オーストラリア ヒロシのリタイヤ日記

1994年からメルボルン在住のヒロシです。留学後に現地で就職、国際結婚、2020年、55歳からリタイヤ生活。

早期退職の方法(9)住宅ローンの繰り上げ返済は避けて通れない編(後編)

2022年06月17日 17時56分25秒 | 早期退職

今日は昨日に続いて、現在、住宅ローンをお支払い中の方や、将来、家やアパートの購入を検討されている方の為に、住宅ローンに対する僕の考えと経験をお話します。まだ前編を読んでいない方は是非、昨日のブログを読んでから、今日のブログを読んで頂けたら幸いです。前回も申し上げましたが、僕は金融のプロなどではなくて、過去2回の住宅ローン完済経験の立場から、お話したいと思います。

前回のブログでは、住宅ローンの返済期間が長くなるほど、利息が増え、返済できなくなるリスクが増えてしまうから、それを回避する為に、繰り上げ返済をして、ローンの返済期間を短くするといいと書きました。

繰り上げ返済をネットで調べると、、、。

繰り上げ返済とは毎月の返済額とは別に、まとまった額を返済する方法です。返済はすべて元本(元金)のみに充てられるため(元金返済の前倒し)、その分の支払い利息が消え、総支払額を効率的に減らすことができます。

つまり、繰り上げ返済した分だけ元金が減るので、その分の利息は払わなくてもよいのです。

住宅ローンの支払い期間中の消費について、Kさんを例に考えてみましょう。Kさんは前日のシミュレーション(元金1000万円、支払期間35年、利率5%)の住宅ローンの契約をして、ローンの支払いを開始したとしましょう。そして、ある朝、Kさんは財布の中に、1万円を見つけたと仮定します。この1万円を銀行に持って行って、繰り上げ返済に充てて元金を返済する代わりに、Kさんは家族4人で焼肉レストランに食べに行って、1万円支払ったと仮定しましょう。そうすると、財布の中の1万円は焼肉となって、Kさんの家族のお腹の中に入ってしまい、住宅ローンの返済にはなりません。(当たり前ですが、、、。)

つまり、Kさんは、元金の1万円と、元金の1万円にかかる35年分の利息1万2千円の合計2万2千円を将来、返済することを選んだのです。財布の中の1万円を繰り上げ返済せずに、焼肉レストランで使ってしまった罰として、Kさんは将来、住宅ローンを2万2千円支払わなければならないのです。

Kさん家族の焼肉レストランの勘定は1万円だと思っていても、実際は住宅ローンに2万2千円を払わなければならず、焼肉レストランにかかった支払い合計は全部で3万2千円(レストラン1万円、元金1万円、利息1万2千円)になるのです。

あの日、財布の中の一万円で、焼肉レストランに行く代わりに、そのまま銀行に持って行って、繰り上げ返済をしていたら、Kさんが銀行から借りた元金1万円が返済できただけでなく、元金にかかる利息1万2千円を支払わなくても済んだのです。つまり、銀行に行ったKさんは住宅ローンの総支払額を2万2千円少なく出来たのです。

焼肉レストランに行ったKさんと、銀行に行ったKさん、その差は実に(3万2千円✙2万2千円)5万4千円ですね

いかに繰り上げ返済が大切かお分かり頂けたでしょうか。Kさんにとって、美味しかった焼肉レストランの代償は1万円ではなく、実に5万4千円になるのです。あなたがKさんだったら、5万4千円も払って焼肉レストランに行きますか。

 以前のブログ「消費は他人をお金持ちにする編」をお読み頂いた方は既にお分かりだと思いますが、あの日、焼き肉屋に行ってしまったKさんのした事を整理してみると、

  1. 焼肉屋の売り上げを増やし、焼き肉屋のオーナーをお金持ちにした。
  2. 銀行の利息を余分に払うことにより、銀行の株主をお金持ちにした。
  3. 住宅ローンを予定より早く完済しないことを選び、後で元金1万円と利息を1万2千円払うことを選んだ。
  4. 住宅ローンを予定より早く完済しないことを選び、支払いリスクを高めた、つまり、住宅を失うリスクを高めた。
  5. 高齢まで仕事をすることを選び、早期退職して、自由になることを選ばなかった。

ということですね。勿論、Kさんの家族がレストランでおいしい食事をして、楽しい時間を過ごせたのは素晴らしいことで、否定するつもりは全くありません。ただ、Kさんが、繰り上げ返済のしくみや、上記1ー5のリストについて理解していなかった上での選択なら、後で後悔することになるかも知れません。

Kさんは焼肉レストランに行く代わりに、スーパーで五千円分の肉を買って、友達家族を呼んで、家で焼肉パーティーをして、残った五千円を繰り上げ返済することもできたわけです。次回は友達が、Kさん家族を焼肉パーティーに招待してくれるでしょう。つまり、Kさん家族は友達家族と焼肉を2回食べて、尚且つ、五千円を繰り上げ返済に支払い、少し早めに住宅ローンを完済するという選択もできたわけです。

この様に住宅ローンの返済期間中における、すべての消費には、それと同額か、もしくは、それ以上の利息が別にかかると考えるべきなのです。(この利息は利率と支払い年数によって変わります。)だから住宅ローンの返済期間中は極力消費を減らして、浮いた余剰資金で元金を減らすという、繰り上げ返済をすると、元金にかかる利息の支払いを最小限にでき、返済期間を短くできるのです。

僕は、1ドルも余分に利息を払いたくなかったですし、借金があることによる精神的なストレスから早く解放されたかったし、病気や事故や失業によって、住宅ローンが返済できなくなるリスクも極力避けたいと考えました。

それで、結婚する前の、まだ現在の妻と付き合い始めて間もない頃から、銀行から提示された返済額を遥かに上回る額の繰り上げ返済を始め、一日でも早く住宅ローンを完済することにしました。「贅沢は敵」とばかりに、爪に火を点すような生活でしたが、それはそれで、充実した毎日でした。毎月元金がいくら減って、あといくら借金が残っているのかチェックするのが楽しみになり、もっと節約してもっと繰り上げ返済して、早く住宅ローンを完済したいと毎日願いました。

お金を使いたくなかったから、机や椅子、ベッド、本箱などの家具は人に貰うか、粗大ごみとして出された物をを再利用させてもらうか、どうしても手に入らない時は、リサイクルショップで中古品を安く買いました。

飲み物は水かお湯か牛乳で、お茶や紅茶やコーヒーやお酒は飲まない生活でした。コーヒーが好きな妻はインスタントコーヒーで我慢。食材はキャベツや人参やジャガイモなど、できるだけ安くて量がある野菜を購入、又は庭の畑で大根、豆、トマト、ズッキーニ、きゅうり、ネギなどを栽培して食費を節約しました。

週末の娯楽は友人宅を訪れたり、招待したり、山でハイキングやキャンプ、海で水遊び、公園の散歩や町の美術館、博物館、植物園、科学館、図書館など、あまりお金が掛からずに楽しめる所へ行きました。

自家用車も20年以上、中古車を乗り継ぎ、1台目と2台目の車はクーラーさえも付いていない車でした。最近になって、やっと新車が買える身分になりましたが、、、。

こうした努力の甲斐あって、僕と出会う2年前に妻が一人で買った郊外の一戸建ての中古住宅は、僕が入居して2年後の計4年で完済し、その後に売却して、今度は中古住宅付きの牧場を買いました。そこも9年で完済することができました。

あなたは、繰り上げ返済をせず、住宅ローンを35年も支払い続けたいですか。35歳でマイホームを買ったとすると、住宅ローンを完済できるのは70歳になってしまうのですよ。銀行側にしてみると、あなたを毎月、元金以上の利息をくれる「歩くATM」としか見えていないでしょう。

それとも住宅ローンの繰り上げ返済をして、予定より何年も早く完済して、早く借金のストレスと返済リスクの不安から解放されたいですか。

僕は後者を選んだので、こうやって毎日、ブログを書いたり、スキーに行ったりして自由に暮らすことができるのです。あなたにも、きっと出来ます。あなたの決断次第です。

現在、住宅ローンを支払い中のあなた、早期退職をする為には、繰り上げ返済は避けて通れないのです。

あなたの身近に住宅ローンを返済中の方がいらっしゃいましたら、是非、このブログのリンクをシェアしてあげて下さい。

ではまた明日、このブログでお会いしましょう。

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早期退職の方法 (8) 住宅ローンの繰り上げ返済は避けて通れない編 (前編)

2022年06月17日 05時54分35秒 | 早期退職

このブログを読んで下さっている皆さんの中には、将来、自分の家を建てたいと思っている方、或いは、既にマイホームを購入され、住宅ローンを返済中の方も多いのではないかと思います。そこで、今日と明日の2日に分けて、住宅ローンに対する僕の考え方と経験をお話したいと思います。僕はその道のプロ(ファイナンシャルプランナーや宅地建物取引士や銀行員)ではありませんが、2回の住宅ローン完済経験者の立場から、お話をしたいと思います。

住宅ローンという言葉の中のローンというカタカナ語は借金という意味ですよね。借金とは言わず、わざとローンとカタカナ語にしてあるのは、借金しているという感覚を麻痺させようとする銀行の策略だそうです。

住宅ローンは英語で mortgage で、フランス語が語源であるこの言葉の mort は死 、gage は保証という意味だそうで、何だか物騒な言葉ですね。

さて、あなたが夢のマイホームを手に入れて、住宅ローンを支払っていると仮定しましょう。あなたの住宅ローンの契約が終了するのは、次の2つの場合のどちらかです。

  • 借金(住宅ローン)を完済する。又は、
  • ローンの返済が出来なくなり、(債務不履行)、住宅が売却されて、借金を完済する。

つまり、あなたが夢のマイホームを手に入れた一国一城の主だと思っていても、住宅ローンが完済するまでは、あなたが住んでいるその家は、銀行に担保にとられているわけで、言わば、あなたは銀行の許可を得て、銀行が所有している住宅に仮住まいをさせてもらっているだけなのです。もし何等かの理由で、ローンの返済が滞った場合には、あなたは銀行によって、住宅から追い出された上、住宅は強制的に競売で売却され、返済金に充当されます。つまり、あなたや家族の住む場所が無くなってしまうという、恐ろしい状況になるわけです。

住宅ローンは、短いローンでも20年、長いローンは35年の借入期間が普通です。住宅ローンの借入期間が、このような長期に渡ることは次の2つの問題があります。

一つ目の問題は住宅ローンの借入期間が長くなるほど、利息が増えていくこと、例えば、住宅購入の為に1000万円を利率5%で35年の住宅ローンをシミュレーションしてみると、毎月の元利金返済額は50,468円、35年間の総元利金返済額は 21,196,560円、つまり、利息だけで、1200万円も払わなければなりません。つまり、借りた金額(元金)より、利息の方がたくさん支払うことになるのです。

もう一つの問題は、返済が出来なくなるリスク(返済リスク)です。この返済リスクも住宅ローンの返済期間が長くなる程、大きくなります。あなたは現在、安定した収入があるかも知れませんが、その収入が住宅ローンの返済期間が終了する35年後まで続くという保証はありますか。誰もが生身の人間であり、いつ病気や事故で働けなくなるか分かりません。たとえ今、あなたが心身ともに健康であっても、家族(パートナー、親、子供)が病気や事故、或いは加齢で、あなたの介護が必要になり、仕事は辞めざるを得なくなるかも知れません。また、あなたの会社が今後35年間存続する保証はありますか。会社は存続しても、あなたがリストラの対象になるかもしれません。もし、転職が可能だとしても、今の様な収入が得られる保証はありますか。更に、あなたが共働きで住宅ローンを返済している場合は、子供が出来て一方が働けなる場合、パートナーが病気や事故、親の介護等で働けなる場合、更に、離婚や別居や死別のリスクも返済期間が長くなるほど増えていきます。

「住宅ローンの返済期間が長くなる程、利息が増え、返済できなくなるリスクが増えるのなら、返済期間は短い方がいいんじゃないの。」と思いますよね。

そうなんです。住宅ローンは短くする方法があって、これを繰り上げ返済といいます。次回のブログでは、この繰り上げ返済についてお話します。

ではまた、明日のブログでお会いしましょう。

 

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