京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「花にも魂が…」

2011年04月11日 | 日々の暮らしの中で
「草木 言(こと)問ひし時」と『風土記』にあるように、古来、草木は物を言うと考えられていた。
満開の桜の下で、お弁当を広げながら人はどんな声に耳を傾けたのだろう。
平日の昼下がり、たくさんの人が花見を楽しんでいる。冷たい風は砂を巻き上げ、盛んに花びらを散らしているのだけれど。

      
小さな口元をキュッと上げて、お日様に向かって開いている馬酔木の花。小さな房が垂れ下がるアセビは良く知るが、「甲山」という名のこのアセビ、非常に珍しいのだそうな。
たまには自分の足元も見てみたいと思っているのではないかしらん。かわいい顔にそんなことは押し隠して、淡々と、めげずに顔を上げていれば幸せは舞い込むと?

  
白州正子さんが「花にも魂があることを忘れていた」と言われていた。
安らかな命の象徴の桜の開花…、前線の北上が待たれていることだろう。注がれる春の陽光のもとで、どんなにか優しく語りかけてくれることかと、思いを馳せる。


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8 コメント

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木々や花に (ryo)
2011-04-12 04:07:46
木々や草花は心を休めますね。
ベランダの花たちですが、確かに私の声を
聞いているような気がします。
話しかければ、ちゃんと応えてくれてかわいいものです。

木々たちもそうですね。
木々と語らうことこそ、いわゆる「老人力」とも
いえるのでは~。最近は言葉がわかるような、そんな
気がしますが...。若いときはなかったことです。
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めげずに顔を上げて・・・ (yattaro-)
2011-04-12 09:06:02
小さな口元をキュッと上げて、お日様に向かって花開いている馬酔木。
淡々と、めげずに顔を上げていれば・・・。

一緒になって落ち込むだけでは明日は来ない・・・と思っているのに、なんかしら今ひとつ。
一日も早い桜前線の北上を願って、ともに桜や花々の開く春を迎えて頂きたいですね。
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アセビの花 (matsu)
2011-04-12 12:21:08
初めてお目にかかりました。
キリッとした口元は何か言いたげな、意志の強さを感じさせてくれます。

雪の消えかかった所にクロッカスが黄色い花芽を出してるのを見つけました。
春の一番に会える花です。
豪雪に耐えた蕾が
『長い冬だったな~』と言ってるようです。


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春爛漫 (Rei)
2011-04-12 14:42:08
桜はどこの桜も美しいですが、京都のはまた格別のように思います。

↓ 「容保桜」とても印象にのこりました。
少し寂しげな色合いでしょうか?
次回京都訪問の時には見てみたいと思います。
幕府一筋に貫いた会津容保公の魂が宿っているのでしょうか。
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木々と語らう、ryoさん (kei)
2011-04-12 18:30:00
ココアちゃんとのおしゃべりもおありのryoさんです。
感性も研ぎ澄まされてらして、草花との会話も弾みそうですね~。
共感し合えそうですね。
私などは都合のよいように想像し、ちょっとしたメッセージなどとうけとめています。

「言葉がわかる」とおっしゃるところが素的です~。


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今の気持ちに自然と向き合うほうが・・・ yattaro-さん (kei)
2011-04-12 18:36:58
良く目にするアセビは房がみな下を向いています。
口元を、顎を顔をキュッと挙げて、そこに意思を感じますね。…と重ねてみてしまいます。
無理に自分の気持ちを鼓舞しなくても、素直に付き合うほうが楽だと感じます。
長い年月がかかる最高への道のり、気持ちに無理しないことですね。

でもちょっとだけはキュッと顔を上向かせたいですね。
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長い冬だったなあ~ matsuさん (kei)
2011-04-12 18:43:56
意志の強さ、感じますよね~。
普通は小さな房が下を向いて垂れています。
口元?がかわいいでしょう~。
私も少しだけはキュッと気持ちを引き締めようと思います。

昨夕来の余震が相次ぐ現実に、もうドキドキしていました。
こちらで揺れを感じることはありませんが、
原発問題含めて、どんなにか不安な日々かと想像します。

クロッカス、matsuさんお尋ねしてまもなく拝見した花です。記憶しております。
ようやく花芽をつけて、時期到来ですね。
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容保公の魂を・・・ Reiさん (kei)
2011-04-12 18:51:34
様々な歴史や人物と重ねて思いを馳せることもできますね。
浮き立つばかりではない桜への思いは、そのためなのかもしれません。
どうも紅葉とはひと味違う感覚です。

小さな中庭ですが公開期間中は館内の2階へも上がれ、ぐるっと一巡り、上からの眺めもまた素的です。
混み合うこともなく、ベンチに座り続ける人もいればカメラで狙う人も。ちょっとした異空間でした。

容保公を重ねてみてしまうことがまた歴史のロマンでしょうか。
実際ここに大きな屋敷が構えられていました。
素的な命名ですね。
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