業員がこないと復旧しないとか分かってきた。前にも4日続いたことがあって、そのときは我が家があるほんの一区画だけなかなか普及せず、すぐ近くの別荘の玄関は人が住んでないのにすべて煌々と…ってな状態で非常にムカついた。今回もそれ。

結局丸3日間の停電であった。WBCのメキシコ戦があったので今か今かと待っていたがダメで、こんな国に負けるなよと悪態をついていた、関係ないけど。


隣地の新築工事の我が家への影響

2023年03月12日 | 設備/外構/庭

当然、覚悟はしていたんだが、空き地(藪と草むら)だったところに家が建つと、窓からの景色が変わる。2階テラスの大部分は逆側にあるので影響は少ないが、テラスからの景色も変わる。

  影響を一番心配していた、2階寝室の窓。

朝起きて、横たわったままの体勢からの景色。写真では伝わりにくいがこの窓はでかいので、遠くにドーンとヤシ畑と、バーン!と空が見える。とてつもなく気持ちがいい。そのままベッドの上で柔軟運動をすると(オサレな人がするヨガみたいなもん)、身体も目もスッキリさめる。

隣地は幅がうちの半分しかなく、敷地の6割の面積(残り4割は環境保護政策がらみの規制あり)に二階建てで家を建てるだろうと覚悟していた。目の前が壁(ここでは家の外壁は日本でいう塀を兼ねる)になると悲しんでたんだが、先日現場責任者に聞いたら二階建てになるのはもっと北側の狭い部分だけだという。ああ、よかった。

 玄関の室内側(めちゃくちゃ広い)にある窓

モロに影響を受けるのがこれで、朝コーヒーを飲みながらネットをするテーブルからの窓。いや、ネットをしながらは窓の外は見ないが、まぁここも小さいながらガラス4枚分なんで、この開放感はたまらない。朝日の美しさもたまらない。難を逃れた2階寝室の真下よりちょっと北。上と同様、遠くにヤシ畑が見えて気持ちいいんだが、ここは影響を受ける。

 受け始め。柱の鉄筋が立った。

 受けた。

 昼間。工事中。

一応、うち側の壁面もブロック積んだだけじゃなくて、仕上げのモルタルを塗るという。メキシコでよくある境界代わりなので、うち側にペンキを塗るならうちの工事。まぁ、仕上げを見てひどかったら塗るかもしれない。以前の隣地は草ぼうぼうで大きな木があった(蛍がいっぱいいたのに家建設のために切り倒した)んだが、そのときより塀というか壁ができた今の方が、うち側が広く感じられる。何か植えて大きく育つのを待つかもしれない。遠くにヤシ…はすごくよかったが、日本の庭みたいに狭苦しい庭も好きなので、これはこれで楽しみではある。

 テラスから隣地の南端あたりを見たところ。

切り倒した木や落とした枝とその葉などを放ってある。敷地への入口側(小道に面してる側)は北なんだが、家が建った後、どうやって搬出するんだろう。いや、どうにかするんだろうけど、ここに積んでいるのを見たとき現場監督能無しか?と思ったんだがやっぱりそうで、立てた鉄筋の位置が違ってて基礎を壊したり、動線がなっとらんくて工事が遅かったり、ひどい現場である。

彼らがアホすぎるのか、うちのワーカーチームがとてつもなく優秀だったのか、分からないが、とにかくLさんと彼が呼んできたチームには感謝しかない。


オンライン茶会

2022年10月21日 | ユカタン諸々

実は2ヶ月ほど前に「あるイベントで茶道(本人の理解はともかく、外国人の言う sado)をしてくれないか」というコンタクトが来て、以前倶楽部に来て茶会をしてくれた友達に伺いを立てていた。この友人はとてもノリが良く、コロナによる日本への入国規制も緩んだので来てくれることになった。

そのイベントはメリダのある新築ビルのお披露目か何かで、他にも出し物があったんだろうと思うが、とにかく、お流れになった。で、友人と相談して別の場所を探したんだが、前からここで書いている仏像ホテルに声をかけてみた。相棒の闘病とコロナですっかり出不精になった(以前にも増して)ので近い方がラクかとw

 現在の仏像ホテル

建設中から何だ何だ?と騒いでいたが(我々が)、最終的に茶色い三角のところがメキシコ中華に毛が生えた感じのレストラン、右のヤシの奥がメキシコ料理&音楽のレストラン、敷地奥にマヤ風コテージが4戸か5戸くらい…という複合施設になった。それだけスペースがあれば、どうにかなるかも…と。

オーナー夫婦の奥さんのほうが日系二世、東洋の神秘(気とか瞑想とかの系統)かぶれで、なるほどそれでなんちゃって仏像なのであった。二世はあんまり関係…というか影響なくて、フツーにメキシコ人。

友人は、元々のイベント日程に合わせてチケット手配済みだったので、1日ずらして土曜開催にしたんだが、1週間くらい前に近くをハリケーンが通過、その後も前線停滞で予報が芳しくない。ユカタン人は雨が降ると途端に出不精になるので、いっそ…とオンラインにしてしまった。

 FBでの告知画像

 友人と助っ人

ティー・セレモニーを披露した後、この「家で楽しむ抹茶」。プラスチックのボウルででもちゃんと点てられるの、さすがとしか…。

ネットが弱いし機材も揃ってないので苦労したが、なんとか。でもやっぱり触って飲んでもらいたい。今度はそうする。あと、いいリハビリになったんで、これからはこちらからも機会を探っていこうと思う。

 アイス。棒の向きに注目。

メリダのショッピングセンターにて。パッションフルーツに、チャモイというメキシコの甘酸っぱいジャム?というかいろんなものにかけるドロドロしたサルサ?で、結構美味しかった。メキシコのアイスといえば、パレタがそこそこ知名度を得てきていると思うが、それの棒も普通に日本と同じ向きで、これは初めて見た。食べるのに特に支障はなし。冷凍庫にずらりと並んだアイスのうち1本を取り出すのは、こちらの方がラクそうだった。目から鱗。

 バニラエッセンス

彼女へのお土産。酒飲みなんでマヤのお酒にしようと思ったが、免税枠は自分で使いたいだろうということで。

ちなみにメキシコではバニラエッセンスをよく使う。ケーキなんか小麦粉の性質の関係で卵をわんさか使うんだが、おそらくバニラエッセンスを結構入れないと卵の味と匂いがきついんだと思う。バニラエッセンスって黒いのしか見たことなかったけど、あれはカラメルで色をつけてるんだそうです。クマリンというバニラとは別の香りづけのための添加物も、入ってないらしい。

ーーー

  死者の日の玄関アプローチ

ユカタンの死者の日は、料理も祭壇も映画『リメンバー・ミー』で出てきたようなのとはずいぶん違う。もっと静かで古い感じ。

で、バナナの葉で飾る祭壇はこれまでにもよく見てたんだが、こちらはあるショートムービーで見たもの。ご先祖様が迷わず来られるよう、家の外のアプローチにロウソクを灯すのだという。今でもこういうことする家ってあるんだろうか。内陸部の小さい村だとあるのかも。「メキシコの死者の日」というと、オレンジ色の花とか骸骨とか紙細工とかお菓子とか、やたらカラフルなイメージだと思うけど、本当にずいぶん違う。

このショートムービー、YouTube にあったので、見てください。ナレーションはマヤ語でスペイン語字幕入りのムービー。字幕機能は使えるようなので、ここユカタンの死者の日のイメージがなんとなくわかると思います。

 

El Pib


チャヤが枯れた

2022年09月17日 | ユカタン諸々

  完全に死亡。

村の友だちに枝を3本もらったのを挿し木したが、最後の一本(一番大きかったやつ)も枯れてしまった。内陸で土もいい州南部からじゃなくて村の木だったら大丈夫かと思ったが、彼が住んでいるのは村の中心部でうちほど潮風が直撃しない。ラグーンに近いので土も多少違うと思う(うちは貝殻混じりの砂)。

 ちなみに隣家のバナナ。

メリダの自宅では増えて増えて困ると言ってたのに、こちらもこんな調子でてっぺんから出る新しい葉以外、いつもすぐ枯れる。ここも、多少はうちが風よけになるとはいえ風通し自体はいいところで、やっぱり潮風が直撃する。

今見たら、チャヤの枝をもらったのは、去年の4月であった。去年中に2本枯れて、残った1本で葉が小さいまま育たなくなったのが今年の春。蟻対策、イグアナ対策といろいろしたけどダメだった。残念。相棒は、また機会があったらもらってきて、改良した土を入れた植木鉢で再度トライすると言っている。

 こちらは元気なヤシ。

うちの斜向かいの空き地というかジャングルで、「村中を回って採ってもよさそうなところで採る」人たちがときどき回ってくる。彼らにとっては赤の他人の土地なんだが、放ってある土地なんだから構わない。ピックアップじゃなくて歩いてきたのでそうと気付かず、むむっ泥棒の下調べか?と見ていたら、前にも来たお兄ちゃんたちだった。毎回「ジャングルだから、いいよね?いいよね?」と許可をもらいたがるんだが、我々にとっても赤の他人の土地(放ってあって、地主を見たことがない)である。「我々は何も言いません」と答えるものの、周りをうろちょろして、彼らが採った実のおこぼれをもらう。

引退外人の中には、文句を言う人がいる。ジャングルでも誰かの土地なのにという理屈だが、最近住み始めた移住組には、鬼の首を取ったように外人グループで報告する人もいる。

でもだいたい古参に「ここはメキシコなんだから我々は黙っているべき」とか、「それで村の経済が回ってるんだから」とか、「彼らがいなかったらヤシの木の手入れに金を払わなければならない」とか総攻撃に遭う。そのとおりだが、うちは窓に鉄格子を入れてないので、ハリケーンのときあの重い実が飛んでこないようにどんどん採ってもらったほうがいいのである。

ーーー

続いて、ユカタンに生息する動物について。

 ハナグマの赤ちゃんを肩に乗せた青年。

これは内陸部の村だが、プログレソの東側のちょっと内陸寄りのところにもいる。ハナグマ注意の道路標識もある。

ハナグマは、スペイン語ではテホンで、あとピソテとも呼ばれるが、ここではモノ(猿)と言う人が結構いる。ハナグマは作物を荒らすので嫌われていて、それはユカタン内では一般常識なんだが、もぐらというかネズミみたいな動物ですごく似ているのがいて、そちらはどちらかというと獲ったり殺したりしてはいけないらしい。理由はおそらく絶滅危惧関連。区別をするために、そのネズミは「キツネ」、ハナグマは「サル」と呼び分けるらしい。

メリダ人が「赤ちゃんハナグマ、可愛い」と騒ぎ、それに対して「作物を荒らすサルをペットにするとは何事だ」などなど、FB で議論を呼んでいた。

 

 ラグーンの生物たち。

エビを1キロ買ったら混ざっていた。

 

 怪我した亀を運ぶ専門家。

ビーチで見つかって、エコ警察がレスキューした。獣医のところへ連れていって、そのあとは「リハビリ」だという。まぁ、専門家がいるんだろうけど、リハビリってどうやってするのか興味ある。

よく見ると、この板、よくできている。亀専門の担架だろうか。重そう。

相棒が蟻避け/イグアナ避けを作ったところ