京医ボート部ブログ

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Roaming rowing

2019-09-17 14:02:22 | 日記

中秋の名月が欠け行き、鴨川を吹き降ろす風に涼しさを感じるようになりました。9月も後半戦に突入ですね、

 

秋シーズンがとうとう始まりました。京都レガッタ、加古川レガッタに向けてのシーズンですね!僕は5回生の下宮さんとダブルスカル昴流に乗艇します。今年2月のNZ遠征ぶりのダブルスカル、正直初漕ぎでは色々感覚を忘れていてうまく漕げませんでした… 単にオフ中に体力が落ちたというのもありますが、長いことフォアのBサイドを漕いでいたせいで、少し体が歪んでしまっているようでした。早急に矯正せねば

 

そろそろ時効かな、と思うので先シーズンの反省について少し書こうと思います。

 

考えるとフォアに乗っていた頃は無限に悩んでいた気がします。夏シーズンはクルー全員が2回生ということもあって、誰が主導するわけでもなくそれぞれが正しいと思う漕ぎをし、クルーの雰囲気が悪くなると思って他人には口出しせずひたすら自分の漕ぎばかり注視する。一回一回の乗艇がただこなすべきクエストに感じられるようになり、艇速は全く上がらない、そんな時期が割と長く続いて漕ぐのが嫌になっていた時期がありました。

 

モチベーションを失っていたその頃は生活態度も悪くて、5時から乗艇なのに毎日バイトで日を跨いでから艇庫について睡眠不足のまま漕ぎ、ひどい時は乗艇中に意識を失ったりしました。東大戦の際は全学と医学部の二重乗艇もあっていよいよ追い込まれていました。エルゴタイムも、医学部で速い奴は2000m640秒台を出してくるのに自分はそれより7秒近く遅く、体重のせいにしてみたり睡眠不足のせいにしてみたり、クルーにも怒られて最悪な日が続きました。

 

今考えると、転機は東大戦だったのだろうと思います。

東大戦、結果としては医学部フォアの1000mレースでは敗退、全学エイトの2000mレースでは勝利、というものでしたが、響いたのは試合結果ではありません。

一本目のフォアのレースで残り200mほどに達した時、ふと岸を見ると大量の選手、マネージャー、OB、家族たちが並走したり応援してくれるのが見えました。医学部のレースなのに、全学の人たちも声を張り上げて応援してくれていたのが記憶に焼き付いています。そのとき突然、自分たちのローイングがいかに多くの人に支えられ、期待されているかを実感しました

それまで言葉の上では多くの人の支援を理解しているつもりでしたが、本当に実感できたのはその瞬間でした。

 

フォアで敗退し、宿舎に帰ってシャワーを浴びている間中そのことについて考え、反省していました。東大戦で直接は見えなかった人を含め、あれだけ多くの人に支えられて漕がせてもらっているのに、自分勝手な理由でクルーに迷惑をかけ、勝利へのモチベーションを失っていた自分の姿が本当に恥ずかしかったです。レースで敗退した事以上に恥ずかしかったです。

 

東大戦後、反省を活かしてクルーの体制をいろいろ変更しました。ミーティングを徹底してその場で反省を記録する、各乗艇の目指すべきをポイントを明確にしてほかのクルーに達成度を見てもらう、クルーで共通の目標を設定してクルー同士すり合わせる、全員の体の動きを合わせるためにレンジを妥協する。これだけではありません。しかしもっとも大きなものは意識が変わったことではないでしょうか。

 

各自正しいと思っている漕ぎ方があって、それぞれに根拠がある以上、漕ぎ方に正解はないのだと思います。実際世界選手権を見ても、各クルー漕ぎ方は結構違います。では艇速を上げるためにはどうするか、クルーでじっくり話し合って漕ぎ方を統一することです。簡単に聞こえますが、理論でわかっていても実感が伴わないと全然意味がありませんでした。少しでも疑問があるとうまく漕げなかった時にそのせいにしてしまいます。だったら一番大切なのは話し合うこと、疑いないコンセンサスをクルー内で得ることです。矛盾しているようにも感じられるかもしれませんが、ここで大切なのは妥協することです。体格が違うクルーで漕ぐのだから、各々レンジが違います。でも振り角度とタイミングを決めたんだったら、合わせてレンジを切らなければいけません。自分だけが正しいと思う漕ぎをしても、艇は進みませんでした。

 

こういった改革の途中経過が近医体であり、結果に繋がりはじめたのが西医体だったと感じています。正直、まだまだ速くなれた。近医体では2位だったのですが、意外と悔しくなかったです。まだ成長できると思ったし、課題が見つかったからでしょうか。残念ながら夏クルーは解体され、秋から艇種を変えた研修期間に入ります。でも夏シーズンで培ったこの反省は、どのクルーに入っても糧として僕らのローイングを支えてくれるでしょう。かけがえのない夏シーズンでした。忘れられない夏でしょう。

 

2回生松本


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