黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) (第五報)

2020-05-19 20:58:51 | 感染症
新型コロナウイルス感染症(COVID-19) ( 第五報)

新型コロナウイルス感染症COVID-19 (第五報)
                               2020.5.19.
◇ 東京新聞 2020/5/8 の記事
英国の新型コロナウイルス対策の「政府に科学的助言を行なう緊急時科学助言グループ(SAGE)」は、「都市封鎖の必要性を否定。三月半ばまで人口の六割以上の感染が必要な集団免疫を目指す方策」を政府に助言していた。
 ところが、SAGEのメンバーの一人のファガーソン氏は、これに反対して一月から一貫して「封鎖の必要性」を提言。SAGEはこれを聞き入れず。しかし、同氏は3月16日、「政府方針では25万人が死亡する」という報告書を発表し、世論は沸騰。政府は数日で方針を転換し、封鎖に踏み切ったという。
 
◇感染を終息させるためには、集団免疫の獲得が、
 SAGE(上述)は人口の6割以上、
 本間真二郎医師は60~70%
 上昌弘氏(下記)もやはり6~7割
となっています。集団免疫は主に抗体陽性率とPCR検査での陽性率で判断されていますが、
抗体は液性免疫を示しており、PCR検査はウイルスそのものの存在を示すものです。
 しかし自然免疫である細胞性免疫でウイルスをクリアーした場合には、細胞に免疫学的記憶が残りますが、抗体もPCR検査も陽性には出ません。

◇2009年の新型インフルエンザの流行時の最初の集団感染をした大阪の中高一貫校(今でいうクラスター)での全数調査を例示しました。5月に集団感染が判って、8月に府衛生研と国立感染研が共同で調査したのです。その時の647人の調査で、抗体陽性は102人(16%)でした。同一クラスター全員の中で16%しか出なかったのです。
 少なくとも16%陽性なら、ウイルス感染にさらされても発病もせず、抗体も陽性にならない人が残りの84%と推定します。コロナウイルスとインフルエンザウイルスでは違いますから、同一に論じることはできませんが、スウェーデンのストックホルムの千人の調査で、抗体陽性者が25%ですから、ここでは少なくとも半数以上の人がウイルスにさらされていたが発病していないと考えても良いのではないかと思います。

◇そこで上昌弘氏は、スウェーデン方式を推奨しています。
 それはイギリスの政府に科学的助言を行なう緊急時科学助言グループ(SAGE)の提言でも同じようであったようです。
 上昌弘氏によると、「スウェーデンでは、高齢者にのみ自宅待機を要請し、それ以外の制限は課さなかった。一時期、高校や大学を休校としたが、小中学校は休校にしなかった。
50名以上の集会禁止、不要不急の旅行の禁止、小売店やショッピングモールへの入店者数の制限を課したものの、多くの店舗やレストランを閉鎖はしなかった。ボルボの自動車工場は一時期閉鎖されたが、その後、再開された」。「感染者の死亡率は、厳しい都市封鎖を実施したフランス(19.3%)、イギリス(15.1%)、イタリア(13.7%)より低い12.2%で、特筆すべきは抗体保有率が25%に達したこと」といいます。
 
◇5月18日の東京新聞に載った「人種・収入で不平等」「NY富裕層 市外へ退避」という記事では、「新型ウイルスを巡っては、黒人やヒスパニック(中南米系)の感染率や死亡率の高さがニューヨークを含む全米各地で判明し、人種や収入などによる不平等が要因に挙げられて来たと、ニューヨークタイムズ紙が報じた。」という。
  
◇三密を避けることといいますが、横浜のクルーズ船での二次感染を媒介したのは、主に食事サービスクルーだと言います。乗客の感染者からは主ではなかったのです。

◇ ネットニュースの「ライフスタイル」2020/05/12 に載った上昌弘氏の論文によると、
「正確な感染者数を推計するために用いられるのは抗体検査だ。」とし、世界で行なわれている抗体検査の結果をまとめています。
スウェーデンのストックホルム市、1000人調査、抗体陽性率25.0%
ニューヨーク州保健局、   15,000人調査、同上   12.3%
ニューヨーク州         3000人  、     21.0% 
カリフォルニア州サンタクララ郡 3330人  、      1.5%
 原子力空母セオドア・ルーズベルト4845人  、     17.7% 
 ロシア、モスクワ地域      1000人  、     10.0%
 ドイツ、ガンゲルト町      1000人  、     15%
 イタリア北部・ベルガモ郡    1054人  、     62.0%
オランダ            7000人  、      3.0%
日本では、神戸市立病院で    1000人  、      3.0%
 以上千人以上の調査だけ取り上げています。中国のデータは医療従事者だけで除外。

 上昌弘氏も本間真二郎氏も、今回の流行が落ち着いても第二波、第三波の流行が起きると見ています。
スウェーデンでは、ストックホルムの市民の抗体陽性率が25%なので、スウェーデン公衆衛生局の疫学者は、「完全な集団免疫とは言えないが、感染の(第二波が訪れる)スピードを抑える効果はあるだろう」と言っています。

◇上昌弘氏の論文を見ると、その抗体の検出率の精度または感度も問題があるといいます。
また統計上、検査をした集団の取り方も問題にされます。つまり医療機関の外来を受診した集団や献血をした人の集団は、その母集団そのものに偏りがあります。それで中国の医療従事者のデータを除外。ドイツのガンゲルトという市の中間報告が注目されている理由です。それは1万2千人余の全員の検査を目指しているからです。その中間報告が15.0%で、それにPCR陽性者の2%を加えると17%となります。
2009年の新型インフルエンザの流行時の最初の集団感染のデータは、クラスター全員の検査をしていますから、感染率が信頼できるのです。
それと比べて、ガンゲルトのデータから見れば、ほぼ同じですから、今後の最終報告が待たれますが、それ程の違いがなければ、ガンゲルトの感染はほぼ行きわたっているとすら考えられます。
1000人以上のデータは、最低数は確保されています。わかりやすく言えば、サイコロを振った時の確率が6分の1になるのは、千回以上振らないとならないからです。それ以下ではばらつきがあり信頼度が低いのです。

◇無症状でも感染力があると言われていますが、
 今までは不顕性感染では感染力は無いと言われてきました。しかし、今回のコロナウイルスの場合、無症状でも感染力があると言われています。本当でしょうか。

 ほとんどの微生物は自然免疫機構によって排除されますが、いったん生体内に侵入するとさまざまな体感症状を引き起こすとともに獲得免疫の働きを誘導します。
 だから全く無症状の場合に、感染力があるとは考えにくいのです。
 その仕組みについては別の機会にしますが、健康な人間は自然免疫の仕組みによってめったに病気をしないのです。

◇神経質な人や医療従事者は、無症状ということはあり得ません。
もちろん感染しても健康保菌者が存在しますが、極めてまれです。病原体と共存しているのです。この人たちは感染力があります。それがある時、麻疹や風疹が突然発病して拡がる感染源ではないかと考えられています。しかし、俗に言う「無症状で感染力がある」のとは違います。
無症状で感染力があるというのは、症状があっても自覚しないか、コロナウイルス感染の初期症状と認めたがらない人がいるからだと思います。
その理由は、しはしば喫煙者は咳が出ても「たばこのせいだ」と言って咳という症状を認めたがらない人がいますし、高齢者にも痰が出たり咳が出ることを、「昔から痰や咳は時々出ているから」と言って認めたがらない人がいます。また、体調が悪かったり、だるいとか疲れるとかしても、それを症状と認めたがらない人が少なくありません。中には熱があっても解熱剤または総合感冒薬(必ず解熱剤が入っています)を飲んで、熱を下げて「良くなった」、「ただの風邪だった」と症状を申告しない人もいます。それは発病が失職や無収入につながることを恐れている人たちに多いのです。
本日の韓国からの情報では、一度PCR陰性になり、再度陽性になった人には感染力は無いことが判ったと言います。
通常はウイルスが増殖しないと感染しませんし、ウイルスは細胞内でしか繁殖できず、繁殖して細胞を破壊して外へ出て次の細胞に感染したり、直接次の細胞に感染したりして、侵入して繁殖しますから、せいぜい発病二、三日前ならその可能性はありますが、長期にわたることはないと思います。でもデング熱のように通常の経過をとらない感染症もあるので、断言はできませんが。

◇解熱剤がインフルエンザと水痘の子どもに使うと、ライ症候群という脳症になるために1990年代から解熱剤を使わなくなり、さらに発熱が体の防衛反応だとわかってからは、クーリングという冷やして熱を下げることもしなくなりました。
 解熱剤が免疫システムを止めてしまうので、熱が下がるのです。軽い病気ならそれでも病気に勝てますが、解熱剤を使うことによって悪化し、長期化することも少なくないのです。
 解熱剤やステロイド剤を使わないようにしましょう。
日本では医師の多くが解熱剤を使います。医療費をすべて国が支払う(つまり無料の)北欧諸国では、インフルエンザに罹った時に、検査してインフルエンザとわかると、「stay at home」というそうです。


コメント (3)

新型コロナウイルス感染症にどう対処するか(第四報)

2020-05-04 16:17:58 | 感染症
新型コロナウイルス感染症にどう対処するか(第四報)
5月4日のまとめ

社会的対策は、どこの社会つまり国が賢いか

その検証は一年後になるでしょうか

ついにWHOは、「新型コロナウイルスによる肺炎」をCOVID19(コビッド19)と命名し、2009年以来のパンデミックレベルを最高レベルに引き上げました。
 私の予測通りに、世界中へ広がりました。もう誰にも止められません。

COVID19の症状の特徴は、
中国の医師からの情報では「通常のかぜと違い、鼻水のないこと、痰もからまず、空(から)咳であることです。」最近匂いが判らなくなるという味覚や嗅覚の異常が言われています。
無症状のことも、典型的な症状をとらずに軽い症状のこともあり、肺炎にもならないこともあります。これは当初から予測していたことです。元々コロナウイルスは下気道の感染症であり、上気道つまり鼻やのど(咽頭)の症状を出さないことが多く、主に気管以下、特に肺胞にかかるので肺炎を起こしやすいのです。

検査で判るとは限らないこと
PCR法で鼻やのどの粘膜しか検査できないので、コロナウイルスを検査しても偽陰性率(陽性なのに陰性と出てしまう)が6割ともいわれています。PCR法というのは、ウイルスを鼻やのどの粘膜から採取して、それを増やして、その中のウイルスの遺伝子ゲノムを検査します。だから特殊な技術と検査の器械類が必要になります。主に下気道に繁殖するウイルスを上気道で検査するので、余ほど大量に繁殖しないと陽性に出ないのです。
 自然免疫(生体防御と細胞性免疫)を突破して、粘膜細胞に入り、そこで繁殖して細胞を破壊して増えたウイルスが細胞外へ出て検査に引っかかるようになります。さらに進行すると血液中に入り、そこで抗体が作られます。抗体を作るのには時間がかかり、それが潜伏期間と考えられ、発病つまり症状が現れるのは身体が病気と闘うために反応して出している結果です。
 人体は約一億の病原体に対して抗体を作る能力を持っています。(利根川進理論)過去に合った感染で作った記憶の中から拾い出し、作っていきます。獲得免疫(かかったり、ワクチンで得られるもの)による免疫記憶があると速やかに抗体産生し、間に合うのです。
5歳までにほとんどの子どもは、コロナウイルスによるかぜにかかっていると言われていますから、サーズの時も今回も子どもがかかりにくいのは、似たウイルスに感染して間もないから、抗体を作る時間も速いし、その前に細胞性免疫にも記憶があれば、突破されにくいのかも知れません。残念ですが、細胞性免疫は検査できません。
 自然免疫がまだ解明されていず、ウイルスが蔓延してウイルスがのどの粘膜に接触しても感染が成立するとは限らないのですが、専門家はすべて感染すると思い込んでいます。
 抗体があるのは、血液中までウイルスが入り込んで液性免疫が働いてできるのです。発病せずに抗体がある人は、感染したが抗体産生が間に合いウイルスを既に排除した人です。

もう一度前のデータを見てみましょう。
 2009年メキシコ発の新型インフルエンザの流行時に最初に起きた集団感染、今でいうクラスターになった大阪の中高一貫校の全生徒教職員の抗体検査のデータを見ると。
 この時647人中102人(16%)しか抗体を検出せず、84%の人は発病もせず抗体も持っていなかったのです。抗体陽性の102人のうち無症状も18人(約3%)いました。
 神戸市立病院の外来患者のうち任意で検査した千人の中で、抗体陽性者は約3%でした。
 東京のあるクリニックの200名の検査では、抗体陽性者は6%でした。
 またドイツのガングルト町(人口12529人)の約千人の健康人の抗体検査では約14%が抗体陽性、2%がPCR法陽性でした。
 以上のデータで最低3%から最高16%の人が、抗体陽性かPCR検査陽性でした。
 ということは、残りの人の多くは、ウイルスと接触しても感染しないか、しても発病していないのです。大阪の中高一貫校のデータからもそう推測できます。
 私たちは、84%の方に入るようにしましょう。

 その為にはどうしたらよいか
1. 十分な睡眠時間をとること。良い眠りはこころと体の健康を保ち、健康を回復します。そのためには、睡眠導入剤を使っても構いません。ぐっすり眠ることが大切です。
 薬を使わずに眠れないよりも、薬を使ってでもよい眠りを得る方が良いです。
 睡眠不足は、後から取り戻すことはできますが、貯めておくことはできません。不足した時は、昼寝をするとか、どこかで取り戻しておきましょう。
2. 疲労をためないこと。それには「疲れたら休む」ことを守ることです。よく「あと少しだから」と頑張らないことです。とにかく頑張ってはいけません。それと良い眠りを確保することです。
3. 体調の悪い時は、無理をしないこと。
4. 飲食は、暴飲暴食や過度に酒を飲まないこと。日本人の半分は、お酒を飲むと顔が赤くなります。お酒に弱い人は、特に少しにしておきましょう。
5. お風呂も、運動も、たばこも、無理しないことです。気持ち良いことは多くは体に良いことです。体に気持ち良いことはして良いです。しかし、ストレスで煙草を吸うことはよくありません。
6. 持病のある人、特に糖尿病、高血圧、狭心症や心臓病のある人は、その病気のコントロールをしましょう。きちんと病気を自己管理しておけば、心配することはありません。 
 気管支喘息やアレルギー性の病気は、別のストレスで発病しますから、今度のコロナ騒ぎによって発病しないか、軽くなっていると思います。
高齢だけでは感染しやすいとは限りません。日頃の健康管理が大切です。それができていれば心配ないです。でもできれば家の中で過ごしましょう。
7. 過去に、特にこの5年のあいだ、インフルエンザにかかっていない人は、今まで通りで良いのですが、念のため、少し用心しましょう。
8. 子どもはのびのびさせましょう。親が不安になると、子どもはそれ以上に不安になり、不安になると免疫が低下します。ストレスが免疫を低下させます。過干渉、過保護は子
どもを病気にします。叱ってはいけません。ほめて子どもを育てましょう。
 親の言うことを聞いてくれる年齢は、女の子で小学一年、男の子は小学3~4年生が標準です。それまでは、ほめたり、おだてて上手に子どもを操縦しましょう。お釈迦様が孫悟空を自由に飛びまわらせていても、決して孫悟空はお釈迦様の手の中から外へ飛び出せなかったように。北風と太陽が旅人のマントをぬがせる競争をした時の太陽のように。

 発病するのは、圧倒的にほとんどが15歳以上、特に40歳以上に多く、死者は65歳以上のようで、これもインフルエンザと同じです。子どもは感染や発病、重症化は少ないです。
 その理由はいろいろありますが、社会経済的な弱者に集中するからです。
横浜でのクルーズ船の乗船者3711人のほとんどが65歳以上の人たちで、70歳以上が2000人以上で、90歳以上が数十人もいたのに、感染(PCR陽性)したのは712人(19%)、発病したのは(症状が出た人)381人(10%)、死亡率(死者13人)は感染者の1.8%、乗船者全体の0.35%と低かったのです。PCR陽性の半分の人は、無症状でした。今のインフルエンザによる死亡率は、0.2%ですから少し多いだけです。
感染しないかしても発病しないことを目指しましょう。
  
感染は飛沫感染と空気感染です。だから接触者感染として感染ルートを調べても判らない筈です。空気中に浮遊しているウイルスによっても感染します。
インフルエンザウイルスは直射日光下では1メートル以上離れれば感染しません。しかし、直射日光を受けなければ、1キロメートル以上飛ぶとの報告があります。
空調(エアコン)の風に乗っても広がります。室内や曇った日は、2メートル離れていても、感染します。
最近の中国の報告では、患者の枕元から風上の方向に4メートル離れた場所でも、さらに軽症者の病室内でも、コロナウイルスが検出されています。ICUの空調の排気口からも高率にコロナウイルスが検出されています。
マスクは感染率を3分の1に減らすだけですから、完全ではありません。
2002年に流行したサーズウイルスの研究では、高温・高湿度に弱く、湿度80%の環境で、気温38℃では24時間で5000分の1に減り、40℃では6時間で完全に死滅します。  
(今流行しているのはその新型のコロナウイルスです。)
 だから発熱するのは、ウイルスが繁殖しないように身体が闘って熱を出しているのです。
 最低2~3日の高熱は我慢して解熱剤を使わずに頑張りましょう。熱が高いか低いかは、体とウイルスの力関係で決まります。最先端でウイルスと闘っている白血球が出す信号で、脳にある体温中枢が出す温度を決めているのです。

絶対に解熱剤は使ってはダメです。
 日本のかぜ薬には100%解熱剤が入っています。前述のように、熱は免疫システムによって自分で出しているのですから、解熱剤は免疫の働きを抑制するので熱が下がるのですが、その結果長引いたり、重症化したりします。解熱剤と総合感冒薬を使ってはいけません。
 解熱剤(正確には解熱鎮痛剤)にはアスピリンもアセトアミノフェンも含みます。それとステロイド剤は免疫を抑制します。もちろん抗がん剤や免疫抑制剤は当然です。

コロナウイルスに効く薬は、
 インフルエンザに効くと言う薬はすべて、ウイルスの繁殖を止めるだけでウイルスを殺したりはしません。だからアビガンも初期にしか効果はありません。まだコロナウイルスに効く薬はないので、他のウイルスに効く薬を試しています。
有効なワクチンは、生ワクチンつまり生きたウイルスを発病しない程度に弱くして、それからワクチンにします。だから時間がかかります。
 最近の情報では、コロナウイルスもインフルエンザウイルスと同様に変異するようです。
 既に、武漢型、ヨーロッパ型、アメリカ型と三種類あります。そのすべてに対応するワクチンとなると時間がかかると思います。

ワクチンを批判的に見ているみなさんへ。
 VPD(ワクチンで防げる病気)を根絶しようと言うWHOや感染症の専門家たちの言うことは、いかに的を得ていないかと言うことです。ワクチンでは、病気を根絶できないのです。ワクチンだけでは病気と闘うこともできません。
病気と闘うのは社会です。だから感染症の少ない国は北欧諸国です。人にやさしい社会が感染症に強いのです。ワクチンは社会が病気と闘うための武器の一つにしか過ぎません。
もっと多くの社会的施策が必要なのに、それをせずにワクチンだけに頼ることが問題なのです。
 私の説は、1970年代の国連環境委員会のアドバイザー委員会共同代表だったルネ・デュボスの提唱する適応説からです。
 ヒトゲノム計画でヒトのゲノムの全貌が解明されてきたら、ヒトゲノムには人類の感染症の歴史が刻まれていることが判りました。ウイルスや細菌のゲノムの一部がヒトゲノムに組み込まれているのです。ペストや天然痘が多くの人を犠牲にして人類が生き延びた最後の方法は、ゲノムの一部を組み込むことだったようです。この点の詳細はまだ明らかではありません。
人と感染症との適応ができて、人は感染症を乗り越えてきたのです。でもまた新しい感染症が出てきます。それが人間の歴史です。池上彰さんの解説や、「銃・病原菌・鉄」(草思社)にも書かれています。
 結局、社会的、経済的、精神的弱者たちが犠牲者になるのです。だからそれを救済するのは、医師ではなく政治家であり、そういう意味で医学は社会科学なのです。
 だからコロナと闘うのは、医師ではなく、政治家です。医師は技術者つまり職人であり、政治家ではありません。
 もっと詳しいコロナウイルスの詳細は、ウイルス研究者だった本間真二郎さんのフェイスブックを参照して下さい。  
コメント (1)

人間的な医療を目指して

2020-04-12 11:41:54 | 医療
人間的な医療を目指して

今思うこと

ヒポクラテスからデュボスまで

 人間的な医療を目指して
             Human medicine
★ヒポクラテス教義
 病気は悪霊や移り気の神が原因になって起こるのではなく、むしろ、自然の法則に従う自然の力で起こるものである。したがって、治療の技術を合理的な基礎の上に発達させることができる。こうした手段には、自然の力の害をなしている効果を正すようにと目指された食事、薬剤、手術の利用がふくまれる。
 人間の福祉は、特定の空気、水、土地およびいろいろの食糧をふくめて、環境の影響のもとにある。環境が人間におよぼす影響を理解することが、医師の技量の根本的な基礎である。
 健康とは、人間の本性のいろいろな成分(すべての人間の活動を制御している四つの体液)、環境、および生活様式との間の調和のとれた平衡のあらわれである。
 こころに起こったことはどんなことでも身体に影響が及び、またその逆も起こる。事実、こころと身体との一方を他から分けて別々に考察することはできない。
 健康とは健康な身体に存在している健康なこころを意味するもので、生体のいろいろの力と環境の力との間のつり合いを保証している自然の法則と合致するように、毎日の生活を統御することによってのみ達成できるものである。
 医療は倫理的職業であり、人間の条件ヘの尊敬の態度を意味するものである。

★医療の科学の責務のーつは、技術的な文明が創り出した新しい脅威が、身体とこころにおよぼす効果を究明することである。(デュボス)
 :環境の刺激および汚れた空気や水に始終さらされていること
 :人類が進化してきた自然の周期から、人間の生体がうとくなってゆくこと
 :人であふれている都会の生活での孤独と情緒的創傷。画一化された生存の単調さと退 屈
 :自動化からおこる強制的な暇つぶし。
 これらが、現在西洋文明に特徴的な医学的な問題の根源となっている影響である。
 身体とこころの不調の大部分は、環境の影響に対する適切でない応答のあらわれである。

☆生体論的で環境的な医学の発展をはぐくむ為に
 ①環境の力による効果の多くがきわめて間接的であり、また遅れて起こる。
  また、殆どすベての器官がまきこまれている一連の反応で、変化され、増幅される。  時間が本質的因子である。→アレルギー反応、悪性腫瘍、精神病等
 ②人間の適応的可能性は広い範囲にわたっていて、いろいろ異なった緊迫した状況に対 しても、何かの形で調整をやりとげることができる。人間の適応性の限界は知られていない。
 ③間接的で遅れて現われる影響が提起する問題には、生体が全体として示す応答が関係 している。都市の工業化された現代社会の生活が創り出した条件が人間におよぼす影響 → 長期間観察しうるもっと複雑な生物学的モデルが必要。
 ④医原性の病気、特に薬剤によってひきおこされたもの。
 ・ある種の毒性のものは―――直接的で単純
 ・しかし大抵の場合には―――毒作用は極めて間接的で、時間がたって現われる。
 ⑤行動の問題
  行動をかえる物質→種々あり
  栄養状態、特にアミノ酸代謝が精神過程に及ぼす影響
  遺伝的に制御されるが、生涯の初期における種々の剥奪によっても左右される。

 この様な形は生体論的で、生態的な取り上げ方を通じて理解され得る。
 そして、こうした研究は色々広い範囲の条件の下で長期に亘って数世代に渡ることさえある位にしておこなわれた場合にだけ、十分な科学的意味を持つ。

☆人間の本性の特徴
自然科学の知識の発達とその人類ヘの一般化が特定の個人に摘要できない理由は、
 ・個々の人間の反応するやり方が極めて個性的であること
 ・人間は常に非合理的な考えに影響されていること
  生物としての、かつ、社会的な過去を振り切れない
 ・心理的な力が環境に対する人間の応答の特徴や強さを決定していることが多い。

コメント

BCG廃止論と新型コロナウイルスの話によせて

2020-04-12 11:25:10 | 感染症
思い違いの科学史
BCG論議と新型コロナウイルス対策について

 今まで、私は免疫の話はしてきましたが、病気がなぜ起きるかの理論の違いをお話はしてきませんでした。今、その話をします。それは、新型コロナウイルスの対策の違いがあるからです。
 その最初に出します。続いて出していきます。

  BCG廃止論議について

匿名のコメントを寄せてくれた方へ
貴重な文献の提示、ありがとうございます。
 森さん(私の一年下の昭和42年東大卒)は、私の廃止論をまともには受け止めてくれず、講演会の時に質問に答えずに逃げました。今やっと私への答えを出したのでしょう。
当時の小児結核の専門家たちは、私の論文に対して結核研究所の森亨医師を始め、都立清瀬小児病院呼吸器科の雉本忠市医師(慶応の私の一年上)などからは、まともな反論はいただけませんでした。当時は京大教授の泉孝英医師(BCG廃止論の最初の提唱者)と私の国立埼玉病院時代に非常勤で来てくれた元国立相模原病院長の上島三郎医師は私と同意見でした。

 それでスウェーデンの先進的取り組みがどうかということです。スウェーデンでのBCG廃止後にすぐに出た乳児の結核性髄膜炎のケース二人の一人の母親は日本人でした。すなわち、移民の結核発病率と死亡率は、出身国の数字になるのです。これはその当時以前から言われていたことです。
今もスウェーデンは、シリアなどの難民を引き受けています。子どもの結核は、成人から感染します。だから母国の発病率を持った親から感染するのです。だから移民対策が重要なのです。今後の日本でも同じです。両親のどちらかが発展途上国の方だけが結核対策が必要であり、すべての日本の子どもたちが必要ではないのです。子どもの結核は、中学生以上にならないと他人へ感染しません。排菌しないからです。だから大人の結核対策が必要なのです。それを子どもにBCGを接種することで防げるわけではありません。今のスウェーデンでも、BCGだけで子どもの結核を減らしたのではなく、大人も含めての対策ができたからではないでしょうか。
結核研究での権威であるルネ・デュボスは、その著「白い疫病」(結核予防会発行)の中で、「BCGを使わなくても結核性髄膜炎を無くした国や地域がある」と言い、BCGの効果については懐疑的でした。現実に、アメリカ、カナダ、アイスランド、オランダなどの国は、BCGを使わずに日本よりも早く結核による患者や死亡を日本の5~10分の1に減らしたのです。それに対して、第二次世界大戦後に北欧諸国はBCGを推進しました。
 しかし、北欧での結核は社会民主党主導の社会経済政治政策で減ったのです。ドイツも含めた北欧諸国で、第二次大戦後にしたことはまず労働者に広い住宅を作ったのです。日本は工場を作りました。その違いです。BCGに頼った日本と、BCGを作ったフランスが、先進国の中で最も結核対策が遅れたのです。
 ワクチンで無くそうという取り組みよりも、女工哀史で象徴的なように、社会的政策で無くすことが必要です。
 日本には昔から結核があり、江戸時代にも労咳と言っていました。所が明治時代になり、急速な工業化が始まり、劣悪な環境の中で働かされた農村の女性たちが犠牲となり、結核が日本の工業化と並行して急速に増加したのです。日本の特徴は、普通ほかの国では高齢者が主なのに、若い人たちが主で、いろいろな小説の題材になりました。
 アメリカ大陸には結核は無く、白人が持ち込んで先住民(インディアン)たちを滅亡に追い込んだのです。世界や日本の歴史は、決して病気を取り上げません。しかし、いろいろな歴史上の出来ごとの多くは病気が絡んでいます。
 
BCGは、WHO共催による25万人にものぼるインドでの野外実験で完全に否定されました。それに匹敵する野外実験はありません。その後は少数の対照実験だけです。サイコロを振ってその確率の六分の一になるには、約千回振らないとなりません。だから、最低千人の対照実験をした結果ではないと信頼できません。
 科学史には、科学のピットフォール(落とし穴)があります。偽の相関関係です。全く条件を同じにしないと、比較できないのです。
 BCG論も、新型コロナ論もそこにあり、社会経済的、政治的条件を同一にして論じる必要があると思います。

 予防接種に関しては、私は感染症の理論から「選択的接種」を提唱しています。
 必要なワクチンと不要もしくは効果の期待できないワクチンとを選別して接種することを勧めています。それが人間と自然界(感染症も含めて)との適応関係の理論からです。
 適応関係が出来上がれば、弱い感染症になっていきます。でも妊娠中に感染すると、胎児への影響は残ります。トキソプラズマ、サイトメガロウイルスなどは通常ほとんど病気を起こさないのに、妊娠中にかかると胎児の先天性異常を起こすことがあります。風疹を始め、いろいろな感染症もいずれそうなっていくか、先天性異常を起こさずに消えて行くかだと思います。それが感染症と人間の間の適応関係であり、それは人間が感染症の微生物のゲノムの一部を取り込んで感染しにくくなったからです。(ちょっと極論すぎますが)
 いずれにせよ、ヒトのゲノムには感染症の歴史が書かれていたのです。人間と病原菌との適応関係ができあがったので感染症を乗り越えられたのです。その第一はペストでした。
 
 次に、私はワクチンのアジュバンドが自己免疫システムを壊すという根拠またはデータを持ち合わせていませんのでコメントできません。チメロサールも同じです。アルミニウムの危険性はあると思いますが、これもデータを持っていません。そういう副作用は、個々人によって異なりますから、すべての人に言えることではないと思います。あとは確率の問題になります。危険性の確率が高いか否かにかかります。また接種後長期間たってからの副作用については、考慮すべきだと思います。特に神経系の副作用については、少なくとも半年後の副作用も認めるべきだと考えます。それは日本製の百日咳不活化ワクチンを使った実験で、実験をしたスウェーデンとアメリカの医師たちが接種して半年後に起きた事象を副作用の疑いがあるとしたからです。
 しかし、もっと大切なことは、そのワクチンの必要性と副作用のバランスで考えることだと思います。それを教えてくれたのは、過去の小児科学会での討論でした。
 私の著書「予防接種のえらび方と病気にならない育児法」に書いておきました。

 ワクチン推進論者は、例えて言えば原発推進と同じで原発村ならぬ「ワクチン村」に住んでいて、ワクチン以外では対処できないと考えているのではないでしょうか。
 その人たちはなぜペストが、その原因も治療法も判らないままに終焉していったかの説明ができないと思います。その後ヨーロッパで流行した舞踏病についても同じです。
 医学医療は、社会が病気と闘う手段の一つにしか過ぎません。医学医療以外の方法で病気を減らすことができるのです。
 それを教えてくれたのが、私の信奉するルネ・デュボスだったのです。ロックフェラー大学の結核研究所の所長で環境医学の教授だった彼の著書「人間と適応」を読んで私は今までと変わったのです。そして彼の言う「生体論的で環境的な医学」を目指すことになりました。
 彼は国連の人間環境会議(1972年)のアドバイザー委員会の共同代表だったのです。(「かけがいのない地球」日本総合出版機構)

 それから自然の免疫システムについては、まず「生体防御」、「自然免疫」、「免疫の仕組みの話」(私のブログの免疫の項にあります)と、自然に持つ免疫機構を知って下さい。それはまず、最初に外来の病原微生物と出会う皮膚と粘膜の細胞の、外来の微生物との闘いが問題です。
 しかし、そこが今の医学では、なぜ防御できているのかの説明ができないのです。ここで防御できれば感染しないし、抗体もできないのです。これは社会経済的に決定されるのです。
 
 病原微生物が、最初にぶつかる皮膚や粘膜の細胞に対して、生物の側は無抵抗ですぐ侵入を許すのでしょうか。私は違うと思います。最大の抵抗をして、敗れた時に細胞内に入り込まれると思います。それには勝つ時も負ける時もあるでしょう。そして細胞内での闘いに入り、そこでも勝つ時も負ける時もあるでしょう。そこを突破されると、始めて細胞内でウイルスの繁殖が始まり、大量に増えると細胞をこわして外に散ります。そこで初めて検査に引っかかるようになります。
病気の症状は、人間の体が外来の病原体に対抗して出しているのです。熱は細菌やウイルスの繁殖を防いでいるのです。それを下げてはいけません。対症療法というのは、本当はしてはいけないことなのです。でもつらいなら少しは和らげてもよいでしょう。その分治りが遅れることも覚悟して下さい。
 今新型コロナウイルスに対する取り組みも同じです。発病率、死亡率はその国の社会経済政治的状況の反映です。イタリアとスペインはEUのお荷物の国です。ギリシャもですが、ギリシャに新型コロナが流行しないのは不思議です。また、アメリカでは黒人とプアーホワイトが流行の中心で死者も多いのです。
 そして新型コロナウイルス対策に対する世界的な誤りへの批判でもあります。感染症に対してすることは、ワクチンでも薬でもなく、社会経済的な政策であり、底辺の労働者の救済です。
 昔、ソ連邦が崩壊したら、結核やジフテリアなどの感染症が旧社会主義諸国に急増しました。今は、中国がその状態です。しかし、武漢だけで済んだことは象徴的で、武漢を中心として社会経済的な問題が隠されているのではないでしょうか。感染者数や死亡者が多いのは、その国の社会経済政策と福祉政策によるのです。そういう観点で見て下さい。
 金持ちの多いクルーズ船の乗客の感染率と死亡率を見て下さい。裕福だからそれなりのことができて、治るのです。


コメント (1)

なぜ感染症にかかるのか――感染症の理論の違い――

2020-03-29 09:40:14 | 感染症
思い違いの科学史

BCGは効果を否定されましたが、いつまでもしがみついている人たちがいます。その効果は不明です。私の信奉するルネ・デュボス氏は結核研究者としては世界的に著名で、日本でも「白い疫病」という本が結核予防会から出版されています。しかし、デュボスはその本の中で、BCGの効果は不明であり、それを使わなくても結核性髄膜炎を減らした国や地域があると言っています。


ペストで作られた検疫制度もペストには効果が無かったのです。クマネズミが運んだことを知らなかったので、船から港へネズミが運んだことを把握できなかったので、結局は船でも運ばれてしまったのです。

 これらはすべて科学史の中で語られていることですが、歴史書には出てきません。

 私は現代医療を批判し、次なる医療を探していた時に、ルネ・デュボスの「人間と適応」(みすず書房)に出会いました。そしてその臨床的な検証をし、今みなさまにそれをお話ししています。この考え方は、基礎医学者と精神科医に支持者が多く、、臨床医にはほとんどいません。デュボスはその書でそれを嘆いています。私も同期の仲間たちでは、やはり基礎医学者と精神科医たちが支持してくれています。
 以前に書いた文を次に載せます。それが今の状況にあてはまるからです。

 今都立病院が統廃合されていますが、元々都立病院の発祥は、一つは子どもの結核ともう一つは伝染病の流行でパニックになった都民への対策として作られたのです。その後、役割を果たしたあとに一般病院として整備されたのです。
当時は細菌性疾患で、隔離政策で対応できたのです。今はウイルス性疾患なので、対応できません。
 そもそも感染症をワクチンや薬で制圧しようとすることが人間の思い上がりなのです。人はすべての生物たちと共存してきたのです。人間社会は、見えない微生物たちと、共存してきたのです。
 無菌的に育てられた無菌マウスは、外界に出されると、7日以内に死んでしまいます。人は、生まれる時に、それをカバーする仕組みを持っています。略

 「人はなぜ病気になるのか」
    -実践的医療をこころがけてきて思うこと-           
はじめに 
私は小児科医になって以来、理論より実践を重視し、「とにかく治れば良い」という実践的医療をつらぬき、実証的なアメリカ医学を水先案内人にしてきた。現代医学には理論に合わないことも多いし、未熟児黄疸への光線療法のように実践が先行し、理論が後から作られたものもある。私は医学教育や医療制度も含めて日本の現代医学を批判し、新しい医療の考え方を求めて模索してきた。
 9年前ある科学史研究者と出会って、医学を中心に科学史の勉強を始めたところ、幸運にも「医学は社会科学であり、病気は社会によっておきる。医学は社会が病気と闘うための道具の1つに過ぎない」と言うシゲリストや、人間の環境への適応と病気との関係を示し、「生体論的で環境的な医学」を提唱するルネ・デュボスを知り、私の目が開かれ、新しい医療の考え方が見つかった。それを判りやすくする為いくつかに分けて述べるが、これらすべてを統合したものが私の病因論である。
[1] 人はなぜ病気になるのか。
 私は、人間を「こころと身体を持つ、社会的な存在である」ととらえ、その人間のかかった病気を治すために、生体論的で環境的で、人道的なそして全体的に人間をとらえる医学を目指している。このような考えをもつことにより、いろいろな生物学上の事実や医学上の事実をうまく説明できるようになった。
①複数の原因が重なって病気が起きる。--複数病因論
 現代医学は、特定病因説または一疾病一病因説と呼ばれ、例えば、コレラは、コレラ菌によって起きる病気であり、結核は結核菌による病気であるという考え方である。ところが、コッホがコレラ菌を発見した当時から、これに反対していた医師たちがいた。ドイツのペッテンコファーは、「急性感染症は、何か特別な健康上の問題が先行していない場合には成立しない」と述べ、ロシアのメチニコフらと、別々の場所で、公衆の面前で培養コレラ菌を飲んで見せて発病しないことを実証した。またパスツールも「細菌が問題なのではなく、その環境がすべてである。」と述べている。ドイツのフィルヒョウも、病気を自然病と人工病にわけ、人工病は誤った文化や社会的構造が生み出した貧困によるとした。しかし、細菌学の高揚の中で、特定病因説が近代医学として残っていき、他の説はかき消されていった。
 これに対し私のとる複数病因説は、2つ以上の原因がそろった時に、初めて病気となるというものである。例えば、現代医学ではインフルエンザ・ウィルスが入るとインフルエンザにかかると説明しているが、家庭でも学校でも病院でも、インフルエンザが流行しているのにかからない人がいることを説明できない。昔、ある中学の女性教師の担任クラスで、半分近くが風疹にかかった。本人は今までに風疹にかからず、その時かかると思っていたが、かからず、私の病院へ検査を希望してやってきた。その結果は風疹抗体は陰性だった。複数病因説では、感染症は宿主である人間の身体の抵抗力が落ちた時、ウィルスや細菌に感染すると発病する。同じ細菌やウィルスにかかっても、抵抗力が大きく低下していると重症になり、それほど低下していなければ軽症、全くの健康であれば、かからないし、抗体もできない。抵抗力を低下させるのは環境に適応できない時である。
②人が環境に適応できない時に病気になる。--(病原)環境説または適応説
 人間は、地球という環境に生まれ、人間によって地球上の自然環境を変え、変化した自然環境によって人間自身も社会も変化し、環境と相互に影響しあって発達してきた。しかし人間は、自分の住む自然環境や社会環境にうまく適応できないと病気になった。
 ヒポクラテスの説を現代風に換えて言えば、「自然環境の変化、不適正な食事、不適当な社会環境によって病気が引き起こされる。だからまずその原因を除くことが治療の第一である。原因さえ除かれれば、病気は自然に回復する。」となり、これを支持したルネ・デュボスの説はヒポクラテスの再評価であると言えよう。
 環境への人間の適応には、個人および社会(集団)の適応があり、また自然環境と言っても土地や気候だけではなく、そこに住む動物や、寄生虫、細菌、ウィルスや他の微生物などの人間に寄生したり、共生したりする生物との適応も必要である。
 例えばパプア・ニューギニア高地人は、いも類を主食とする極端な低蛋白食でも、腸内細菌がアミノ酸を合成しているため健康である。
 個々人の社会(または集団)への、適応関係(免疫、感受性)によっても病気にかかるかどうかが決まる。
◇ 伝染病の歴史を調べると、まさに人間がどのように病気に出会い、そしてその病気に適応してきたかの歴史で、ペスト、コレラ、発疹チフス、梅毒、結核など皆そうである。
 例えば、北米先住民(インディアン)を滅ぼしたのは、白人移住者が持ち込んだ疫病のためであり、特に結核の影響が大きい。カナダのクァペル峡谷インディアン保護地では、家族の半分以上が三世代の間に失われ、残存している家族も死亡の20%は結核によるものであったという。ここでは結核の流行に悩まされた最初の世代と第二世代は結核性髄膜炎、粟粒結核と骨関節結核が多く、全身結核が主であったが、第三世代は病気は肺に限局する傾向が強くなり、慢性の経過を示した。第四世代にリンパ腺組織に現れたのは1%以下であったという。これは北米先住民が結核菌と初めて出会い、そして第四世代にようやく結核菌と適応関係ができあがったためである。中南米で少数の白人の軍隊に多数のメキシコ軍やインディオたちが負けたのは、天然痘と発疹チフスだったという。
 環境には、自然環境と社会環境とあり、どちらに適応できなくても、ストレス状態となり、病気となる。1936年に発表されたセリエの全身適応症侯群は、特定の病気だけではなく、すべての病気にあてはまると考えられるようになった。ストレスによって人間のこころや身体のコントロール・センターである大脳皮質の働きが乱され、その結果その支配下にある身体の機能のどこかに異常を生じ、病気となる。ストレス状態に置かれると、免疫系の働きが落ちるから、細菌やウィルスによる病気や、癌にかかりやすくなる。免疫系だけではなく、中枢神経系も、自律神経系も、内分泌系も変化して病気になる。どこに生じるかは一人一人異なり、その人の身体の言わば弱い所に病気が現われる。
 だからすべての人間が同じ環境に置かれても、全く同じ病気になることもない。それは、その人の弱点に病気がでてくるからである。
その人の弱点は、
1) 両親のどちらかから受け継いだ家族的傾向(染色体、遺伝子、HLA抗原など)と、
2) 母親の胎内から現在までの、生まれた順番、育ち方や友人、幼稚園や学校の先生、生活習慣(酒、タバコ、食事を含む)、かかった病気などに左右される先天的および後天的なもの、の両方から構成される。
1)の例としては、劣性遺伝子は普通の人で20前後存在すると推定されているし、ある外科医は、親子で胃潰瘍になると70%は同じ場所にできるとも言う。成人型の糖尿病は、糖尿病になる遺伝的素質のある人が、体重を必要以上に増加させた時に発病する。
 2)の例としては、幼児から学童の時期に、具合が悪くなると吐くことを繰り返していたこどもが、成長すると、胃炎や胃潰瘍になることが多い。子どもの先天性の病気は、母親の精神身体状況によって左右されている疑いがある。身体的な病気はまだ確かでないが、精神的な面は明らかで、胎児期や乳児期に母親が精神的なパニックに陥ると、その子どもは臆病になるという。
 ノーベル賞受賞の利根川進博士の理論は、「個体発生の過程で遺伝子も変化する」というもので、抗体を作る免疫グロブリンの遺伝子が、遺伝子を構成する部品セットから次々と選択され、組み立てられることを高等動物で証明した。このことは免疫グロブリンだけではなく、他の遺伝子にもあてはまると考えられる。こうして遺伝子が変化して、環境にうまく適応した人が生き残ると考えるのが私のとる環境説である。例えば、黒人に鎌状赤血球症貧血という遺伝性の貧血があるが、その遺伝子を有していると、マラリアへの抵抗性を増大させる。マラリアの多発しているアフリカでは、生存に有利なので今でも続いている病気である。
③ こころと身体は、常に相互に関連している。--心身一体論
 最近になって心療内科が一般に認知され、身体の病気にこころが関与していることが認められるようになった。でもまだ一部の病気だけしか認められていない。ところが、心療内科で診療を長く続けていると、すべての病気がこころで起きることが分かってくる。病気は、人間がなるもので、人間はこころと身体が切り離せないから、どんな病気でも必ずこころが関与していることになる。心と身体は一体なのである。
 ドイツの精神科医ミッチャーリッヒによれば、「臨床でみられる古典的な病像の多く(胃潰瘍、甲状腺機能亢進、心臓循環器系障害 、喘息等)は、ある精神状態-体験状態-が原因となっており、その際それがしばしば決定的役割を果していることがますますはっきりと証明されるのである。
・・患者をとりまく直接の社会環境が、患者をして神経症におちいらしめる上に非常な意味をもっているということは、すでに明らかとなっている。・・近年、医療を求める患者の30%から50%が、いわゆる機能的障害を示すものであるということは、殆ど一致した意見となっている。こういった形の病気の出現に力を貸しているのは、一次的には物質的条件ではなく精神的破綻なのである。」という。慢性疾患には、その人の人生が反映されている。だから元東大精神科講師の森山公男医師が、精神病は治るには和解が必要と説いているのと同様に、身体疾患にも和解が必要である。 心筋梗塞や狭心症の発作が明け方に起きることがよくあるが、その一部は明らかに夢を見ることで起きていると言う。私が成人の気管支喘息の患者さんから聞いた話では、会社や仕事の夢を見てる時に喘息発作が起きたと言う。
 ストレスによって病気が誘起されると考えてきた私にとって1つの難問があった。赤ちゃんのストレスは何なのだろうか。苦労の結果やっと到達したのは、赤ちゃんを用もないのにさわることだった。まちがったスキンシップ論が横行し、母親たちは一生懸命赤ちゃんをさわり、逆に病気を生んでいる。アトピー性皮膚炎の赤ちゃんが第一子の場合は、赤ちゃんが要求しない限りさわらないように母親に話すと、ほぼ2~3週間で皮膚がきれいになる。しかし、第二子、第三子の場合は、上の子が退屈すると赤ちゃんをおもちゃにして、さわっているので、これを止めさせることは難しいからなかなか治らない。乳幼児の喘息様気管支炎も、ストレスで起きる。ある子は、保育所へ行き始めてから急に始まったので、調べたら「はいはいをしなければ立ってはいけない」という保育所の方針で、立とうとするのを足を押さえて立たせないようにされていた。それを止めてもらったら、ゼーゼーしなくなった。別の子は、母親が祖母の病気入院の付添に行き、叔母に預けられた所、ゼーゼー始まった。じっとがまんしている様子で、母親が帰ってくるとゼーゼーしなくなるが、また叔母に預けられるとゼーゼーする。一般的に子どもの病気は、保育所、幼稚園、学校に入ってしばらくの間や、行事の前後に多い。これが私の考える心身医療である。
④ こころは社会的に作られ、影響をうける。--病気は社会によって生ずる。
 病理学者でドイツ進歩党員のフィルヒョウは、病原菌よりも社会的条件を重視していた。病気を自然病と人工病にわけ、人工病(チフス、結核、壊血病、精神病など)は誤った文化や社会的構造が生み出した貧困によるとしていた。例えばシレジア地方のチフスの流行の際に調査にあたり、「貧困地区にチフス患者が続発し、より強力となり、さらに上流階級をも侵すことになった。飢餓はまた感染の素地を高めたが、・・それに対処するには社会改革、・・民主主義教育それに・・自由と繁栄が必要だ」と言った。社会的な原因を限られた病気にしか見ないという欠点はあったが、病気の原因の1つに社会や文化を含めている点では先駆的であった。しかし、彼の業績は病理学の面だけが残り、社会的な面はかき消されていった。 14世紀から19世紀にかけて、インドやヨーロッパで見つかった野生児の記録から明らかになったことは、人間は生まれながらに人間のこころや知能をもっているのではなく、家庭を最小単位とする人間社会によって形成されて行くことであった。
乳児早期に狼の世界に入った子どもは、連れ戻されても狼のままで人間に戻れないで死んでしまう。つまり人間は人間の社会の中で育てられて、人間になり、こころは社会的に形成されている。家庭によって、教育によって、仕事によって、人間のこころは左右される。
 だから、人間は、こころと身体を持つ社会的な存在であり、その人間がなる病気の治療は、身体の治療だけではなく、こころと社会的関係への治療が必要である。病める人間のこころを理解すべきと言われて久しいが、病める人間の社会的関係にまで立ち入らないと、真の意味での病気の治療にたどり着けない。WHOの健康の定義は1948年から、「健康とは単に病気でないとか、虚弱でないというだけではなくて、身体的にも精神的にも社会的にも完全に良好な状態をいう。」となっているが、人が社会的にも健康である必要性が理解
されていなかった。
 社会が環境を変え、環境が変わることによって病気も変わって行く例をあげよう。今マラリアが、東南アジアやアフリカで蔓延している。中世には、ヨーロッパでもマラリアが蔓延していたが、湿地の排水をして農地に変えることが進んで、マラリアがなくなった。戦後、石垣島でも、環境対策でマラリアの撲滅に成功したが、同時に日本脳炎もなくなった。今マラリアが蔓延しているのは、焼畑農業とか、木材の輸出のためなどで、根こそぎ木を切ってしまったためである。森林に住む蚊は、猿につくが、草原をすみかとする蚊は人間につく。森林を切り開くことによって人間につく草原の蚊が繁殖し、マラリアを媒介している。南部アフリカの眠り病も同じで、森林を切り開くことで、媒介するツエツエ蝿が増えてしまったためである。
 最近ロシア、ウクライナなど旧ソ連諸国で、麻疹、百日咳、結核など子どもの病気が急増している。チェルノヴイリ原発事故による被曝の影響もあるが、主に社会的経済的混乱が生活環境の悪化を招き、子どもの感染症を増加させ、医療サービスの低下がそれに拍車をかけている。
 日本でも、現代社会の病理がストレスを生じ病気を生んでいる。だから死亡率は減少して、平均余命は延びているが、花粉症をはじめ病気は増えているし、過労死を中心に中年男性の死亡が増加し、男性の平均余命は低下した。この40代、50代の男性の死亡率の増加現象は、イリッチが「アメリカで始まり、1970年代に西ヨーロッパに上陸した」と指摘したが、日本に上陸したのは1980年で、その後男性の平均余命が低下した年が数回ある。
この40代、50代の男性の死亡率の増加現象は、労働や生活の環境が改善されない限り、今後も続くであろう。
[2] 病気はなぜ治るのか。
 なぜ病気になるのかを補強するため、なぜ病気が治るかを考えてみたい。
① 病気が治るのは、こころである。
 西洋医学でも、漢方医学でも、回教医学でも、カイロプラクティックでも、チベット医学でも、インド医学でも、民間療法でも、信仰でも、それぞれの治療法で病気が治る人がいるのは、人間のもっている自然治癒力を引き出すのにこころが大きく関係しているからである。しかしどの医学も宗教も、病気の人を 100%治すことはできない。治らない種類の病気もあれば、同じ病気でも治る人と治らない人がいる。このことは、こころだけでも、医療技術だけでもなく、こころと医療技術を組み合わせることが大切であることを示している。
② 自然治癒力
 東大薬学部の名取俊二教授(微生物学)によれば、昆虫は体内で抗細菌、抗真菌の蛋白質を作っていて、抗ウィルス性や抗ガン性の蛋白質も作っていると見られる。人間は昆虫より進化しているので、本来、人間にも同じかまたはそれ以上の生体防御機構があると考えられるという。そこから「人間には元々病気を治す力(自然治癒力)が備っていて、その力が発揮されない時に病気になる。」と考えると自然であり、癌の自然治癒の存在といった現代医学における不思議なことがうまく説明がつくが、まだ実証されてはいない。
 だから人が病気になった時、自らに備っている、その自然治癒力をうまく働かせることで病気が治っている。医師の役割はその自然治癒力を引き出すことにある。だから医者にかからなくたって、治ることも少なくない。しかし腕の良い医者にかからなかったために、重症化したり、落命することもある。現実に、遺伝子や免疫の仕組みが次々と明らかになり、ストレスによって免疫の働きが低下することも明らかになった。人間のもつ精巧な免疫の仕組みが、人間のこころや神経、内分泌と密接に関連していて、自然治癒力の一部を形成していることも明らかになってきているが、まだ身体全体とこころの関係は不明なことが多い。デュボスは、パブロフの条件反射の発見後、高次神経系の研究に進まずに、人間がある環境に置かれたらどんな反応をするかという研究を進めるべきであったと述べている。現代医学は人間を細かく臓器ごとに分解して研究を進めてきたが、今後は人間総体としてどういう反応をしているかを大いに研究すべきで、それがこころと身体の関係を新たな視点から明らかにしていくだろう。
③ プラセーボ効果
 プラセーボ(偽くすり)効果は、こころが関係しているから現代医学の薬理理論で説明できない。どんな薬でも3割前後はプラセーボ効果があるという。中には1回飲んだら良くなってしまったという人もいる。私の師匠で自分も気管支喘息の老先生がいうには「不思議だね。飲んでも薬理効果が出てくるのには30分はかかるはずなのに、喘息が始まって薬を飲むとすぐに喘息がおさまってくるんだよ」という。医者でも同じで、この薬を飲めば治ると思っていると病気がよくなる心理的効果である。
 ロンドン大学精神科講師だったM.バリントは「医者くすりは最もよく用いられる薬である。」と言っている。医者は患者のそばにいるだけでその役割を果たすことがあるし、また医者に診てもらうだけでよくなる患者がいる。医者が薬の役をする。これも一種のプラセーボ効果で、心理的なものである。しかし、医者も患者も一人一人違うから、その患者にあった医者を薬として処方するとよいという。腕の良い医者は自分を患者に合わせるが、すべての人に合わせられる医者はいない。だから、ある人にとって良い医師でも、他の人にとってはそうではないことがある。このことは、病気が治る仕組みに、こころが大きく関与していることを示している。
 私の患者さんで不整脈のおばあちゃんは、診察している時に不整脈があったのに、心電図を取る時には消えてしまった。気管支喘息の子どもたちは、診療所に入ると発作が静まってきて、苦しくなくなってくる。あんなにお腹を痛がっていた子どもが、診療所に来たら元気になってしまう。先生の顔を見たらよくなったから、薬だけでいいですと、帰ってしまう心身症の人もいる。
[3] 病気を嫌わないで
◇病気は、なにも外から入り込んできたものではなく、自分自身の身体の変調である。
 熱が出るのも、頭が痛いのも、喘息で息が苦しいのも、湿疹でかゆいのも、身体が変調してうまく機能しなくなったためである。だから「どうしてこんな嫌な病気になったんだろう」と病気を嫌うことは、自分のこころが、病気になっている身体を、即ち自分自身を嫌うことになり、潜在意識の中で葛藤を起こして、病気が良くならない。それどころか、悪くなることもある。病気すなわち病気になっている自分の身体を受け入れて、仲良くつきあい、良くなるようになだめよう。
 気管支喘息や花粉症、リウマチ様関節炎などの慢性疾患の人たちは、病気を受け入れることで、治らないにせよ、しのぎやすくなる。急性の病気が長引く場合、大抵病気を嫌っているか、ストレスの多い仕事をしていることが多い。気管支喘息で、夜間の発作がひどく、救急病院で治療を受けるような人には、予め、喘息という病気の話と、人はなぜ病気になるか、病気を嫌わないでという話をすると、発作が起きても夜中に病院にかかなくて済むようになる。
 心療内科の創始者の池見氏はその研究で、アレルギー疾患の精神心理的脱感作療法を行い、気管支喘息、蕁麻疹、うるしかぶれ、花粉症などの人81に治療をし、79人が治り、2人が軽度にはなるも治らなかった。アレルギーが精神心理的要因で起きていることを示した。
 リウマチ様関節炎(関節リウマチ)も心療内科的治療を加えることで改善が見られたし、進行を止めることができました。

◇痛みは身体の注意信号である。痛がっているのは、あなたの頭や歯や身体である。痛みを嫌わないで、受け入れよう。嫌えば嫌う程、痛みは強くなり、苦しく我慢できなくなる。
 痛みは身体の病気のこともあれば、こころの病気の表現であることもある。楽しいことで痛いのは我慢できるが、いやなことでは我慢できない。
例えば、出産の時の痛みは、お産を誰もがする当然のことと受け入れ、待ち望んだこどもが生まれる時と思っている人は、痛みは感じても苦痛ではない。しかし、お産を怖がったり、お産を嫌ったり、こどもが欲しくなかったりすると、我慢できない苦痛となる。神経痛はしばしば、我慢の出来ないことをかかえている人に見られる。例えば、あるおばあちゃんは毎日四肢の神経痛のため、整形外科で神経ブロック注射してもらったり、大学病院麻酔科ペイン・クリニックでも神経痛はよくならなかった。そこで私が、ぐちを聞き、抗うつ剤と精神安定剤を出し、時々末の娘さんにぐちをきいてもらうようにしたら、注射しなくても、鎮痛剤だけでおさまるようになった。その後、糖尿病になったり、膝関節症になって入院している間は、痛みは全くない。しかし、家に戻るとまた痛んだ。原因は家族関係にあったのである。
[4] 不安になると、病気が悪くなる
 病気は不安になると悪くなる。病気に対する不安が強く、もっと悪くなるのではないか、死んでしまうのではないかと不安になり、不安を自分で打ち消せないと病気は悪化する。 悪くなるという自己暗示によってあなたの身体はあなたの暗示の通りになる。不安が起きたら、「だいじょうぶ、よくなる」と自分で不安を打ち消すか、身近な人に不安を打ち消してもらうか、抗不安剤を飲んで不安を抑えるしかない。子どもは、母親がなだめると、不安が消えて良くなる。だから小児科で母親に充分お子さんの病気の話をしておくと、夜の救急患者が半減する。今晩熱が出るかもしれませんよと言っておくと、熱が出ても母親は先生の言った通りだと思って不安にならない。言わない場合は、熱が出ると母親が不安になり、すると子どもも不安になってよくならない。
 心臓がドキドキした時に、心臓が止まってしまうのではないか、死ぬのではないかという不安が湧いてきて、心臓の鼓動がますます早くなり、さらに不安になり、パニックになる。ところが、医者の「大丈夫だよ」の一言で安心し、心臓の動悸もおさまっていく。気管支喘息の発作の時も同じで、喘息患者の死亡の多くは、パニックになったためという専門家もいる。お年寄りがもう死にたい死にたいと言い出すと、もう先は長くない。生きる意欲を失った人は、遠からず死んでいく。
おわりに
 環境に適応できないと病気になり、うまく適応して生きていくと病気にならない。しかし、最大の病気の原因は戦争であるが、平和になればなったで別の病気がでてくる。結局人はそれぞれ、自然治癒力をもってはいるが、それにも限界があり、ある時期になれば病気になって死ぬのである。ただ、その種類が違うだけに過ぎない。
しかしながら、現在の日本では、医学教育や医療を含めた社会全体で、この自然治癒力が軽視されていることが大きな問題である。
 
コメント (3)

新型コロナウイルスにどう対処する?

2020-03-05 17:57:44 | 感染症
新型コロナウイルスにどう対処する

対症療法は思い違い
その理由は、病気の症状は自らの体の防衛反応だから

熱を上げてウイルスの繁殖を抑えているのです。それを解熱剤で下げると悪くなります。
ある情報では、中国特に武漢では、ステロイド療法をしていると言われています。ステロイドは解熱剤よりも、もっと悪く一時的に症状を取りますが、それは体が病気と闘うことを止めてしまうからです。



新型コロナウイルスにどう対処するか?


すずしろ診療所所長 黒部 信一

結論から言えば、それほど騒がずに、冷静に対処しましょう。2009年の新型インフルエンザ程度には広がるでしょう。同じコロナウイルスによるものでも、サーズ(重症急性呼吸器症候群)よりも症状が軽く、罹った人が歩き回るため、かえって感染が広がるからです。

☆ 新型コロナウイルスとは?
在来型のコロナウイルスは、至る所に存在し、絶え間なく感染するありふれた風邪のウイルスで、すべての成人と5歳以上の子どものほとんどが一度は感染したことがあると言われ、通常はかぜの5~10%を占めています。主に下気道に感染して時々重症化し、まれに肺炎を起こします。主に5歳以上で明らかな症状を示します。大きさは0.1~0.15ミクロンで、ほとんどのマスクを通過してしまいます。
今回の新型コロナウイルスは、中国当局の発表では、
② 感染者が全員発病する訳ではない。
②特に子どもの発病は少なく15歳以上がほとんどで、患者の72%は40歳以上。
③40%は糖尿病、高血圧、心血管疾患などの持病がある弱者である。
④潜伏期間は1~14日(最大21日)。潜伏期間中も感染するようです。
⑤在来型よりはある程度毒性が強まっています。重症化率は25%。
⑥必ずしも肺炎にならないので「肺炎」という言葉は使われていません。
 ウイルスが見つかったのは香港大学医学院の患者で、60代の夫婦と30代の夫婦、孫二人のグループから。孫二人は発症せず、一人は検査陽性でもう一人は検査陰性でした。その結果60代の夫婦と娘の義母の3人が入院。WHOの1月27日の発表では、中国以外の患者の年齢は2歳から74歳までです。ほとんどが15歳以上で、子どもの感染者は少なく、症状が軽いのです。サーズの時も子どもはほとんど感染せず、感染しても軽症でした。
 厚生労働省は、インフルエンザの毎年の流行を人口の10%が感染、大流行時は25%が感染すると予測しています。2009年のメキシコ発新型インフルエンザは、今冬流行しているA型インフルエンザの主力です。もう日本に居ついて従来型と呼ばれています。

☆ どんな症状になるのか?
症状は、発熱98%、咳76%(痰がからまない、から咳)、筋肉痛または疲労44%です。鼻水が出ないことが特徴。下痢はまれ。サーズでも1割程度しか下痢はなかった。ほとんどがかぜか軽いインフルエンザの症状です。肺炎もすべてに見つかっている訳ではありません。無症状で検査陽性の人も次々と見つかっています。重症になるのは、ほとんどが高齢者です。これもインフルエンザと同じです。2月11日には世界で千人以上が死亡し、そのほとんどが武漢市です。その年齢と持病などの詳細は公表されていませんが、1月22日までの死亡者17人の平均年齢は73.3歳で、60歳未満は二人でした。死者のほとんどが重い心臓病、慢性腎不全、パーキンソン病、糖尿病などを持っていました。
武漢市は人口1,100万人ですから、千人は0.01%です。インフルエンザが死亡率0.1%以下と言います。交通遮断されて十分な医療を受けられる保証はないし、発病を隠し重症化してから受診しているのかも知れません。重症になるタイプのウイルスに感染すると、その人は寝たきりか亡くなり、家族か医療従事者以外には感染しません。軽くすんだ人が他の人に感染させるのです。軽くすむためにかえって感染する機会が増え、大流行しやすいのです。それを防ぐことは困難です。いずれ日本全体に広がると思います。そして世界に常在していきます。それが感染症の歴史です

☆ かからないようにするためには?
今までに何年もインフルエンザにかからなかった人は、今まで通りで良いです。そうでな
い人は、睡眠時間を十分とり、過重労働を避けること。身体とこころの疲れを避けること。神経質になりすぎてもいけません。一種の自己暗示行為になります。欧米諸国では、過去にはマスク、手洗い、うがいはしません。飲食時や汚れた時だけするだけです。それでマスクを奨励せず、マスクをするアジア系の人たちを差別(人種差別)しがちになるようです。

☆ かかってしまったらどうするか
▽病院にかかる条件は、呼吸状態が悪くなった時です。
▽解熱剤は、絶対に使ってはいけません。免疫を低下させます。総合感冒薬も解熱剤入りです。内科医は対症療法と称して解熱剤を出すし、小児科でも出す医者がいます。薬剤師に聞いて処方されても飲まないこと。解熱剤が氾濫しているのは、先進国の中で日本だけです。▽ウイルスに効く薬はありません。心配なら受け入れ病院へ電話して指示を仰いで下さい。2月1日から「指定感染症」になり、診断されたら行動制限されるようになりました。
(2020年3月5日)

  
  ヒトと感染症の歴史


〇 2009年メキシコ発の新型インフルエンザの時には、最初に集団感染した大阪の中高一貫校で全生徒教職員647人の血液検査をし、102人(16%)の人しか抗体を検出せず、典型的な症状が出たのは44人(45%)で、軽症36人(37%)、無症状18人(19%)でした。残り84%は抗体を検出せず。きっと侵入経路の鼻や咽頭の粘膜細胞で闘って勝ったので血液中に入らず、抗体ができなかったのです。それが細胞免疫です。
〇 今の感染症専門家たちは人間と病気との関係を、人間の側は同じと見て、ウイルスの病原性が高いか低いかと言いますが、ルネ・デュボスは結核の重症者と軽症者の結核菌を調べたが違いが見つけられず、その結果病気の重症度は結核菌にあるのではなく、人間の抵抗力つまり免疫の働きが落ちているかいないかによると結論したのです。
過去のデータですが兄弟への感染率は、麻疹99%、風疹90%、水痘80%、おたふくかぜ67%とありました。いずれも潜伏期間は私の経験ではすべて最大21日間でした。
〇 ヒトゲノム計画で判ったことは、人のゲノムには人間の病気の歴史が書き込まれていたのです。過去の病原体のゲノムの一部が取り込まれていたのです。それで発病する人が出なくなったのです。ヨーロッパを蹂躙したペストも人口の四分の一を失って消えて行きました。
〇 公衆衛生学者のシゲリストは、「医学は社会が病気と闘う武器の一つに過ぎない」と言い、「医学は社会科学である」と言い、東大闘争時の東大医学部長だった白木博次さんもそう言いました。今の検疫制度
はペストの時にできたといい、現代の航空機時代には全く用をなしません。昔、インフルエンザが流行した時に、パナマの港から1km以上離れていた沖に停泊していた船上で感染者が出たといわれています。晴れた日には1m離れれば感染しないのですが、曇っていると風に乗って遠くまで飛んでいくようです。新型コロナウイルスもその可能性があります。停泊を拒否しても、近づいたら感染することもあり得ます。

コメント (2)

新型コロナウイルスへの対処法(第三報)

2020-02-20 23:02:59 | 感染症
新型コロナウイルスへの対処法
中国発の新型コロナウイルス感染症の話(第三報)

さてこんなに流行し始めているのに、どうしたらよいか。
それは世界の感染症専門家たちが思い違いをしているのです。ワクチンで感染症を制圧できると言う幻想を持っているのです。

      思い違いのコロナウイルス対策(第三報)
新型コロナウイルスにどう対処するか    2020.2.21.
☆感染を防ぐことはできません。
 その理由:
 1)人へのウイルスの感染経路は、あくまで気道の感染からです。鼻と口からです。
 そこへ入るのは、飛沫感染と口からの経口感染です。
 接触した手からの感染は、口からですから、飲食時の手洗いをすれば十分です。手の皮膚からは、皮膚の防御システムが働かない傷や湿疹、皮膚炎ができている所だけです。それも手袋をすれば防げます。
 最大の感染経路は、鼻や口からの呼吸で吸い込むことです。0.1~0.15ミクロンですから、普通のマスクでは防げません。毒ガスを防ぐ防毒マスクなら防げます。医療用のN95マスクで防げるという確証を私は持ち合わせていません。
 スギ花粉は20~40ミクロンです。だから花粉症マスクでも防げません。
 マスクは、かかった人が大量にまき散らさないためのエチケットマスクです。予防にはならないので、欧米ではしません。2009年のメキシコ発の新型インフルエンザ騒ぎの時に、メキシコでは誰もマスクをしていなかったのです。

 2)ウイルスは、口からの飛沫で細かい粒子に乗って、空気の流れによって漂っていきます。離れればうつらないとか、接触するからうつると言うのは思い違いです。
 ウイルスは直射日光に弱いですから、晴れた日は1メートル以上離れればうつりません。
 でも室内や、曇った日は1キロメートル以上飛んでいくと言うことが科学史の中で判っています。エアコンで運ばれることもあります。だから船内にいる方が感染しやすいのだと思いますが。昔小児病棟で麻疹が発生した時には、入院を止めて、入院患者さんはできるだけ退院させて自宅で過ごさせ、21日間待ってから入院を開始したのですが、たまに21日目に発病した子がいました。その頃には麻疹生ワクチンがあったと思うのですが、発病した子が出た当日にワクチンを接種すれば間に合うなどということを知りませんでした。
 だから潜伏期間は最大21日です。

 3)環境工学の研究所の研究では、タクシーの車内で咳をしたら、エアコンの気流に乗って車内全体に広がります。同様に室内にいたら、部屋全体にウイルスの微粒子が蔓延します。
 一番感染しやすい麻疹の場合に、昔、アメリカの小児科クリニック(もちろん小児科専門医)で、患者さんが麻疹と診断されました。それでその場に居たすべての人の麻疹の罹患歴とワクチン歴を調査し、かかっていない人にはすぐワクチンを接種して帰しました。それで診療を中断し、部屋を全開放し、空気を入れ替えるようにして、一時間後に診療を再開しました。しかしその後の来院者に麻疹の患者さんが出てしまったと言う報告がありました。
 インフルエンザの場合も、室内では一人が咳をしてウイルスをばらまけば、部屋全体に広がります。
 新生児室や未熟児室の感染予防に関わったことがありますが、外気を取り入れて、室内を一方向、通常は横に流れるようにし、しかも吸い出し口から陰圧をかけて、空気を流していました。落下細菌を防ぎ常に新しい空気に入れ替えるためです。それだけしていても、新生児に医療従事者の病気が感染する例がなくなりません。
 ですから、同室に居たり、同じ車内、同じ船内にいたら、うつるのは当たり前です。隔離しても空気を隔離できなければ防げません。エアコンの風でも運ばれます。
 だから接触したかどうかを調べても意味がありません。
 でもインフルエンザや、風疹がクラスで流行していてもかからない子どもや教師がいるのもよくあることです。
 
☆ではどうしたら感染を防げるか。
でもかかる人とかからない人がいるのは、個人の免疫システムが働いているか、働いていないかによって決まります。ウイルスを吸い込んでもその人の免疫システムが働いていれば、感染しないか、しても発病しないのです。(第一報記載の2009年新型インフルエンザ流行時の最初の集団感染した学校の報告を参照して下さい)
それは、人は一人ひとり違うのです。その人の健康状態、特に免疫システムの働きが正常に働いているかで決まります。免疫状態を低下させる最大の原因は、ストレスです。がまんさせたり、嫌がることを強制したりすることも、よくありません。
自分の思い通りに生きていると、病気にかからないか、かかっても軽く済みます。だからほとんどインフルエンザにかからない人は、コロナウイルスに感染することはないか、かかっても軽く済むことが多いと思います。ただし過信して無理をしたり、睡眠時間を減らしたりしてはいけません。自然免疫を働かせていればよいのです。

☆感染の仕組みはどうか。
人の自然免疫は、まず侵入経路の鼻やのどの粘膜細胞の細胞免疫によります。細胞免疫が働けば、細菌やウイルスをそこで侵入を阻止します。侵入されても細胞内の闘いで勝てば、そこで止まります。細菌の場合には、白血球が細菌を喰って死んだものがうみ(膿)です。ウイルスの場合は違います。ウイルスは細胞内でないと繁殖できません。細胞内に入って繁殖できるかどうかで決まります。そこの闘いで細胞側が勝てばそれで終わります。
そこで負けると細胞内でウイルスが繁殖して、細胞を破壊して周囲の細胞に入り込み、同じことを繰り返します。粘膜細胞での闘いで勝てば抗体もできずに感染を防ぐことができます。そこを突破されると、血液中に入ります。血液に入るとリンパ球(T細胞とB細胞)が活動して闘います。リンパ球が直接ウイルスと闘ったり、抗体を作り、抗体がウイルスと結合してその働きを阻止します。(人には1億の抗体を作る働きを持っていることを利根川進さんが証明しました。)そこで抗体を作るスピードが間に合えば無症状です。少し遅れると、軽症で済みます。間に合わずに、血液中でウイルスが繁殖してしまうと本格的に発病します。
既に抗体を持っている場合は、獲得免疫と言って以前に感染したか、ワクチンによって抗体を作った経験があり、免疫学的記憶が残っていて、抗体価が低くても速やか抗体を作ることができ、発病を阻止できるか、間に合わずに発病しても軽く済むのです。
新型の場合にはそれは期待できません。しかし、ほとんどすべての5歳以上の人は、在来型のコロナウイルスに感染していますから、その抗体を持っています。それで近縁のウイルスなら交叉免疫で抗体を作りやすいと思いますが、それについての確証はありません。でもなぜサーズの時も、今回の新型コロナウイルスでも子どもはほとんど発病しないし、ウイルスを検査しても陰性の子がいることを説明できません。ウイルスは粘膜細胞内に入り込めないと繁殖できないし、繁殖しないと検査に引っかからないのです。

☆検査では偽陰性のこともあります。
 検査万能ではありません。インフルエンザの検査でも、発病後8時間程度過ぎないと陽性に出る確率が低いようです。それだけ活発にウイルスが繁殖している必要があるようです。
 しかもインフルエンザは主に上気道で繁殖しますから、鼻やのどの粘膜でのウイルスを検査しています。
しかしコロナウイルスは一般に下気道を中心に感染を起こすので、気管・気管支・肺への感染を起こしやすく、それで肺炎が多いのです。その検査を鼻やのどの上気道の検査で代用していますから、偽陰性が出ることも多いと思います。だから何度も検査されたりします。
一度の検査で陰性でもあてにならないのです。PCR法はウイルスのゲノムの検査ですから、大量にはできません。しかもウイルスをしっかりつかまえないと正確に出ません。血液中の抗体の検査よりも難しく、手間のかかる検査です。
検査すれば判ると思うのは幻想です。だから中国のように臨床診断として胸部X線やCTでの肺炎像を使うことも大量にさばくために考えられたのです。でもそれでは診断漏れが多くなります。
一般の診療所や中小の病院では検査できないかもしれません。数少ない検査の枠を、国の対策に使っているからです。
☆免疫の働きを活性化するためには、どうしたらよいか。
 のびのび生きることです。今までインフルエンザにかかっていない人は、それができているからかからないのですから、今まで通りにして下さい。
 持病があっても、一病息災でインフルエンザにかかっていなければ、その人も大丈夫です。
 多くの開業医はインフルエンザの患者さんを多数診察しても、かかる人は僅かです。医師は自分の健康管理をしっかりしているからで、勤務医がかかるのは過重労働からです。
 子どもが3歳過ぎると病気をしなくなるのは、自己主張が強くなるからで、病気をしなくなる代わりに、親の言うことを聞かなくなります。親の言うことを聞くような良い子は、病気になります。過保護や過干渉は、子どもを病気にします。
毎年インフルエンザにかかる人は、睡眠時間、体調管理に気を付けないとかかってしまうでしょう。ストレスも免疫システムの働きを低下させます。
☆結論は、あなた自身が防ぐしかありません。
 あなたの健康を自分で守るしかありません。体調管理をすることが最大の課題です。医者が滅多にインフルエンザにかからないのもそこにあります。
 
 インフルエンザの診断での死亡者が、日本で2018年だけで3325人もいました。
多くは高齢者ですが、子どものインフルエンザ脳症も223人も出ています。
 ですからすべての感染者の死亡を無くすことはできません。
 インフルエンザ脳症の原因は、解熱剤です。解熱剤を感染症に使うことは無謀です。解熱鎮痛剤は、遠くはアスピリンとアセトアミノフェンをインフルエンザと水痘に使うとライ症候群になることが判っています。また、昔から解熱剤を麻疹に使うと内攻すると言われてきましたが、最近は忘れられています。麻疹脳炎は解熱剤で多発しています。
世界では、多くの国が解熱剤としてはアスピリンとアセトアミノフェンだけだったので、解熱剤を使わなくなりました。日本では多くの薬が解熱剤として使われていたので、他の薬は大丈夫と思われています。
 しかし、解熱する仕組みは、免疫の仕組みを止めるから熱が下がるのです。ですからすべての感染症に使ってはいけないことなのです。対症療法という治療法は、本来はあり得ないことなのです。その理由は1990年頃にまず発熱の仕組みが解明されました。そうしたら、熱を上げることによって細菌やウイルスなどと闘い、繁殖を防いでいたのです。その後、咳も鼻水も、目やにや垢も、体の防御反応だったのです。
 痛みも、体の自分への注意ないし警告信号で、痛みで知らせていたのです。痛くなることをしないでと言っているのです。だから痛みを薬などで止めずに、痛くないようにすることが最上ですが、難しいので薬や鍼で痛みを止めてもよいです。
 対症療法は、本来はすべきではないのですが、せいぜい和らげる程度にすべきですし、熱だけは下げてはいけません。欧米では発熱時に薬を使わないで熱を下げる目的での微温湯浴もしなくなりました。免疫システムを止めているのですから。
 
                        
コメント (1)

2020年新型コロナウイルスの話(第二報)

2020-02-07 10:41:35 | 医療
第一報の続きです。できれば、これを読んだら、第一報もお読みください。


2020年新型コロナウイルスの話(第2報)
結論から
 やはり騒ぐほどの感染症ではありません。かかってもほとんどの人が治っています。とすると、もっと流行することが考えられます。軽い程流行しやすいのです。
 晴天の日と、曇りの日での違いを他の専門家は考えていません。入港を拒否しても、風に乗って飛んでくるかもしれません。無症状で帰国するかも知れません。だから防げません。
ウイルスのPCR法という検査法は、時間と費用のかかる方法ですから、誰でもインフルエンザの迅速検査のように手軽にできる検査ではありません。それができるようになるのは、大流行が終ってからになると思います。

 2月7日の東京新聞の報道では、死亡率が武漢市で突出しているとしています。
中国全体の感染者は、28,018人で死者563人、致死率2.0%。湖北省では感染者19,665人、死者549人、致死率2.8%。武漢市の感染者は、10,117人で死者414人、致死率4.1%。武漢市のある湖北省を除く中国では3460人で、死者2人、0.05%です。なぜか湖北省特に武漢市の致死率が高いのです。
 2月6日の日本人感染者45人のうち、無症状4人、回復退院10人、安定6人、治療中4人、他不明。
 インフルエンザの致死率は0.1%以下です。
 SARSウイルス9.6%。MERSウイルス35%でした。2003年のサーズ(重症急性呼吸器症候群)は世界で約8000人が発病し、774人が死亡(致死率約10%)して終息しました。これも新型コロナウイルスでした。
2月5日の中国当局発表では感染者数は2万4千人、死者490人に。香港大研究チームは4万4千人が感染と予測。四、五月頃がピークで六月頃から減少すると見ています。
医学誌「ランセット」も流行は五、六月まで続くと言います。
 2009年のメキシコ発の新型インフルエンザも騒がれましたが、従来型より少し強い程度でした。今回もその時と同じように、在来型コロナウイルスより少し強い程度で、死亡率も低く、そのため感染力は高く、航空機時代には従来の検疫体制では防げないのです。
私の予測では日本にも広がり、大都市ではインフルエンザ並みになり、終息すると思います。オリンピックまで続くかは判りません。サーズは流行が始まってから、終息するまでに8カ月かかっています。予測が外れると良いのですが。

在来型のコロナウイルスは、
 通常のコロナウイルスは、至る所に存在し、絶え間なく感染するウイルスなので、ありふれた風邪のウイルスで、すべての成人と5歳以上の子どものほとんどが感染したことがあると言います。通常はかぜの5~10%を占めています。主に下気道に感染して時々重症化し、まれに肺炎を起こします。主に5歳以上で明らかな症状を示します。大きさは0.1~0.15ミクロンで、ほとんどのマスクを通過してしまいます。

今回の新型コロナウイルスは、中国当局の発表では、
① 感染者が全員発病する訳ではないこと。
② 若い人の発病は少なく15歳以上がほとんどで、患者の72%は40歳以上です。
③ 40%は糖尿病、高血圧、心血管疾患などの持病がある弱者であること。
④ 潜伏期間は1~10日くらい。その後「10日前後だが、最も短くて一日、長くて14
日」と発表しています。また潜伏期間中も感染する、(在来型より)毒性が強まっている、重症率は25%、初期には肺炎像を示さないなど、とも発表しています。 
 WHOの1月27日の発表では、中国以外の患者の年齢は2歳から74歳までです。しかも若年層特に子どもの感染者は少なく、症状が軽いのです。サーズの時も子どもにはほとんど感染せず、感染しても軽症でした。医学誌「ランセット」でも患者のほとんどが15歳以上でした。香港大学医学院でウイルスを発見された一族は、まず60代の夫婦が発病して入院し、その娘の義母も入院、30代の娘夫婦は発病し、孫二人は発症せず、一人は検査陽性でもう一人は検査陰性でした。
 第一報にも載せたように、軽くかかって発病せずに検査陽性の人もいるために、感染力は高く、大流行しやすいのです。それを防ぐことは困難です。いずれ日本全体に広がると思います。そして世界に常在していきます。それが感染症の歴史です。

症状は、発熱98%、咳76%(痰がからまない咳、から咳)、筋肉痛または疲労44%です。下痢はまれです。サーズでも1割程度しか下痢はありませんでした。ほとんどがかぜか軽いインフルエンザの症状です。肺炎もすべてに見つかっている訳ではありません。無症状で検査陽性の人も次々と見つかっています。感染しても発病しない人もいます。

重症になるのは
 ほとんどが高齢者です。これもインフルエンザと同じです。2月7日には全世界で565人が死亡しています。その年齢は公表されていませんが、1月22日までの死亡者17人の平均年齢は73.3歳で、60歳未満は二人でした。死者のほとんどが重い心臓病、慢性腎不全、パーキンソン病、糖尿病などを持っていました。
 多くの医師は人間と病気との関係を、人間の側は同じとみて、ウイルスの病原性が高いか低いかと言いますが、ルネ・デュボスは結核の重症者と軽症者の結核菌を調べて、どうしても違いが見つけられず、その結果病気の重症度は人間の抵抗力つまり免疫の働きが落ちているかいないかによると結論したのです。
 人間では、乳児期とその次の1年間は重症化しますが、3歳過ぎから小中学生の時代がもっとも病気が少なく、かかっても軽いことが多く、逆に言えば自然免疫が活発な時代です。 
だから今回も子どもでは発病が少なく、かかっても軽く済んでいるのだと思います。それで72%が40歳以上です。しかも40%は高血圧、糖尿病、心血管疾患などの持病のある人です。日本でも、年収400万円を超えない貧困層が増えていますから、社会的経済的弱者も病気による弱者と共にかかりやすいと思います。
予防するには
 かぜが予防できないように、適切な予防法はありません。
 まず睡眠時間を十分とること。睡眠はこころと体の健康に大きく寄与しています。あとは疲労をためないこと。自分の健康管理に気を付けている人はかかりにくいのです。今までにめったにインフルエンザにかからない人はかからないか、かかっても軽く済みます。
 マスクも手洗いもうがいも、それ程有効ではありません。
ヒトゲノム計画で判ったことは、日本人は97%が神経質になりやすい遺伝子回路を持
っていて、白人は67%だったと言います。それでマスクをするのは日本人だけと思ったら、
中国人もマスクをするので、中国人も日本人と同じく神経質な遺伝子を持っているのだなと
思いました。

 感染経路は、飛沫感染と接触感染と言います。
飛沫感染は、インフルエンザで考えると、晴れた日では直射日光に弱く1メートル離れれば感染しないのですが、今回は晴天でなくても2メートル離れると感染しないと言います。しかし、インフルエンザの場合には、過去に曇りの日には1キロ離れた沖合の船に感染した記録があります。インフルエンザが流行した時には、学校の教室などの中はウイルスが充満していると考えられていますが、かからない子の方が多いのです。コロナウイルスも同じではないでしょうか。結核は30分以上同室に一緒にいないと感染しないし、麻疹はほんの数分でも感染するようです。

接触感染は、手の皮膚から感染するのではなく、手に付いて、その手で物を食べる時に口から感染するのです。皮膚から感染するのではありません。食べる時に手洗いをすれば防げます。しかし、子どもは手を口に入れたりするし、世界の人口の三分の一は手で食べ物を直接食べます。手洗いは、飲食する時にすればよいです。
 健康な皮膚には、通常1平方cmの中に約10万の微生物が住んでいて、外来の生物の侵入を防いでくれますし、皮膚の垢は皮膚の角質細胞がその中に微生物を含んで脱落していく防衛反応の一つなのです。傷や湿疹、皮膚炎がない限り手の皮膚から直接侵入することはできません。
 鼻や口の中、咽頭喉頭にも常在菌やウイルス、カビなどが棲んでいます。それが通常は、外来微生物を追い払ってくれます。なぜか人間が抵抗力を落とすと、その働きが低下して感染しやすくなります。
 詳細は、私のブログの「免疫」の項目の、最後にある「生体防御」、「自然免疫」などを見て頂ければ詳しく書いてあります。
 人間は自然体で生活していれば、もっと免疫が活性化して、病気になることも少ないのです。でも新しい感染症は少なくない犠牲者を出して、人間と適応関係を結び、人間社会に定着していき、消えて行きます。結核、天然痘、発疹チフス、ペストなどが歴史を作ってきました。そんなことは歴史学では教えてくれませんでした。
 
新型感染症はなぜ出てくるのか。
 なぜこんなことが起きるのかというと、自然界では、ヒトも動物も、細菌もウイルスも日々進化し、変異を繰り返しているからです。生物はいつも絶えず変化し、進化しているからです。人間も生きるためにいろいろと科学文明を使って進化していますが、他の生き物たちもすべて生き残りをかけて進化しているのです。
 デュボスの考えは、古い感染症は消えて行き、新しい感染症が出てくるのが歴史の流れであると言います。

コメント

中国の新型コロナウイルスによる肺炎について(第一報)

2020-01-28 07:57:24 | 医療
中国の新型コロナウイルスによる肺炎について(第一報)
結論から
 そんなに騒ぐほどの感染症ではありません。せいぜい、2009年の新型インフルエンザ程度でしょう。時間的には予測できませんが、その程度には世界中に広がると思います。
 大都市では、人口の10~15%程度は感染するかも知れません。
 2009年のメキシコ発の新型インフルエンザが、WHOの専門家会議で、判断を誤り二段階も流行レベルを上げてしまった裏に、レベルアップを提唱した二人の委員の製薬企業との利益相反があったのです。
WHOの専門家会議が今回は慎重なのは、それを踏まえてのことだと思います。
感染力は強いですが、重症度は低いようです。同じコロナウイルスによるものでも、サーズ(重症急性呼吸器症候群)よりも重症度が軽く、かかった人が歩き回り、感染が広がりやすいのではないでしょうか。指定しても感染の広がりを抑えることはできないと思います。

中国発の新型コロナウイルスによる肺炎という病気はどうでしょうか。
 感染者は全員発症する訳ではないこと。
 特に若い人の発病は少なく、患者の72%は40歳以上であること。
 40%は糖尿病、高血圧、心血管疾患などの持病がある弱者であること。
 ウイルスが見つかったのが、香港大病院の患者で60代の夫婦と30代の夫婦、孫二人のグループからで、孫の一人は発病しませんでしたし、もう一人の孫はウイルスの検出もされなかったと言います。
 症状は、発熱、咳、下痢だと言います。しかもインフルエンザのような経過を取らないようです。まだ病状や経過の特徴は、確立はされていません。
 中国当局の発表では、「潜伏期間は1~10日くらい。潜伏期間中も感染する。毒性が強まっている。重症率は25%」です。肺炎と言うが初期には肺炎のX線映像はないようです。
 これらを検証しましょう。私の理論はルネ・デュボスの適応説によるものです。(後述)
 また武漢市は人口1,100万人ですから、湖北省で729人発病、死者39人と発表されていますが、一部では5千人から2万人以上発病しているのではないかとも言います。
 1月27日の発表では、中国国内で発病者2066人、死者56人、重症者324人と発表されました。
 でも東京都だけで毎年新規に結核発病者が2千人くらい出ていますから、それほど多いと思われません。

もう一度2009年のメキシコ発の新型インフルエンザを検証してみましょう。
 あの時に大阪の中高一貫校が最初に集団感染しました。その学校の全生徒教職員647人の血液検査をしたら、その結果102人(16%)の人しか抗体が検出されなかったのです。しかも、典型的な症状が出たのはその中の44人(45%)で、軽症36人(37%)、無症状18人(19%)でした。無症状だった人は不顕性感染と言い、血液中に入ったので抗体ができたのですが、その段階でウイルスに勝ったのです(ワクチンと同じ経過です)。
抗体が出なかった人は、侵入経路の鼻や咽頭の粘膜細胞で闘って勝ったので、血液中に入らず、抗体ができなかったのです。それが細胞免疫です。
 細胞免疫の測定はいまだにできず、唯一ツベルクリン反応だけなので、抗体があるかどうかで判定しています。だから抗体が無くても感染しない人もいるはずですが、証明ができません。ポリオ生ワクチンは、腸管粘膜の細胞免疫をつけるので非常に効果が高いのです。
 今インフルエンザ生ワクチンをのどや鼻の粘膜へスプレー噴霧して細胞免疫をつける試験がなされていますが、インフルエンザは変異が早いので難しいようです。
 厚生労働省もインフルエンザの毎年の通常の流行では人口の10%が感染し、大流行時は25%が感染すると予測しています。それで見込み違いをしたのです。新型インフルエンザを大流行と予測したのですが、従来型より少し多いだけだったのです。
 メキシコから始まった新型インフルエンザが、今冬流行しているA型インフルエンザの主力です。もう日本に居ついています。だから新型とは言わず、従来型と呼ばれています。
麻疹と風疹が国内で騒がれていますが、ちなみに過去のデータを見ると(今はワクチンをしてしまうのでデータはない)、兄弟への感染率は、麻疹99%、風疹90%、水痘80%、おたふくかぜ67%とありました。

さて「新型コロナウイルスによる肺炎」を検証すると、
 潜伏期間は、その人の抵抗力の違いです。1日~10日前後です。
 潜伏期間中も感染するというのは、軽く発症していたのに本人が自覚していなかったのではないでしょうか。よくあることです。
  例えば、麻疹は最初軽い風邪ようの症状と発熱が軽度あり、発疹と共に高熱が出るようです。発疹とその頃に出るコプリック斑で診断がつきます。
 百日咳も、3~5日の風邪のような軽い症状で始まり、ある晩突然ひどい咳こみが始まります。私の経験でも、黄疸やギランバレー症候群で入院させたら、肺に影があり、マイコプラズマ肺炎だったことがあります。つまり、その始まりの時期には感染しますから。
 肺炎がないからと、否定できません。マイコプラズマ肺炎でもある日突然肺炎のX線の映像が出ます。前日には出ません。これはアメリカの小児放射線診断医のグループでの研究で明らかになっています。
毒性が強まっている。これは人とウイルスの力関係ですから、持病などのある人は重症化し、健康な人は軽症ですむということです。インフルエンザと同じパターンです。
 それが重症化率です。
 人から人へ感染すると毒性が強まると言うのは思い違いです。デュボス説では、重症になるタイプのウイルスに感染すると、その人は寝たきりか亡くなり、他の人に感染しません。
 軽くすんだ人が他の人に感染させるのです。感染力は高くなりますが、軽症化します。
重症になるのは、持病のある人たちです。

 またマスク、手洗いは、日本の真似です。2009年のメキシコでは、誰もマスクもうがいも手洗いもしていませんでした。これはアメリカのやり方です。
 昔中国に行った時には、中国の医師たちは日本よりアメリカの医学を見ていましたが、今は違ってきたようです。欧米諸国では、マスク、手洗い、うがいはしません。汚れた時だけするくらいです。厚生労働省もやっと認めて、「エチケット・マスク」と言って咳の出る時に他人に濃厚にうつさないようにマスクをしましょうと変わってきたはずですが。マスクの予防効果はほとんどありません。見かけだけです。防毒マスクなら確実に予防できます。

かからないようにするためには。
 まず、今までに何年もインフルエンザにかからなかった人は、今まで通りで良いです。
そうでない人は、睡眠時間を十分とり、過重労働を避けることです。体とこころの疲れを避けること。神経質になりすぎても行けません。一種の自己暗示行為になります。それは今の社会、特に安倍政権では無理でしょうね。
 ペストの時にできたのが、千夜一夜物語だったと思いますが。流行したら不要な外出を控え、家でのんびり「はやり病い」を忘れて過ごしましょう。
かかってしまったらどうするか。
 病院にかかる条件は、呼吸状態が悪くなった時です。
解熱剤を使うことは、絶対にしてはいけないこと。免疫を低下させます。総合感冒薬も解熱剤入りです。内科医は対症療法と称して解熱剤を出します。小児科でも出す医者がいます。
症状は体の防衛反応ですから、症状を取ってはいけません。つらければ、高熱には頭を冷やしたりしてもよいし、子どもはあなたの肌で冷やしてください。以前は、欧米ではぬるま湯に入れて下げましたが、今はしません。下げない方が良いからです。解熱剤が氾濫しているのは、先進国の中で日本だけです。製薬企業がメディアを支配しているからでしょう。

 次に、熱が出てすぐにはレントゲンを撮っても肺炎の影は出ないことが多いようです。熱が出ても、一日か二日は様子を見ましょう。でも呼吸状態が悪ければ、いつでも病院へ行きましょう。今のところウイルスに効く薬はありません。間違って解熱剤をもらっても、飲まないように。解熱剤が免疫を低下させることを知らない医師が多いですから。
 日本の先端医療は進んでいても、一般の医療は世界の標準以下です。
 かかったと思ったら、家で休んでください。診断書をもらいに医者にかかることも、周りに感染させてしまいます。心配なら受け入れ病院へ電話して指示を仰いで下さい。
 今日、1月28日に「指定感染症」に閣議決定されたら、診断されたら行動制限されます。問題はどうしたら診断できるのでしょうか。特有な症状はないし、肺炎が判るのは時間がかかるし、診断基準はないし、治療法もありませんから。

 
私の理論、病原環境説または適応説は
 1971年の国連人間環境会議のアドバイザー委員会共同代表で、報告書の序文を書いたルネ・デュボスの適応説から学んでいます。それは遠くヒポクラテス学派から始まり、中世の暗黒時代はイスラム医学へ受け継がれ、近代医学へ回帰し、ドイツの病理学者ウイルヒョウたちが受け継ぎ、フランス系アメリカ人のシゲリストとデュボス夫妻に受け継がれてきたのです。しかし、この理論は基礎医学者と精神科医たちにしか支持されず、アメリカの臨床の感染症学者たちとは違います。日本にも十数冊もの翻訳書が出版されていますし、結核の名著「白い疫病」も出されていますが、その理論は受け継がれていません。私はそれを臨床に応用して、成果を得ています。

 感染症の歴史や、耐性菌はどうして出てくるか、人間の歴史は感染症の歴史でもあることや、古い感染症は次第に消えて行き、また新しい感染症が出てくるのが歴史の必然であること、常に人間は犠牲を払いながらそれを乗り越えてきたことなどです。それらをデュボスは明確に説明していますし、私は臨床の場でそれを確かめています。
 新しい感染症が出てくるのは、歴史の必然です。

ヒトゲノム計画で、人のゲノムが明らかになったら、人のゲノムには人間の病気の歴史が書き込まれていたのです。デュボスの理論が証明されたのです。私は日本脳炎のゲノムの一部が今の若い日本人たちのゲノムに取り込まれていると予測し、それを証明してくれる遺伝子研究者を待っています。だから日本脳炎のウイルスがいるのに、発病する人が出なくなったのです。確かここ2年は0だったと思います。出てもほとんどが高齢者でした。いずれ現存の感染症もそうなると思います。
私の同期、41青医連の仲間だった京大の利根川進さんが、人間は一億の抗体を作る能力を持っていることを証明してくれました。
抗体を作る時間が潜伏期間で、症状はウイルスと人間の免疫システムが闘って生じる人間の防衛反応の結果と考えています。麻疹の発疹ができるのは、抗原(ウイルス)抗体反応の結果だと言うことも判っています。
 この10年の遺伝子学の進歩の話が、日本の科学ジャーナリズムの少ないことから、一般に知られていませんが、遺伝子も環境によって変化するし、遺伝子の発現も環境に応じて発現が変わってくるのです。そうして人間は、感染症に適応関係を作り、最後は平和共存していくのです。ヨーロッパを折檻したペストもそうして消えて行きました。総人口の四分の一を失って。

 公衆衛生学者のシゲリストは、「医学は社会が病気と闘う武器の一つに過ぎない」と言い、「医学は社会科学である」と言っていました。東大闘争時の東大医学部長だった白木博次さんも「医学は社会科学である」と言っていました。
今の検疫制度はペストの時にできたといいます。しかし、航海時代のもので現代の航空機時代には、全く用をなしません。
 しかも昔、インフルエンザが流行した時に、パナマの港から1km以上離れていた沖に停泊していた船上で感染者が出たと言い、晴れた日には1m離れれば感染しないのですが、曇っていると風に乗って飛んでいくようです。
 もし新型コロナウイルスが呼吸器感染であれば、その可能性もあるのではないでしょうか。
 
これらの話は、臨床医は知らないと思います。科学史の中で知られているに過ぎません。
私は中山茂神奈川大教授の研究会に2年間在籍していて学びました。
 私は、川崎市衛生研究所の岡部信彦氏とは、はとこです。若い時は一緒に造反したのですが、彼が慈恵医大第三病院で助教授になってから、別れました。私はデュボスに傾き、彼は国際的な感染症理論を取ったのです。ヒポクラテスの環境説は、歴史的にはいつも反主流派です。「ヒポクラテスの誓い」だけは有名ですが、環境説は知られていません。
 
 
コメント

いじめによる自殺は、子どものうつ病です

2019-12-17 14:22:17 | 子どもの死亡を減らすために
     いじめによる自殺は子どものうつ病
        今、いじめによる子どもの自殺が話題になっています。


 そもそも自殺ができるのは、心の病気つまりうつ病か統合失調症です。一時的なうつ反応やうつ状態になっても、自殺はできますが、いずれにせよ病気なのです。
 だから、リストカットは自殺しようとしてもできない症状なのです。自殺願望であったり、自分へのこらしめ的なのもの、自分を痛めつけるもので、自殺未遂とは言いかねます。
 少なくともうつにならないと自殺できません。統合失調症は思春期に好発しますが、子どものうつ病は低年齢からあります。
 私の診療した子どものうつ病の最少年齢は6歳、小学一年生の女の子でした。当時は国立埼玉病院小児科に勤務していましたので、まだ心療内科や精神科の勉強をしていなかったので、精神科医と併診の形で診療しました。たまたま私の医学部時代の同級で懇意にしていた精神科医が、神経内科の研修のために来ていたので、一緒に診療にあたりました。
 今から45年くらい前のことでした。その子の異常を見つけて小児科に連れてきたのは、親ではなく、その子が通っていた教会の牧師さんだったのです。親は半信半疑でした。
 原因は担任教師のいじめであり、その子は「死にたい、死にたい」と言い、子どものうつ病でした。親は気づいていなかったのです。ちょうど学区域の境にあったので、隣の学校へ転向させることで解決しました。それはすべて私たちのアドバイスで牧師さんが、教育委員会などへかけあって実現させたのです。
 
 いじめで子どもがうつ病になっても、親や周りの人たちが気が付いてくれないことが問題なのです。
もちろん、いじめられても平気な子もいます。わずかな意地悪でも落ち込む子もいます。それは受け取る側の個性なのです。私の子でも、いじめられても平気で知らんぷりしてやり過ごした子も、いじめられて大変だった子もいました。もちろん私は双方に、それなりに対応しました。
私の子は私立だったので、すぐ担任が対応してくれました。もちろん、私には数多くの弁護士の友人たちがいましたから、「法的に対応します」と告げたこともあったかも知れません。すぐ相手の子の親が連絡してきて何回か話し合い収まりました。
うつ病になる前に対応できました

自殺する前に、これは誰でも(大人でも)必ず周りの人の誰かに、「死にたい」と言います。「まさか」はありません。冗談でもありません。この時点で止めることができないと、実行されてしまいます。実行されてから、学校のせいにしたり、いじめの相手のせいにしてもなかなか解決は難しいし、自殺した子は元に戻りません。
かならず誰かに言いますから、それを聞いた方は、かならず親に話して対処しないと本当に自殺します。
都会では屋上からの飛び降り自殺が一時は多かったのですが、今はどうでしようか。首吊り自殺はテレビなどではきれいに写されていますが、実際は便や尿を垂れ流すので汚いですからやめましょう。

ここで、子どものうつ病の基準を載せます。いじめへの対処よりも、うつ病への治療を優先します。いつ自殺するか分からないからです。治療を始めてから、原因であるいじめへの対処をします。

       子どものうつ病とうつ状態       
◎警告する兆候や症状を見逃さないこと。
最も重要な2つの危険な兆候
 ①抑うつ気分
  悲しみ、ゆううつ、絶望、みじめさ、意気消沈、心配、苛立ちを感じる。
 ②快感消失(喜びのなさ)
スポーツ、趣味、あるいは友人や家族とのかかわりなどの、いつもの活動の大部分 に関心がなかったり、喜びを感じない。
その他の兆候は、
 1)食欲不振と体重減少、あるいはその反対に過食。
 2)不眠、悪夢、睡眠持続の不良、早朝の覚醒などの睡眠障害。または眠っても眠っても眠り足りないという過剰睡眠。
 3)家で横になっていたり、疲れたり、やる気がなく、疲労を感じたりなどで示されるエネルギーの欠如。
 4)落ち着きがなかったり、ソワソワしたり、静かに座っていられない、などで明らかになる精神身体的な興奮。
 5)自責または、過度のあるいは不適当な罪悪感。子どもは自分のまわりでうまくいかないすべてのことについて、自分自身を責める傾向がある。例えば両親のけんかについても自分のせいだと思ってしまいます。
 6)思考し集中する能力の減退。日常の話の中や、学校の成績の低下など。
 7)繰り返し、死や自殺を考えること、または自殺企図。その考えは子ども自身によって話されることが多いが、話しているうちにしだいにはっきりすることもあります。
 必ずどこかで「死にたい」と言います。
◎なにをしたらよいか。
①まず小児科専門医(内科・小児科医ではなく)に相談すること。しかし医師の中には、子どものうつ病の存在を認めない医師もいるので、取りあってくれなかったら、他の小児科専門医に相談すること。
 慶応出身の小児科医は、松尾教授の時代になって、小児精神科医の渡辺久子医師を講師にして、卒後教育に小児精神科の教育をしていますので、若手は対応できます。東大など他大学ではしていません。

一般の精神科医は、大人が専門なので、医師によっては不適当な取り扱いをする医師もいますから、最初に相談するには適切ではありません。小児専門精神科医は少なく、初診はほとんど予約制で1~6ヶ月待ちが普通です。 →→当院では、所長に相談して下さい。
②抑うつ的な子どもを、何か良い所を見つけて賞めたり、共感したり、共鳴したりしてあげましょう。親との愛情をもった関わりが必要であり、親や兄弟とより多くの時間を過すことを必要としています。
子どもの話をよく聞き、そして話をすること。しかし、すぐにこうしなさいとか、親の考える回答をしてはいけません。まず子どもと感情を共有すること。そしてよく話を聞きだすことです。
③「頑張れ」は禁句です。気楽に、好きなようにすること。悲しい時は泣けばよいのです。
 できるだけ、感情をそのまま表現するようにさせ、それに共感してあげること。もし自分に同じような経験があれば、その時のことを話してあげましょう。
④「まさかうちの子が」と思ってはいけません。まさかと思ったら、親の落ち度です。それで他人を責めることはできません。あなたの責任です。
                     以上です。


うつ病に対処してから、いじめに対処します。場合によったら転向するなども視野に入れなければならないこともあります。それだけ、いじめに対する認識は甘いですから。

いじめへの対応の仕方は、まず父親が対応しなければいけません。日本は男社会ですから、女では対応が甘いです。男が出ると対応が変わります。父親でなくても、私の例のように牧師さんでも、叔父さんなどの親戚でも、近所の仲良くされている方でも、とにかく男が前面に出ることが大切です。
次に必要なことは、担任教師に任せないことです。担任に話をするのは一回だけです。それで担任に動きがないか、対応がおかしければ、即座に、ちゅうちょすることなく、教頭ではなく校長と交渉することです。
校長でだめなら教育委員会へ行くことが必要です。その時には、弁護士を探すことも必要になります。弁護士も医師と同じく当たりはずれがありますから、誰でもよいわけではありません。わからなければ弁護士会の事務所に相談することです。
そのくらいの覚悟をしないと子どもを救えません。私から見れば、学校や教育委員会に任せるのは、親馬鹿です。子どもを救えません。

 いじめであるかどうかを認定するのに基準を設けるのは、おかしいです。
 それは個人、つまり一人一人によって受け取り方が違うからです。

 現代の医学医療は、個人の違いを認めず、誰でも同じと考えています。誰でもみんな同じ病気になる可能性があると信じています。私にはそれは信仰としかいいようがありません。
 それは一人ひとりが遺伝的にも、かつ生まれてから(正確には授精してから)の33~36か月にどのような環境にあったかとか、どのように育てられたかによっても、違ってくるからです。
 同じ環境、食生活でも、一卵性双生児でも、違います。二卵性、三卵性なら全く違います。
環境が変われば、かかる病気も違います。一卵性双生児の研究は世界でいくつも行われ、違いが明らかになっています。
 
 それをいじめの認定を、担任教師がしたり、基準を設けたりするのはおかしいのです。
なぜ精神科学会、特に児童精神科学会や小児科学会がものを言わないのでしょうか。
 

コメント (4)