黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

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第3回子ども医療講座

2018-09-10 09:12:44 | 子ども医療講座シリーズ
            第 3 回 子 ど も 医 療 講 座                                   
       「 赤 ち ゃ ん を 楽 し く 育 て る た め に」
             -子どもを病気にしない育て方-
 始めに、この講座を始めた時に、恥ずかしながら「望まない子どもの誕生」を考えたことがありませんでした。でも最近は多いようです。もっと早期の性教育をすべきだと思います。特に子どもが生まれたらどうなるかということを教えなければいけない時代に来ているのに、それが遅くとも高校ですべきなのに、されていません。
 簡単に子どもを作らない、妊娠しないことを教えなければいけません。日本は低用量のピルの普及が遅れていて、その上避妊具も使用しないためなのではないでしょうか。
 望まない妊娠の第二は、強姦です。父親による娘への強姦も後を絶ちません。皆さん、強姦されたら、または望まない性行為を強制されたら、すぐに低用量のピルを飲んで下さい。そうすれば妊娠が避けられるはずです。ピルは、産婦人科で処方箋をもらうことができます。私が吹上診療所にいた時には、友人の産婦人科医に月二回来てもらい、産婦人科何でも相談外来をしていました。そのことを教えてくれたその友人も亡くなりました。とにかく、望まない子どもは作らないで下さい。できた時には、すぐ産婦人科医に相談して下さい。
 副題の通り、私の勧める育て方をすると子どもは病気をしません。ただし、親の言うことを聞かなくなります。そして自立して生きていきます。どちらを選びますか。

◎さて、いよいよ始めます。

1.赤ちゃんを育てるのは、親にとっても赤ちゃんにとっても、楽しいこと。
 赤ちゃんは、一日ごとに育っていきます。見ていると楽しいです。赤ちゃんが、おっぱい(母乳またはミルク)を飲んでくれると気持ちが良いです。痛くなるほどはった乳房を吸ってくれると、気持ちがよいです。母乳は自然に授乳が楽しくなります。母乳が出なくても、ミルクをごくごくとおいしそうに飲んでくれると、見ていても楽しいものです。赤ちゃんの仕草を見ていたり、声を聞いていたり、目を見ていると可愛いいでしょう。赤ちゃんの笑顔を見ていると、嫌なことも忘れます。

2.赤ちゃんを育てるのは、誰にでもできます。
 大切なことは、愛すること。愛することは楽しいこと。愛する人の子どもを産むこと。
いくら自分の子どもでも愛せない子どもは、うまく育てられません。愛情といつくしみをもって、赤ちゃんの世話をすることは、自然でやりがいのあることです。男だって赤ちゃんを育てるのは楽しいことです。ただ楽しさを知らないだけです。父親の育児は、技術よりも心、夫婦のいたわりあいや妻へのおもいやりが、良い父親になります。子育てで不安になることは、誰にでもあります。小児科専門医に相談して下さい。(今の小児科医はどうかな?)

3.楽しくないことは?
 ①赤ちゃんが泣く時。赤ちゃんが泣くのはなぜ。
 赤ちゃんは、言葉が話せないから、泣くことで要求や意志を表現しています。何を要求しているかを見つけて、満たしてあげればよいのです。(それが大変ですが。)

 ②それでも赤ちゃんが泣きやまない時は。
赤ちゃんが、どうしても夜、泣きやまない時、おしゃぶりをしゃぶらせたり、軽くゆすったりします。ゆりかごやゆりいすで、ゆっくりやさしくゆすること。急檄にゆすると「ゆさぶりっこ症候群」になってしまいますから、ゆっくりゆすること。
それから、自動車に乗せて近所をドライブするといい。これは、アメリカの育児書にも書いてあります。どうも自動車の軽い振動がいいのではないかと言われていますが、現実には何がいいかわかっていません。アメリカではそれが商品化されて、赤ちゃんのベッドにつけると自動車の振動の音がしてゆさぶる商品があります。それをつけてあげると、赤ちゃんが眠くなります。日本でも商品化されるといいのですが。あとは悪い夢をみて泣いている場合は、しっかり目を覚ましてあげると、普通は泣きやみます。でもなかなか覚めてくれません。

 ②おっぱいやミルクを飲んでくれない時。
赤ちゃんがおっぱいやミルクをあまり飲んでくれないと心配になります。母乳がいいのは、母乳を吸ってもらうと自然に気持ちが良くなることと、母乳をどのくらい飲んでいるか、量が見えないことです。沢山飲んでも、少ししか飲まなくても、お母さんにとっては量がわかりません。だから心配になりません。ところがミルクの場合は、「今日は50mlしか飲んでくれない。きのうは150mlも飲んだのに」と思うとどうしても心配になります。そこが母乳とミルクの違いです。だからミルクでもあまり飲む量を気にしないようにすると良いです。
昔はミルクを沢山飲むと大きくなると言われましたが、そうではありませんでした。赤ちゃんがおっぱいを沢山飲むから体が大きくなるというのは、思い違いでした。体が大きくなる子が沢山飲みます。生まれつき小さい素質の子は少ししか飲みません。
イギリスの小児科医がそれを証明しました。このことは日本にはあまり伝わっていないようです(多くの小児科医が知らないですから)。
昔高度成長経済期になるまでは、日本人は栄養不足でした。だから小さかったのです。私の世代もそうでした。私の同級生で中学を過ぎたころに、急激に大きくなった人がいます。
それは今まで栄養不足で伸びられなかったのが、その時期に沢山食べて栄養が満ち足りたから、その人の持っていた元々の遺伝的大きさになったわけです。それだけのことです。

今の人は生まれた時から、欲しい時に欲しいだけ食べることかできるので、大きい人が多くなりました。もう白人とそんなに遜色がなくなってきています。日本人が小さいと言われたのは、昔の話。それは乳幼児期と成長期の栄養不足だったのです。
実はイギリスでもそうだったのです。昔は労働者の体が小さくて貴族の体が大きかったのです。(それをもって階級制度を正当化しようとしたのです)でもそれは栄養の差でした。だから今はその差はなくなりました。(労働者も生活が豊かになり栄養状態が良くなったのです)それをイギリスの小児科医たちが証明しました。
だから、大きくなる子が沢山飲むのであって、遺伝的に大きくならない子は少ししか飲みません。それで構いません。だから欲しい時に欲しいだけ飲ませれば良いです。

 ④離乳食を食べてくれない時。
 離乳食も同じで、欲しい時に欲しいだけあげればいいです。ただし嗜好食品は除きます。基本的な食品に関してということになります。だから身体の大きい赤ちゃんやよく動く赤ちゃんは、よく食べます。おとなしいお子さん、あまり身体を動かさないお子さん、小さいお子さんはあまり食べません。それはカロリーをそんなに使わないから、そんなに沢山食べないで済んでしまいます。
だからできるだけ、離乳食を作るのも、手をかけて作らないようにしましょう。手軽に簡単に作りましょう。売っているものでも、高いものはあまり買わないことです。折角手をかけて、赤ちゃんが食べてくれないとがっかりします。そうすると、また作るのが嫌になってしまいます。だけど、ちょこちょこっと作れば「まあ食べてくれなくても、また作ればいいや」という気持ちになります。そうするとうまくいきます。市販の離乳食もそうで、折角買って来て食べさせようとしたのに食べてくれないと嫌になります。
どんどん食べれば、どんどんあげて構いません。欲しいだけあげて良いです。よく、食べ過ぎ飲み過ぎで病気になるといいますが、これは思い違いです。食べ過ぎたら太るだけです。お腹をこわすことはありません。飲み過ぎなら、おしっこが一杯出るだけです。それで病気になることはありません。(いろいろな思い違いが現代では一杯です。「思い違いの科学史」という本が出ているくらいです。惑わされないで下さい。特にネットは危険です。)

知恵熱とか、夏期熱とか言うことが昔ありましたが、それは昔、病気の診断がつかなくて、何で熱が出たか判らなかったのです。ところが、何で熱が出たか判らないと患者さんも医者自身も不安になります。だから、どこかに原因を求めたのです。だからその原因を身近なところに求めたのです。これが原因ではないかと思ったのです。現代ではそういうことはありません。(知恵熱も夏季熱ももうないです。でも赤ちゃんを着せ過ぎにすると体温が38℃になることがあります)
専門家でも、間違ったことを言う人がいます。今の医学は細分化され、自分の専門外については知らない医師が多くなりました。例えば小児科でも、新生児・未熟児科、内分泌科、血液悪性腫瘍科とか、循環器科、呼吸器科、腎臓、神経、精神などと多岐に専門が分かれています。整形外科ですら7以上の専門分野に分かれています。その一つに小児整形外科があります。このように耳鼻科、眼科、皮膚科、泌尿器科などでも小児専門と言う分野があります。ところが自分の専門以外のことで口を出します。その時に学問的な根拠がないのに自分で考えた事を言います。そうすると専門の分野で名前が通っている人だと、信じられてしまいますが、しばしば思い違いがあります。
一番多いのは、お腹を冷やすとお腹をこわすという思い違いです。お腹をいくら冷やしても、下痢をすることはありません。判りやすい例は、ダイバー(潜水作業者)です。水中ではものすごく冷えますから暖を取るために、ウエットスーツの中におしっこをします。そのくらい冷えるのに、その人たちは下痢をしません。海女さんたちも海からあがってたき火で暖を取りますが誰も下痢をしません。
赤ちゃんでも大人でもそうですが、下痢がひどい時にお腹を触ってごらんなさい。触るとお腹が冷たくなっています。それでお腹を冷やしたから下痢をしたと思ったのでしょう。でも原因と結果が逆だったのです。本当はお腹の具合が悪いから冷えたのです。お腹が回復すると自然にお腹は暖かくなります。冷えたからではなかったのです。
お母さん方女性に多い、よく腰が冷えるとか足が冷えるとかいうのも、冷やしたから冷えたのではなくて、貝合が悪いから冷えたのです。だから暖めても暖めてもそういう時は暖まりません。病気が良くなると、自然に曖まっています。
普及しなかったのですが、人間の皮膚温度を調べて病気の診断に使うというサーモグラフィーという検査機械があり、それで病気の診断をしようとしました。「皮膚のどこが冷たいか」で病気を推定するのです。つまり冷たくなっているのは病気のしるしです。病気だから冷たくなっていて、冷やしたから病気になった訳ではなかったのです。しかし、精度がよくなくて使われず、暑さ寒さのひどい時に気象情報のテレビ画像に使われたり、空港の入り口で熱のある人をチェックする為に使われています。
だから食べ過ぎ飲み過ぎも同じで、病気になることはありませんから心配しないで下さい。
太るだけです。ただ牛乳やコーラなどのカロリーのあるものを飲み過ぎると、それでお腹が一杯になり、食事を食べなくなることがあります。またしっかり食べていて牛乳を飲むと肥満の原因になります。

 ⑤言うことを聞かない時。
 なかなか子どもが言うことを聞いてくれません。これは生後7カ月前後、人見知りをし始めて以後のことが多いです。人見知りは自己主張の一種です。自分の好きな人とそうでない人を分けますが、他のことでも同じで好きなやり方しか受け付けてくれません。この頃にはプライドがあると言います。叱ってもあまり意味がありません。叱られても、叱られたりたたかれたりしたことは覚えているけれども、何故叱られたのか判らないのです。だから繰り返し同じことをします。最近多い子どもの虐待を見ても判りますが、タバコの火を体に押し付けられて火傷させられても、繰り返し同じ間違いをします。だから繰り返しやられて、身体にやけどの跡が一杯ついています。体罰は意味がありませんし、叱っても意味がありません。
3歳過ぎると、多少判ってきます。精神的なことからくる病気、例えば気管支喘息なども大体は3歳過ぎから発病します。
マナーや礼儀作法は4歳を過ぎてから教えます。それでないとしている意味が判らないからです。子どもに物を借りる時に、「貸してちょうだいと言いなさい」というお母さんが多いけれども、3歳までは意味がわからない。だから、お母さんが代わりに言えばいい。
ある子どもがお母さんに「おもちゃを貸してと言いなさい」と教わった。そうするとその子どもは2歳だったのですが、そう言えば自分が借りていいものだと思っていたのです。だからそう言って相手のおもちゃをとってしまいます。相手は嫌だと言ってるのに、貸してちょうだいと言って、持っていってしまうのです。つまり、マナーの意味がわからないから教えても意味がないのです。マナーは本格的には4歳過ぎ、幼稚園に入るころから教えます。
できれば、お母さんがやって見せて、まねをするように仕向けます。大人が教えるより少し上の年齢の子に教えてもらう方がうまく行きます。

子どもが言うことを聞いてくれないと、どうするかが悩みの種です。何かを止めさせたい時、できるだけ小さいうちは、関心をそらすことです。子どもというのは、関心が次々と移ります。ですからパッと「これはどう」とおもちゃや子どもが関心を持ちそうな他のことに関心をそらします。そっちがおもしろそうだとそっちにいってしまいます。そして、やっては困ることから離れていきます。そのようにして関心をそらせます。
例えば子どもが物を投げました。いけないことですが「投げちゃだめよ」と言わないで、知らんぷりして「ほらこっちで遊びましょ」と言ってパッと他へ誘導します。叱ると、しっかり子どもの頭にインプットされて覚えてしまいます。だからパッと他のことに誘導して、今のことを忘れてもらいます。そうすると叱らないで済みます。だからやめさせたいことや、嫌がることを他のことに誘導することで忘れて貰います。
叱れば叱る程、そのことをしっかり覚えていて、親が怒った時に仕返しに、それをします。
 悪いことをしたり、悪いことや危険なことをしようとしても同じですね。他へ関心をそらして忘れて貰います。
早い子は3歳、遅い子は4歳を過ぎるようになると、話が判るようになりますから、「これは危ないからしないでちょうだい」と話をします。「何故危ないか」も話しをします。判っても判らなくても構いません。同じことを繰り返し繰り返し言い続けることです。叱らないで下さい。危険なことほど叱らないで下さい。「危ないからしないで」を繰り返し言うしかありません。
叱って言うことを聞かせると、叱られない所、つまり親の見ていない所でやります。そして事故につながります。だけど、叱らないで言うことを聞いてくれると、親のいない所でも決してしません。そうすると、親がいなくても、事故が起きません。
そのかわり大変ですよ。根気よく繰り返し言い続けないといけないのだから。そして言うことを聞いてくれたら、ほめてあげて下さい。「いい子ね」と。
みんないい子になりたいから、お母さんの言うことを聞いてくれるようになります。

もし、どうしても叱る時には「あなたはいい子だから、こういう悪いことをしてはいけませんよ」と叱ります。
子どもの論理というのはおもしろいもので、良い子は悪いことをしてはいけないのです。良い子は良い子にしていなければいけません。でも悪い子は悪いことをしてもいいのです。だって悪い子なのだから。嘘つきは嘘をついていいのです。嘘つきなのだから。ぐずな子はぐずぐずしていていいのです。だってぐずなのだから。
だから、そういう非難の仕方を決してしてはいけません。つまりいつもいい子にしてあげる。「いい子だから、こういう様にしましょうね」と言う。決して命令しないこと。大人でもそうでしょう。命令されると嫌だけれど、「こうしましょうね」と言われるとなんとなくそういう気持ちになったりします。

子どもをうまく誘導すること。1回や2回、いや繰り返し言っても言うことを聞いてくれなくても、そんなことは仕方がないと思って下さい。繰り返し繰り返し、言うことです。

それから何かをさせたい時、やってもらいたい時には、親がやって見せること。楽しそうにやって見せると子どもはやりたがります。それから上のお子さんだとか、よその子がやっているのを見せます。それを見てやりたがった時に、正しいやり方を教えるというのが、幼児教育の基本です。やりたがらない時には、無理にやらせません。じっと機会をねらって、また同じことをやって見せます。やりたがるのを待ちます。育児は根気がいります。だから私は、育児は若い時にしかできないと思いますし、若いからできるのです。それは子どもを愛しているからです。愛していなければできません。最近は、子連れで結婚することも増えました。相手の子を愛して下さい。そうすれば虐待は無くなります。

 ⑥いつでも、どこでも、連れていかなければいけないこと。 
子どもを育てる時に一番大変なことは、24時間いつも一緒にいることです。これが大変です。いつも親から離してはいけません。ある程度大きくなったら、誰か大人に預けて出ていけます。子どもだけで置いて行ってはいけません。
日本ではそうではありませんが、欧米では家や車の中に大人がいないままに子どもを一人で置いていくと、法律で罰せられる国が増えています。それは子どもを守るためです。
車の中に子供を置いたまま事を盗まれ、盗人が子どもがいるのに気が付いて放り出されてしまうという事件がありました。あの事件の問題は親が非難されなければいけないのです。欧米ではまず親が処罰されます。もちろん犯人も処罰されます。そういう危険にさらしてしまったということが親の責任です。
アメリカの話ですが、レストランのガラスの外の自分の席の前にべビーカーに乗せて置いただけで警察官が来て問題になりました。それはフランス人だったので、目の前で見ているから大丈夫ということで何とかおさまったのです。それすら問題なのです。これは子どもを保護するため、とにかく誰かに預けて大人が側についていることが必要です。いつでもすぐ子どもの危険に対処できることが必要なのです。
べビーシッターが子どもを虐待したというテレビが放映されていましたが、アメリカではそれが問題になる程ふえています。子どもを安全に守ってあげることが必要です。子どもを育てることは大変なことなのです。日本でも、特に無認可保育所での問題があります。訴えても、子どもは戻りません。

4.赤ちゃんに、自分が愛されていることを感じさせることが大切。
 愛されていると感じさせるのは、とうしたらいいか。アメリカのホワイト博士が言うには「気持ちがいい」と感じさせてあげるとうまくいくと言います。そうすると父母の愛情を感じます。        
そういう状態の子どもは、あまり病気をしません。いつもいい気持ちにしてあげましょう。その為には
①いつもお腹を一杯にしてあげること。空腹を満たすことです。
それには早めの離乳をお勧めします。

 早期の離乳は、1)赤ちゃんの食欲を満たします。
2)そうすれば、寝る時もしっかり食べさせれば、夜中の授乳は無くなります。
3)指しゃぶりや物を口に入れることが無くなります。その結果、
4)異物の誤飲事故が減らせます。
5)大きくなっての指しゃぶり、その後の爪噛みをなくします。
6)3か月過ぎての母乳依存は、低カロリーのために、赤ちゃんの脳の代謝の栄養不足と、筋肉などの身体の栄養の不足が生じ、脳と身体の発達の遅れを生じます。乳幼児早期の低栄養は、脳の発達の遅れと体特に身長の伸びの遅れを生じ、遺伝的慎重に達しないことが出てきます。遺伝的に両親から受け継いだ、知能と身長をそのまま発揮させるためには、早期の離乳を勧めます。
 私の世代の身長が低いのは、小さい時の低栄養だったからです。
7)思春期の食にまつわる精神的な病気は、乳幼児早期の食生活に問題があるのではないかと疑われています。欲しい時に欲しいだけ飲んだり食べたりと自然の食欲に任せて育てると、食関連の病気(肥満、食欲異常症、食思不振症など)が少なくなると思われます。
8)食物アレルギーも、赤ちゃんへの早期の、しかも好きなものを好きなだけ与えることが、予防できると思います。食物アレルギーは、乳幼児への食べ物の押し付けや制限から生じている疑いがあり、私はそれをやめてもらうことによって治しています。
ついでに言えば、発達障害も神経質な子どもへの干渉、過保護などのしつけが厳しすぎることによって生じている疑いがあります。1歳半までに見つけて、早期に専門医に育て方のアドバイスを受けるとよくなる例が少なくないからです。それができる医師は少数ですが。

 授乳はいつでも欲しい時に欲しいだけ与えましょう。赤ちゃんの食事ですから、お腹が空いた時にあげましょう。
母乳はあくまで食事の一部ですから、お腹が空いている時以外はあげないで下さい。日本では泣くとすぐ母乳をあげる人が多いし、寝る時にあげます。つまり睡眠剤や、精神安定剤のかわりに母乳をふくませてしまう事が多いのです。そうすると、断乳(卒乳)も簡単にいきます。寝る時も離乳食が遅いとおなかが空くので欲しがります。
離乳食は早めに、赤ちゃんに合わせて進めましょう。赤ちゃんが主人公です。あなたの前にいる赤ちゃんに合わせて進めましょう。本や他人(医師、保健師、栄養士、助産師、友人)の言うことに、あなたの赤ちゃんが当てはまるかどうかは判りませんから、目の前の赤ちゃんに聞いて下さい。

早めの離乳食は、果物から野菜に進めます。まず果汁、そして果実がゆから、野菜の煮つぶしに進め、おかゆなどの穀類は生後4ヶ月過ぎてから与えます。
果汁がスプーンで飲めるようになったら、果実がゆに進めます。
初めはりんごソースで、アップルパイを液状にしたものをイメージして下さい。おろしたりんごを白湯で倍にうすめてお砂糖をいれておいしくしてどろっとするまで煮て与えます。
(甘いものを早くから与えると、甘いもの好きになるという思い違いを信じないで下さい。子どもの成長期特に乳幼児期は、脳の代謝にグルコースが必要です。だから炭水化物が必要ですが、手っ取り速い糖分を好み、成長が止まるとつまり大人になると欲しがらなくなります。ただし、親が甘いもの好きなら仕方がありません。)
美味しくして与えましょう。食べてみて美味しい物、上の子が欲しがるほどの物を与えましょう。甘く美味しくし、塩分も減らさず、美味しくしないと食べてくれません。それで悩んでいるお母さんたちがいますが、糖分や塩分を減らすことは、ワクチンを打たなければいけないことと同じ意味ではないでしょうか。無条件で信じてはいけません。何かを疑ったら、全て疑って下さい。私は、そうして今の考え方にたどりつきました。

初めはウースターソース状にし、なれたらだんだん濃くしてとんかつソース状にし、最後はおろしただけにして与えます。
それが食べられたら、バナナをフォークの背でよくつぶして与えます。
それから野菜の煮つぶしにします。うらごしなどする必要はありません。赤ちゃんも喜ぶし、手もかからない。離乳食もできるだけ早めに進めましょう。あなたの赤ちゃんを信じて下さい。食べられなければ押し出すか口に入れて味を見て吐き出します。食べるものを与えて下さい。本に書いてあること、他人の言うことには思い違いがありますが、あなたの目の前の赤ちゃんは現実です。あなたの赤ちゃんを信じて下さい。
ある赤ちゃんは、7か月過ぎまで母乳だけでしたが、這い這いできるようになり、ある時這い這いして行き、卓上のお茶碗の中に手をつっこんで、ご飯を掴んで食べ、それ以後母乳をいやいやして、ご飯や親の食べるもの以外を受け付けずに離乳した例があります。
離乳は、母乳から栄養価の高い親の食事に移行する過渡期なのです。世界でいろいろなことが行なわれていますが、とにかく幼児の食事に移行できればよいのです。

日本の子どもは戦後、どんどん成長して今は非常に大きくなりました。それに合わせて、離乳食を進めてあげないと、本当は、お腹が一杯にならないはずです。
どのくらいかと言うと、昭和20年頃の赤ちゃんは生まれた時の体重が2倍になるのに6か月かかりました。今は早いお子さんは2カ月、遅くて3カ月で生まれた時の体重の倍の体重になってしまいます。ところが、雛乳食の指導は70年前の昔とまったく変わっていません。それどころかアレルギーを作らないためとまことしやかに言い(全く根拠はなく)、離乳食を遅くすることを勧めます。私は食べものアレルギーも含めてすべてアレルギーは、育児の中で作られていると思います。なぜなら育児法を変えると治るからです。

だから離乳食を勧めないと赤ちゃんはお腹が空きます。お腹が空くから、指しゃぶりしたり、物を口に入れたりします。昔はヨーロッパやアメリカでも昔は離乳食が遅かったのです。それでフロイトは「口唇期」と言いました。
所が離乳食をどんどん早く始めるようになりました。どのくらい早くしたかというと、アメリカの小児科医で一番極端な人は生後1週間で果汁を始めて、2週間で離乳食を食べさせることをしました。でもこれは余りにも行き過ぎということになり、もう少し遅くするようになりました。その結果今は生後1ヵ月過ぎから果汁、2ヶ月過ぎぐらいには、離乳食を始めます。大きくなる子は、もう1ヵ月過ぎてから、食べさせてもよいのです。

何を指標にして判断するかというと、赤ちゃんが与えられたものを拒否できる意思表示ができるようになると、与えてもよいと言います。舌で押し出してしまうとか、ロを横に向ける、顔を横に向けるなどです。そういう意志表示ができるようになったら、離乳食を始めてよい時期です。これはアメリカ小児科学会栄養委員会の勧告です。
その理由は、生まれたばかりの赤ちゃんは原始半者がり、口に触ったものを飲み込もうとします。これは生まれたばかりの赤ちゃんが生き残るために必要なことなのです。しかし、1~2か月でそれをしなくなります。そこから始まります。

生後1ヵ月で果汁、2ヵ月で離乳食をと、または体重5kgで果汁、7kgで離乳食を始めると教わりました。昔はそう指導していましたが、大きな子や、体重がどんどん大きくなってしまう子や、それから良く体を動かす子は、お腹が空きますから欲しがります。ミルクや母乳ではお腹が満足しないです。大人が牛乳を沢山飲んでも、お腹が一杯にならないのと同じです。離乳食は少ない量で濃厚にいきます。母乳やミルクはうすいので、スープを飲んでるようなもので、しっかりお腹が一杯になるためには、離乳食の方が良いのです。
欧米で判ったことは、離乳食を進めていったら、指をしゃぶる子や物を口に入れる子が3分の1になりました。3分の2の子は、お腹が空くから指をしゃぶっていたのです。

早く進める離乳食は、果物から野菜へ進めます。
おかゆは穀類ですから、4ヵ月以後にしないと、赤ちゃんの胃で消化できません。バナナとかリンゴは生後1ヵ月で消化できます。だからバナナとかリンゴから始めておかゆに進めます。早く始める離乳食は果物から始めます。果物から始めて、野菜に進め、生後四か月になり、おかゆに進めます。
欧米では早くて6ヵ月、遅くて9ヵ月で離乳が終わります。だから、離乳期のミルクを売っている先進国は日本だけで、アメリカのメーカーも日本向けにだけ売っています。フォローアップミルクは発展途上国向けの物と先進国では考えられています。発展途上国では、離乳食を充分子どもに与えることができません。与える食べ物がないとか、手に入らないとか、お金がないとかという理由からです。だから遅くなります。そういう場合のためのミルクです。
与える量は、赤ちゃんが自分で食べる量を決めますから、食べるだけ与えて下さい。最近は食べてくれない子が出てきました。美味しくしていますか?。お母さんや上の子が食べたくなる程、おいしくしていますか。美味しくなければ食べません。食べ過ぎも飲み過ぎも病気になりません。みんな思い違いです。ふとったり、おしっこを一杯したりするだけです。お相撲さんを見て下さい。
無理して食べても病気にはなりません。(ただし成人病は別です。)

②赤ちゃんの能力を伸ばすように手助けをしましょう。
赤ちゃんがピョンピョン跳ねたがったら、跳ねさせてあげましょう。赤ちゃんが嫌がっているのに無理に赤ちゃん体操をさせてはいけません。子どもの性格によって、高い高いを怖がる子もいます。高い高いされたのを恐がって夜泣きをしてしまいます。そういう子には高い高いをしてはいけないのです。元気な子は高い高いをしたがり、喜びます。喜ぶ事をしてあげましょう。赤ちゃんの能力はいろいろあります。その能力を伸ばしてあげましょう。喜ぶことをやらしてあげればよいです。でもおっとりした子、おとなしい子はいろいろされることを嫌がります。そうしたらしないで下さい。それがストレスになり、病気になりますから。
スキンシップもやめましょう。赤ちゃんが喜んだらしてあげて、喜ばない時にはやめて下さい。あなたも彼氏からべたべた触られて気持ちが良いですか? 触って欲しい時も、抱いて欲しい時も、どちらも嫌な時もあるのです。赤ちゃんが要求した時にしてあげて下さい。
私は「いい子ね」とほめながら頭をなでてあげますと、子どもはみんな喜びます。これが本当のスキンシップです。子どもとこころが通じ合うことが必要です。

③周りのことに興味を持たせてあげましょう。
いろいろな面白そうなことをつくりましょう。ところが、おもちゃにはなかなか子どもは興味を持ってくれません。単純な絵柄よりは複雑な絵柄のものを赤ちゃんは喜びます。ガラガラもそうです。それから回転式のオルゴール。みんな親が喜びそうなものが売られていて、子どもが喜びそうなものが少ないです。いずれにしても、複雑なもの、変化のあるものを喜びます。子ども向けの番組で「セサミストリート」というのが20数年続いていて、見るとわかりますが、あれが子どもの興味をひく特徴です。パッ、パッ、パッ、パッと変わっていきます。次から次へと変わっていきます。大人はあんなのに追いつけないですけど、子どもはああしないと喜びません。いろんなことに興味を持ちます。周りのことに次から次へと興味を持ちます。興味を持つけれど、そこに集中しない。すぐ他のことに興味を持ちます。それが子どもの特徴です。できるだけいろんなことに興味を持たせる。それが子どもの能力を発達させることです。できるだけ、いい気持ちにしてあげる。赤ちゃんのしたがることを手助けしてあげる。そしていろんなことに興味を持たせる。結構、自動車の鍵なんかに興味を持ったりします。ガラガラ与ええても放りだして、鍵なんかを持ったりします。おもちゃより、日常的に使うものに興味を持つことが多いです。でも危ないもの、今後続かれては困ることはやめましょう。

④気持ち良くすること。
気持ちがいいという様にするには、どうしたらいいかというと、いつもお腹一杯にしてあげること、つまり空腹を満たすことです。もう一つは、嫌がることをしないこと。赤ちゃんが泣いて嫌がれば判りますが、泣かないと判りません。でも赤ちゃんが「いやだな」と思っても泣かないで我慢していることがあり、それがストレスになります。
その一番は赤ちゃんが要求しないのに、抱いたり触ったりしないこと。周りの大人が抱きたがったり、上の子がなでて触ったりすることを、嫌がる赤ちゃんにはストレスになり、いやな気持ちになります。中には平気な子もいますが、少数です。赤ちゃんの目を見るとよく判ります。「いやだな」という目つきをしていれば嫌なのです。止めましょう。

5.妊娠した時にすること。
 女性が妊娠を嫌がるのは、お腹が出て、あまり素敵なスタイルではないという。だからできるだけ美しさを保つためには、あまり太り過ぎないこと。まわりで栄養つけなくてはと言いますが、赤ちゃんの体重が3キロちょっと、胎盤に500グラム、羊水に500グラム、そうすると5キロ弱で十分です。これがお産の時の体重増加。多少お母さんが太る分を見て7キロというのが限度です。10キロ超えたらもう駄目です。つまりその分お母さんが太っているのです。
だから、妊娠したら太ったというのは、妊娠中に太っているのです。太らないように気をつけましょう。私が子どもの頃は、お母さんたちは痩せていて、栄養失調だったから、栄養つけなさいと言っていました。赤ちゃんを産むたびに、歯がポロポロとれたとかいう話を聞きました。今は皆十分、必要な栄養はとれていますから太らないこと。

 妊娠しての注意の第二は、妊娠中毒症を予防しましょう。水分、塩分をできるだけ控える。特に塩分を控えれば水分をとらなくてすみます。太り過ぎると、お産の時難産になりますが、妊娠中毒症も難産になったり、子どもがいろんな問題を抱えて生まれる原因になります。

その二つに気を付ければ大きな問題はなく、良いお子どもが生まれると思います。そして、期待された子どもを産むこと。待ち望んだ子どもを産むことが一番です。妊娠中にやっぱり夫婦関係も仲良くしなければなりません。

 お母さんが妊娠の末期から乳児の初期にパニックに陥ると、子どもは臆病になります。いつも楽しい気持ちでいると、うまくいきます。妊娠したらいつも楽しくしてください。そうするといい子が生まれます。

6.離乳食を進めること。
 赤ちゃんも一人の人間として認めてください。一人一人の赤ちゃんによって違いますから、一人一人の赤ちゃんに応じて離乳食を進めていきます。喜んでくれたら、とんどん進める。喜ばなければゆっくり進める。そこがポイントです。早ければ6ヵ月で離乳食が終って構いません。遅くて9ヵ月。日本は5ヵ月か6ヵ月で離乳食を始めますから、大変遅いのです。
 さらに最近は母乳信仰があり、母乳は赤ちゃんの最高の栄養と思い違いをしている人が居ます。3か月まではその通りです。しかし、5か月で終わりです。
 だから早期に離乳し、5~6か月で離乳食中心の食事にすることが大切です。

離乳が遅いので問題が起きます。日本の子どもは固いものを食べないと言う人達がいます。食べ物を良く噛まないとも言います。
私は離乳が遅いから。人見知りが始まる前までに固いものを食べさせてしまう。そうすると平気で食べます。それから、「良く噛むとおいしくなるもの」を食べさせます。すると噛むようになります。やわらかくて、噛まないでも食べられるものを食べさせたら、噛まないで食べてしまいます。すぐ飲み込んでしまいます。
噛まないと飲み込めなくて、良く噛むと味が出ておいしいと、良く噛んで食べるようになります。そうやって子どもに噛むことを教えます。小さいうちにもぐもぐすることを覚えさせます。それはもぐもぐすると美味しいともぐもぐします。
大体6ヵ月前後で乾燥したかさかさした物、ウエハース、マンナ、うすやきのおせんべい、ビスケットのかけら、パンなどをちぎって与えます。パンは決してミルクとか紅茶とかに浸さないで下さい。乾燦したものを口に入れてあげます。自分の唾液でもぐもぐしながら柔らかくして、こくんと飲み込むことのおいしさを教えます。そうするともぐもぐすることを覚えます。もぐもぐが楽しかったら、いつももぐもぐします。そうして噛むことを覚えます。
この話を東京の小児歯科のグループにしましたら非常に感動されました。「やっぱりそうなんですか」といわれました。とにかく、噛みなさいと言っても噛みません。噛むことを楽しませます。噛むとおいしい。そうして噛むことを教えていきます。そうすれば自然に良く噛んで食べる。固い物も食べます。
今、ドッグフードやキャットフ-ドで育った犬や猫たちが固い物を食べません。犬が骨を噛んでおいしい骨の髄を食べません。猫が魚の骨の間の肉を舌でざらざらっとこそげ落としてとって食べません。ドッグフード、キャットフードで簡単においしく食べられてしまう生活で小さい時から育ってしまうと、そういうことをしなくなってしまいます。
人間もそうです。だからいろんなことを教えてあげましょう。
「人見知り前に」をこだわるのは、人見知りは赤ちゃんが「自己を確立したこと」です。
だから、プライドを持ち、自分の好きな人と好きではない人を区別します。それが日常のすべてに出て来ます。自分の好きなやり方と嫌いなやり方をはっきりさせます。そして「がんとして」それを変えません。頑固な年寄り(私もそうですね)と同じです。

早く始める離乳食については、いくつかのポイントがあります。「甘いものを小さい時から与えると好きになるから、与えてはいけない。甘いもの好きにすると虫歯になる。」とよく言いますが、これもどちらも思い違いです。小児歯科の先生方にもそういう話をしたのです。「甘いものを制限しないでください。甘いものを食べたら、あとで歯を磨けばいいじゃないですか。」それはそうですと言われましたが、歯を磨けばいいのです。「海女物を食べたら、歯を磨くこと」を教えましょう。食べたければ歯をみがきます。
一番大切なのは、虫歯になるのは歯を磨かないからではありません。歯の質です。だから小学校では毎年虫歯予防デーで歯のきれいな子を探しますが、歯を磨かない子ではなく、きちんと1日3回磨いていて虫歯のない子を探します。これが難しいのです。虫歯のない子はたいがい歯を磨いてないのです。よく磨いている子はたいがい虫歯があるのです。だから大変ですが、たまにはいます。
虫歯は歯の質です。そしてなぜか先進国はどんどん虫歯の数が減っています。後進国は昔は少なかったのに、今は虫歯の数がどんどん増えています。何か生活環境や文化的環境に関係があるのではないかと私は考えます。
だから歯を磨くことは悪いことではないが、それで100%虫歯を予防できるわけではありません。それには、子どもが歯磨きを嫌わないようにすることが一番です。きれいに磨くために押さえ付けたりすると、子どもは歯磨きを嫌いになります。嫌いになると自分の意志が通る年齢になると歯を磨かなくなります。
歯磨きは楽しそうにやってみせて、自分で磨くように教えます。うまく磨けなくてもいい。毎日磨いて本人が一生懸命やっていれば、そのうち上手になります。楽しく磨く、毎日磨くことを教えることが基本です。嫌がったらやめましよう。甘い物は制限しないでください。

甘い食品というのは、子どもの食品にとって必需品です。なぜか、糖分というのは人間の身体の三大栄養素のーつです。これをゼロにはできません。
子どもに甘い物を制限したらどうなりますか。糖分が不足するから、欲しくてしょうがなくなります。目の色を変えて欲しがります。だから制限しないで下さい。
糖尿病の人達にも糖分を制限できません。なぜかというと糖分はある程度は食べないといけないから。糖尿病の人でも、ゼロにはできない。糖質制限食が流行していますが、スーパー制限はしないで下さい。減らす必要はありますが、ゼロにはしない方がよいようです。

子どもには、甘く調理した食品を食事の中で食べさせてしまいましょう。それで十分に糖分を与えておくとそんなに欲しがらなくなります。ただ例外はあります。お父さんかお母さんが甘い物好きで、甘い物に目がない人はしょうがありません。遺伝的に受け継いでしまいますから。これは環境だけでは治せません。

人間というのは、生まれつきのものと環境と、どちらが優位かというのは、いろんな論争がありますが、やっぱり生まれつきがかなり比重を占めて、プラス環境によって決まります。
特に性格的なもの、正しく言うと気質というのは生まれつきで、性格というのは環境によって変わるというふうに考えられています。だから、生後1ヵ月の赤ちゃんでも、糖水を飲ませると喜ぶ子と、お茶の方を喜ぶ子と分かれます。生後1ヵ月で判ります。これはいくら治そうとしても治りません。そして甘い物は十分与えて下さい。十分与えることによって満足感が得られると、それ以上欲しがらなくなります。よく話すのですが、「饅頭嫌い」という落語がありますが、饅頭を一杯食べると最後に「お茶が怖い」という落ちがありますが、そんなに甘いものを食べ続けられないのです。皆さんもそうでしょう。
 アレルギーの心配をするなら、卵に気を付けてください。卵が一番アレルギーになる人が多い。世界的平均で赤ちゃんの5~7%。ところが大人になると1%ない。ということは成長とともに解消されると考えられますから、早く与えるのを避けます。
周りにアレルギーの病気の人、喘息、じんま疹、アトピー性皮膚炎、花粉症、そういうアレルギーの人がいたら、1歳までは卵をあげません。いなければ生後半年から、硬ゆでで黄身だけあげます。白身はl歳過ぎてからにします。
周りにアレルギーの人がいる場合は、卵の白身は2歳から3歳過ぎまであげてはいけません。
1歳過ぎて黄身だけあげます。牛乳は2番目にアレルギ-が多いです。牛乳は6か月までは必ず沸かしてからあげましょう。沸騰させます。生の牛乳(温めただけでもだめ)をあげてはいけません。生クリームも与えてはいけません。
6ヶ月以後についてはあまり確証がありません。ただし、生の牛乳は腸から出血しますから、少し与えるだけです。大量に飲む時には、沸かさないといけません。1日200mlくらい飲むのなら、沸かさなくてもしっかり他に肉や魚を食べていればいいというのが、アメリカの小児科学会の見解です。
大人でもそうです。便の検査をする時でも、牛乳を沸かさずに飲んでいる人は便の潜血反応がプラスになります。だから、牛乳を飲まない方が余計な検査(大腸ファイバー)をしないで済みます。沸かすというのは温めるのではなく、グラグラ煮立てることです。内科医はほとんど知りません。便の潜血検査以外には特に問題が起きないからです。
小児科では大分知られるようになりました。離乳後も牛乳を沸かさずに一日1リットル以上飲ませていると、そういう場合肉などを食べていないことが多く、ひどい貧血になります。
私も一人診ています。血色素が3~4g/dLくらいで、研修医があわてて輸血しようとしたくらいでした。鉄剤を飲ませれば2か月くらいで治ります。

食物アレルギーは卵と牛乳の次は青味の魚です。というのは昔の話で、今は様変わりしています。私の観察では、アレルギーは家庭で作られているからです。親から離すと治ります。
今の食生活は変化しているので、食物アレルギーも変化しています。こんなことはアレルギーの専門家たちは言いません。私はデータを取っていないので信用されませんが、実践的な医療つまり「治ればよい」という考えで治療してきたから言えるのです。

離乳食を早く進めるのは、まず果物、お野菜で、アレルギーが少ないです。まれにはありますが、普通は考える必要はないでしょう。
おかゆは、4ヵ月もしくは、体の小さい子や女の子、動きの少ない子は5ヵ月ぐらいにならないと食べないかもしれません。食べるまで待てばいいです。急にある時から食べるようになります。カロリーが不足すると、食べるようになります。

7.嫌な気持ち、不快な気分にさせないこと
 必要ないのに、抱いたりさわったりしないでください。キスをしたり、ほっぺたをくっつけたりもそうです。赤ちゃんが喜んでくれたらしていいです。喜ばないのにしないでください。赤ちゃんはフワフワして、ぬいぐるみみたいでさわっていると気持ちがいいです。
だから親の方は自分が気持ちがいいから頬をくっつけたりします。でも赤ちゃんがそれで喜んでくれるとは限りません。喜ばないのにしないでください。目をみればわかります。
迷惑そうな顔をしてたら、やめましょう。男性が女性を触りたがるのも同じです。触る方は気持ちがいいが、触られる方は嫌です。
困るのは2人目、3人目のお子さんの時、上の子が赤ちゃんをおもちゃがわりにします。
私の知人でおもちゃ博物館の運動をやっている人がいうのですが、「先生、おもちゃで一番面白いおもちゃは何だか知っていますか。」「人間です。人間が一番面白いおもちゃなんです。」だから、赤ちゃんをおもちゃにしてしまう。ですから赤ちゃんをおもちゃにしないためには、赤ちゃんにできるだけ一度も触らせないことなのです。
初めてお子さんが生まれた時、お母さんたちは皆とまどうでしょう。どう触ったらいいか。だんだん慣れて上手になります。
子どもたちだってそうです。初めて見る自分以外の小さな生き物を見て、触らせないようにしておくと、触っていいかどうかわからないから、なかなか触らない。ところが、一回触って大丈夫と思うと、もう次から次へと繰り返して触るようになります。だから、一度でも触らせてはいけません。次の赤ちゃんを産む時には、必ず上の子には触らせないことです。

その内赤ちゃんが這い這いして自分から動くようになると変わってきます。できるだけ、女の子には赤ちゃんと同じくらいの大きさの赤ちゃん人形を買ってあげます。そしてお人形を「これはあなたの赤ちゃん」、本物の赤ちゃんは「こっちはお母さんの赤ちゃん」と分けてしまう。そうすると、ミルク飲み人形を抱かせ、お母さんが赤ちゃんにおっぱいを飲ませると、一緒になって自分の赤ちゃんにミルクを飲ませます。それをしてやらないと、自分も自分もと母親と一緒に赤ちゃんにおっぱいを飲ませたがります。
これをするのは女の子だけです。女の子は生まれながらにして女の子なのです。女と男というのは、私の考えでは、違う生き物だと思っています。考え方も行動範囲も違います。
育てられてそうなるのではないし、ホルモンの関係でもありません。生まれた時から違います。男の子は、赤ちゃんをおもちゃにするが、お世話はしません。
2歳過ぎから女の子は、「女の子にはオチンチンはないけど、赤ちゃんが産めるんだよ」というと、赤ちゃんが産めることが嬉しくて、それだけで納得してしまいます。不思議なものです。
男の子は赤ちゃんに関心のない子が多く、退屈するとやってきて、いじったり触ったりします。そうすると赤ちゃんがいろいろと反応するのが面白いのです。だから、始めからできるだけ触らせないのがよいです。でも一度触ってしまったら止められません。ではどうするかというと、おんぶできたらおんぶしてしまうとか、赤ちゃんは放っといても一人遊びしていますから、上のお子さんの相手をしてあげます。そうするとうまくいきます。ただ、這い這いしたり、動き出すと、なかなかうまくいかなくなります。
 でも赤ちゃん特に女の子に多いのですが、おっとりとして何をされても平気な子がいます。その場合はほっておいても病気をしません。
 乳幼児精神科医の渡辺久子医師がいうように、「たんぽぽは放っておいても花を咲かせますが、洋蘭は手をかけないと花を咲かせません。」それと同じで、神経質な子は、上手に育てないとうまく育ちません。

8.赤ちゃんは親の思い通りにならないもの。
 赤ちゃんは、親の思い通りにはいかないものです。そうすると、親は楽しくない嫌な気分になります。イライラしたり、強制すると反発します。させようとするとしたがらない。やめさせようとすると、したがります。みんな反対の方向にいきます。だから、上手にうまく関心をひきつけることです。しかし、それでも生まれた時から、一人一人性格が違います。それぞれ反応の仕方が違います。上の子でうまくいっても下の子でうまくいかなかったりします。それが子どもです。子どもにいろんなことをさせて上手にしたかったら、嫌なことをさせないことです。
それからできるだけ、ほめてあげましょう。ほめ上手になりましょう。子どもはほめて育てましょう。失散しても叱らないで「失敗しちゃったね、今度は上手にできるよ」とほめてあげます。子どもの時に自信をなくすと、大人になっても自分の行動に自信を持てなくなります。いつも叱られていると、自信を失います。「自分はできない、駄目なんだ」と思ってしまいます。「また失敗するのではないか、また怒られるのではないか」と思ってしまいます。ほめて育てましょう。
ほめて育てると、また今度もほめられると思い、一生懸命やります。そしてうまくいきます。うまくいくからまたほめられます。失敗する子は、また失敗するのではないかと思ってしまうと、失敗してしまいます。自分で自分に暗示をかけてしまうのです。
いけないこと、悪いことをした時もそうです。何をしたから悪いかと判らせて叱ることが大切です。そうすれば、したことを叱られているので、自分の生き方を叱られていないので子どもは違う受け取り方をします。でも女の子は小学校入学以後、男の子は小学三、四年生にならないと言うことを聞いてくれません。
最近流行っているイメージトレ-ニングと同じです。長島元巨人軍監督は選手時代から自分で始めたそうです。教わらなくてやったのです。だけど今の選手は教わってやります。試合の経過をずっとイメージしていって、いつもうまくいくイメージを頭の中に描きます。ボールが飛んで来て、うまく何球目かにジャストミートして、ホームランを打つ。ホームランを打ってぐるっとべースを回って帰ってくるところまでイメージする。それを寝る前にして、寝ます。明日の試合は必ずうまくいくと、自分に良い方にイメージをします。
それと同じように、子どもにも「大丈夫、うまくいくよ」といいイメージを植え付けましょう。そのためにはうまくいったら、すかさずほめてあげます。失敗しても今度はうまく行くよと、いい方にいい方に、誘導してほめてあげます。ほめ上手になりましょう。そうすると、大人になって自信を持って、いろんなことができるようになります。それから、嫌なことはできるだけやらせない。嫌がったらやらなくていいのです。いつも楽しいことだけを教えていきます。そうするとうまくいきます。
ボリス・ベッカーというドイツのコーチは子どもたちにテニスを教えましたが、球を拾いに行くのが嫌だと言うと、球にひもをつけて引っ張ると集まるようにしました。それで子どもたちは、練習をするようになり、男子と女子の世界一の選手を育てたのです。
今活躍しているゴルフの女子の選手は、最初親からテニスをやらされたが嫌になり、ゴルフに転向して日本一になりました。それは、テニスは飛ばした球を拾いに行かなければならないが、ゴルフはそれがないという理由でした。

9.赤ちゃんを一人の人間として扱う。
赤ちゃんが生まれたら、話しかけてあげてください。赤ちゃんが判っているか判っていないかは別にして、始終話しかけましょう。初めてのお子さんより2番目、3番目のお子さんの方が、言葉が早いのは、上の子が始終話しかけるからです。
初めての子はお母さんが始終話しかけましょう。そうすると言葉が早くなります。言葉というのは、我々が英語を覚えるように、一つ一つ単語を覚えるではありません。沢山の言葉が頭の中にあって初めて一つ言葉が出ます。だから言葉が出る頃に青森から東京に出てくると、初めて出る言葉は青森弁です。
だから言葉をいっぱい聞かせてあげます。できるだけ話しかけてあげましょう。話しかけることによって、それが判るかどうかはわかりません。でも話しかけることでお母さんは無意識に仕草をし、その仕草が伝わります。子どもはそういう仕草やお母さんの感情に非常に敏感です。つまり言葉でコミュニケーションができないから、それ以外のコミュニケーションで通じています。動物の世界がそうです。仕草やちょっとした鳴き声の違いで、お互いにコミュニケーションをとっているのです。そういうところを赤ちゃんが敏感に持っています。
言葉で会話ができるようになると、それが薄れていきます。大人になると、なかなかそういうことが伝わらなくなります。小さいうちはそういうことが敏感にわかりますから、私は赤ちゃんに仕草や顔の表情で語りかけます。それで赤ちゃんたちは、笑ったり反応をします。それに対しまた仕草や顔つきで答え、赤ちゃんと会話をします。お母さんたちはそれに気が付きません。それで子どもが私の顔や仕草を見て態度を変えるのに驚かれます。
言葉をかけてあげる時に自然に仕草が出ます。だから言葉をかけましょう。言葉より仕草が子どもに伝わるから、言葉の中味が伝わるわけです。
しかし、子どもは判っていても嫌だということがあります。注射をする時もそうです。私も「ちょっと痛いけれど我慢してね。痛ければ大きい声で泣いていいよ。」と注射をします。
それでも子どもは「嫌だ」と言って泣きます。でも暴れ方が違ういます。判っていると暴れないか、暴れても力一杯はしません。ところが、それを言わないでいきなり押さえ付けてやってしまうと次からは大変です。もう必死になって暴れますから、押さえ付けられないです。きちんと言葉で説明すると、嫌だけれども泣いてもそんなに大暴れしません。判っているからです。大人だって注射は嫌です。だけど上手にすればそんなに痛くありません。少しチクッと痛いだけですが、嫌うとひどく痛く感じます。注射恐怖症という病気もあるくらいです。
赤ちゃん(子ども)には、必ず目を合わせてお話ししましょう。目で訴えることです。何かして欲しかったら、目で「こうして頂戴」と言って、それで自分の感情を伝えるのです。繰り返し言ってそれが伝わると、子どもはそれを受け入れて言うことを聞きます。必ず目を合わせましょう。赤ちゃんもそうですが、どんな小さい時でも嘘をついてはいけません。本当のことを言わなくてもいいですが嘘はだめです。嘘でも本当でもないことを言えばいいのです。決して嘘は言ってはいけません。痛いのに、「痛くない」と言ってはいけません。「注射する?」と聞いたら「先生に聞いてみてからね」とか、ごまかすことです。「しない」とはいわない。しないと言ったのにすると、嘘になるからです。一回嘘をつくと、それからは親の言うことを信用しなくなります。私は嘘をつきません。「先生は嘘をつかないから、注射する時はそういうよ」と繰り返し言い、それを実行していると信用してくれます。そうすると外来に来ても泣かなくなります。私の外来は、国立病院時代から待っている子どもたちが泣かないのです。診察室に入っても泣きません。他の小児科医に不思議がられました。

10.赤ちゃんの目が輝いていることが大切。 
赤ちゃんの目というのはいつも輝いています。いつも楽しくて輝いています。だから赤ちゃんの目が輝いていない時は、何かどこかに問題があります。だから赤ちゃんが嫌な顔や、変な顔をしている時は本当に心配になります。それはうまくいってないからです。
赤ちゃんが楽しくなっていると、お母さんもいつも楽しくなっているということなのです。お母さんがいつも輝いていると、赤ちゃんも輝いています。私が前に勤務していた病院に、天真爛漫な看護師さんがいました。結婚して妊娠したら「いい子が生まれるに決まっている」としか考えません。「母乳は出るもの」としか思いません。そうすると妊娠8ヵ月ぐらいでタオルをあてないとあふれるぐらい母乳が出てきます。生まれてもお産を痛いもの嫌なものと思っていない。痛いのは当たり前くらいにしか思っていません。それで安産で、いい子どもが生まれ、のびのび育ちます。母親が育児に対して疑問を持たないのです。そうするとどんどん自然にうまくいきます。もっとも小児科の看護師なので赤ちゃんの扱い方は上手ですが。
でもそういう人はごく一部です。誰もと言うわけにはいきません。特に小児科の看護師をしていると、病気の子どもしかみていません。「自分の子どもがああなったらどうしよう」と不安になるのが普通です。普通の人が見ない病気を沢山見ているからです。
お母さんがいつも輝いていると子どもは輝いてきます。子どもに「我慢して頂戴ね」という言葉を使うのはやめてください。我慢するということは、ストレスがたまることです。大人もそうです。我慢してはいけません。嫌なことは嫌だといいなさい。「ノーと言えない日本人」を「ノーと言える日本人に」しようなんていう人がいますが、日本語は相手にノーと言わせない言葉なのです。そういう言葉の構造なのです。相手の顔を見ながら喋っていて、語尾だけ相手の顔色を見て変えたりします。そういうことかできる言葉です。
欧米の言葉は、「イエス」か「ノー」かが先にきます。日本語と同じ語順の言葉は韓国語しかありません。それ以外の言葉は全部最初に「イエス」か「ノー」がきます。つまり日本人は歴史的に言葉が始まる時代からそういう習慣があったのです。これからは、できるだけ「ノー」という言葉を言わせましょう。「嫌だったら嫌だと言いなさい」と教えることです。しょうがないこと、例えばお母さんが仕事で出かけなくてはいけない時、「我慢してね」と言わないで、「お母さんが仕事だからしょうがないでしょ、いいよね、楽しくやっててね」と言いましょう。できるだけ「我慢しなさいと」、「おとなしくしててね」、「良い子にしててね」とか言わないで下さい。「楽しくやっててね。」と言いましょう。その理由は、よくあるのですが、家では伸び伸びして走り回っているのに、幼稚園や学校に行くと良い子になって嫌なこともおとなしくして我慢している子がいます。そういう子は病気になります。我慢してストレスがたまります。むしろはっきり自己主張ができるように育てないといけません。 
「外でもいい子にしてね。おとなしくしてね」と言わないこと。みんないい子になりたいから、言うとおりになってしまいます。

11.大人になってもして欲しくないことは、赤ちゃんのうちから見せたり、教えたりしないこと。
できるだけ赤ちゃんが喜んですることを手助けしてあげましょう。そうすると一人一人の赤ちゃんの興味やしたいことが違います。その子の持っている興味や能力を伸ばしてあげましょう。赤ちゃんがやりたがっていることをやらせてあげます。ピョンピョン跳ねたがったら、跳ねさせてあげます。興味を持っていることを積極的にやらせてあげると、その子の能力は伸びていきます。興味の持たないことをやらせようとしないこと。いろんなことをやらせたいと、つい親は思ってしまいますが、そう思っているとなかなかやってくれなくなってしまいます。また子どもの気持ちにはムラがあります。その時々で変わっていきます。それを「一度決めたことだから」などと無理強いしてはいけません。嫌になったらやめましょう。


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子ども医療講座第二回

2018-07-19 09:58:05 | 子ども医療講座シリーズ
子ども医療講座の二回目を載せます。少し書き直してしまいました。時代は30年前でしたが、一部混同してしまった所があります。
でも時代が違っても本質的な所は変わりません。私の精神は今でも続いています。

病気は自分で治すもの。健康は自分で守るもの。という考えは変わりませんが、それを妨げるのが現代社会であり、日本の社会を決めるのが政治で、それをあなたの一票が決めるのです。北欧は投票率が高いし、政治に関心が高いし、文化は北欧に発するということも現実です。

そして今の政府が今の日本社会を左右しています。変えたければ、政府を変えないと変わりません。それが現実です。
あなたが変わり、社会が変われば、また別の人生があなたや子どもたちを待っています。

              第 2 回 子 ど も 医 療 購 座          
             「 子 ど も だ っ て 一 人 の 人 間 だ 」

1 子どもは社会の子どもです。親の所有物ではありません。
子どもは、今の社会では親の付属物的に扱われています。だからちょっと注意しても「うちの子に何をいうのと」親に言われてしまいますが、昔は町の中でいたずらすれば、注意するのは他の親だってしていましたが、今はしなくなってしまいました。かえって親から何か言われるのが嫌だから言わないという時代になってきました。
 しかし、子どもを産むのはお父さんとお母さんですが、育てるのは社会です。なぜかというと、子どもというのは、社会の中で人間になっていく。
社会の中で育たなければ、人間として成長しないのです。
昔、狼によって育てられた狼少年がいましたし、また十数年前、南アフリカで犬小屋の中で育てられた1歳半の子どもが見つかったことがありました。
 狼に育てられたという記録をねつ造だとする意見も少なくありませんが、それにしては多数ありますし、いろいろな動物によって育てられた人の記録があり、全てを否定することはできないと考えています。犬小屋で見つかった子どもは、両親が育児放棄し、犬と同様に扱ったのです。
 小さい時に狼に連れ去られて、特に乳児から1歳頃までを狼に育てられた子どもたちはほとんど人間に戻れません。狼によって育てられると狼になるのです。狼に育てられた人間は四つ足で非常に早く走れて、人間が走るより速く、生肉を食べて、狼のように吠えて言葉が喋れるようになりません。人間の社会に戻れずに亡くなっています。
 狼に育てられたという人の中で、二人だけ言葉が喋れるようになった人がいたという記録が残っていますが、その人たちが言葉で喋れるのは、言葉を覚えてから以後のことだけでした。言葉を覚える以前のことは喋れません。これは言葉の問題と関連しますが、言葉を覚えて初めて物事を記憶出来るようになるのです。言葉として記憶するから、言葉がなければ、まわりの風景を見ていても、それを表現することも記憶することもできない。言葉をーつ覚えたから一つ言葉を喋れるのではなく、沢山の言葉を覚えて、初めて一言、二言出てきます。覚えている映像を言葉として表現できないのです。
(そこからも私は、発達障害を遺伝的に持った素質と育てられ方によってなるという説を支持します。人として生まれても赤ちゃんの時から動物に育てられると人間として成長しないのです。南アフリカでの犬小屋で見つけられた子どもは新聞で報道された事実です。その子がどうなったかは報道されていません。)

 それはさておき、子どもは社会の中で社会によって育てられています。社会の最小の単位は家庭です。(本当は二人では社会ではなく、三人からを言うようです。)家庭から地域社会へと広がります。そういう社会で育って大きくなります。
例えば、昔中国から日本人の残留孤児たちが引き上げて来ました。その人たちは、みんな中国人の顔をしています。見るとすっかり中国人です。ところが日本に長くいると、日本人の顔になって来ます。外国人もそうです。日本に来たては外国人だけれども、日本に長くいると日本人的な顔になって来ます。逆に日本人がアメリカに長く行って、帰って来ると、アメリカ的な顔になってくる。つまり人間は社会に育てられ、そこで生活していると、その社会による文化によって変わって来ます。
 だから子どももそうです。あくまで社会に育てられて、成長しています。人間は誰でも、人間として生きていくためには、社会がなければ生きていけません。たった一人では人間として成長しません。だから子育ても、社会的なものです。子どもにとっては産みの親より育ての親が大切であると昔から言われていました。育ててくれる親がいることによって子どものこころは安定します。
 母親が一人で子育てに悩む必要はありません。周りの人に相談したり、みんなで子育てすれば良いです。子どもにとっては産みの親よりも育ての親が親なのです。逆に考えてみると、親は自分が産んだ子だとわかるけれども、子どもは自分を産んでくれたのは、本当に自分の親なのかわかりません。わからなくても構わないです。育ててくれた親が自分の親なのです。
 虐待している親から子どもを引き離すことは、社会の義務ですし、離されることは子どもの権利です。虐待されている子どもは、自分が悪いから虐待されていると思うので、親を非難しませんし、親からなかなか離れたがりません。でも離すことが社会としての義務です。離されてから、だんだん子どもは自分の置かれていた状況を判るようになり、離されたことを感謝するようになります。

 昔イスラエルにキブツという集団農場がありました。今はどんどん崩壊して、残っているかは分かりませんが、昔はこれが日本のヤマギシ会と同じように、原始共産体制をとっていました。持ち物はほんの僅かな私有物だけで、あとはみんな共有財産として生活していました。化粧品もハンドバッグも共有です。夫婦はひとつの個室で生活しますが、子どもは全部1ヵ所に年齢毎にまとめられて、集団生活をします。日常の生活の介助をしてくれる人達は、交替で勤務しています。そういう社会の中で、子どもたちが親から離されて不安定になるかというとそうではありません。夕食を親と一緒に食べて、寝るまでの団らんの2時間ぐらいの間を一緒に過ごすと、子どもの心は安定します。別に精神的、心理的な問題は起きなかったと言います。
 当時は(今でも)戦争状態でしたから、両親をなくした子どもが沢山いて、その子どもたちには、「この子はあなたが育ての親だ」ということで、育ての親を作ります。実際には夕食から寝るまでの間しか一緒にいないのですが、それでも親代わりの人を作ると子どもの心は安定します。そういう現実がありました。

 また、昔社会主義の時代だった中国で一週間保育という制度があって、月曜日の朝連れて行って、土曜日のお昼に連れて帰ります。親と一緒にいるのは、土曜日のお昼から月曜日の朝まで。だけど親がいて、その時間一緒にいれば子どもの心は安定します。特に問題は起きません。つまり子どもというのは、そういうものです。
 日本の厚生労働省の人達は、小さい子は親元で育てなければいけない、親が常時いなければならないと言っていますが、そんなことはない。子どもの心というのは、親がいるということだけで、安心します。
私が国立病院に勤めていた時、入院している子どもたちで親が付き添っていない子どもたちは、面会時間になるとみんな病棟の入り口まで行って親が来るのを待っていて、お母さんが来ると一緒にくっついて病室まで行くけれども、5分ぐらいしたらもう離れちゃって、ほかの子と遊んでいます。いると思うと、安心してノビノビ自分の好きなことをしています。そして、帰る時間になると、またやってきて、母親にピッタリくっついてしまい、帰る時には泣いたりします。でもお母さんが見えなくなると、けろっとしてまたほかの子と遊ぶようになります。つまり親がいるということ、そしてちゃんと会いに来てくれるということで、子どもの心は安定します。そして問題は起きません。
だが今は、子どもは親の物などという風潮があります。その点欧米では随分社会化されています。例えば、アメリカでは子どもの物をとったということで子どもが親を訴えると親は処罰されます。日本は処罰されません。そういう法律がないから。子どもの物をとってはいけないというのは、アメリカでは当たり前。もちろんアメリカの税制も全部個人が単位です。
 一人一人の人権を尊重して、北欧諸国からフランスあたりまでの国では、子どもの虐待に対して厳しくて、誰かが虐待をしているのを見て通報すれば、親が処罰されますし、強制的に子どもを離されます。親が必死で子どもを取り戻すためには、法律上では裁判で争わないと、取り戻せません。子どもの虐待を防ぐということが隨分進んでいます。
 しかしまだ日本では、子どもが虐待されているのを見過ごしていて、98年の統計では15人以上虐待で死んでいると新聞に出ていました。まだ福祉事務所や、警察がなかなか介入できません。それは、法的な整備がされてないから、し難いということと、子どもは親の物というのが社会的に一般的に思われているからです。その二つの問題点があります。
 やはり子どもを育てるのは社会で、みんなで子どもを育てていくという感覚がないとなかなか難しい。確実に少子化が進んでいますが、「子どもを産むのは自分たち夫婦二人で、特に女性の方にかかってしまうから大変だから、子どもは一人でいいや。もう2人3人と、育てるのは大変。」という思いにつながってしまうとだんだん産まなくなってしまう。それが少子化につながっています。もっと社会的に保育所とか子育ての仕組みをもう少し社会的に充実させていかないと、少子化の進行は防げない。「子どもは社会で育てる」ということがまだ日本では遅れていますし、行政や官僚の中ではそういう感覚は育っていない。
(この文章を書いてから20年経ちましたが、相変わらず日本の首相も官僚も与党議員も変わっていません。)
 近年、父親も子育てしようというコマーシャルを厚生労働省が流していましたが、父親が子育てできるような環境がなければ難しい。例えば、スウェーデンでは育児休業を父親もとることができる。子どもの介護のための休業が法律的に保障されていまして、病気の看護、病気になると父親か母親がどちらか片方が勤めを休んで看護することができるのです。それが法的に保障されている。そうすれば父親の育児参加というのは非常に楽です。簡単にできる。それから、父親の産休もある程度日数が限られますが、保障されています。子どもが産まれるときに、父親が休むという、休めるという、そういう条件なしに父親に育児に参加しろと言ったってなかなか難しい。ですからそのことをやっぱり社会的に作り上げていかないと、あのコマーシャルは抽象的なスローガンで終わってしまいます。
(父親の育児休暇はやっととることができる法律が整備されましたが、取得率は低いようです。)

2 生まれたら一人前。子どもの個人の権利と義務。 
子どもは生まれたら一人前、子どもの権利は子どもが生まれた時からあるというのが私の立場です。国際的には子どもの権利法案というのはできていますが、日本はまだ正式には批准していません。それは、批准するための環境整備が非常に遅れているからです。日本は先進国に仲間入りしたはずなのに、先進国に比べて子どもの権利というのは、はるかに遅れています。だから批准するためにはいろいろなことを整備しなければならない。だからすぐにとは政府は批准できない。
 日本に来て学生の制服を見て、囚人服じゃないかといったアメリカ人がいましたが、制服を強制するということも、もう時代遅れです。(私の子どもたちは、制服を強制する学校ではありませんでしたが。)
 給食もそうです。給食を食べなければいけないと強制すること自体がおかしいです。
食べなくたっていいのです。だけど日本では一部はそこまで行っている所も出てきていますが、まだまだ一部です。服装、頭髪、装飾品など、何でも決められたとおりにやらなければいけないと決まっています。それで日本でトラブルになっています。海外から来た子どもがピアスをしている。すると学校で禁止しているから、「だめです。とらなきゃ。」と取ることを強制する。その子は小さいときからしているから、それに対して反感を持つ。海外では自由な所が多いから。
 よく「服装の乱れは、いや、生活の乱れは非行につながる」と言う人達がいます。でもそれは思い違いです。なぜ思い違いかと言うと、そういう証明がありません。その人たちの思い込みに過ぎません。服装が乱れている人は、みんな非行に走るかといったら、そんなことはありません。逆に言うと、規則で縛るから反発してそういう服装をしたがります。管理教育からはずれて、言うことを聞かないのだとの意志表示でわざとそういう事をしたりするのです。
 今の中学は、朝練から夕方の練習まで一日中部活で縛って何もできないようにしています。「そうすると非行に走らない」という感覚でいる先生方が未だに多いようです。行動を規制すれば、非行に走らないというのは思い違いです。
法律を作って規制すれば、法律をかいくぐっていろいろ悪いことをする人が必ず出て来ます。いくら法規制をしても、非行に走る子は走ってしまう。それよりも子どもたちに生きる目標を与えることです。何かしたいこと、やりたいことをやらせる。そして目標をもって本気になったら、その子たちは非行に走らないのです。
少なくない有名人が、中学や高校時代に警察に手を焼かせたりしています。でもその人たちは、それぞれその人の人生を変えてくれた人が居て、良い人生をたどることができたのです。
 だから、今でも暴走族(最近は別の名前で呼ばれているようです)がいて、車を乗り回しているのですが、暴走族が一番少なかった時期はいつかというと、私が大学を卒業してちょうど全共闘運動が華やかになって、高校生も高共闘なんていって、学生運動に入ってきた時期が一番暴走族が少なかった。要するに自分の学校に対する不満がある子たちはみんなそっちに吸収されてしまった。暴走族に行かなかったのです。だから今は、そういう運動が何もないから、暴走族になって反抗しているだけです。
 だから、子どもたちの権利を認めて、自主性を認めて、自分たちでやらせるということ。それは何歳からかというと、私は生まれた時からと思っています。子どもにいつから人権があるかというのは日本では問題になっていませんが、世界的には問題になっています。
 子どもが人権を持つのは、精子と卵子が一緒になって受精した時か、それとも妊娠中絶がいけないという時期、(22週までは中絶できるが、23週になるともうできない。)つまり23週以後か、おぎゃーと生まれた時なのか、いろいろと各国で議論があります。
日本ではまだ議論されていないし、子どもの人権とか権利そのものが、議論されていない時代です。だから子どもの権利が認められていないから、子どもの自由も認められていません。
 子どもはちゃんと意識していますから、ちゃんと教えて行けば、いろいろ成長して行きます。赤ちゃんの時だって、教え方があります。
昔、猿に連れ去られて猿に育てられたという東映の大部屋俳優、名前は忘れましたが、その人が書いた文が少年雑誌に載っていて、それを少年時代に読んだときに、非常に印象深くていつまでも覚えています。その話では、年に一回夏に山に戻るのです。何も持たないで行く。つまり猿と同じように何も道具を使わないで山の中に生えているものや、生きている物を食べて生活をします。猿と同じように火を使わない生活ができるのです。普通の人が聞いたら、びっくりします。その人が都会で仕事をしているときに、時々ホ-ムシックになると動物園に行くそうです。動物園で動物たちと会話をしたと言います。どうやって会話をするかというと、しぐさだと言います。しぐさや声の出し方で会話をするのです。動物たちは、猿は猿同士しか会話をしていないかというとそうではなく、いろいろな動物同士でしぐさで会話しているのです。ところがだんだん人間生活が長くなると、そのしぐさが低下してしまって、通じなくなってしまったと言っていました。

 その話を覚えていて、ああそうかと赤ちゃんと会話をしようと思いました。赤ちゃんとどうやって会話するかと言ったら、しぐさと目つきです。しぐさや目つきでうまく表現すると赤ちゃんは笑ったりして反応してくれます。内藤寿七郎先生がどんな赤ちゃんでも笑わせられることを真似しようと思い、思いついたことです。
 それで今は、赤ちゃんや子どもたちと、しぐさや顔付きや目で会話するようにしています。それで赤ちゃんたちが笑ったりします。親は不思議そうな顔をすることが多いのですが、おもちゃを使ったりもしますが、泣きわめいていた子どもがちゃんと私の言うことを聞いてくれるようになるのを見て驚かれます。

 だけど人間はなかなかしぐさをできません。言葉を使わないとできません。だから言葉をかけてあげます。言葉をかけると自然にそのしぐさをとります。だから言葉をかけていろいろしてあげましょう。通じているのは言葉ではなくてしぐさだと思います。だから言葉を出さなくても、しぐさですぐばれてしまう。こっそり薬を混ぜようとしても、そのしぐさでばれてしまう。隠れて何かしようとしてもばれてしまう。表情や雰囲気に表れてしまうのです。
 それで動物たちはしぐさで会話をしていたし、赤ちゃんたちはそれを読み取ります。しぐさを読み取る能力が言葉のコミュニケーションがないほど高いです。言葉で会話をするようになると、だんだんその能力が落ちていってしまいます。言葉に頼ってしまいます。  
だから赤ちゃんたちとは、私はしぐさでコミュニケーションをとります。だから小さい赤ちゃんほど、私はいろんなしぐさをしています。見ていて頂ければわかります。大きい子になると、言葉だけになります。子どもは会話を通していろいろ学んでいきます。大きくなっていくと、保育所とか幼稚園に行きます。
 子どもで一番問題なのは、「朝、ちゃんと食事を食べないといけない」とか、「毎日ウンチをしなさい」とかいう親や先生がいます。「給食は全部食べなくちゃいけない」、「牛乳は飲まなくちゃいけない」と強制をします。学校だって毎日行かなければいけない。そういうことは強制する必要はありません。なぜかというと、全く根拠を持たない思い違いです。どこにそれを証明するデータや事実があるのでしょうか。たった一例などはあるでしょうが、学会で発表できるものを私は知りません。
 「学校は楽しくなくて当たり前だ」と書いていた人がありましたが、楽しくなかったら、学校へ行かなくなります。保育所でも幼稚園でも楽しいことがあるから行くのです。楽しくすることが、ポイントです。
 飽食の時代に食を強制することはおかしいと思います。(だから私は「食育」という言葉は好きではありません。食べ物アレルギーは、親による食の強制にあると思っています。実例もあります。だから治すことができます。)

 例えば小さい子どもの脳性麻痺のリハビリがあります。現在大人になっている脳性麻痺の人達は口をきくのも、身体を動かすのも非常に不便です。ところが小さい時にトレ-ニングをすると、ずっと改善します。そのトレ-ニング法が二つあります。
 一つは決まり切ったやり方で、このトレ-ニングをしたら、次のトレ-ニングをしてと決めたとおりに子どもたちにやらせる方法です。子どもたちというより赤ちゃんたちです。数カ月間続けます。ところが赤ちゃんたちはそれにのってくれないで、いやがります。
 それに対してもうーつのやり方は、その時その時に赤ちゃんの好んだやり方で次々とトレーニングを変えて行って、終わった時には一通り全部やっているという方法です。これは非常にテクニックが必要です。誰でもできることではありません。でもそのやり方だと子どもは喜んでやります。その二通りがあります。手はかかるけれども、子どもの気持ちを尊重してやるリハビリというのは、子どもたちも喜びますし、それで発達します。
決まった手順でやっていくやり方は、子どもが嫌うのでなかなか発達しません。嫌がってやらなくなってしまいます。
つまりこれは一つの例ですが、どんなことでも子どもを上手に扱えば、うまく子どもの気持ちを嫌がらないようにしていろんな訓練ができるのです。

 昔ドイツにボリスベッカーと言うテニスのコーチがいて、男性と女性の二人の選手を世界一にしたのです。子ども時代から指導したのですが、その方法は子どもたちにテニスをやらせる時、ボールを打つ練習をさせます。するとボールが飛んで行ってしまいます。そこでボールを拾いにいく必要がありますが、子どもは嫌がります。それを一個一個のボールにひもをつけて、ボールを取るときはひもを引っぱれば集まるようにしました。とにかくあれが嫌、これが嫌というと、そのたびその度に嫌なことをなくすようにしたのです。
 それでテニスの練習をさせたら一生懸命練習をするようになり、グラフなどの有名な世界一のプレーヤーが二人育ったのです。嫌なことをなくして練習させるのがこのコーチのやり方でした。だから喜んで一生懸命練習をして世界一になりました。嫌なのが当たり前だなんて言って、子どもたちに押し付けたら、だんだん練習しなくなってしまいます。だからどうやってやりたくなるように仕向けるか。そこがポイントです。

 アメリカのケネディ家とか、ロックフェラー家とか開拓時代からの大家族というのは、決して強制しないのです。子どもに後を継ぐことや、仕事を強制しない。ところが上手に、一家でやるというよりは、その家族集団の一族でやっていて、その中でいろんな道に入っていく人達がいるけれども、必ず上手に誰かが後を継いでいくように、仕向けていくのです。自然に誰かが継いでそれを守っていきます。長く続いている家というのは、そういう仕組みがうまくできているのです。またそれだけ一族で結集しています。
だけど、新興のいわゆる成り金といわれるような一代で一族を築き上げた人というのは大概うまくいかないのです。自分の子どもに後を継ぐことを強制します。するとなかなかうまくいかないのです。江戸時代でも、「売り家と唐様で書く3代目」なんていう川柳がありますが、3代目になると、一族は潰れてしまう。大体そういうのが普通です。強制して子どもたちに継がせようとするとうまくいかないのです。大体反発して辞めたりしてしまいます。上手にまわりから持っていくのがこつです。長く代々続いている家というのは、そのやり方が自然に伝わっているのです。だから自然に親は子どもにそういうふうに教える。すると自然にその子は親の後を継ぐようになってしまうのです。

 昔、お嬢様ブームといって、お嬢様という呼び方が流行った時期があります。お嬢様というのは、自分が受けた教育を一番良い教育だと思って自分の娘に教育します。そして育てられた娘というのが、お嬢様なのです。ということはある程度、家庭が裕福でなければできません。でないと、子ども時代自分は惨めだったから子どもにはそんな思いはさせたくないと思ってしまうと、子どもは別な道を進んでしまいます。それが現実です。自分と同じことをさせないと自分と同じように育ちません。裕福な家庭でないとそれはできません。そうして育てられたのがお嬢様なのです。
でも現実に、自分と同じくさせたいと思うとなかなかうまくいきません。ではどうしたらいいか。子どもは子どもの人生を歩んでもらうしかありません。それは自分の人生を見せて、よければ選んでもらうし、別の道がよければ別の道を選んでもらう方法しかありません。子どもに強制することはできません。一人一人の意志、一人一人の個性を見つけてあげて、育てて下さい。でも別々の道を歩んで行きます。同じように育ててもみんな違います。沢山の子どもを育てれば判りますが、一人や二人では判りません。
 だからのびのび育てて下さい。あなたにはあなたの人生があり、子どもには子どもの人生がありますから。

3 自然にのびのび育てよう。よく遊べ、よく学べ。
 明治時代は「良く遊べ、良く学べ」というのがスローガンだったそうです。学校では「学校でよく勉強しなさい。家に帰ったら、家の手伝いをしたり、よく遊びなさい。」と教えていた時代です。その時代にいろんな大企業の創立者たちが育っていますが、今、アメリカではそういう時代だそうです。家に教科書を持って帰ってはいけない。つまり、学校で教えることは知的な教育ですけど、家で教えることは勉強ではなく社会的な勉強や人間関係、そういうことを教えて行くのです。
 遊びの中で、そういうものを学んでいきます。子どもたちの遊びというのは、非常に大切なことなのです。だけど今それが無視されていて、子どもたちが仲間と遊ばなくなりましたし、遊びも違ってきました。
そうすると人間関係が作れない子どもたちが大人になって、今非常に苦労している人たちがいます。人間関係がうまく築けず、人前に出ると喋れないとか、ものが言えなくなるとか、いろんな大人の人たちが出てきた。それは子ども時代にそういうことをしていないからです。
 だから幼稚園、保育所、学校というのは、楽しいところでなければならないのに、楽しくなくて行くから、不登校とか、幼稚園いくのが嫌だとかいうことになってしまう。だから本当に上手な幼稚園や保育所の先生たちは、子どもに強制をしません。私の知っているある幼稚園では、費用は高いのですが、やりたければいつまででも運動場で遊んでいていいのです。他の子は部屋に入って、ピアノで歌を歌ったり、絵を描いたりしているのに、遊びたい子は外で遊んでいていいのです。保父(今は男性保育士と言います)さんも二人いました。女の子でサッカーがやりたければやらしてくれる。そういう身体を動かすことを外でもやれるし、部屋で絵を描いたりしていたければそれでもいいのです。運動会の参加も自由です。オペレッタを子どもたちにやらせるのですが、そうすると、劇というのは主役が一人いて、あといろんな役があるでしょう。ところがやりたい人はみんなその役になれるのです。海賊船の船長さんが3人出てきて同じ歌を歌ったり、お姫様が4人いたりするのです。やりたくなければ出なくてもいい。だからやりたいものをやりたいようにさせてあげる。子どもたちは喜んでやります。
 また子どもたちにはこうしたらいい、ああしたらいいという提案をさせます。そうするとそれを受け入れて一緒に考えてオペレッタを作っていく仕組みができてきます。非常に面白い所で、楽しくてみんな行くわけです。嫌がる子はあまりいない。行かなきゃ行かないでいいのですから。だけど大概ほかの子が誘うのです。運動会に出ない子、走らない子がいるけれども、ほかの子が一緒に行こうよとか、みんなで誘う。そうするとそのうちにだんだんやるようになります。そうして仲良くなってみんな一緒にやるから、最後は出ない子はいなくなるのです。自由にさせています。そうしていると子どもたちはのびのび育っていきます。園長先生たちは、じっとそれを見ているだけで、主役は子どもたちです。
 学校も本来そうあるべきだと思います。ただ学校の場合はもう少し規則があっても良いかもしれないけど、今はあり過ぎです。子どもの自由な想像力を奪っています。

4 「闇教育」―― 子どもに間違ったことを教え、子どもに服従と従順を教え込むという教育原理(「楽園を追われた子どもたち」より)
 19世紀の終わりから20世紀の初頭に子どもたちを親に従属させた、特にフランスを中心に行われた教育です。親や大人のいうとおりにさせる教育です。それを現代の研究者たちは「闇教育」と呼んでいます。つまり、「親のいうことは必ず聞く。親はいつも正しい。親は尊敬されなければならない。親は子どもの要求に屈する必要はない。子どもは尊敬に値しない。子どもの価値を評価してはいけない。子どもにやさしくするのは有害である。服従する人は強くなる。外見の方が心より重要である。見せかけの謝意の方が感謝の気持ちが欠けているよりましである。激しい感情の動きは有害である。肉体は不潔で嫌らしいものである。」というようなことを、まだまだいろいろありますが、子どもに小さい時から教え込むのです。そういうことによって、子どもに従順と服従を教える。そして親の言うなりにさせる教育です。
 「スパルタ教育」というのは、フランスの乳幼児精神分析医が書いているのですが、「今では経済社会が生んだ精神病のーつとされ、同時に両親や教育者のサディズム的欲望の結果であると見なされています。」(前出書より)。フランスや北欧諸国では、スパルタ教育はおかしいとされてきました。だけど日本ではまだスパルタ教育は教育法として通用しています。スパルタ教育が教育法ではないとされるのはあと30年や50年はかかるかもしれません。
 ですから、体罰は教育としての有効性を持たないのですが、まだ日本では教育に多少の体罰は必要であるという考えがなくなりません。子どもに体罰をして、良いということは一つもありません。ただ隠れてやるだけになります。中学、高校になってから体罰をされると必ず仕返しを考える生徒が出てきます。だから学校が荒れるのです。子どもを教師の言うなりにさせようとするから、問題が起きるのです。(この文を最初に書いてから30年たちましたが、まだ体罰を反省しない教育界です。体罰しても、体罰自体を批判せず、やりすぎだとしか言いません。教師によるいじめや体罰が容認されている社会です。でも首相の都合の悪いことを言う人を逃げたりしないのに、何百日も拘置し、面会も自由にさせない社会ですから、それを直すことは難しいかもしれません。)

5 子どもに期待をかけないで。 
 子どもに期待をかけないでください。子どもの数が少ないと、どうしても子どもに期待をかけてしまいます。しかし、お父さんとお母さんが作った子どもですから、両親より飛び抜けて優れた人ができる訳ではありません。自分と同じになればいいと思って下さい。身長も、成績も、性格も、病気もそうです。みんな受け継いでいます。
よく小さい子への早期教育というのがありますが、「才能が伸びる」というのは思い違いです。というのは世界的に、早期教育についていろいろなことがわかってきています。            
 早期教育については、日本は遅れています。それについては、元ソニーの井深大(いぶかまさる)さんが書いていますが、早期教育した時に、早くそこまで到達できますが、そこから先伸びるわけではないというのが正しいのです。だから大人のレベルに早く到達するかもしれません。だけどそこから伸びるわけではありません。
 よく言われることですが、小さい時は神童で、小学校では天才で、中学では秀才で、大人になったらただの人というふうになってしまうのです。早く到達できるのですが、そこから伸びることはないのです。
ある人に言わせると、天才というのは、2,000人に1人の確率でいると言います。だけど天才というのは、1%の才能と99%の努力で達成されます。だから多くの人は努力しないから天才は滅多に現れません。努力は本人の強い意志とそれを支える環境です。自分の意志がない限りそこまでいきません。
 あるお相撲さんの話ですが、高校で日本のアマチュア横綱をとって、将来横綱を期待されて相撲界に入りました。高校、大学時代に取ったタイトルは20幾つにもかかわらず、小結にもなれないで引退しました。当然横綱になる素質があった筈なのになれなかったのです。その原因は、稽古が嫌いで努力をしません。幕内力士は1千万以上の年収は保障されますから、楽に生活できます。私よりも収入は多いです。そうすると努力しないでこの位でいいやと思っていて努力をしません。折角の能力があってもそれで終わる人もいるのです。

6 子どもの食欲を奪わないで。 
 子どもの食欲を奪わないで下さい。食事は楽しく食べるものです。お腹がすいたその空腹感を満たす、楽しいことですが、食べなさいというと、食べなくなります。私の小さいころは食べなさいなんて言われる前から、食べちゃいました。なぜかというと食べ物がなくて、いつも飢えていましたから。しかし今の子は、いつでも食べたい物は食べられる時代です。要するに、贅沢さえしなければ、食事はちゃんと食べられる時代です。今は、飢えで死ぬということは、滅多にありません。(これもこの30年で大きく変わり、子ども食堂が全国に作られる時代になりました。残念です。)
 また沢山食べれば大きくなるというのは、これは思い違いです。
 昔はそうだったのです。大きくなる素質がある子が、食糧難のために食べられなくて大きくなれなかったのです。その子が、成長が止まる前のある時期、沢山食べられるようになるとどんどん成長します。ところが今は食糧事情が豊かですから、欲しいだけ食べられる時代です。そうすると大きくなる子は沢山食べます。つまり身体がどんどん大きくなるから、お腹がすいてしょうがないから、沢山食べます。ところがもともと小さい子は、お腹がすかない。体が必要としないから。だから少ししか食べない。少ししか食べないから大きくなれないのではありません。
 大きくなる素質がないから、少ししか食べないので、これは生まれつきです。それを無理に食べさせようとするから、ますます食べなくなります。しかし、それでも子どもはどんなに少食でも必要最小限の物は必ず食べます。そして少食の子はカロリーが少ないから動かない。動くとカロリーを消費するからお腹がすくから。それから、あんまり考えない。脳を回転させることもカロリーを使う。だから少食になるとそうなります。
少食にならないようにするためには、お腹がすいた時に、お腹一杯食べる習慣をつけましょう。食事を強制しないことです。お腹一杯になったらおしまい。お腹がすかなかったら食べなくていい。お腹すいたときにお腹一杯食べる。これを小さいうちからやっていると良いのです。日本では思い違いの栄養学が氾鑑しています。でもそういうやり方ではうまくいかないのです。

 自然界の動物たちは栄養学を知らなくても餌さえ豊富にあれば肥満にも栄養失調にもなりません。つまり動物たちも人間の身体も、自分の身体が必要とするものをおいしく感じるようになっています。ちょうどよくなると、満腹するようになります。だから自然界には太り過ぎのライオンもキリンやしま馬はいません。ところが人聞に飼われると食欲が狂ってきて、太り過ぎや痩せ過ぎがでてきます。拒食症のコアラや肥満の猫などがそれです。
せっかく食糧があってもストレスで食欲がおかしくなってきます。強制されたり、制限されたりすることがいけません。相撲の関取の世界は、食べることが仕事の世界ですが、どうしても食べられない関取もいます。無理に食べさせると吐いてしまいます。
 自然界のようにのびのびとしていればいいのです。そうすると太り過ぎにも痩せ過ぎにもならず、少食も偏食もおきません。

7 三つ子の魂、百まで。 
 三つ子の魂百までというけれど、三歳までに良い習慣をつけさせましょう。実は大人もそうです。お腹がすいた時にお腹一杯食べて、すかない時には食べないという習慣をしていると本来ストレスさえなければ、自然に良い体型を保って栄養失調や栄養が偏ることもありません。でもどうしてもいろんなことに惑わされたり、ストレスで食欲がなくなったり、逆にストレス解消で食べてしまったり、楽しいことがなく食べることにしか楽しみがないと太ってしまいます。
 大体3歳から6歳くらいまでに子どもの性格の半分が決まります。だからそこまでにできるだけのびのびと育ててあげましょう。
私も昔は間違った考え方をもっていました。子どもに我慢を教えなければいけないと思っていたのです。これは思い違いでした。我慢をさせると、子どもは大人になって我慢をしなくなります。つまり嫌だなと思うと、自分が主人公になれる大人になったら、ああいうことはすまいと思ってしまいます。あなたにそういうことはありませんか。誰でも何かしらあるのではないかと思います。嫌な思いをすると大人になってしなくなります。だから我慢をさせてはいけないのです。
 
 例えば盲導犬の訓練の話ですが、盲導犬は、生まれた時にすぐ親から離して犬好きの家庭でのびのびと育てます。決して「お手」なんて教えてはいけません。何も教えません。ただひたすら可愛がります。そして1年くらいの時期が来たら、育ての親から離して、人間の教官と犬の教官がぴったりくっついて、2匹と1人で行動します。猛烈な訓練ですから、それに耐えるためには、何にも教えてはいけません。それまでに犬が嫌だなと感じたことがあると、途中で訓練を拒否したり、訓練に抵抗したりします。それを避けるためには、それまでのびのびさせて育てます。そうすると頑張って盲導犬になっていくのです。人間もそうなのです。
 のびのび育てられた人は、大人になって頑張ったり我慢したりできるようになります。子ども時代に嫌な思いをすると、大人になって我慢をしなくなります。
 また小さい時に怖がらせてはいけません。子どもは、小学校の低学年までは空想と現実の境目がありません。だから怖がらせるとそれが現実と思い込んでしまいます。小さいうちはできるだけ怖がらせない。怖い思いをさせない。怖い思いをさせると怖がりになります。
よく臆病な子がいますが、「母親が妊娠後期から乳児期の間にパニックになると子どもは臆病になる」と言います。そういう経験があると、その時期に育った子どもは臆病になります。ですから、できるだけ妊娠している時は、母親も楽しい妊娠生活を送ることが大切です。そのために妊娠中に胎教などをするのですが、楽しくなれば何でもよいのです。そして生まれて来る子に不安をもってはいけません。
 これは確定していませんが、生まれつきの異常をもっている子というのは、お母さんが妊娠中に何か精神的な問題があったのではないかと疑われています。だからのびのび育てて良い結婚生活を送っているお母さんの子どもはそういうことはありません。
昔、私が未熟児網膜症の訴訟を支援していたときに、ある網膜症の親の一人が、私と一緒に活動していた産婦人科の医師の所に来て「お医者さんは何か隠しているでしょう。未熟児網膜症に効く良いお薬があるのではないですか。隠さないで教えて下さい。」といってきた。「医者の子どもには未熟児網膜症がいない。だから何か薬があるのだろう。」と考え、「だけど、貴重なものだから、一般には出さないのだ。」と思ったようです。
しかし、そうではなく、医者と結婚すると経済的に豊かになるから、未熟児を産む確率が減ります。特に極小未熟児と言われている未熟児を産む確率が低く、未熟児網膜症になる確率も非常に低いのです。その上、未熟児として生まれたら良い未熟児医療施設に入院させます。そこでは、未熟児網膜症になりません。そういう理由だったのです。
 関連して言いますが、ガンには何とかというお茶が効くとか、最近の研究結果でわかったなどと宣伝されているものについては気をつけなければいけない。これは科学史の中では有名な落とし穴(ピットフォール)です。いかにも相関関係があるように見えて全く無関係。ほかの要素が入ってくるため間違った相関関係です。
 
 科学史では、イギリスで有名な話があります。「美人に生まれるとその女性の産む子には体重の大きな子が産まれる」という相関関係を出した研究者がいます。これは思い違いでした。美人に生まれると、イギリスでは階級制度が未だに残っていて、1ランク、2ランク上の階級の男性と結婚できて経済的に豊かになり、豊かになると当然生まれる子も大きくなるというだけの話でした。そういう、偽の相関関係というのがいくらでもありますから、新聞やテレビ、本や最近はネットに出ていもすぐ飛びつかない方がいいです。大抵は何年か経つと消えてしまいます。それは偽の相関関係だからです。歴史的に見ると科学上の落とし穴に落ちたことになります。

 マナーを教えるというのは幼稚園に入る4歳頃が適当と、アメリカ小児科学会は言っています。マナーの意味が小さい子どもたちには理解できません。今の若いお母さんたちに小さい子にマナーを教えようとすることが流行っているのですが、1~2歳の子には無理です。例えば物を借りる時、「貸してくださいと言いなさい」と教えます。2歳ぐらいの子に言っても意味がわからないから、見ていますとその子は、相手の子に「貸してください」と言うと借りられるものだと思っていて、相手が嫌だと言っても「貸してください」と言ってとってしまう。そういうことがあります。それは「貸してください」ということにはならない、つまりマナーがわからないのです。

8 子どもは親(特に母親)をうつす鏡。
 「子どもの振り見て我が振り治せ」。子どもは親の真似をして育つ。
だから子どもにさせたければ、お母さんがやって見せることです。3歳ぐらいの女の子で、お母さんが「お邪魔しました」というと、一緒になって「お邪魔しました」と言う子がいますが、親の真似をして覚えていく。親が「これ貸してちょうだいね。〇〇ちゃん」と言うと相手がうんという。そこで「じゃお借りしますね。」ってこういうふうに言って借りて見せます。「いや」と言ったら「それではまた後でね」という。そうするとそれを子どもは見ていて覚えていくのです。

9 北風ではなく太陽になろう。
無理にやらせるのではなくやりたくなるように仕向けます。太陽のようにポカポカ照らして、上着を脱ぎたくなるようにさせましょう。北風のようにマントを引きはがそうとすると、子どもはしっかりマントにしがみつきます。
したくなるようにさせます。そのためにはどうしたらいいか。楽しそうにやってみせます。一番真似をしたがるのは、少し年上の子どもがやっているのを見せることです。楽しそうにやっているのを見せるとやりたくなります。毎日毎日見せてあげます。そうするとやりたくなります。
 やりたがった時に正しいやり方を教えることが幼児教育のコツです。これは幼児教育だけではなく、何でも新しく始めるときは正しい教育を受けましょう。どんなスポーツでも自己流にしないこと。正しいやり方を教わる方が速く上達します。楽しければいいやというのならそれでもいいですが、速く上達したかったら、正しいやり方を身につけましょう。
 私は医学部学生時代にアイスホッケーをやっていましたが、カナダからアイスホッケーのコーチが来て大学のマネージャーを集めて講演しました。「日本人は小さいから不利だと言うけれどそんなことはない。小回りして速く動けばいい。」と言うのです。成程と思いました。その時に教えてくれたのが、「初心者に正しいやり方をきちんと教えなさい。へんな癖がつくと、一生治りません。ただ上手にそのくせを隠すだけです。」と言いました。実際そうです。私にも癖がありまして、治らないです。ただ上手に隠すけれども、ふっとしたはずみにまた出てしまいます。

 幼児教育もそうです。最初から正しいやり方を教えます。お箸の持ち方。鉛筆の持ち方。何でもそうです。正しいやり方をやりたがった時に教える。それが嫌ならやらなくていいのです。お箸で変な持ち方をして、それをなおすといやがって箸を放り投げたりします。そしたら持たなくていい。持ちたくなったら正しい持ち方を教えます。そうしていると、だいたい3歳で小豆の豆がつまめます。
 はさみやナイフもそうです。小さいから危ないなんて言わないこと。幼稚園で料理している番組を見ましたが、4歳の子に包丁を使わせています。また別の保育所では、2歳の子にはさみを上手に使わせています。側についていて、こういうふうに使うものだと教えて、やりたかった時に上手に持たせてやらせます。教えるとそういう持ち方以外はしません。特に一年上の子に教えさせると、すぐ言うことを聞きます。はさみはこういうふうに持つものだとその子が教えると、それ以外の持ち方をしません。だから3歳になってナイフを教えたり、4歳になって包丁を教えたりしたってちっとも危険ではありません。正しい持ち方をきちんと教えることがコツなのです。教えないで、自分で勝手に使おうとすると危険です。

 子どもは親を映す鏡。お母さんは子どもを見て、自分を直して下さい。小さい子は必ず親の真似をします。特に母親の真似をします。お父さんも子育てに参加している方は、お父さんの真似もします。だから、こどもにどこか問題があったら、お父さんとお母さんが相談して、まず自分たちを治すようにしましょう。でないと子どもは治らない。子どもを治したかったら、自分を治すことです。
 一般的に言って、人を変えるのは難しいです。でも相手を変えたければ、まず自分が変わることです。そうすると、相手も変わってきます。人間関係は相対的な関係ですから、あなたが変われば、相手も変わります。夫を変えたかったら、自分が変わることです。つまり、夫との関係も、子どもとの関係も、貴方との相対的な関係です。常に、お互いに影響しあって生きています。それが家族であり社会です。だから自分が変わらなければ相手も変わってくれません。相手だけ変えようと思ったら無理です。
 お母さんが変わったら、まず子どもが変わります。そしてできるだけ、ほめて育てましょう。ほめ上手になりましょう。これはなかなか大変で難しいことです。なぜかというと、お母さん自身がほめて育てられた経験がないからです。だから尚更子どもをほめて育てましょう。それがあなた自身を変えることになります。幸いなことに私はあまり叱られたこともほめられたことも無く、放任されたような形でしたが、それでも自分の子どもが悪いことをすると、若い時は子どもを叱ってしまいました。
 
 だから全く叱ってはいけないというのは無理ですから、叱るのは3回に1回ぐらいにして、残りの2回はできるだけほめて育てましょう。絶対叱ってはいけないと言うと、今度はお母さんたちのストレスになりますから、時には叱ってもいいが、回数は減らしましょう。親だって人間ですから、子どもにもそう思ってもらうしかないのです。叱らず、ほめて、おだてて、育てましょう。動物の調教は、3割は餌で7割はほめること。鞭を使うと、すきあれば襲ってきます。

10 あなたも子どもだった頃を、思い出して下さい。
 子どもの立場、目線に立って下さい。子どもを信じて疑わないで、嘘(うそ)はつかないで下さい。子どもだってそれなりに判るのです。よく話を聞いてあげて、必ず説明して、話をして下さい。子どもを疑うと、嘘をつくようになります。嘘をついていても、信じた振りをして下さい。嘘を信じられると、子どもは嘘をつき続けられずに、あとで必ず「あれは嘘だった」と打ち明けます。それを嘘でしょとか、嘘つきねというと、今度は繰り返し嘘をつくようになります。なぜなら嘘つきだから、嘘をついていいのです。

11 悪い子にせず、良い子にしよう。 
 子どもを叱る時に、子どもを全部否定するような叱り方はやめましょう。例えば「あなたは悪い子ね。あなたはぐずね。ばかね。のろまね。どじね。馬鹿ね。駄目な子ね。」など。こういう言葉はできるだけ子どもに使ってはいけません。
子どもの論理からいうと、悪い子は悪い事をしていいのです、悪い子ですから。良い子は、悪いことをしてはいけないのです。良い子ですから、良いことしかしてはいけないのです。ドジだねというと、ドジをしていい。なぜならドジな子だから。だからそういう言葉を使ったり、そういう言い方をしてはいけないのです。
 「あなたは良い子だから、こういう悪いことをしてはいけませんよ。」と言う。「あなたは良い子でしょ。それはいけないことでしょ。」と言う様にして良い子にします。そして言う通りにしたら、すかさず「あなたはいい子ね」と一言、言ってあげてください。そうするのは当たり前だと思っても、言ってください。そうすると子どもは、またしてくれます。何故なら、どんな子どもでもいい子になりたいのです。だから私の外来に来た子を、どこか必ずほめます。ほめる事によって子どもは気持ちが良いから、また来てくれるし、私の言うことを聞いてくれます。
私の診療所(吹上診療所)に代診できている東大小児科の先生たちにはいろんな先生方がいますが、握手をしたり、どこか着ているものなどをほめたり、みんなそれぞれ医者によってやり方が違いますが、上手な医者は子どもをほめます。それで仲良くなり、うまく診療できます。だからお母さんたちも上手に子どもを操縦したかったら、「ほめ上手」になりましょう。そうするとお母さんの手の上で子どもは踊ってくれます。ただし、小学校を卒業するくらいまでが限度です。女の子はもう少し早く見抜いて親の思い通りにならなくなります。

12 幼児教育は、やりたがった時に正しいやり方を教えるのが基本。 
これから、いろんな習い事を教えることになります。習い事を教える時のコツがあります。決して強制しないこと。やめたかったらいつでもやめさせましょう。そうするとまたやりたくなり、やりたくなったら、また復活します。
ところが「やりだしたからには最後までやりなさい。」と強制する人が多いです。これは特に、お父さんたちに多い。そうするとますます嫌になってしまう。嫌になると二度としなくなります。だからやりたくなかったら、いつでもやめてよい。そうすると、時間がたつとまたやりたい気持ちが出て来て、またやりだすことがあります。だからやめたかったら、いつでもやめさせましょう。それから、「ピアノ練習した?」「ピアノ練習した?」これを毎日言うとしなくなります。習い事は楽しいからやります。スポーツもそうで楽しいからやります。楽しくなければスポーツではありません。強制訓練です。
 以前、毎日新聞に載っていましたが、欧米ではスポ一ツは楽しいからやります。日本では楽しいからやるのではなく、身体を鍛えるためや健康のためにやるようです。
 しかし、身体を鍛える必要はありません。日本でもスポーツ医学を専門にやっている整形外科医などの医師たちに聞けば、「人間は何も身体を鍛える必要はないです。日常生活をきちんと送っていければいいのです。」と言います。運動やスポーツは楽しいからするのであって、楽しくなければする必要はありません。運動しないと身体が衰えてしまうという人がいますが、それは専門家に言わせれば思い違いです。日常生活をきちんと送っていければいいです。高齢になって動かなくなると、体の動きを維持するために体操や歩くことが必要になりますが、決してノルマにしないで下さい。
山田真という小児科医が本に書いていますが、「体育というのはなぜ始まったか。小学校で体育をして整列させていっちにいっちにと並ばして歩かせていく。いろんな体操をする。何のためにするかというと、西南の役の後から始まりました。政府軍はお百姓さんが中心の軍隊だった。そうすると、進軍の時に前進できない。普段、種蒔きや稲刈り、田植えなどみんな横へ横へと進んでやっているため、並んで前進できかったのです。武士は前に進めます。それで、そこから体育を始めました。」と言う。だから軍隊生活や、集団生活をするうえでは体育は必要ですが、人間が生きていく上では必要がありません。日常生活を普通に送っていければいいです。

 できるだけ子どもの立場に立って下さい。自分が子どもの時にはどうだったろうか。いつも自分が子どもの時のことを思い出して、子どもに接してあげて下さい。子どものしつけのポイントは叱らないこと。危険なことをした時には、叱らなければいけないと私も若い時は思っていました。でもそうではなかったのです。
 アメリカの小児科学教科書に書いてありますが、危険なことをしてほしくなかったら、子どもの目を見て何十回でも「これは危ないからしないでちょうだい。」と言う。3、4歳を過ぎたら、判ってくれます。これで言うことを聞いてくれたら、一人でいても決してしません。叱られていうことを聞くのであったら、叱られないところでこっそりやります。そうすると事故につながります。
危険なことは親がやっているところを見られてはいけません。子どもは必ず真似をする。子どもだからやってはいけないが、大人だからやっていいというのは子どもには通用しない。子どもはみんな大人と同じだと思っていますから、同じことをやる。

13 着せすぎにしないように。
着せ過ぎにしないようにしよう。昔は、「子どもは風の子」といって、みんな薄着だったのだが、最近は「かぜをひくといけない」と言って、一生懸命着せようとします。「寒いから着ていきなさい」というと、子どもが病気に対して関心が強くなり過ぎてしまいます。病気に神経質にならないで育てましょう。
 それに寒いから風をひくのでもありません。寒いからかぜをひくのではなく、冬乾燥するとウイルスが繁殖しやすいからです。南極の観測隊では、しばらくかぜをひく人がいませんでした。極地ではウイルスは生存できません。所が誰か隊員の一人が風邪のウイルスを南極の観測基地内に持ち込み、それからかぜを引く人が出るようになりました。基地内は暖かいからです。

 「そんなことしたら病気になるよ」と言って子どもがしていることをやめさせようとするのはやめましょう。逆にしてほし言ってことを言いましょう。「こういうふうにしましょう」とか、「こういうふうにしたらいいよ。」と言いましょう。決して命令してはいけないし、子どもを脅かして言うことを聞かせようとすることもやめましょう。命令すると子どもは反発します。選択肢のーつとしてこういうこともあるということを教えましょう。その中のどれかを選択させるようにします。
子どもには、薄着を嫌う子と、薄着をしたがる子とがいます。これは強制できません。
 最近は厚着にする方が多い。それは赤ちゃんの時から親が厚着にさせるからですが、いくら厚着にしても嫌がる子と、親の言うなりになる子といます。しかし子どもに厚着をさせない方がいいです。子どもは一般に体温が高めですから寒さに強いのです。だから、親より一枚薄着にさせるのが標準です。でも子どもが寒くて着たがったら着せて下さい。暑がったら脱がして、できるだけ薄着にさせて下さい。薄着保育をやっている保育所もありますが、嫌がるのを無理に強制するのもお勧めしません。薄着が嫌な子は着せなさい。薄着の方がいい子は薄着でいいです。最近減っているのですが、一時男の子に毛糸のパンツをはかせるお母さんが多いでした。毛糸のパンツを、男の子にはかせるのはやめましょう。
よく女性は「お尻が冷える」と言いますが、男はそんなことを言いません。男の子のオチンチンがなぜ外に出ているかというと、睾丸の温度を低くするためです。睾丸というのは、温度がある程度低くないと働きません。その為あまり暖めない方がいいので、生まれる直前にお腹の中から外に出てきます。だから毛糸のパンツはだめなのです。
 小さい時から厚着にしていると、大人になっても厚着の習慣になってしまいます。だからできるだけ薄着にした方がいいのですが、嫌がるのを無理にはしないで下さい。

 朝の食事を食べなくてはいけないと言う人がいますが、これも思い違いですからする必要はありません。食べたくなければ食べなくていいです。というのは1日2食だって構わないのです。鎌倉時代頃までは朝と夜の1日2食が普通でした。それから現在でも相撲取りは1日2食だし、1日2食健康法を推進している民間のグループもあります。その人たちは2食しか食べませんがそれで健康です。
もう一つ、昔新聞やテレビにも出ましたが、ブックスダイエット法を提唱している九州大学の藤野名誉教授は、一日一回しっかり食べてあとは適当にするというダイエット法を提唱しています。朝はできるだけ水分だけの食事で、昼は軽く食べ、夕食をしっかり食べます。そうする方がうまく痩せられます。いずれにしろ、朝食を食べることにこだわらないのです。子どもは朝お腹が空かなかったら、食べる必要がありません。お昼にお腹が空いたらいっぱい食べます。それで構わないです。
 朝しっかり食べさせたかったら、早起きをさせて運動させます。運動して時間がたつとお腹がすきます。食べないと動けないというのは思い違いです。お相撲さんは、朝食べずに稽古をしてから食事をします。昔私は高校時代に陸上ホッケー部に入っていましたが、夏の合宿では「朝マラ」と言って朝食前にマラソンをしました。と言っても距離は短かったですが。食べないと動けないというのは思い違いです。
またお父さんやお母さんが早起きをしないと子どもは早起きをしません。子どもだけ早起きさせるのは無理です。子どもに早寝早起きをさせなさいと言うけれど、親が遅寝遅起きだったらそれは難しいです。子どもは親の真似をして生活しています。
また親が遅く寝て早く起きる生活をしても、それは子どもにはまねをできません。子どもは体力を回復するためには、一定時間寝る必要があるからです。遅く寝たら早く起きられません。
 最近の子はなかなか早寝をしないというのは、大人の生活がそうだからです。また小さいうちは、くたくたになるまで昼間遊ばせれば、早く眠くなります。しかしそういう体を動かして遊ぶ場所が少ないのです。走り回らせたり、外で遊ばせたりしないと、家の中で遊んだぐらいではくたくたに疲れません。屋外で身体を動かす遊びをすれば、くたくたになるけれど、そうはならないのが現状です。前にいた吹上診療所は、待合室を広くとって椅子席の周りをゆったりとさせたら、子どもたちが走り回り困りました。それだけ走り回る場所が少ないからです。

    
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子ども医療講座第一回

2018-06-23 18:32:05 | 子ども医療講座シリーズ
 これから約9回にわたり、子ども医療講座を掲載します。これは、私の前にいた職場の、吹上共立診療所の時に開いた講習会の内容ですが、時代にあわなくなった所もあり、()で補正しています。基本的には、医療は変わっていませんから。また、前著の「ココが間違い小児医療」の元にもなっています。

 私の医療の基本的なことが書かれていますし、これに基づいてする医療により、子どもたちがあまり病気をしなくなり、隣の市にある熊谷小児病院が、小児科をやめてしまったと聞きます。
 
 まず嘘だと思っても、試す価値はありますから、試みて下さい。



  第1回「 健 康 は 自 分 で 守 る も の。」
1)医療は病気をなおす技術であり、医者は医療の専門技術者である。
 ➀医師は多くは、細分化された分野の専門家である。
 医者は、素人から見れば医学医療全般の専門家に見えるが、内科、外科、小児科などの多くの科に分かれており、その上小児科を始めすべての科が、皆それぞれ更に細分化した専門分野に分かれている。
 小児科は、普通は小児内科を指し、新生児・未熟児科、循環器科(心臓)、呼吸器科、血液・悪性腫瘍科、感染症科、アレルギー科、内分泌科、神経科、腎臓科、肝臓または消化器科などに分かれている。外科系も、小児外科、小児整形外科、小児眼科、小児耳鼻科、小児皮膚科、小児泌尿器科、小児婦人科、心臓外科先天性部門、小児形成外科、更に小児精神科、小児放射線科、小児歯科があり、さらに矯正歯科、脳外科、麻酔科、移植外科なども子どもの医療にかかわっている。
 専門医としては、日本ではまだ麻酔科だけが信頼されている制度になっている。認定医とか専門医という制度は他の科でも実施されているが、博士号と同じで、信頼度が低い。現在は、専門に勉強し、専門に患者の診療にあたることで、専門医になることが多く、試験はあるが、専門医の資格をとったからといって、標準化された医療をしている保証はない。日本の医療が標準化されていないことにも問題があるし、専門医を養成する制度ができていないことにも問題がある。すべて個人の努力に負っていては、標準化されない。
 (私は、総合小児科医であり、子どもの病気を浅く広く知っていて、小児の耳、鼻、目、口の中、泌尿器などの簡単な病気を治療します。アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息などのアレルギーの病気の治療をします。大人を専門とする耳鼻科、眼科、皮膚科より、子どもの病気に関しては上手に治します。)
 だから専門医の中でも腕の上手下手はあるし、よく説明してくれるか否か、優しいか否かなどの違いもある。しかし小児の専門医で腕の良い医者は、何科にかかわらず子どもを扱うのが上手で優しい。病気がよくならない時や、専門的な治療を要する時は、子ども専門の医者にかかることをお薦めする。良い専門医を知っていることが、医者の腕でもある。あくまで選ぶのは医師個人であり、病院ではない。
 知識というものは、誰を知っているかが、何を知っているかである。自分では知らなくても、知っている医者を紹介するか、電話などで相談することができれば、知っているうちに入る。良い医者は良い医者を紹介してくれる。しかし、必ずしも近い所に居るとは限らないのが難点である。
 (よく白衣を着ないという医師もいるが、私は原則として着ている。白衣は服を汚さない為で、子どもは白衣を見て泣くと言うが、しっかり私の顔を見て、私が何も自分に危害を加えないことが判ると、泣かなくなるし、別に白衣を見ている訳ではない。しっかり私の顔を見ています。)

➁当たりはずれのある医療
 一般に医者は、専門医として教育され、大病院に勤務するので、自分の専門分野以外については詳しくは知らないことが多い。そういう専門医が、開業したり、一般病院に勤めたりする。そこで同じ科を標榜していても当たりはずれがある。これは日本の医師の卒業後の教育制度の欠陥からくる問題でもあるし、日本の医療が標準化されていないことにもよっていて、当たりはずれのある医療を生んでいる。アメリカでは、1970年代に医療の標準化が進み、一般的な日常の医療に関してはどこでもいつでも最高の水準の医療が受けられるようになっている。
 日本は当たりはずれがあり、開業医でも良い医者にあたれば、良い医療を受けられる利点もあるし、大学病院、小児医療センターや大病院に行っても良い医者に当たるとは限らず、はずれの医者もいる。結局は、どこにかかるかではなく、医者個人の腕に左右される。 どの医者が本当によく知っていて、腕が良いか、優しいかは、会っただけでは医者でも判らない。一緒に診療をしたり、患者さんを紹介して初めて判ることもあるし、上手な医師や上手な診療を知って、判ることもある。
 元日本医師会長だった故村瀬敏郎先生は、出身は外科医だったが、開業してから内科を加え、さらに小児科も始めた。私のアイスホッケー部の先輩で、部のOB会長だったので、小児科を始めた時に部のOBの小児科医たちが、いろいろ質問したがすべてに正しく答えたので、その後は誰も何も言わなくなった。先生はその後育児書を書き、医師会に予防接種センターを作り、日本小児科学会の予防接種専門委員会の委員にまでなった。後に日本医師会長になったが、医師会長としての評価は知らないが、医者としてはよく勉強していた。
 私自身は、大学における医局講座制度(医師の卒後教育と関連病院の人事管理を左右している、教授を頂点とする制度)を批判し、小児科の中の細分化された専門家にならず、小児医療全般に浅く広く知識を持つ総合小児科医(または小児科総合科医師)を目指してきたので、小児医療(小児内科でなく、子どもの医療全般)を浅く広く知っているが、細かい専門的なことはその分野の専門医に依頼している。
(だから専門医でもないし、博士号も持たない。私の腕が勝負である。
 予約制で混雑している小児科があるが、私の診療所は予約制ではない。予約しないと診てもらえないのはおかしいし、私の外来はそれほど混雑しない。なぜなら何度も来なくて治るからです。
 例えば、アトピー性皮膚炎や喘息様気管支炎の乳児なら2~3回、かぜなら1回、気管支喘息なら年数回、大抵の病気は1回で済みます。あとは、薬だけでなく、予防や食事療法など教えます。
 だからそれ程混雑しません。ネットで予約を取るなどは驚きです。この原稿の元を書いた時にいた吹上共立診療所時代もそうでした。治ってしまうし、予防を教えますから、患者さんがどんどん減ってしまい、経営的には苦労しました。今でもそうです。)

 知識というものは、知っているか知らないかであって、知っていれば100%、知らなければ0%である。知らない医者にいくら聞いても、答えないか、またはいい加減なことを言うだけである。専門家やプロの人たちは、素人にやさしく判りやすく説明してくれるものである。よく知っているからそうできるのであって、生半可な知識では上手に説明できない。だから医者に、よく質問することである。答えてくれない医者は敬遠しよう。(「医者は嘘をつく」という医者の書いた本も出ています。医者は聞かれると、何か答えないといけないと思い、知ったかぶりをします。)
 医者の言うなりになってはいけない。言うなりではなく、納得することが大切である。医師の言うことに納得したら、医師の言う通りにしてよい。

➂人はなぜ病気にかかるのか
 私は、「人はなぜ病気にかかるのか」について、病原環境説をとる。この説はアメリカのロックフェラー大学環境医学の故デュボス教授等が支持していた説で、欧米でも日本でも、基礎医学や精神科医に支持者が多く、内科、外科、小児科などの臨床医にはほとんど支持者がいない。私も開業後、デュボスの本を読んで、病原環境説の方が病気をうまく説明できるし、病気の治療に応用するとうまく行くので考え方が変わった。
 だが、現代の医者の多くは、「人はなぜ病気にかかるのか」、「なぜ病気が治るのか」という問題に対し、私の昔の考えと同じで、医療技術だけで病気に対応し、病人を見ず、病気を見ている。
 
➃自分自身でしよう。
 自分で自分の健康を守ろう。病気を治すよりも、病気を予防する方がやさしい。
 病気にかかった時には、医療技術は医者に学ぶが、実際に治すのは自分であるから、自分で病気を治すようにしよう。薬をもらっても、きちんと薬を飲み続けるのも、食事療法をするのも、リハビリをするのも自分の意志である。北野武に学ぼう。彼は医者にとっては不可能と思われた顔面の麻痺を、信じられない程の努力で治してしまった。北野武=ビート・たけしは、外傷による顔面神経麻痺を、努力して自分で治した。普通は回復は困難と思われる程の症状で、毎日毎日自分の努力で、動かない顔の筋肉を動かし、ついにほとんど判らないくらいに治してしまった。始めは顔の一部がピクピクしていたが、それも今はほとんど見られない。私は、その努力をしたというだけで敬意を表する。
 医者は、人が豊かな人生を送るためのお手伝いや援助をするだけで、自分の健康を守り、病気を治すのは自分自身である。
 その為のノウハウを教えましょう。但し自己過信はけがのもと。一度は腕の良い医者に診てもらい、治療法を教えてもらうこと。

2)病気は人間の生物学的過程だけで起きる訳ではない。
 ①病気は、人間と環境(自然環境と社会環境)の相互作用の中で発生する。(病原環境論) 人間は、他の動物や植物と違って、地球のどの場所でも適応して生きていける力がある。そして人間は、地球の自然環境を変えてきたが、地球が変わると人間も変わっていく。
 (人は南極も北極も、熱帯も、3000メートルを超える高山地帯にも住んでいますが、それができる生き物は犬くらいでしょうか?)
 人が環境にうまく適応できない時に、病気になる。自然環境に適応できない時も、社会環境に適応できない時にも、病気になる。
 ウィルスや細菌に違いがないのに、軽く済んだり重症化したりする違いがあるのは、人間の側に違いがあると考えた。そこから、環境によって人間が変化し、その変化が病気を生ずる原因となるという。

 ②人は身体とこころを持つ社会的存在である。
 人間には身体面と精神面とがあり、社会的に左右される存在である。社会の最小単位は家庭である。さらに社会は地域、職場、学校、民族、国、世界と拡大される。
 こころは社会的に左右される。特に子ども時代のこころの成長が、人間のこころを左右する。そして人間の社会的な生活がこころを左右し、それが病気を左右する。
 心身共に充実している時には、風邪をひきにくい。身体がいくら充実していても、精神面に問題があると病気になる。
(子どもを上手に育てると、病気をしなくなります。毛利子来さんや山田眞さんは、「病気をするたびに免疫ができて強くなる」と言いますが、私は「人間は自然に免疫システムを完備し、それを上手に働かせれば病気をしないし、かかっても軽く済む」と考えて実践しています。本当に病気をしなくなります。)
 WHO(世界保健機構)の健康の定義では、「健康とは」「病気でないだけでなく、身体的にも精神的にも、さらに社会的にも調和のとれて完全に良好な状態をいう」

 ③精神神経免疫内分泌学
 こころと免疫の働きが連動することが、近年証明された。ホルモンの働きもこころと連動することも判ってきた。この20年位のアメリカの精神科を中心とした動きで、ストレスによって免疫の働きが低下することも、動物実験で証明された。
 そのために、ストレスがあると抵抗力が落ち、その時に病気になりやすくなる。よく幼稚園や学校の行事があると、その前後に子どもが病気になるのもその例である。インフルエンザにかかるのは、通常50%(今は10~25%という)と言われ、受験などのストレス状態にある子どもがかかりやすい。こころと体の健康を維持していれば、かかることはない。
 また病気を怖がったり、不安があると病気が悪くなり、重症化しやすい。

◇マウスの実験では、過密の状態で飼うと、妊娠し難く、まばらにするとすぐ妊娠するという。不妊症もストレスが関与しているのである。
 不妊症と言われたら、生活を変えましょう。あなたの生活の中に妊娠を妨げている何かがあるのです。それを無くせばよいのです。それが何かは、私にはわかりませんが。
◇犬の実験では、ストレス状態におくと病気になりやすいことも判った。

◇重症の火傷を負った時に、病気と闘うように催眠をかけると回復が早いことも判っている。

 ④人間には、病気を治す力がある。それが妨げられた時が病気である。
 ここの所は、まだ証明されてはいない。しかし、昆虫の研究では、蠅の一種は体内で抗細菌、抗真菌の蛋白質を作り、抗ウィルス性や抗がん性の蛋白質も作っていると見られることが判ってきた。進化の過程で自分に有利な機能を落とすことはないから、人間はそれに替わるもっと進んだ生体防御機構を持っていると考えられる。そこから「人間には元々病気を治す力(自然治癒力)が備わっていて、その力が妨げられ、発揮されない時に病気になる。」と考える方がうまく説明できる。この考えだと、宗教によって病気が治ったり、癌の自然治癒なども説明がつく。
 (その後の免疫学と遺伝子学の進歩で、それが解明されつつあります。)

3)文明は人間の病気を発生させた一つの要因である。
 人間が自然の中で暮らしている方が病気が少なかった。文明が社会を変え、社会が変わることによって、病気が増えてきた。交通機関が発達するに連れて、地方の土着病が世界的な病気になり、また薬害、公害などが登場してきて、ますます増加している。
 社会が進むに連れて新しい病気が増える。放射線や発癌物質の増加により癌が増え、人間社会の入り組んだ関係からストレスが増え、精神病、心身症、アレルギー性疾患が増加している。その為先進国の方が病気が多く、医療費が増えて国の財政を圧迫している。
 文明は健康を増進させてもくれたが、その武器の一つが医学であるが、武器は医学だけではない。社会が変化したことによって病気に打ち勝ったものもある。
 天然痘が撲滅されたことや、伝染病が減少したのは、医学の力と共に、検疫や隔離など社会的施策によることも大きい。結核やライ病の減少は、主に社会的対策による所が大きい。

4)長寿日本一は・・・。日本一の長寿県は長野県か、それとも日本一の医療過疎県、沖縄県か。
 平成十三年の平均寿命は、女性84.93歳、男性78.07歳ですが、都道府県別では、女性は沖縄県が1位、続いて熊本県、島根県、長野県。男性は長野県が1位、続いて福井県、熊本県、沖縄県。しかし、65歳の平均余命は男女共に沖縄県が1位。(ここは現代の数字に直していかないといけませんが、この当時の話です。)
 自然環境や質素な食事が寿命を延ばすのか。
 人間の寿命に医療はほんの僅かしか寄与していない。寿命が大きく延びたのは、赤ちゃんや子どもや青少年。江戸時代には五歳までに25%以上が死んでいた。これは現代では難民キャンプの乳幼児死亡率に匹敵する。新生児や乳児の死亡や青少年の死亡が少なくなった分を中心に平均寿命が延びていた。日本の乳児死亡は世界一少ないから、平均寿命も世界一のはず。ひと昔前まで、男の子の死亡率が高く、生まれた時には男が多く、20歳では女の方が多くなっていたが、今は20歳でも男が多い。  老人の寿命も延びている。老人は環境の変化に弱く、暑さ寒さの気候の変化や、土地や家が変わったりすると変化について行けないが、冷暖房の普及や住居の改善、また食料の充足や老人の趣味なども広がり、寿命が延びている。しかし、中年の男性を中心とする癌、心筋梗塞、脳梗塞などの成人病による死亡が増加し、平均寿命の延びを鈍らせている。
 (世界的な傾向で、昔イリイッチというアメリカの牧師で、異端の行動をしてアメリカを追われたが、国連大学の講師になり、一時日本にも来たことがある人で、「病院化社会」を書いています。その中に、病気をなくそうと健診を勧め、それを集めて政府は個人の健康情報をつかみ、統制しようとしているが、それは無駄な努力だと言っています。嫌煙法も同じです。これで肺がんを減らすと言いますが、喫煙者が減っているのに、肺がんが増えているという矛盾はどう考えますか。禁煙より、まだ原発事故の緊急事態を解除せず、被爆地の被ばく限度を20ミリシーベルトにしています。これを解除して、1ミリシーベルトに減らすべきだと思います。でもそうすると、福島へ帰らせなくなるし、さらに、現状では福島市や郡山市に住んではいけなくなりますから、福島県は崩壊します。今「週刊金曜日」の報道では、福島県のがんが多発しています。私への内部告発では、大人の血液疾患(多分白血病と悪性リンパ腫)が増えて、福島県立医大の血液内科は混雑し、待たされることが多いと言います)

5)健康を守る方法について。
 健康を守るには、第一に暮らしやすい社会にすること。それには自分の住んでいる地域から変えていくこと。暮らしやすく、住みやすい町にする。世界の町を見て、住みやすい町にしていこう。なぜなら自分のこころが落ち着くからである。人間は一人だけでは生きていけず、社会があって初めて人間として生きていける。
 人間は生まれながらにして、人間ではない。人間に育てられて初めて人間になる。狼に育てられれば狼に、犬に育てられれば犬になってしまう。1990年11月、南アフリカで2年余にわたり犬に育てられていた2歳半の男の子が見つかったが、行動は犬であった。 子どもはまず家庭と言う社会で育てられる。そして保育所や幼稚園、地域社会へ出て行き、育っていく。うまくその環境に適応していれれば、病気をしないで育つが、適応できないと病気になる。だから、集団生活に入るとしばらく病気を繰り返すが、慣れて来ると病気をしなくなる。くよくよしないタイプの子どもは病気をしない。
 健康を守る第二は、くよくよしないことである。不安があれば、不安を無くすか、不安を忘れること。これがなかなか難しい。いつも楽しいことを考え、嫌なことは棚上げすること。
 第三は、健康に良いと言われることを実践してみること。禁煙、節酒、体重のコントロール、運動など。
 (でも健康に悪いことでも、あなたがやめられないことは無理に止めないことが良いし、健康に良いことでもできないことは、当面することはありません。それがかえってストレスになることを避けるためです。)

 第四は、生きがいをもつか、生活の中での楽しみをもつこと。(これが最大のポイントです。) 

6)以上に関連したいろいろな感想
◇新生児・未熟児科の医師は、普段は未熟児や新生児を診療していて、500グラムの未熟児でも救命したりするし、750グラムの未熟児ならそんなに難しくないというのだが、小学生以上になると体も大きいし、薬の量も多いので、診療するのが不安になるという。500グラムの未熟児は大人の手のひらに乗ってしまう大きさである。
 ところがその医師が、退院後の指導が上手でない。入院中の医療はアメリカにも負けない最先端を行っているのに、退院後の外来での診療は大きく先進国に遅れているのである。それは、離乳食の指導にある。日本の離乳食は先進国では一番遅い。そのため、食事が原因でのいろいろな病気が絶えない。指しゃぶり、物をすぐ口に入れる、少食、偏食、過食、甘い物好き、子どもの肥満など食事関連の病気が少なくなく、その多くは適切な離乳食指導で予防できるのではないかと思うが、実際にやっている所はない。

◇ある子どもが、転んで前歯が折れてしまった。近くの歯科(一般歯科)に行ったら、取るしかないと言われたという。母親はちゅうちょしていたが、たまたま風邪で私の所へ来たので、私のつたない知識で、歯が折れて取れてしまっても、すぐつければつくはずだから、折れ曲がっているがまだついたままなので、これならつくはずだと思い、近くには知っている小児歯科がなく、遠くの矯正歯科医を紹介した。その結果、その子の前歯はうまくついて元どおりになり、取らずに済んだ。

◇麻酔科が未熟児の呼吸管理をしていることが、余り知られていない。麻酔科は、現代では呼吸と循環の管理が専門であり、痛みをとることもしている科と考えた方がよい。
 子どもの麻酔は、どんな麻酔でも全身麻酔がよく、麻酔科専門医に任せた方がよい。
 麻酔に大きい小さいはない。心臓の手術でも、扁桃摘出の手術でもすべて同じ麻酔である。

◇麻酔科の専門医制度が信頼されているのは、きちんとした教育のシステムと専門医試験の公正さにある。元々麻酔科は、アメリカでの教育を受けてアメリカの専門医の資格を取った医師が日本へ戻り、各大学の麻酔科教授になって、日本の麻酔科を作った歴史がある。それで、アメリカの教育システムを導入し、専門医試験も私的感情を入れずに判定する仕組みが作られて維持されている。それで信頼されている。
 日本の他の学会の専門医や認定医は、博士号と同じで、適当に作られ、資格を持っているから本当に信頼できるかというと怪しいのが実情である。なぜなら、まず教育のシステムができていないことと、もう一つはペーパー試験を通ればよく、実地試験がないし、口頭試問はむしろ点数を与える仕組みになりかねない。口頭試問で落とせば、落とされた受験者の大学の教授が、試験委員の教授の大学の受験生を報復的に落としかねないからである。現在は実際に行われたという話はないが、昔は表には出ないが実際にあり、そのため試験官になると、よほどのことがない限り及第点を与えてしまうことになるのである。
 (麻酔科でも上手か下手かがあります。初代国立小児病院麻酔科医長の三川先生は、信頼に値する麻酔科医で、多くの麻酔科医が研修を受けています。今、その伝統が国立成育医療センターの麻酔科に続いているかどうかは知りません。一時は、都立清瀬小児病院の麻酔科の鈴木先生に受け継がれていました。三川先生はその後杏林大の麻酔科教授になられて、定年退職されました。最近の麻酔科医師による、子どもの死亡事件の話を聞くと、現代では麻酔科医師も信用できなくなったと愕然としています。私の若い時と時代が変わりました。)

◇小児外科医は、離乳食をも知っているのが普通である。小児外科医が一番子どもへの注射がうまい。それは新生児外科が多いし、入院する子どもの全員に注射点滴をするから、注射点滴が上手になるのである。大人と違って子ども特に乳幼児、さらに新生児未熟児の注射点滴は至難で看護婦にはできない。未熟児科の医師は500グラムの未熟児にも注射点滴をするのである。大人用よりも極めて細いと言っても、未熟児の血管の太さより太い注射針を血管に入れるのであるからすごい。若い時にしかできない技術である。

◇私は、今までの実績から、国立成育医療研究センター(旧国立小児病院)、都立小児医療センター(旧都立清瀬小児病院)、埼玉県立小児医療センターなどに紹介している。しかし、遠いので、近くの開業の医師を紹介することもある。しかし、紹介するのはすべて医師個人が対象であるべきだが、最近はなかなかうまく見つからず、入院ベッドが無い時や時間外には近くの次善の病院へ紹介せざるを得ない時もある。

◇私の後輩に、優れた内科医がいて、自分よりも先輩を追い越して内科講師になり、40代で某大学の教授になったのに、突然辞めて開業してしまった。内科はどこの大学でも、各学年のトップクラスがいく科であり、そこで多くの先輩を飛び越して講師になることが大変なことであった。(私の同級生でも、定年まで慶応病院で内科助手のままの人がいたが。)まじめな男で、術作を弄して出世を図る男でもなく、優れていたから抜擢されたのだと思う。しかし、何があったのか、教授を辞めて開業してしまった。彼が開業した土地の人は、期せずして優秀な内科医に診てもらうことになったのである。一般には、教授が開業しても良い医者とは限らないが、彼は開業医の息子であったから、開業しても上手にしていると思う。周りの住民は幸運である。

◇私の、小児科の先輩で、慶応の講師から愛知県の私立大学の教授になった人がいた。しかし、赴任すると当初の約束と違って、研究設備はほとんど揃っていないし、外来を毎日させられるし、一番怒ったのは連れて来た自分の弟子の研究ができないことであった。しかし、それでも我慢していたが、丁度その時に名古屋大学の教授が退職するので、後任の教授選が始まった。たまたま名古屋で開業していた慶応の先輩が、兄弟(兄か弟か忘れたが)が名古屋大学の小児科を出ていたので、実績や人柄から名古屋大学小児科の教授に兄弟で推薦し、名古屋大学も受け入れて最終選考にあたって母校の推薦状が必要になった。ところがなぜか慶応小児科が推薦状を出さなかったので、最終選考からはずれてしまった。 彼は激怒して、勤めていた大学教授の職を辞めて、開業してしまった。その後、誘われて某私立医大の客員教授になった。
 ところが、その反響はどうかというと、善し悪しは半々であった。何故なら、小児科の教授を定年退職した後の就職先がないことが多く、現役時代はよくても、退職後は惨めになることが多いからで、開業だったら年に関係なく、自分の働けるまでできるから、その方が良いのではないかいう声が、教授クラスに少なくなかったという。

◇一般に医師は、診断や治療が難しい病気はよく勉強するが、日常にありふれた病気や自然に治ることの多い病気は、軽視して勉強しないことが少なくない。だから難病や癌は日本やアメリカの専門書を読んだりするが、風邪やインフルエンザ、胃腸炎などの診断や治療がおろそかになっていることが多い。診断や治療が適切で無くても、患者の方が自然に治ってしまうから、医者に反省させることがないからである。
 これはどの科でも同じである。小児科以外の科は、主に大人が対象のため、子どもの扱いも、子どもの病気の治療も上手で無いことが多い。どうしても大人の治りにくい病気の治療が主で、子どもの病気が軽視される。
 例えば、蓄膿症(副鼻腔炎)、滲出性中耳炎、斜視、弱視、包茎、亀頭包皮炎、とびひ、水いぼ、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎など。
 耳鼻科では、耳鼻科医と小児科医向けに、小児耳鼻科の本が出ているくらいである。
 内科医に子どもがかかった時の問題点は、すぐ解熱剤やステロイドの内服を使う医師が多いこと。子どもの病気を充分には知らないから、説明が不十分だし、診断も当てになら無いことが少なくない。特に突発性発疹、風疹、おたふく風の診断があてにならない。
 小児科医でも、一般に嘔吐下痢症の治療が下手である。これは私がまだ若い頃、大宮の中村先生に言われたことで、その時私は自分のことを言われたと思って一生懸命勉強したので、幸いにも上手になったのだと思う。私の知人の小児科医の中には、診察室の隣に点滴部屋というのを作って、6ベッドも置き、多いとそこが満員になるくらい点滴をしているという。私の診療所で大人も含めて最大で同時に点滴をしたのは二人で、子どもの点滴は滅多にありません。他の医者は嘔吐の初期治療が下手なので、脱水にしてしまうのだと思う。それを私はマッチ・ポンプだと思っている。

◇知識というものは、丸い球の様なもので、知識が少ない時は、球は小さくその表面積は少なく、知らないことも少なく、知識が増えると、球が大きくなると表面積も広がって、知らないことも広がる。知識が少ないと、何でも知っている気持ちになり、知識が増えるとほんの僅かしか知らないという気持ちになり、謙虚になる。

◇ウィルスが咽頭の粘膜についても、そこで感染が防御されれば、液性抗体は産生されないし、感染も成立しない。真に健康とは、このような状態を言う。その為には、身体的にも、精神的にも、社会的にも健康であることが必要である。

◇こころと身体はメタルの裏表である。こころが動けば、体も動揺する。体の具合が悪ければ、こころも健康ではなくなる。

◇ある膀胱炎の女性が、6回も繰り返していると言われ、ストレスと病気の話をした所、「そう言えば、膀胱炎になるのは、いつも身内が病気か、亡くなった時です。」と言っていた。

◇アメリカの医療の標準化とは、例えば時差が3時間ある東海岸から西海岸へ移っても、同じ治療をするから、看護婦は就職してもすぐ翌日から、何年も前から働いていたかのように、仕事ができる。アメリカは看護婦も専門化し、自分の専門の科に勤務することが普通である。だから手術室の看護婦は手術室に勤務する。しかし、地域や病院や医師が替わっても、手術の方式も、注射や投薬の仕方も、伝票の形式も同じになっている。病院ごとの違いや、医師が変わると方法が変わるというような日本とは全く違う。だから就職の翌日から、他の同僚と同じように仕事ができる。
 その背景には、専門医制度の確立と医療保険制度の違い、それに消費者運動の要求と盛り上がりがある。専門医制度は、一般に4年くらいだが、日本の十年に相当するくらい密度の濃い勉強と経験を積むことができるシステムになっている。
 医療保険も任意加入制が中心で、手術もいろいろな病気の治療も、病気ごとにこのレベル以上の医師というような条件があり、ほとんどの手術は専門医でないとできないし、その方法も決められていることが多い。その条件を満たさないと、保険金の支払いが得られないので、みなそれに従うことになる。
 消費者運動もラルフ・ネーダーを中心に活発で、議会対策も行われ、医療費が高いことからも、医師に対する要求が強いと思われる。
 (昔、ケネディが暗殺された時に、アメリカを知る医師たちの間では、保険マフィアに殺されたとささやかれていました。ケネディは日本と似たような国民皆保険制度を作ろうとしたためです。オバマは殺されたくないから、アメリカ医療保険業界と妥協した保険制度を作ったのです。その為、アメリカ医療は医療保険業界と製薬業界に取り込まれました。その為、医師の自殺も増えています。もうアメリカ医療は信頼できません。詳しくは、堤美佳の本に書かれています。)

◇腕の良し悪しは、かかって見なければ判らないのが、日本の現実である。アメリカでは金を出しさえすれば良い医療が受けられるが、日本では金を出しても最高の医療が受けられる保証はない。大学教授であっても、良い医師とは限らないのが日本の現状である。私の同級生もかなりいろいろの大学の教授になってはいるが、私がかかりたいと思う人はわずかであり、だから紹介しない。私が出身は慶応でも、慶応に紹介しないのは信頼できる医師が少ないことと、いても遠いことである。

◇しかし慶応小児科の元教授の松尾先生は信頼できる人で、若い時から優秀でひらめきがあり、私の小児科医になりたての頃にいろいろ教わり、私の医療技術と医療理念の形成を大きく左右した人で、私が慶応小児科から干されていた時にも分け隔てなく応援してくれた人です。
 私が、子どもが病気になった時に、安静も栄養も保温も必要ないと言っているのは、実は松尾前教授が卒業後四年目頃に言っていたことで、私はその時小児科1年目で、それに感心してその後ずっとそれでやって来たが、本当にその方がうまくいくので続けている。
 当時松尾先生は、小児科の看護婦の病棟主任が小児看護の本を書いていた時にその医学面のチェックを頼まれて、その文の中の「安静、栄養、保温」という言葉を全部削除していた。その時それがアメリカの文献に裏打ちされていることを知ったのである。

◇札幌の麻布脳外科病院の話がNHKテレビで2度放送されたが、ほとんど全身麻痺で植物状態と思われる患者さんを受け入れて、ほんの僅かに残されている機能、例えば目を動かすことや口を開けることなどを使って、話しかけたり、紙に書いた字を見せたりした、それに対する返事をイエス・ノーで答えさせ、意思の疎通をはかって、リハビリをさせ、努力して体を動かすようにさせ、半年1年かかって車椅子で生活できるようにさせ、驚異的な回復をさせる。この時の病棟婦長はその後筑波大学教授になったと思う。それを指導した院長を始め脳外科の医師たちもたいしたものである。

◇だから私は、脳死をもって人の死とすることに異論がある。生きる意思があるから生きているのではないのか。それが外から判らないだけではないのか。
 と言うのは、私の経験では、意識がなくなると急速に抵抗力が落ちて、外からの細菌やウィルスに対する感染を起こしやすくなり、死に到ることが多い。
 またいろいろな事故や遭難事件での生存者に共通することは、生きることに対する執念であった。こんなことでは死ねないという一念が生還に繋がるのだと思う。「もうだめだ死んでしまう」と思う人は、すぐに死んでしまいやすい。

◇気管支喘息で突然死があるが、ある心療内科の医師の話では、パニックになるからだという。パニックになって、「呼吸が苦しい、呼吸が止まってしまう、もう死んでしまう。ああもうだめだ。」とどんどん悪化し、呼吸が止まってしまうのだという。確かに乳児は別にして、幼児の突然死は少なく、年齢が高くなるに従って突然死が増え、成人になってピークになる。子どものパニックは、親特に母親がパニックになるとなるようで、母親が冷静になって子どもを励まし、必要なら救急病院へ連れて行くようにすると突然死にはならない。

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母乳育児の良い点とその限界

2018-04-29 16:00:04 | 母乳育児
 最近、母乳育児が推進されていることはうれしいことですが、残念なことに母乳が万能だとの思い違いが、母乳推進派の医師や助産師、保健婦にいるようで、その人たちを信じていて、子どもが虐待ではないかと思う程に食事を与えられていないことが出てきました。
 まだ少数ですが、広がらないように、警鐘を鳴らします。もちろん、私は母乳を勧めます。しかし、三、四か月までで充分です。

 以下の論文をお読み下さい。できれば、内藤寿七郎先生の本を読んでください。ただし、20年前の本ですし、科学史のことをご存知ないことをふまえて下さい。
 世界に目を向けて下さい。食料のない南スーダン、アフガニスタン、クルド人、シリアやイラクの戦場、ガザの封鎖された地区などでは、母乳は乳児の命綱です。食料が得られるまでは必要です。
 どうか大切な赤ちゃんを、のびのびとすくすくと育てましょう。

 そのためのアドバイスと受け取ってもらえれば幸いです。



     母乳育児の良い点と限界点
      ―思い違いの母乳育児に警鐘を鳴らす―
 皆さんご存知ですか。母乳育児の良い点を。そして限界を。
 私の尊敬する日本の小児科医の先達・内藤寿七郎先生も「乳児にとってかけがえのない栄養品であっても、それは期限つきだということを忘れてはいけません。」「いちばん大事なのは初め。初めほど大事で、せいぜい六か月までが最上です。そして五か月すぎから離乳食を始める。」(内藤寿七郎「育児の原理」アップリカ育児研究会)
 私が尊敬する日本の小児科医は、内藤先生と詫摩先生(元東大教授)です。詫摩先生は離乳食の時に与える魚について「白身の魚と赤身の魚に違いはない」との論文を書かれています。お二人とも亡くなられましたが、私を応援してくれていました。
 内藤先生たちは一時代前の小児科医ですが、それでも母乳の限界は六か月としています。
 私は、アメリカ小児科学会の勧告に賛成で、三か月まで母乳で哺育できれば充分ですと言います。もちろん六か月まで飲ませていてよいですが、早めの離乳食の導入をお勧めしています。内藤先生たちは、その後の海外での離乳食の進め方についてはご存知ないのです。

 母乳についても、離乳食の進め方についても、いろいろなことが言われています。私が言いたいのは、どんなに胎児期から乳児期、幼児初期のこころが、その人の人生を左右し、さらに「世代間伝達」として子々孫々に伝わっていくことです。
 母乳育児も万能ではありません。母乳には使用期限があります。
 育児も、私は山田眞さんの「育児は自分の好きにすればよい」というのは無責任だと思います。今までは友達なので、批判を避けていましたが、ここにきていろいろな弊害が目立つので言います。好きなやり方をしてお子さんの人生を左右してよいのでしょうか。
 あなたのやり方で、あなたのお子さんが良い人生を送れるのでしょうか。あなたの育て方で、子どもがアレルギーになったり、発達障害になったり、ひきこもりになったり、家族殺人や無差別殺人を起こしたりしてはいないでしょうか。
 もちろん、そのあなたを左右しているのが、現代の日本の社会の問題です。あなたは社会の動向によって、そのような子育てをしてしまうのです。
 もちろん父親も共犯者です。一家皆殺し事件や、家族を殺した事件の犯人の父親は、多くは教育者です。教育関係者の間では、「また」とささやかれていますが、表には出ません。教育者は、自分の教育法で、子どもを強制します。そのために起きることです。もっとのひのび育てて下さい。

 今私はこの年齢になってはっきり言うことができます。もっと上手に育てましょう。アレルギーも発達障害も、胎児期から乳幼児初期に作られたものです。ですから、三歳まででしたら、育て治して治すことができます。このことは別に書きます。母乳を続けます。
 
 母乳は初めが大切なのは、一つは精神的な役割です。母親と赤ちゃんのこころをつなぎ、楽しい時間になります。この時期を母子が心地よく過ごすことが大切で、それを自然に作るのです。母乳が出ずにミルクでも、その時間を作ればよいのです。母乳は努力しなくても作られるのです。この時期は乳幼児精神医学にとって、非常に大切な時間です。その子の人生を左右する程です。母乳が出ないのは、母親のこころが何らかの不安でゆれているからです。出なくても大丈夫です。ひけめに思わないで下さい。
 
 二つ目は、初乳の働きです。これは免疫物質を含んでいます。でも消化吸収されないのですが、通過する場所にペンキをぬるように、その粘膜を保護してくれます。ですから口の中、咽喉頭、気管の入り口まで、それからは食道から消化管全体を保護してくれます。
 初乳は出産後一週間、まれには二週間の母乳を言います。
その後の母乳も、初乳と同じように3か月までの乳児の胃腸の感染の防御に有効であることが判っています。吸収されて赤ちゃんの血液内への効果は認められていません。赤ちゃんの血液内には、胎盤を通して供給された免疫の効果だけです。
だから母乳による腸管内の免疫効果の切れた3か月からロタウイルスワクチンを接種するのです(私は上手に育てれば不要と思いますが)。胎盤からの免液は6ヶ月まで続きますから、それまでは麻疹・水痘などにかかりませんし、突発性発疹になるのも6ヶ月過ぎてからです。

三つめは、母乳の成分です。良い点は、銅、亜鉛を含んでいます。
亜鉛や銅という微量成分は、僅かしか必要ないのですが、全くないと障害が出ます。亜鉛は皮膚症状、銅は貧血に関係するようですが、私は経験していません。長期に人工栄養を続けている未熟児に見られるようです。

母乳の悪い点は、母乳が汚染されていると、母乳に出てしまいます。
古くは水俣病の水銀、カネミ油症や公害のPCB、イタイイタイ病のカドミウム、その他BHC、DDTなどです。水俣病やカネミ油症の母親の嘆きをご存知ですか。子どもを産むと胎盤からと母乳から子どもに出てしまい、母親は軽くなり、子どもが重度になるからです。今これらは無くなりましたが、今後何が出てくるか判りません。
放射能(セシウム)は母乳に出ます。2011.3.11以後すぐに私たちは調べて告発しました。それで慌てて国も検査しましたが、すぐ止めてしまいました。今も調べる必要はあると思います。

母乳のもう一つの問題点は、カロリーが低いことです。その為に、母乳栄養では、五か月以降の赤ちゃんの栄養を満たせません。母乳は牛乳を55%程度に薄めた程度の濃度ものです(今のミルクは母乳化が進みそう作られています)。
今の赤ちゃんは生下時体重の二倍になるのは二か月から三か月です。昔はそれが五、六か月かかったので、内藤先生は六か月を限度としていますが、今は三、四か月です。カロリーが不足し、お腹がすくので指をしゃぶります。早期の離乳で、三分の二の赤ちゃんが指しゃぶりをしなくなります。

三番目は、母乳にはビタミンや鉄分が含まれていません。それでまずビタミンK、次にビタミンC、ビタミンA、Dなどです。それで生後すぐビタミンKを飲ませます。ビタミンKが不足すると頭蓋内出血を起こす危険があります。ビタミンKを飲ませ始めてから新生児の頭蓋内出血は激減し、ビタミンKを飲ませなかった母乳育児の一人だけでした。それまで私も一人経験する程多かったのです。
それから鉄分です。胎児期に母親からもらった鉄分を使い果たします。それで6か月から鉄分の補給をしないと9か月から1歳で貧血になる子が15%くらいでてきます。またビタミンCやDやAも母乳にはなく、不足します。昔は母乳栄養児に壊血病やクル病が少なくありませんでした。2015年の報告では、母乳栄養児の75%がビタミンD不足で、クル病が出てきているようです。早期の離乳食で補給しましょう。

以上が母乳の良い点と限界です。それで世界では、母乳育児を推進しつつ、母乳育児の限界を補うためにいろいろなことが行なわれてきました。

○ 乳幼児期の低栄養は、体(肉体)や脳の発達を妨げます。だからその人の遺伝的な身長より低くなります。
 昔はイギリスで貴族は身長が高く知能も高かったが、労働者は身長も知能も低いからと階級社会が正当化されたのです。日本人の身長が低いのもそうです。今は栄養状態が良くなり日本人もイギリスの労働者も身長が高くなりました。
これは成長後に栄養を補給しても改善しません。乳幼児期の栄養が大切な理由です。しかし、母乳ではそれを満たさないのです。特に知的能力の発達が遅れることが心配です。

○ 今の赤ちゃんは、早くからカロリーが不足します。それで母乳やミルクでは満足感が得られず、指しゃぶりや物を口に持っていく行動が始まります。フロイドの時代には、赤ちゃんが物を口に入れるのを見て「口唇期」と名付けました。口でなめて見て、物を判断するのだと思ったのです。
 それに対し欧米の小児科医が離乳食を早期に与えたら、指しゃぶりが三分の二に減りました。つまり母乳やミルクではカロリーが不足し、お腹は一杯だが満足感が得られなかったからのようです。大人が牛乳を飲んでもお腹が一杯にならないことと同じです。
 さらに三、四か月におしゃぶりを与えてしゃぶる欲望を満足させたら、さらに残りの三分の二が指をしゃぶらず、口に物を入れなくなりました。残りの一割はどうしても指をしゃぶります。他の欲求不満だと思われますが、判りません。
 最近日本で「おしゃぶり誘発顎顔面変形症」という歯科医の報告が出ています。

○早期の離乳食が、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の原因と言うことで、日本の離乳食を遅くすることを勧めるようです。私は乳幼児のアトピー性皮膚炎を二週間で治します。
 食物アレルギーも離乳食の与え方にあると思います。ですから予防できますし、治すことができます。早期の離乳食がアレルギーの原因であるというのは思い違いです。何も根拠はありません。証明のないことでも、有名な人が言うと信じられてしまうから恐ろしいものです。根拠となる論文を探してみて下さい。無いのです。 
 少なくとも子どものアレルギーを私は治すことができます。

○日本の子どもの発育曲線は、六か月から一年の間、身長は伸びても体重は低迷し、一年過ぎてからまた急速に伸びます。それはその間カロリーが不足するためです。
 日本は先進国では最も離乳が遅いので、発育曲線の体重がそうなります。他の国ではきれいな上昇曲線を取るのですが日本だけ違います。もちろん発展途上国では別です。
 赤ちゃんも子どもも、グルコースが脳の代謝に必要なので、成長が止まる(つまり大人になる)までは糖分を欲しがります。もちろん炭水化物でカロリーを十分与えていればよいです。しかし、甘い物を欲しがるのは止められません。体が欲しているからです。糖分を制限してはいけません。
○ クララ・デービスのカフェテリア実験
 イギリスの女性小児科医のクララ・デービスが昔一歳半前後の乳児二人を使って実験をしました。今でいうバイキング料理のように、いろいろな料理を並べて好きなものを好きなだけ食べさせたのです。二人は片寄った食べ方をしているように見えました。でもその結果は、一か月という長い期間続けたら、必要な食品を必要なだけ食べていたことが判ったのです。
それを発表したら、ヨーロッパやアメリカの小児科医が驚きました。それで各国で追試験をしましたが、すべて同じ結果でした。当時徴兵制のあった国の内科医が、若い徴兵された兵士に同じ実験をして、やはり同じ結果が出たと言います。
○ フィリピンの山中で三十年、一人で戦っていた残留兵の小野田さんの話では、自分の健康は自分の身体が一番よく知っていると思い、自分の身体に聞いてみて行動し、食べ物のバランスは体に聞いて食べたいものを食べていたといいます。それで健康に過ごし、帰国後も長生きしました。
○子どもを産まなくとも母乳は出ます。
 アメリカでは、養子をもらっての母乳育児を推奨しています。現実に赤ちゃんで養子にもらい母乳で育てる女性は三分の二に達すると言われています。ただし、それは自分の子を産み終わり、母乳育児を経験した人でないと難しいようです。三か月までで十分だと言います。
○男でも母乳は出ます。乳腺があるから、母乳も出るし乳がんにもなります。
 赤ちゃんには乳房がふくれている子がいます。それを搾ると母乳が出ます。男の子でも出ます。母親の女性ホルモンを胎内でもらっていたためです。
 男性で抗うつ剤のスルピリドで乳腺が腫脹した人がいました。
 禿の男性の中に、乳房をもんでいると女性ホルモンが出て、毛が生えてきたという人がいます(これは詳細は略します)。その代り胸もふくらんでしまいます。


☆自然界ではどうか。
 人間とそれと2~5万年も一緒に生活している犬と猫を除く哺乳類は、すべて乳児期から幼児期になる時に、母乳が飲めなくなります。それは遺伝子ゲノムに書かれた信号が止まります。何の信号かと言うと、乳糖分解酵素を産生する信号で、それが止まってしまうので哺乳類は母乳が飲めなくなり、離乳します。飲んでも下痢するだけです。人間でもそれが残っている人たちがいます。生の(煮沸していない)牛乳を飲むと下痢をする人です。日本人や農耕民族に多く肉食民族には少ないという調査もあります。アレルギーと誤解されていますが、正確には牛乳不耐症です。
 だから自然に離乳します。飲んでも下痢してしまうからです。
 子どもが母乳をやめるまで飲ませる理由はありません。自然界では飲めなくさせています。

○母乳はいつまで出るでしょうか。
 牛乳と一緒です。出し続ければ質は落ちますが出続けます。昔あった乳母という職業も、子どもを産んで母乳で育てた後、止めずに次の子どもに飲ませるのです。しばらくは出続けますから。牛は、子牛を産んだあと、乳を搾るのです。そして出なくなるまで搾り続けるのです。それで乳が出ない牛は、廃牛にされてしまいます。数年は出ると思います。
 ねじめ正一さんは、小学生頃まで母乳を飲んでいたと言います。本人の話です。
○ではいつまで出るかと言うと、私の記憶では、インドでのケースで15歳まで母乳だけで育てていた子どもが見つかりました。その結果、体重は6歳相当で、知能はもっと(6歳以下)遅れていました。
 
○昔は乳母がいました。
 母乳は人間の赤ちゃんに対応した大切な乳児初期の栄養です。粉ミルクができるまでは、お金のある人は母乳が出ないと「乳母(うば)」と言って母乳が出る人を雇って飲ませてもらっていました。
 特に江戸時代は、おかゆを薄めたりしましたが、乳児の胃でおかゆを消化できるのは、平均して生後4か月からと言われています。それで母乳が出ないと赤ちゃんは育たなかったのです。つまり乳児の死亡です。
 粉ミルクができたのは、明治時代と思います。牛乳は昔飲まれたこともあったようですが、江戸時代は飲まれていなかったようです。今は粉ミルクがあり、しかも母乳化が進んでいるので、赤ちゃんが育たないことはありません。幸せな時代です。
戦後まもなくは粉ミルクの入手も困難でした。私の父は小児科医でしたが、私の妹は母の母乳が少しか出ず、近所の山羊を飼っている人から山羊乳をもらっていました。

○私の子どもの頃には、乳もみマッサージがいました。
母乳が出るように乳もみマッサージをしていました。乳もみの効果は、経験を積んだ乳もみの女性が、いろいろと話をしながらもむのですが、もむ効果ではなく、その時に「私がもんだ人はみんなよく母乳が出るようになっています。あの人も。この人も。だからあなたも必ず出るようになりますよ」と話をするからです。それで母乳が出るようになるのです。精神的な効果です。母乳が出ないのも精神的なものです。何かストレスがあればすぐ出なくなります。戦後しばらくは、「乳もみマッサージ」の看板が見られました。

○中世のフランスでは、アナール派の歴史学者によると、パリの貴族たちは赤ちゃんを近郊の農家に預けたそうです。その為、乳児死亡率は高かったようです。以下略。



 
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アレルギーも発達障害も治せます

2018-03-25 09:18:37 | 病気を予防する育児
                     病気を予防する育児

 今、誤解を恐れず、言いたいことを言います。原発事故被害者もワクチン批判の人も読んで下さい。共通しますから。

 昨年、福島で増えているアレルギー疾患と発達障害をなんとかしたいと考えて、福島県いわき市にあるいわき市放射能市民測定室たらちねに立ち上げたたらちねクリニックに月二回診療に行くことにしました。そして、昔のことを思い出し、さらに新しいことを勉強し直してきました。

 そこでワクチンも発がんも、すべて同じ人間のもつ免疫システムによっていることです。
 そしてすべての病気は、私の提唱する病原環境論によって説明できます。

 放射線による発がんは、確率的に発生すると言われてきて私もそう言って来ましたが、しかし、がんになるのはがんになる遺伝子を持ち、がんになりやすい性格で、がんになりやすい生活スタイルによって、がんになるということです。だから誰でもががんになる訳ではないのです。でも、がんにならない代わりに他の病気になります。その人の親から受け継いだ遺伝子と、はぐくまれた環境とによるのです。

 アレルギーも発達障害も同じです。そしてワクチン被害は、免疫が低下していたり、健康状態が悪いのに接種してしまい、その結果免疫システムによって被害を防げなくなったために生じると思うのです。

 でも免疫システムがいつもうまく働いているとは限りません。突然の東北大震災が来たら、多くの人の防御システムが、つまり免疫システムが、崩壊します。そして病気になります。身体的病気も、心的外傷後ストレス障害もそうです。ワクチンは一定の効果があります。しかし、副作用もあります。
 予防接種だけ、なぜか副反応という言い方をします。それは副作用と認めたくない予防接種専門家たちの思惑からです。だからと言ってワクチンが万能ではありません。それは1970年代にイギリスの革新派の科学者連合のリーダーが書いていることには、オペラの魔弾の射手に例えて「魔法の弾丸は終わった」と書いています。その時代から、ワクチンも抗生物質も抗がん剤も、壁にぶち当たったというのです。その限界を見ているのです。
 私が知ったのは、それが日本で翻訳書が出版されてから15年後でした。でもそれを正しいと思いました。

 ワクチンも抗生物質もステロイドも使い方次第です。万能ではありません。身体によいというとすぐそればかりに頼る人がいますが、それはあたりません。自然が良いというのも、すべてではありません。真の自然はもう地球にはありません。人の手の入らない土地は、地球上にはありません。

 病気を予防することを追及していたら、育児法にありました。そしてさらに、それはその親の育てられ方にありました。さらに、それは、その親の育ちにあり、それらはすべて時代と社会によって左右されていたのです。
 もし、あなたが今子育てをまちがったと思っても、自分を責めることはありません。私は、子育てを見ていて、親が厳格だと自分は逆に放任になり、親が放任だと、自分は厳格になると思っていました。でもスパルタ教育はスパルタ都市が長続きしなかったことから間違いだと判り、私の親が放任主義だったことを感謝して、私もそうしました。一般に、自分がみじめな子ども時代を過ごすと、自分の思いを子どもにさせたくないと思います。そのために自分が育った生活を子どもにさせないようにします。そうすると子どもは違う道を歩んでしまいます。自分と同じに育ってほしいならば、同じ道を歩ませなければなりません。そうしないと、江戸時代から「売り家と唐様で書く三代目」ということになります。アメリカの名門一族が続いているのは、ロックフェラーに代表されるように、初代は息子に炭鉱夫から経験させていったのです。同じ道を歩ませたのです。ケネディ一族は、一族で結集して、それぞれは好きなことをさせていますが、そうすると一族の中に一族をまとめる人がでてきて、まとまっていくのをくりかえしているようです。一人一人は、自分の道を歩んでいるのですが、全体としては一族を守って生きていくのです。日本でそれをしているのは、どこの一族でしょうか。

 アレルギーも発達障害も、育て方によって生じているものです。ですから、アレルギーは治せますし、発達障害は3歳未満は治せますし、それ以後でも軽くすることはできます。

 ワクチンもあなたの住んでいる社会によって違います。もし、全くしたくないならば、北欧特にスウェーデンに行きなさい。感染症の少ない社会です。日本いたら、いつ社会が崩壊して大きなストレスが来るかわかりません。その時に平然と対応できる適応力があるかどうかで決まります。
 適応できるかどうかが鍵です。原発事故もそうです。適応できない人が病気になります。でもそれを個人の問題にするのはおかしいのです。北欧諸国は、社会が対応しているのです。それは政治です。イギリスも含めて、北欧はどの時代かに、革新派の社会民主党や労働党が政治を支配しています。それは日本のようには失敗しないで政策を持続させたのです。原発事故の際に失敗したのは、民主党にシンクタンクがなかったのです。官僚の進言に頼ったのではないでしょうか。シンクタンクを持つことが必要です。それがなくて失敗したのです。突然のことに対応できなかったためです。

 もっと政治に関心をもって下さい。政治があなたの生活を左右しています。北欧社会を見て下さい。人に優しい社会です。マルクスが起こした社会民主党が続いて作った社会です。マルクス主義は生きています。でも新しいマルクス主義が、時代にあったマルクス主義が必要です。私は資本論で物の考え方を学びました。レーニン以後については、いろいろありますが触れません。マルクスまでは歴史を作り、今も続いています。
 北欧は、文化の発信地であり、政治的に中立な国が多いです。しかし、寒くて人口も増えません。一国が東京より少ない人口です。だからできるのでしょうか。

 先日乳児検診で来られたお母さんが言ったことが印象的でした。「先生の言う通りにしていたら子どもが病気をしません。でもお友達のお子さんはたいてい病気を時々しています。これでいいんでしょうか。」  私の育児法は、病気をしない育児法です。しないのが普通です。だからあまり感激されないし、記憶されません。大病や難病を治していません。みんなすくすく育つとそれがあたり前で、別に誰かに助けられていると思わないのです。それが私の育児法であり、医療なのです。

 今まで私の理論をそのまま言うと母親たちを傷つけると思い黙っていましたが、これからは言います。これからのために。
 
 もしあなたの子どもがまだ思春期であれば、まだ遅くありません。あなたが変わりましょう。あなたが変わることで相手が変わります。それは、親も子どもも一人ではないのです。二人の相互関係で成り立っています。だからあなたが変われば、相手も変わります。でも自分を変えることが大変な努力が必要です。実は私も自分を変えました。毎日何年も続けられますか。
 私は元医学部アイスホッケー部の主将でした。東京学生連盟の大学三部リーグです。医学部チームが入れたのは特別な事情がありますが、その地位を30年以上も続けています。もちろん今も関東で16位のランクで、医学部ではトップです。そのチームの主将とコーチをつとめました。
 そして大学自治会の副委員長も務めました。もちろん慶応全学自治会です。大学生協の支部長もしました。デモの指揮者にもなりました。もちろん名目上の届け出責任者ですが。
 ですから、昼はデモに行き、夜はリンクで練習もしました。だから、つらいこともできます。謝れと言われれば土下座もできます。プライドよりも現実を重視します。役者のように、貴族にも乞食にもなれます。必要があれば何でもできます。左翼の心情も、右翼の心情も判っているつもりです。
 高校時代には、遠山満の孫が同級だったと思いますが、同じ高校にいました。彼もそうですが、医学の同級にもピストルを持っているとうわさされた人がいました。そんな時代を過ごしたのです。私は神経質なのは日本人なので仕方がないですが、割りに周りに適応できると思います。それが取りえです。
 
 あなたは、自分を変える努力をできますか。

 今まで言わなかったことを言いましたので、御免なさい。許して下さい。愛しています。ありがとう。人間を好きでないと医者にはなってはいけません。私は好きです。みんな愛してしまいます。あなたも。読んでくれてありがとう。







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ヒブワクチンの話 2

2018-02-16 09:57:30 | 予防接種2
遅ればせながら、以前書いたヒブワクチンの話を載せます。

少し時間が経っていますが、根本は同じです。


ヒブワクチン
 ―インフルエンザb型菌(Hemophilus Influenza b type)ワクチン― 

誰でもかかる病気であるが、誰でも重症化する訳ではないのに、なぜ全員に高価なワクチンを接種するのか。健康な子どもののどからも検出されることがあるし、普通の上気道炎の時に検出されることもあります。
まれに、重症化し、髄膜炎や敗血症を起こします。
病原環境論または適応説から言うと、軽く済むか重症化するかは、人と細菌との力関係で決まるのであり、人の側の抵抗力が低下しているかどうかによって決まります。
現代医学は、人間はいつも同じと考え、重症化するのは細菌が強いからと考えています。
それは思い違いであり、人間の側の免疫を自然に働かせればよいのです。
よく「免疫力を高めなければ」という人がいますが、私は違います。もって生まれた自然の免疫力を充分発揮させればよく、高めることはできません。
それは、のびのび生きている人は病気にかかりにくく、いやなことをがまんしたり、しぶしぶしたりして、生きている人は病気をしやすくなるのです。それが自然の理(ことわり)なのです。
ですから、私の病気をしない育て方をすれば、子どもはのびのび育ち、ヒブワクチンなどは不要です。しかし、成長したら自分の道を歩み、親の思い通りにはならなくなります。
どちらの生き方が社会的に成功すると思いますか。
今まで、ヒブ感染で重症化した親御さんに遠慮して言わなかったのですが、親の言う通りにさせて育てていたのではないでしょうか。子どもを親のいうなりにさせていることが子どもの免疫を低下させ、重症化させるのです。
「可愛い子には旅をさせよ」とか、「獅子は我が子を谷に突き落とす」とか言いますが、
子どもの先行きを思えば、でるだけ困難に立ち向かわせることが大切です。
でも、子ども時代をみじめに育ったり、いやな思いをして育つと、つい自分の子にはそういう思いをさせたくないと思いがちです。でもそうして育てると、親と別の道を歩みます。ロックフェラーは、自分の子に、自分がしたように炭鉱夫からたたきあげました。それを一族のモットーにして未だに一族を保っています。日本にも「売り家と唐様で書く三代目」という句があります。そうならないために、できるだけその子をのびのびと、その子のしたいように、ただし社会の枠組みの中で、育てていくのが良いのではないでしょうか。
ここに書いたのは、論文にする前の試論です。これだけのデータから、いろいろと意見を言っています。参考にして下さい。

1) ヒブ(Hib=インフルエンザb型菌)重症感染症特に髄膜炎の罹患率は
 2004年の塩見氏の報告―ヒブ髄膜炎罹患率は、1996~7年の北海道、千葉県の調査では、罹患率は10万人当たり7.5人、死亡率5%、後遺症23%。
日本の疫学調査は少ないが、罹患率は5~10とする報告がほとんど。
 2004年の武内氏の報告―1994年の全国1649施設の集計で5歳未満児で10万人当たり4.0以上の発生率
 2007年の中山氏の報告―2005~6年の調査で、2005年39都道府県120、2006年43都道府県117の施設。2005年髄膜炎87名、敗血症17名、喉頭蓋炎11名、合計113名(合併2名)、2006年髄膜炎95名、敗血症22名、喉頭蓋炎9名、合計126名。

 1998年加藤氏の報告では、全国の7道県で、約450人が髄膜炎に罹患、死亡4.7%、後遺症23.3%。5歳未満人口10万人当たり年8.6~8.9人。

 2009年の神谷氏の報告―2007年9道県の調査で、髄膜炎は5歳未満人口10万人当たり年6.6人。

 上原氏の千葉県調査で、5歳未満児10万人当たり、1985年1.2人、1988年3.9人、1991年5.6人、1994年7.6人、2005年11.7人であった。

 2008年の富樫氏の報告―1996~7年の6都道府県調査で髄膜炎罹患率は8.6人(5歳未満人口10万人対)、その約60%は2歳未満、死亡4.7%、後遺症23.3%。

草刈氏の報告―砂川氏らの報告では、2000年7月から2002年12月までの2年6カ月間に129施設で172例、全例5歳以下、2歳未満に多かった。

2010年4月の感染情報センターの報告―全国500か所の基幹病院定点での報告では、2006年65名、2007年68名、2008年83名、2009年54名
 2007~9年の調査では、5歳以下人口10万人当たり髄膜炎5.6~8.2、他の侵襲性感染症は1.4~5.4であり、毎年全国で、400例程度。
 2009年5月~2010年1月までの9か月間で103施設から200例。2歳以下84%で、死亡3例、後遺症11例。致死率1.5%。
 2010年2月(5歳未満人口10万人対)―2007年髄膜炎5.6、非髄膜炎1.4、計7.0、2008年髄膜炎8.2、非髄膜炎3.7、計11.9、2009年髄膜炎7.4、非髄膜炎5.4、計12.8、である。

 2010年12月感染症情報センター
 2006年の全国約500か所の基幹定点の報告では細菌性髄膜炎は350名で、その内病原体の届け出があった患者の約40%がヒブ(Hib)であった。

 2009年人口動態統計で、2008年の5歳未満人口は540.5万人である。そのうちヒブの髄膜炎と侵襲性感染症にかかるのは、432人と200人の計632人である。
 死亡率は、1.5~4.7%とすると、10~30人で、最新の死亡率は、1.5%なので、年間10人程度となる。

厚生労働省のQ&Aでは、
ヒブ感染症は年700人、内 髄膜炎400人、死亡率0.4~4%で多くて18人くらい。後遺症27.9% 110人くらい。

2)ワクチンの安全性
今までに、約155万人以上がヒブワクチンを接種していると推測され、そこから7人の死亡例が出ていて、関連を否定できない以上、ワクチンが原因とも考えることができる。感染症がある子がいたが、ワクチンが悪化要因になったのかもしれない。

2008年12月~2010年10月まで、企業出荷数236万本、推定接種者数140万人、2011年3月結核感染症課の推定約150人程度、厚労省検討会推定で2011年1月末までに155万人接種と推定(毎日新聞2011.3.9)
約155万人以上に7人の死亡者である。
 これを540.5万人に換算すると、24人の死亡が起きてもおかしくないし、医薬品安全対策部会安全調査会子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会部会の「ヒブワクチンの死亡率を10万人に0.02~1人程度」であるとすると、5歳未満の全員が接種すると、10~54人がワクチン死することになる。これでは、Hib重症感染症での死亡数と比較して違いがなくなり、ワクチンの効果は、疑問視される。いずれにせよ、安全性に疑問が残るワクチンである。
 
3)医薬品安全対策部会安全調査会子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会部会の2011年3月24日の「安全性の評価結果」では、「いずれもワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないと考える」
 「諸外国の死亡報告の死因では、感染症や乳幼児突然死症候群が原因の大半を占めており、いずれもワクチンとの因果関係は明確ではない。」としている。
 その結果、3月に中止し、4月1日に再開することとなった。

4)健康保菌者の存在
 インフルエンザ菌がいても誰もが重症感染症になる訳ではない。
 インフルエンザ菌は、1890~92年欧州でのインフルエンザ大流行の際に見つかったが、インフルエンザウイルスの発見により原因菌ではなかった。二次感染菌とみなされる。
 ネルソン小児科学書(アメリカの小児科の教科書)によると、インフルエンザ菌の自然宿主はヒトだけである。健康な小児の60~90%における呼吸器の正常細菌叢の一部をなしていて、大部分の菌は分類不能型(無莢膜型)であり、莢膜型(a~f)のb型菌(Hib)の定着は少ない。アメリカでは、ワクチンの実用化前には、学齢期前と学齢期の健常児の2~5%にインフルエンザb型菌を分離することができた。

 塩見氏によると「ある時点での調査では、幼児のHib保菌率は数%程度にみられ」という。

 武内氏によると、ある保育園児の調査で「0歳児を対象に、入園後1年間前方視的検討を行った。その結果、入園時点で9/18例50.0%の児がインフルエンザ菌を保菌し、それが入園後16/18例がインフルエンザ菌を保有していた。1年間を振り返り、・・・重症細菌感染症の症例はなかった。インフルエンザ菌のほとんどは無莢膜型であったが、66検体中2検体3.0%はHibであった。」という。

 感染症情報センターでも2010年12月の情報でも「Hibに感染しても、そのほとんどは無症状ですが、一部の人では髄膜炎、敗血症、喉頭蓋炎、肺炎、関節炎などの重症の感染症を起こす場合があります。」としている。

5)その結果、ワクチン死亡者はどのように救済されるのか。
 任意接種である以上、予防接種法での救済ではなく、薬害救済と行政の補助が出ている場合は、行政が加入している保険による補償が得られるのであろうか。

 その後、論文を書く機会がなく、その後のデータをまとめていません。今忙しく、またの機会にします。しかも、接種再開してからそれ程の時間をおかずに同時接種を始めてしまい、事故が起きた時の原因ワクチンが特定できなくなりました。
 今、死亡しているのは、すべて6か月未満での同時接種のケースです。その後公費負担の定期接種になりましたが、ワクチン被害者がどのように救済されているかというと、まだまだ被害認定の関門は狭く、自治体での窓口や都道府県での扱い、さらに認定委員会が予報接種推進派で占められているために、なかなか認定されないことがあります。言わば、予防接種も原子力と同じく、ほとんどの委員会が推進派に占められている状況です。原子力ムラならぬワクチンムラの住人たちで占められています。多くの医師はそれを知らず、専門家だからと信じています。信仰ですから宗教みたいに信じているのです。革新系と思われた保険医協会まで勉強せずに信じているのです。もっと勉強し、研究して物を言ってほしいものです。
 それが現実です。私のはとこの岡部信彦医師も厚生労働省に取り込まれて、若い時は良かったのですが、今は歯に衣を着せたようにものを言っています。
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小児の健診と生活のアドバイス   Ⅳ  12歳以上

2018-02-12 18:05:01 | 子どもの健診
この時期になると、なんとか検診に来てくれる最後の時期になるかもしれません。
特に、男の子は難しくなります。女の子は、まだ大丈夫かも知れません。一人ひとりの違いにどんどん差が出てきます。

       小児の健診と生活のアドバイス  Ⅳ
☆12~13才
[栄養]◇軽食、偏食・・・食事の指導
[健康]◇たばこ、歯、乳房、ツ反応、睡眠。
◇運動、特にスポーツ外傷や年令に不相応な過激な運動による障害。
[安全]◇シートベルト、火事
[社会的発達]
◇デート(交際)の基本的マナーを教えます。相手のこころを大切にすること。特に女の子にセックスを断る事を教えます。はっきりと断らないと「イエス」とみなされますから。男の子には、セックスは相手と共に楽しむものと教えて下さい。自分だけよい気持ちになるのは、昔から「一人よがり」と言って自慰と同じです。そして男の子に、決して相手に望まない妊娠をさせてはいけないことも教えること。
 日本では、子どもをつくることがいかに大変かの教育をしていません。
 中学に入ったら、性教育をすべきです。風疹ワクチンを開始する時点で、中学三年で性経験をしている女子が数%いるという統計があり、問診票にその項目を入れた記憶があります。

◇デリケートゾーン
 


       小児の健診と生活のアドバイス   Ⅴ

☆14~15才以降
15歳になったら、男女ともに大人として扱うようにし、大人の自覚を持たせましょう。


[栄養]
◇偏食、軽食
[健康]
◇運動、
◇薬物嗜癖(シンナー、大麻、覚せい剤)をやめさせるにはタバコから。タバコが薬物中毒への乗車券です。
 タバコを吸わなければ、薬物中毒になりません。
 酒は難しいですが、大人になってからと言って聞かせましょう。それしかないようです。

 自慰、(性病)
[安全]
◇シートベルトとヘルメットの着用


◇16才からオートバイ、
18才で自動車--制限せずに安全教育をする。

[社会的発達]
◇避妊法を教える、非行、受験、仕事を持つ。
 

 むやみに危ないからだめと禁止しないで下さい。私は、16歳で軽自動車免許を取り、続いてその年の終わり(それでもまだ16歳でした)に小型自動車免許(昔あった2000cc未満の車の限定免許)を取りました。その時早くシートベルトを国産車につけてくれないかと思っていました。私の同級生も免許を取り、バイクに乗っていました。マフラーをかぜになびかせて。でもしっかり、ヘルメットをしていました。お陰で彼は自動車に追突した事故にあいましたが、骨折ですみました。
 だから私は運転免許歴60年です。

 強姦された時には、すぐ産科に行って、ピルをもらって飲みなさい。早ければ間に合います。それを教えて下さい。



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小児の健診と生活のアドバイス  Ⅲ   10~11歳

2018-02-12 18:02:50 | 子どもの健診
  

     小児の健診と生活のアドバイス  Ⅲ
☆10~11才
☆よい生活習慣と自分でできること。
[栄養]◇朝食を食べること。ソフトドリンクやインスタント食品をあまり食べないようにしましょう。バランスのとれた食事をしましょう。ひどい好き嫌いをなくしましょう。代替食品があれば多少は仕方がありません。
◇炭水化物の多いおやつはある程度は制限し、きちんと歯みがきをすること。
[健康]◇規則的に運動をすること。
◇睡眠時間を充分に取ること。
◇良い体重を維持すること。
◇歯の検診とツベルクリン反応
◇運動、特にスポーツ外傷や年令に不相応な過激な運動による障害。
  野球とサッカー。SCの水泳。早期からの過剰な運動は選手生命を短くする。
  江川投手はその好例。逆に遅く始めた方が選手生命が長い。大器晩成は落合選手。
◇性教育(月経と精通)をする。性的関心が出てくる時期。
◇女子は初潮を迎える準備。そろそろ乳房の形を整える為にブラジャーを薦める。
◇アルコールとたばこの害の教育、たばことアルコールを飲まないこと。たばこは麻薬への入場券。
◇ツ反。
[安全]◇シートベルト、自転車、スケート、スケートボード、ローラースケート、トランポリン、水泳の安全を守る。
◇ボート遊びでの事故。
◇テレビ、ビデオゲームは制限をつくる。
[社会的発達]
◇父母、兄弟姉妹などとの家族関係を大切に。おこづかいを稼ぐ機会。
◇仲間との遊びや活動を積極的に評価すること。趣味。
[親とのふれあい]
◇こどもとのコミュニケーションに努める。学校での活動に関心を示す。
◇できれば、毎日、こどもと活動的な時間をすごす。
◇こどもの活動をのばし、ほめてあげる。愛情を示す。
◇責任をもたせて、やらせていく。
◇親はこどもの手本であることを自覚する。
◇こどもの行動や遊びに制限をする。その時キチンと話をして納得させること。
 叱ったり、体罰をしてももうだめです。効果はなく、反省する時は体罰をしなくても反省します。体罰を加えることでかえって反発することが多いのです。

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小児の健診と生活のアドバイス  Ⅱ   8~9歳

2018-02-12 17:54:30 | 子どもの健診
だんだん子どもは、親から離れて行きます。特に、女の子は早い子は初潮が始まります。そうすると、急速に大人の考えに変わっていきます。
急に、母親は、自分と父親を取り合うライバルになりますから、母親の言うことを必ずしも聞かなくなります。

男の子は、母親と一緒に行動することを恥ずかしく感じるようになります。これも早い、遅いがあります。

特に男の子を、母親から離して母親離れさせて下さい。それには父親が必要です。男の遊びを教えて下さい。

                       小児の健診と生活のアドバイス   Ⅱ
☆8~9才
☆よい生活習慣と自分でできること。
[栄養]◇朝食を食べる(6歳の項を参考にして下さい)。ソフトドリンクやインスタント食品をあまり食べないようにしましょう。バランスのとれた食事をしましょう。でもあまりこだわらないで下さい。強制するとかえって嫌いになりますから。好き嫌いをは、代替食品があれば仕方がありません。
◇炭水化物の多いおやつはある程度は制限し、きちんと歯みがきをすること。
[健康]
◇よく運動をすること。
◇睡眠時間を充分に取ること。
◇良い体重を維持すること。
◇歯の検診とツベルクリン反応
[安全]
◇シートベルト、火事、自転車、スケート、スケートボード、ローラースケート。
◇水泳は、泳げてもこどもだけでプールにいかせてはいけません。
◇ボート遊びでの事故。
[社会的発達]
◇父母、兄弟姉妹などとの家族関係を大切に。
◇自立、特に女の子はこの頃から初潮が始まり、思春期が始まる子がでてきます。そうすると、一人の女性として扱って下さい。
 男の子でも、精通(精子ができて射精ができる時期)が出てきます。そうすると女の子に興味を持ちます。一般には、女子より遅く中学になってからが多いですが。ませた子は出てきます。父親に男としてのプライドやこころ意気を教えてもらって下さい。
 それを教えないと、将来の対女性関係が心配です。
◇仲間との遊びや活動を積極的にさせること。
[親とのふれあい]
◇家事の手伝い、テレビ、外での活動、宿題、就寝時間など、規則的な生活リズムを確立する。
◇こどもとのコミュニケーションに努める。
◇おこづかいを与え、使い方を指導する。
◇こどもの活動をのばし、ほめてあげる。愛情を示す。
◇責任をもたせて、やらせていく。
◇親はこどもの手本であることを自覚する。
 男女関係を教えるのは、夫婦関係を見せて教えることです。



よくある問題、心配事。
 他のこどもや兄弟たちとうまくやっていけない、友人がいない。
 成績が悪い、親から離れたがらない。
 登校拒否、学校をよく休む、
 云うことをきかない、口ごたえする、非協力的、
 集中力が持続しない、
 太りすぎ、うんこをもらす、おしっこをもらす、おしっこをちびる。
 内気、神経質、チック、恐れ、一匹狼である、
 男の子が女性的にふるまう、マスターベーション、
 繰り返し悪夢を見る、
 攻撃的な行動(けんか、破壊的である、火をつける、盗む、うそをつく、動物虐待、反抗的、ぐずぐずする、など)
 病気に対する過度の不安、
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小児の健診と生活のアドバイス   Ⅰ   6歳

2018-02-12 17:51:23 | 子どもの健診
 小学校に入学すると、学校任せになりがちです。それでよいのでしょうか。
 ご一読下さい。


             小児の健診と生活のアドバイス  Ⅰ
☆6~7才----これからの健診は2年に1回でよいです。
 学校でするからと学校任せにすることは、政府の方針にお任せすることと同じです。
 学校も日本政府も、みんな正しいことをするものと思わないで下さい。こどもの教育を学校任せにしないことです。私は、そのための健診と生活上のアドバイスをします。
 検診に来られる方が少ないので、ブログに載せます。

☆よい生活習慣と自分で身体の手入れを行うこと。
[栄養]
◇朝食を食べる。ソフトドリンクやインスタント食品をあまり食べないようにしましょう。好き嫌いは、代替食品があれば仕方がありません。無理に治そうとすると、もっと嫌いになります。食べやすくするとか、食べられる味にするとか、小さく刻むとか、工夫して下さい。それでも食べられなければあきらめましょう。現代では代替え食品があり、食べなくても大丈夫です。
 もし食べるものが無ければ、食べますから。病院食とか、災害の避難所などでは、お腹が空いたら食べています。しかし、日常生活に戻るとまた食べなくなります。
 でも朝お腹が空かなかったら、朝食を食べなくても構いません。でも普通の子どもは、一日三回の食事では、一日の必要カロリーを食べきれないので、お腹が空くはずです。しかし、夜にしっかり食べていると、お腹が空かないこともあります。無理に食べることはありません。軽く食べて行ってもよいです。しっかり食べなくてはとは、思わないで下さい。
 「朝食を食べない子に・・・」と言うのは思い違いで、統計調査のピットフォール(落とし穴)に落ちているのです。
 1歳6か月健診の項の、クララ・デービスのカフェテリア実験を読んで下さい。

◇炭水化物の多いおやつはある程度は制限し、食べたら歯みがきをすること。
[健康]
◇運動をすること。
◇睡眠時間を充分に取らせましょう。
◇良い体重を維持すること。
[安全]
◇シートベルトとヘルメットは重要。火事、自転車、スケート、スケートボード、ローラースケート。制限せずに、安全な乗り方を教えることです。上手な乗り方とは、いかに遅く走らせることができるかです。スピードを出すことより難しいのです。
◇水泳は、泳げてもこどもだけでプールにいかせてはいけません。
[社会的発達]
◇家庭でする仕事を作り、家事に参加させましょう。家族関係を大切に。
 母親の手があるからと、させないでおくと、大人になって何も家事ができない(家事をしたがらない)大人になります。男女ともです。
◇テレビは限度を守るようにさせますが、限度はこどもと親との申し合わせです。強制してはいけません。子どもとの合意には、親の力を使ってはいけません。親の力を使ったものは、無効です。やくざに強制された契約は、無効にすることができます。それと同じ。
◇同じ年頃の仲間との関係を評価しましょう。
◇家の規則をこどもと合意(上述)の上で作り、従わせること。就寝時間、テレビを見る時間、食卓の準備や部屋のかたづけなどの家事の手伝い。
◇こどもと活発な時間を過ごし、こどもの学校での生活に興味をもち、こどもとのコミュニケーションに努める。
◇学校へ行くようになり、学校の問題が始ります。
 登校拒否、学習障害、いじめ、体罰、授業中の事故、学校の規則など。
 いじめには早く気づき、父親が対応しましょう。まず学校側に申し入れをします。それでだめなら、直接相手方に申し入れします。必ず、父親か男性が言わなければ、軽く扱われます。学校はしてくれないものと思って下さい。今の教師や校長は、自分の成績が一番で、上司ばかり見ていて、熱血先生などはまず少数です。警察官や裁判官すらそうですから。
◇危険なことをやめさせるには、叱ってはだめ。叱られると親のいる時にはせず、いない時にするだけです。よく、うちの子に限ってそんなことをする筈がないという親がいますが、親のいない所で何をしているかわかりません。
 叱らずに、繰り返し危険なことを説明し、言うことをきくまで言い続けて下さい。それでしなくなれば、親のいない所でもしなくなります。
◇親のいない時は、だれか他の大人の目が届くような方法を講じましょう。
◇おこづかいを与え、使い方を教えましょう。
◇こどもの活動をほめ、のばしてあげましょう。こどもに自負心を持たせる。
 屋外での遊びを奨励する。
◇親はこどものお手本ですから、まねをしてほしいことをやってみせるしかありません。まねされたくないことは、見られてはいけません。
◇本を読んであげましょう。お話しの世界にこどもを引き込んでいきましょう。楽しさを覚えたら。やめなくなります。自分で読みなさいと云ってはいけません。画像の社会に取り込まれたら、本を読まなくなります。
◇デリケート・ゾーン
 これを教えます。デリケートゾーンとは、触られていやなところ、特に二次性徴の出てくる場所です。ここを他人に触らせないようにすることです。触られたら「いや」と言いましょう。
目や口の周り(顔全体としてもよいでしょう)、胸 特に乳房(男の子でも)、お尻、外陰部などです。
☆よくある問題、心配事。
 他のこどもや兄弟たちとうまくやっていけない、友人がいない。
 成績が悪い、親から離れたがらない。
 登校拒否、学校をよく休む、
 云うことをきかない、口ごたえする、非協力的、
 集中力が持続しない、
 太りすぎ、うんこをもらす、おしっこをもらす、おしっこをちびる。
 内気、神経質、チック、恐れ、一匹狼である、
 男の子が女性的にふるまう、マスターベーション、
 繰り返し悪夢を見る、
 攻撃的な行動(けんか、破壊的である、火をつける、盗む、うそをつく、動物虐待、反抗的、ぐずぐずする、など)
 病気に対する過度の不安、
                    ・・・・ありましたら相談に来て下さい。
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