京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

極楽の余り風

2022年08月08日 | 日々の暮らしの中で
盆月に入ってなにやら気ぜわしい。
尼講さんの中でも選りすぐった若さを誇る女性軍の手際よさ。この協力あって今年も無事仏具はピカピカに化粧直しがなった。それらを本堂内陣に飾り付け、お内仏のほうと整えて、もうめいっぱい…。

明日は4回目のワクチン接種の予定日。まさかこんな時期にだが、選択肢は少ないのだから仕方がない。何ごともなく進むと予定して、お花は10日には立てたいと準備をしておく。
(ああ、助けが欲しい)と愚痴るでもなく思いは湧くのだが、どなたかが、お盆は亡き人と暮らす二日間だと詠んだ句があったなと思い出しもして、だから気持ちは収めておこう。

    光りつつ仏壇沈む秋出水     東条素香

「おそらく家がばらばらになって流されてしまったのだろう。そのことを気の毒に思いつつも、どこかシュールな感じもして、なかなか美しい句である」
著者の櫂未知子さんが俳句を始めた頃、〈生身魂〉を成仏できない霊魂だと考え、大声で〈なまみたま〉と読んで爆笑を買った話(「成仏できない季語」)が収められた『季語、いただきます』を読んでいた昼下がり。その中にあった一句。
つい最近の集中豪雨で被害を受けた方々の暮らしに思いが飛ぶ。



稲田に極楽の余り風が吹き渡り、立ちつくしているとシオカラトンボがやってきてじっとしている。なんて気持ちの良い風だろうねぇ、トンボさん。

午前中に届いた娘家族からの小包パックにCAMEL MILKが入っていた。ラクダを見に行ったときに買ったものを送ると言っていたものだ。ハンドクリームと、包装されずに直に箱に入った石鹸からは清涼な香りが漂ってくる。
線香ではない香りに包まれて、いい香り~の盆月、我が家。。



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