黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

コロナウイルス感染症の重症化はなぜ起きたか  第九報

2021-02-08 02:55:56 | 新型コロナ感染症
新型コロナウイルスの重症化はなぜ起きたか

新型コロナウイルス感染症情報 第九報


1.遺伝子型の変化はウイルスの病原性を強めるか。
つまり、遺伝子型が変化して強毒性になるのでしょうか。答えは、No(否)です。
 人間の体内でも、ウイルスでも常に遺伝子の突然変異は起きています。しかし、それは大きな変化ではないです。
またインフルエンザウイルスは毎年流行株が変化しているし、10年に一度くらいに大きな変化があり、さらに30年程度で大変化がありますが、臨床上の症状の変化はほとんどないです。だから宿主となる人間の側の違いの方がもっと重要です。
 新型コロナウイルス感染症も同じです。普通のコロナウイルスによって生じるのは、風邪の症状で自然治癒することがほとんどです。それから大きく変化したサーズやマーズが、重症化しましたが、それよりはるかに弱毒の今の新型コロナウイルスが、小さな変異をしても毒性に変化はほとんどないのです。
 現在、重症化している人が増えていることを、遺伝子の変化が原因として片づけています。しかしそうではありません。人間の側が変化しているのです。
2.人間の側の免疫を低下させる要因は何か。
 ウイルスの側の変異が重症化要因ではないとすると、昨年11月過ぎて急速に重症者が増え、年始の2021年1月1日午前0時までの死者が3554人となったのはなぜか。(12月22日が2944人で、1月16日では4488人、1月24日には5077人です。2月になり6000人を突破しました。)
 問題は、人間の側にあります。重症化するといいますが、かかられた人の免疫が低下していたのではないでしょうか。特に第一次の緊急事態宣言が出た時に比べて、現在特に昨年11月以降から、重症化が進み、死亡者も急速に増加し、医療崩壊が叫ばれています。
 その原因は、コロナに打撃を受けた約1100万人の年収200万円以下(2018年)の人たちで、主にパートやアルバイトなど非正規で働く人たちが、コロナで仕事を失い、さらに追い詰められているからです。一部は住む家を失い始めています。
△その原因としては、
1)貧困と更なる追い打ちのコロナ失業
 貧困は、先ず快適な居住場所を得られず、食糧にもこと欠きます。現実に、女性の一人親家庭では、子どもには一日二食食べさせているが、親は一日一食しか食べていない家庭も出ています。給食が子どもの栄養源になっていたのですが、それが粗末な給食になっています。
 2018年の統計で、年収が200万円以下の世帯が1098万人でした。2019年には全雇用者数のうち非正規は38%の2165万人でした。その後コロナで、主に非正規、特に女性が解雇されています。「世界」の雨宮処凛の報告では、7月には前年対比で非正規が131万人減(失業)でその内女性が81万人。8月に減った(失業した)パート・アルバイトの74万人の内女性は63万人。
 そんな非正規女性の2018年の平均年収は154万円。2019年には貯蓄ゼロは単身世帯で38%。その人たちがコロナで失業し、家賃が払えず、生活費もなくなっています。
 さらに自殺者が増えていますし、住宅ローンが払えない人も出ています。しかも低年齢化で、20代から30代の人がメールでSOSを出し、40代の世代も多いといいます。コロナ失業とコロナによるホームレス化が増加しているのです。失業しても失業保険ももらえない人も少なくなく、もらえても生活できるだけの金額ではなく、食を切りつめるしかないのです。
コロナに感染して、自宅待機させられている人では、外出もできず、一食すら満足に食べていない人が出ています。食料の買い置きがつきてしまうからです。
 「年越し大人食堂2021(四谷)」でも、200人を予想したのが340人も来て、用意した食事では足りず、緊急買い出しをして間に合わせたとのことでした。特徴は、年齢層が30代から70代で、女性が2割を占めたことです。過去にはほとんどが男性でした。
 貧困は、居住環境を奪い、食にもこと欠くために、免疫を低下させる最大の原因です。
 2)過重労働
 貧困者は、仕事をかけもちしたりしていますし、超過勤務で収入を増やしていたりしています。失業して職が見つからず、貯金も使い果たして、「新型コロナ災害緊急アクション」へ電話相談してくる人も増えています。そこで緊急の宿泊や生活保護申請を援助しています。
医療従事者の感染も原因は過労です。大病院の勤務医や看護師は、日常的にも過重労働でブラック企業並みです。看護師の夜勤は、16時間連続勤務ですし、医師の宿直勤務は36時間連続勤務です。そこへコロナ感染者を収容すると日常業務以外の仕事が過大に増え、労働時間が長くなります。それでコロナの感染者が出ています。
また女性は非常勤が多く、コロナで失業し、男性の仕事に入ったり、風俗産業で働く人も増えていますが、風俗業も仕事が減っています。ホスト業も男性の風俗業で、労働条件も住環境も良くありません。そこにコロナ感染者が増えるのは当然のことです。
仕事がある人は、失業しないために懸命に働きます。特に歩合制の職場は仕事の取り合いにすらなります。
 3)居住環境
 貧困者は日常的に、貧しい食生活で、過重労働をしています。しかも、劣悪な環境に住んでいます。ホームレスの増加が表面化していませんが、その代りにカプセルホテルやドヤ街、ネットカフェが宿泊場所となり、今年は政府も昨年4月の緊急事態宣言の時のようにネットカフェを営業停止させられなかったのです。ネットカフェを宿泊場所にしている人が全国で4000人とも言われています。また家賃が払えずにホームレス化も始まっています。
 日本ではなかなか移民や亡命者を認めず、学生、研究生、研修生として入国するために難民が隠されています。外国籍の多くの人たちは、狭い部屋に大勢で住んでいます。
 4)解熱剤の使用
 感染した人や、感染を疑われる人が、解熱剤を使用していることが疑われます。かぜ薬つまり総合感冒薬にも解熱剤は入っています。
 解熱剤とステロイド剤は、早期から使うと重症化しやすいことは中国での経験で判っています。しかし、日本の多くの医師はまだ解熱剤を対症療法と称して処方します。また感染した時に、熱があると早く治そうとして解熱剤やかぜ薬を飲む人が多いし、またコロナと診断されて出勤停止になると困る人たちは飲んでいます。
 そういう人たちが重症化しているのではないでしょうか。なかなか部外者には、個人情報だからと知ることができません。1月になり、練馬保健所長から医師会へ、解熱剤の一週間分以上の処方が要請されました。しかし、解熱剤は保険上では屯用(頓服)で使用するように指導されています。長期連続の解熱剤の使用は、重症化の最大の要因です。
 熱が出た時に、コロナ感染も否定できませんから、決して解熱剤や市販のかぜ薬を飲まないで下さい。在宅で待機している人に解熱剤を処方して、症状を隠してしまうと、短期に重症化するのではないかと思います。
 5)コロナ恐怖症
 精神的な要因も悪化する原因です。重症者や死者の話ばかり報道されているので、感染したら自分もそうなると思い込む人が少なくありません。
 私の実感として、コロナを怖がる人が三分の一、平気な人が三分の一、その間で揺れる人が三分の一程度だと思います。特に、怖がっている人は、外出すらしなかったりします。半年の間外出していない人を知っています。
 ストレスが免疫を低下させることも判っています。だから神経質な人ほど病気にかかりやすいし、かかると不安で病気が悪化します。「死ぬ、死ぬ」と自分で自己暗示をかけると死にやすくなります。現実にパニックになって自殺者も増えています。
 適切な治療を受ければ、コロナで重症化するかどうかは、その人の健康状態によります。
3. 医師や芸能人や議員が感染する訳は、
過労と解熱剤使用ではないかと推定しています。
だからかかったと思ったり、熱が出ても決して解熱剤は使ってはいけません。体の症状は、体の出している防衛反応です。熱を出して、ウイルスと戦っているのですから、それ(免疫システムの働き)を抑えると、病気が悪化します。軽い病気なら、それでも済みますが、インフルエンザや麻疹、水痘などでは重症化します。しかし、小児科医以外では、それを知らない医師が多く、解熱剤を処方します。小児科医でも解熱剤を使う医師はいます。 
4.なぜ感染者数で判断するのでしょうか。
そもそもPCR法で陽性はどういう意味でしょうか。
 PCR法は遺伝子の一部を拾っているので、死んでいても陽性になりますし、同じ遺伝子配列を持っていると、他のものでも陽性に出ることがあります。だから、感染症の診断に使ってはいけないと、この検査法の開発者は言っていたのです。
 PCR法陽性者数だけを発表するのはおかしいです。症状が出た人だけ発表すべきです。
 また若い人たちはほとんど軽症で済みますが、過重労働者たちは免疫が低下し、重症化しやすいです。
 アメリカ企業のPCR検査キットには、インフルエンザ、マイコプラズマ、アデノウイルス、RSウイルス、クラミジア等に反応する可能性があると記載されています。
 また、タンザニアの大統領が国立研究所のPCR検査の検体に密かに様々なものを混ぜ、パパイヤ、ヤギ、ウズラの卵でも陽性判定が出たことも報じられています。
 そういう限界のある検査法で、陽性者を感染者として判断し、感染者と判断されると保健所の管轄になり、医療機関つまり医師の管理からはずされてしまうことも問題です。
 感染者とか濃厚接触者ではなく、症状のある発病者を管理すればよいのではないかと思います。
5.日本の医療崩壊は、なぜ起きたか。
感染症は無くなったとして、伝染病棟をなくし、僅かに結核病棟が残され、感染症ベッド
をなくしてしまったのです。もちろんエボラ出血熱対策の病床は作られてはいましたが、僅かなものです。厚生労働省の調査でも、感染症病床は1995年の9974床から、2018年は1882床までに減少しています。2018年の総病床数約 164万病床のうち、一般病床57.6%、精神病床21.3%に対し、感染症病床は 0.1%です。不採算とされる感染症病床の9割近くを公立や公的病院が担っています。その国立、公立、公的病院の統廃合を求め続けてきたのです。
 コロナ感染症の流行に対し、政府や都道府県は、自らの責任で中国政府のしたような、緊急に感染症病棟を作らずに、ベッド数制限をして縮小させ、満床にするよう指導していた一般病院に頼っています。これでは急激に増加する患者数を収容するのには足りませんし、一般患者に移されては困ると一般病院側が受け入れを拒むことも当然です。
 元々都立病院の前身は、伝染病院でした。戦前から戦後にかけて伝染病の流行で都民がパニックになったために、それを抑えるために、隔離するためだけの伝染病院を作り、患者を 隔離したのです。当時は抗生物質もなく、隔離するしか方法が無かったのです。コロナ対策も同じではないでしょうか。
すぐ収容力の大きな感染症専門病棟を作るべきであったのです。ホテルはまだしも、自宅待機は症状のある人に対しては、もってのほかです。
軽症でも、症状があれば定期的な診察は必要です。今、死亡者が急増しているのは、新型コロナ感染症と診断されると、病院から保健所に管轄が変わってしまうからです。保健所は医療をしません。だから在宅で放置されて重症化し、死亡者が増えているのです。
 まだ日本では医療が崩壊しているからと、年齢や持病でトリアージ(患者の選別)をされてはいませんが、今後は判りません。症状が出たら入院させて観察すべきですし、少なくとも医師の管理下に置くべきです。それを自宅に放置していることが問題なのです。保健所は数も職員数も減らされて、対応できないのです。
 感染者を一般病院に入院させることも問題です。一般病院にしわ寄せが行っています。
 そして最後には、社会的弱者と貧困者がしわ寄せを受けるのです。
6.ロックダウンや営業停止すると、
営業時間短縮や県境移動禁止などによって、職を失ったり、収入を減らされたりして、ホームレスが増えていますし、母子家庭を直撃しています。コロナによって女性の失業率は9%にものぼります。その多くは、その仕事で生計を立てている人たちで、失業しなくても非常勤のために労働時間が減らされると、収入減で生活が成り立たなくなります。
昔は、非常勤の仕事は夫のいる女性が副業でしていましたが、今は生業でしていても、生活の都合で非常勤としてしか働けないのです。その人たちがコロナで打撃を受けています。
7.ワクチンに期待はできません。
 入手できた情報によると、ほぼインフルエンザワクチンと同じようです。良くて30~50%の予防効果で、接種しても感染します。また初期のインフルエンザワクチンと同じように副作用も強く、死者も出ています。ワクチンと後遺症については別に詳細を出す予定です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする