黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

子どもを健康にするために

2010-07-21 06:33:59 | 健康・病気

子どもを健康にするために

1.子どもを健康にしておくには、どうしたら良いか。昔からの課題でしたが、私の病原環境論または適応説から言うと、現代ではそれ程難しいことではなくなりました。それは、「人はなぜ病気になるか」ということに対する答えを見つけたからです。それは、子どもにストレスを感じさせないことです。しかし、実際の場面では、何がストレスになっているのか、一人一人の子どもにとって違うので、なかなかうまく行かないことが多いのですが。

2.赤ちゃんも我慢をしています。まずそれをなくすことです。それにはどうしたらよいでしょうか。それは赤ちゃんが起きている時は、いつもニコニコして笑顔でご機嫌がよいようにしてあげることです。まん丸な目をして、目を輝かせていることです。その為の方法の一つの例を以下に述べます。

 赤ちゃんを病気にしないためには、赤ちゃんがいつも母親や周りの人から「愛されている」と感じさせることです。「愛されている」ということは、いつも「気持ちがいい」と感じさせることです。お腹が空いたら、お腹一杯にしてあげて、気持ちが悪いことやいやなこと、例えばおむつがうんちやおしっこで汚れていたり、暑かったり、寒かったり、周りがうるさいとか、眠いのに眠れなかったり、とかいろいろあります。赤ちゃんが、いつも「愛されている」と感じていると、病気をしないか、しても軽く済みます。

3.一般に、女の子はおっとりとしていて、男の子は神経質です。そうでないことも、もちろんあります。「一姫二太郎」という言葉は、一番目の子育てはおっとりした女の子で育てて、育て方を覚え、慣れた所で、二番目に神経質な男の子を育てるとうまく行くという意味です。

4.さて、赤ちゃんを気持ちよくさせるにはどうしたら良いか。一つは、お腹を一杯にしてあげることで、私は、母乳が良いのは、好きな時に欲しいだけ飲めるからと考えます。もし、母乳が出なくても心配いりません。現代のミルクは、母乳化が進んでいて、よく育ちます。違いは、飲む時間や量が判ってしまうことで、私は自律授乳を勧めています。自律授乳は、赤ちゃんが、欲しい時に、欲しいだけ飲ませることです。こつは、ミルクを飲み終わる時間が、15分以内で終わることで、それ以上時間がかかれば、乳首の穴の大きさを大きくしてあげます。母乳は20分でよいです。それ以上かかれば、母乳不足を疑います。ミルクは、飲み残しができるように多めに与えましょう。飲み残しができれば、充分飲んだことが判ります。ただし、本や缶に書いてある「量の目安」見てはいけません。それによって、お母さんは惑わされます。少な過ぎるとか、多すぎるとか思ってしまいます。一人一人の子どもに合わせて与えましょう。赤ちゃんが、飲む量や飲む時間を自分で決めるのが、自律授乳法です。母乳の利点は、そういうことに惑わされないことです。

   次は、早期離乳の勧めですが、これにはいろいろな意見があり、小児科医の間でも意見が分かれる所です。私は、やり方に工夫すれば、早期離乳がよいと思います。早期離乳は赤ちゃんの手指を口に入れる率や物をすぐ口に入れる率を減らします。母乳やミルクを飲んだ後すぐ指しゃぶりをするのは、満足感を感じていないのです。満足感を感じさせることと、2~4か月頃の指しゃぶりへの欲求を満足させればよく、早期離乳がアトピーの原因になるというウソに惑わされないようにしましょう。早期離乳は赤ちゃんが「いや」という表現、舌で押し出したり、顔を横に向けたりするようになったら始めましょう。まず、果汁からですが、市販のものを使ってはいけません。糖分が多いものがあるからで、みかん(柑橘類)をしぼり、倍に白湯でうすめて、お砂糖を少し加えて酸味を消しておいしくして与えます。そうすれば、反対論者の高糖分をさけられ、糖分を5%以下に抑えられます。そしてスプーンの練習を兼ねて、スプーンで与えます。一日一回与え、嫌がったらやめることを繰り返している内に慣れてきてほしがるようになります。そしてビタミンCの補給になります。以下つづく。

5.二つ目は、赤ちゃんが要求しない限り、抱いたり触ったりしないことです。抱かれたがったら抱いて構いません。しかし、要求しないのに可愛くて、赤ちゃんの体や顔やほっぺをさわらないで下さい。くよくよしない子は平気ですが、神経質な子はいやだなという目をします。しかし、がまんして泣かないのです。そのがまんが「気持ちよく感じる」ことを妨げ、アトピーや気管支炎の原因に結びつくストレスになります。初めての子は可愛くて皆抱きたがりますが、これをやめましょう。二番目以下の子は、上の子たちが、可愛いからお人形さんの代わりにしてしまい、赤ちゃんは嫌がります。必ず赤ちゃんの目を見て下さい。嫌がっているかどうかが判ります。嫌がっているようならやめましょう。上の子が原因なら、その子と別のことで遊んであげましょう。決して「赤ちゃんを触ってはいけない」と言ってはいけません。言えば言うほどやりますから。おむつを替えたり、授乳時のお手伝いはしてもらいましょう。特に女の子はしたがりますから。しかし、それ以外の時は、赤ちゃんから離して下さい。これが上手にできると、赤ちゃんは病気をしません。困るのは、祖父母です。抱くのは一時にして、長時間はさけましょう。私はこの方法で、一時的にはステロイドを使い、4~7日できれいに治してきました。この方法で赤ちゃんをいつも気持ちよくさせておくと、病気にならず、繰り返しアトピーは起きてこず、一時的な病気で終わります。よく「一時的でまたすぐなるから、またステロイドを使うことになる」という意見を聞きますが、根本的な原因対策ができていないからです。一般の皮膚科や小児科では、こんなことは教えてくれません。以前、皮膚科心身医療研究会でこの話を講演し、参加者一同の賛同を得られましたが、全国で50人くらいではないでしょうか。今は知りませんが。とにかく上手にステロイドを使うと早いと3~4日できれいになります。しかし、赤ちゃんは、上の子対策と祖父母対策で済みますが、保育所や幼稚園へ行くようになると難しくなります。特に行くのを嫌がる子は、大変です。できれば、赤ちゃんの自我が確立されない生後6か月頃から(人見知りをしないうちに)、保育ママさんの制度がある所では、預けるようにして、母親から離れることに慣らしておくとよいようです。人見知りは自我の主張ですから、生後7か月頃から始まり、人見知りをしない子は預けるのも楽ですが、人見知りをする子は苦労します。

6.這い這いする頃になると、赤ちゃんはいろいろなことに興味をもち、探検を始めます。大人でもそうですが、自分の知らないことを知ることは楽しいことです。だから、いろいろなものに手をだし、試してみます。そこで困ったことに、してはいけないことと、していいことの区別がつきませんから、親はつい「だめ」とか「いけません」と言ってしまいます。いけないことを教えようとするのですが、赤ちゃんの記憶には、「だめ」と言われたことだけを覚えていて、なぜだめなのか、なにがだめなのか覚えていないので、同じことを繰り返します。叱っても意味がないし、教えることにならないので、この時期には、赤ちゃんの関心を、いけないことから、してもよいことにすり替えましょう。何かいけないことをしそうになったら「ほらこっちへおいで」と赤ちゃんの興味を他のことにひきつけて、いけないことから赤ちゃんの興味をそらせましょう。そうすれば、叱らないで済みます。そして、言われた通りにしてくれたら、必ず「良い子ね」とほめてあげましょう。赤ちゃんは、ほめられると、気をよくして、またほめられたいから、親の言うことを聞いてくれます。叱ってばかりいると、いつも親の顔色を伺いながら行動するようになります。できるだけ、ほめて育てましょう。これがこの時期の赤ちゃんを病気にしないこつです。悪いことをした時も、すぐ他のことに関心をそらして知らんぷりで、悪いことから離しましょう。悪いこと、いけないことから関心をそらして他のことに興味をもたせることです。

2歳半か3歳頃になると、なかなか親の思惑通りにいかなくなります。そうしたら、いけないことを教えるのですが、頭から叱らないで、「あなたは良い子だから、こういう悪いこと(またはいけないこと)をしないでね」と叱ります。叱られて泣いたり反抗したら、少し間をおいてから、抱きしめて、「お母さんはあなたのことが好きよ。だからしないでね。」とフォローします。子どもをのびのび育てることは、子どもが良い大人に育つことを助けますし、病気をしないか、しても軽く済みます。

 話が飛びますが、我慢をしたことがない子は、大人になってから我慢をします。無理に我慢をさせられた子は、大人になってから我慢をしません。できるだけ、「我慢しなさい」と言わずに、「まあいいでしょう」とか、「仕方がないでしょう」と言って、「まあいいか」、「しょうがないか」と思わせることです。私も若い頃は「子どもに我慢を教えなくては」と思っていたのですが、それは間違いでした。でも私の子の上の二人は、くよくよしないタイプだったので、何とかうまく育ちましたが、神経質な子はうまく行かなかったでしょう。

 ほめて育てるのは、一般には、小学校の終わり頃まで通用しますが、頭の良い子やませた子は、もう少し早く効かなくなります。親の魂胆を読むようになりますから。それでも、ほめられたら悪い気はしませんから、親の言うようにしてくれます。

 子どもを育てる時に、「北風にならずに、太陽になりなさい」と親に話します。子どもは、自然に自分の中に閉じこもらず、自分でマントをぬぎます。親が仕向けたとは気が付かずにいます。ちょうど、孫悟空が自由に飛び回って世界の果てまで行ったつもりでいて、お釈迦様の手の中を抜けられなかったように、子どもに自由にさせているようにして、それでいて、それとなく、親の手の中で育てましょう。子どもの性格にもよりますが、多くの子に通用します。それが、子どもの病気を防ぐか、軽くします。

つづく。


子宮頚がんワクチンを接種することは不要です。

2010-07-15 17:43:19 | 健康・病気

 子宮頚がんワクチンは、確かに子宮頚がんの原因の一つであるヒトパピローマウイルスの内の2種には効果があるようですが、日本人の子宮頚がんの原因のウイルスの半分前後をカバーするに過ぎませんから、子宮頚がんの検診を省くことはできないからです。

 もともと、ヒトパピローマウイルスには多くの人がかかっていますが、その多くの人は自然に治癒しています。もっとも何回もかかることもあります。

 そこには、人はなぜがん(病気)になるかという考え方(理論または学説)にも、拘わってきます。私は、「がん性格」の著者の考えに共感しています。私の考え方は、病原環境論または適応説ですから、複数の原因が関与して病気を起こし、その一つに性格ないし、その人の考え方にあると考えるのです。じっと我慢する人がなりやすいのです。くよくよしない人は、病気になりにくく、長生きタイプです。がんが増えているのは、嫌なことが多くなり、それを我慢しているからです。

 いずれにせよ、自然治癒率の高いウイルスにワクチンをし、それでも子宮頚がんになることを防げないので検診が欠かせないなら、する必要はないと考えます。


日本脳炎ワクチンはやめよう

2010-07-15 17:19:48 | 健康・病気

 日本脳炎ワクチンは、効果の証明も、重大な副作用のないことの証明もないワクチンです。現在は、日本脳炎にかかる子どもは10年間に数人で、重大な副作用の出る確率より低いのです。

 確かに、日本脳炎ウイルスは、毎年の豚の調査で広範囲に夏に存在していることが証明されていますが、日本脳炎にかかる人は毎年10人未満で、それも高齢者がほとんどで、子どもにでることはまれです。2003年から2009年までに20歳未満の人がかかったのは、3人で予防接種を中断した2005年以降は一人です。

 豚には、日本脳炎は発病しませんが、牝豚がかかると流産するので、ワクチンを接種していますが、それは人間に使う不活化ワクチンではなく、生ワクチンです。不活化ワクチンは豚には効果がないから、生ワクチンを使っているのです。中国でも生ワクチンを人間に使用していますが、日本の厚労省は安全性の確認ができないと使用していません。しかし、不活化ワクチンでADEM(急性散在性脳脊髄炎)が発病する危険があり、2005年に中断し、新しい製法で作り直しましたが、その副作用の危険がないという保証はありません。厚労省もホームページに「今後、使用実績が積み重ねられていく中で、なっていくところであり」と書かれ、今接種をしたら使用実験の材料になるのです。

 日本脳炎ウイルスは、日本人と150年の間付き合い、適応関係ができ、もう重症の病気ではなくなっています。余程抵抗力の低下した時にしか発病しなくなった病気です。一種の日和見感染症と言っていいでしょう。

 だから、副作用の危険性が否定されていないワクチンを、健康な子どもに注射するのはやめましょう。


病原環境論または適応説

2010-07-11 16:07:35 | 健康・病気

1.病原環境論または適応説

   これはアメリカのルネ・デュボスが提唱したヒポクラテスの復権によって、ヒポクラテスの時代から続く「病気の原因は、環境との適応関係にある」との説を臨床的に裏付けていきたい。

   ヒポクラテスは、ギリシャ医学のコス派に属していた。コス派は、「助力せよ、せめて損なうな」という立場であった。残されているヒポクラテス全集は、ヒポクラテスだけでなく、複数のコス派医師のてによるものと言われる。

 ヒポクラテスは、病名より、予後の判定を重んじた。病名の判定ではなく、「病人の現症を正確に把握する」ことが診断であった。二元論ではなく、すべて統一的な自然の中で考えようとした。病気を過去の既往から、現状を経て、明日へと進む生物学的プロセス(過程)と解した。