京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

疲れに思い出し笑い

2021年12月30日 | 日々の暮らしの中で
「人にはもって生まれた運がある。それを下町言葉で『福分』と言っていた」と沢村貞子さんが書かれていた(『わたしの脇役人生』)。
それぞれの居場所で手軽に張り合いを見つけ、それを自分の福分と思っていた、と。

それぞれに、己の分を尽くさせてもらってゆく。そういう命を私たちは誰もがそれぞれに賜って生きているのだ、と思う。
疲れた今日…。疲れた頭で、今、こんなことを思っているのだ。余計に疲れそうではないか?


〈日常の社会派〉と題した山崎ナオコーラさんの小さなコラムが新聞に連載されている。2歳児が自分で靴に足を入れ、急いで靴を履こうとしている。母親が傍で見ていて、2歳児が「急ごう」と考えることに感慨を覚えたりしているのだ。先日の話に添えられていたこの絵を見て、思い出したことがあった。
4歳だった孫に靴を履かせ、次いで私も自分の靴を履こうとしたとき。孫は中腰になって私の靴のかかとに指先を差し入れようとしたのだった。靴を履くために、自分がしてもらうことを覚えて学んで。可笑しくも愛おしくもあった。切り抜いておいた絵を見て今また、クスッと思い出し笑いにつながった。こんな小さな笑いでも気分がほぐれるもの。

明日の大晦日は相当な寒さが予想される。除夜の鐘を撞きにお参りの方に、熱い甘酒を用意させていただく。

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