京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

大修理前に、興福寺五重塔初層拝観

2021年10月23日 | こんなところ訪ねて

興福寺五重塔の初層内部が公開されている。

塔は天平2年(730)に、興福寺の創建者である藤原不比等の娘・光明皇后の発願により建立された。たびたびの落雷や焼き討ちなどで5回の焼失と再建を経て、現在の塔は室町時代の応永33年(1426)に建てられている。

初層内部は心柱を中心に、東に薬師如来、南に釈迦如来、西に阿弥陀如来、北方に弥勒如来坐像を配置し、それぞれ左右に脇侍を従えた三尊像の形式で、合計12躰が安置されている。塔の中心には心柱が心礎上に立ち、須弥壇下の一部の囲いが外されていて、その柱の一部を見ることができた。
公開終了後は明治33年(1900)以来、120年ぶりの大規模修理に入るという。修理期間は10年の予想とか。となれば、次の機会を待つのではなく拝観は今のうちにとなる。

電車内の供に澤田瞳子さんの『龍華記』を携えた。 
1184年の平重衡による南都焼き打ちを題材にしている。藤原頼長を父とする高貴な出自でありながら、悪僧(僧兵)として南都興福寺に身を置く範長。繁栄を極める平家は、南都をも支配しようと目論む。範長らは、やってくる検非違使の南都入りを阻止しようとするのだが…。藤原氏の氏寺でもあった興福寺は焼打ちの標的か。

 京都駅に戻って書店に立ち寄り、ここのところ何度も迷った挙句の『輝山』(澤田瞳子)を手に入れた。
読書週間も始まるが、嬉しい嬉しい、楽しみ楽しみ。
コメント (2)
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