京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

雪なかの観音さまに…

2021年12月27日 | 日々の暮らしの中で

縁先の椿の葉一枚一枚の上に、ふわっとわたのような雪が積もった朝を迎えた。ゴミ出しの集積場所から眺める枯野も、一面の薄化粧。
滋賀県長浜市では71センチ、余呉湖で53センチの積雪だとテレビで報じられていた。こんな時にこそ、あの高月の渡岸寺の観音さまをたずねてみたいと、憧れにも似た思いが膨らむ。
  
     湖北路の十一面観音
        雪なかにこもりてひそと笑み給ふらむ     小西久次郎
          
毎年のことだが、思うだけ…。第一に、足がない。車は10年続けた夜間の仕事を辞めて以降だからもう20年ほど、冬もタイヤ交換せずに暮らしている。雪道は走らないし、走れない。そして電車も止まる。
「湖西線ちょっと春風遅れます」は、どこで見かけた、どなたの句だったか。湖北を訪れるには、春風も、折々の強風、大雨、もちろん雪とあらば、西も東回りでも電車は要注意となる。案の定というか当然この大雪の中、訪ねるにも術はない。

あたりを埋め尽くした雪の美しさを眼裏に描いたのは、坂上是則の歌「…吉野の里にふれる白雪」だったなと思い出す。百人一首にもあるが、私の将来への道案内いただいた恩師の授業での、1回こっきりのひとコマでのこと。
冬はやっぱりどこかで雪を待ち望んでいるのではない?

こんな寒い日は、何もしないでじっとしていたいが、あと何日…。
午後からひと歩きに出た。トンビがいっぱいだった。
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2 コメント

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湖北路の十一面観音 (Rei)
2021-12-28 18:38:45
題名は忘れましたが、 毎年のように
湖北路の十一面観音を訪ねる小説が浮かんできました。
多分Keiさんのご紹介だったと思います
亡き人の思い出を秘めて・・・だったような?

Lukas君のお電話、何よりのクリスマスプレゼントでしたね

今年もおつきあいいただきありがとうございました。
そしていろいろを教えていただきました。
ブログはいつまで続けられるかわかりませんが
来年もよろしくお願いいたします。
(ぎりぎりのとこで持ちこたえている状態です)
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ただ淡々とすべきことをして Reiさん (kei)
2021-12-28 21:21:08
こんばんは。
『星と祭』ですね。

年末の気ぜわしさからの現実逃避願望みたいなもので、
高月あたりまで行ってみたいと思ってもいたところでした。
この数年は子供たちの声に囲まれて年末年始を過ごしましたが、張りもなく気が抜けております。

こちらこそ多くを学ばせていただき、ありがとうございました。
大みそかにはまたまた寒さが厳しくなるとか。
どうぞお体大切になさって、よいお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。
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