京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 山また山…の、その前に

2011年05月06日 | 熊野古道(紀伊路・中辺路)を歩く
                 
   「熊野へ参るには   紀路と伊勢路のどれ近し どれ遠し
  広大慈悲の道なれば  紀路も伊勢路も遠からず」

『梁塵秘抄』にある、熊野をうたう今様。紀路は京から舟で淀川を難波まで、そして泉・紀の国の海岸伝いに南下して、中辺路(今の田辺市)から本宮へと参る道。伊勢路は京から伊勢へ出て、新宮に至るものである。

熊野までははるばる山川八十里と。
   「熊野へ参らむと思へども   徒歩(かち)より参れば道遠し   すぐれて 山さびし
   馬にて参れば苦行ならず   空より参らむ 羽賜(た)べ 若(じゃく)王子」

歩いて行くのはしんどいし、馬で詣るのでは苦行になるまい。羽を下さい… 。

一度歩いてみたい、そう思い続けてついにそのチャンスを得た蟻の熊野詣。明日は紀伊路最後となる8回目だ。田辺市にある南方熊楠が眠る高山寺までの11.5kmを、ずっと海沿いに歩く。
「広大慈悲の道なれば」… 一遍上人や西行、芭蕉も寂聴さんも歩いた中辺路の道へ、一歩近づきたいものだ。
楽しんで歩けたら言うことないのだけれど。
コメント (4)
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