黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

病原性大腸菌O-157とは

2017-09-26 19:09:40 | 免疫の仕組み

病原性大腸菌O-157について

大 腸 菌 O- 1 5 7 に つ い て     

1. 感染症の成立の為の条件は
① 菌がいる。
② 感染経路がある。
③ うつる人が健康かどうか。ここが発病に大きく関与している。
 多くは、免疫状態が低下している人が発病するので、食べた人が全員かかる訳ではないのに、あたかも食べた人がすべて発病するようなことを、自称専門家も衛生部や厚生労働省もそれを報道するメディアも、言っている。病原環境論から言えばそれは間違いである。
 この3つのうち、どれか1つでも欠ければ成立しない。

2.大腸菌O-157がいること。
 ①大腸菌は、人間の腸に住んでいる菌である。通常腸管内では病気を起こさず、むしろ人間の体に必要な菌であるが、膀胱や肺や血液内に入ると病気を起こす。ところが、その中で、腸管の中で病気を起こすのが病原性大腸菌である。
 生まれてすぐの新生児の腸内は無菌状態であるが、48時間以内に大腸菌が住みつく。つまり大腸菌はどこにでもいる菌で、簡単に人間の腸に入ってしまう菌である。

 ②人に病気を起こす病原性大腸菌には、腸管毒性大腸菌(コレラ菌毒素に似た毒素等を出すコレラ型)や腸管侵襲性大腸菌(赤痢型)や腸管出血性大腸菌(志賀赤痢型)などがある。

 ③腸管出血性大腸菌は、30くらいの型があり(日本では7種類の型がでている)、その中の80%を占めるのがO-157:H7菌である。この菌は、ベロ毒素(志賀毒素)を産生し、この毒素が微小血管の内皮細胞を破壊して、出血を起こし、血性下痢を生じる。 また毒素が血管内に入り全身を巡り、腎臓の血管を侵したり、赤血球や血小板など血球を破壊し、溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす。また脳の血管を傷害して脳障害を起こす。名前のOは、大腸菌表面の糖質の抗原性、Hは鞭毛の蛋白質の抗原性で、番号は見つかった順番。
④ 大腸菌O-157:H7による病状のうち問題となるものは、ベロ毒素によるものであり、この毒素は昔あった志賀赤痢菌の出す志賀毒素と同じもので、病状も志賀赤痢と同じで、溶血性尿毒症症候群を起こすことも同じである。

⑤ なぜ病原性大腸菌がいるのか。
 それは、大腸菌は遺伝子組み換えが容易な細菌で、実験材料の主流であり、かつ現在は組み換えた大腸菌により作られたホルモンなどが商品化されています。人の大腸の中で、何兆もの菌がいて、自然界の中 で遺伝子組み換えが行われていると考えらられます。

3.感染経路は何からか。
 感染するには、菌に汚染された飲食物を摂取するか、経口感染である。
 世界最初にアメリカで1982年に患者が発生。以来アメリカでは年々増える傾向にあり、最近では年2万人発症し、250人位死亡(1.25%)。その後カナダやヨーロッパで散発し、日本に上陸した。日本では90年の浦和市の幼稚園と96年の堺市の小学校での集団感染が有名である。東南アジアでは1998年までは、全く発生していない。以後は不明。
 アメリカでは、チェーン店のハンバーガーなど牛のひき肉(43%)その他サラミや肉製品(6%)を食べて発病しているのが半分。ほかには生乳(4%)、レタス、ドレッシング、マヨネーズ、豆類、無殺菌のアップルサイダー、七面鳥、メロンなどで20%、健康保菌者からの感染など人から人(主に託児施設)で20%、6%は水(湖の水、村の水道水に下水が混入、プールの水など消毒していないもの)。カナダ、イギリス、南アなどでは、ヨーグルト、サンドイッチ、川の水などだが、半数は原因不明である。日本では、浦和の汚染された井戸水、おかかサラダ、レバ刺し、などが判っているに過ぎない。

4.牛の腸内で保菌
 O-157は、牛の大腸に寄生していて、問題となるのは牛だけである。今まで日本では、鶏や豚からは検出されていないが、実験的には鶏も保菌する。
 1996年の農水省の調査では、牛の保菌率は0.62%である。別の検査では、牛の糞便で4.4~0.9%(厚生省研究班1.4%、ビーズ法4.4%など)、牛の枝肉で0.9~0.3%、輸入肉0.49%で、検査方法によっても異なり、ビーズ法がもっとも感度がよい。なぜ農水省の検査だけが陽性率が低いのか?
 1980年代アメリカでは牛の飼い方が変わり、穀物を肉に変える動物工場で牛が生産され、その過程で抗生物質や女性ホルモン剤(DES)を投与されるようになってから出現し、世界に広がる。アメリカ牛肉の輸出先や、アメリカ方式の牛肉の生産をしている国で問題になっていると見られる。

5.O-157の繁殖する条件は
 O-157は条件(温度、酸素、水分、食物)が良ければ、20分に1回細胞分裂して増える。冷凍に強く、-20℃の冷凍牛肉中では9か月たっても生き続ける。井戸水に入れた菌は70日以上も生き続ける。5℃以下では増えないが、死なない。カイワレについても、カイワレの中では繁殖しないが、水耕栽培では窒素肥料があると水の中で増える。 加熱には弱く、62.8℃の条件では24秒で死滅する。サルモネラ菌よりも弱い。また乾燥にも弱い。だから梅雨明けに条件がそろうので、特に気をつける必要がある。

6.ごく少い菌量でも発病する危険性がある
 ①一般の食中毒では病原菌が100万個以上で発病する。しかしO-157は100個の菌量で発病する危険がある。通常の食中毒は、菌がついていても繁殖しないうちに食べてしまえばよいが、O-157はついているだけで発病する可能性がある。その理由は、体内で繁殖するからと考えられる。潜伏期は繁殖して多量になるまでの期間であろう。

 ②人の体には、いくえもの防御機構がある。それらを突破されて病気になる。
 人の唾液には、1ml中100万個の細菌がいる。胃では胃酸のためにやられて、小腸にたどりつけるのは10分の1以下である。
 大腸内には大腸菌等100種以上の菌が常在細菌叢を形成し、1gの内容物に3000億から5000億個の腸内細菌がいて、外来菌の腸内での増殖を抑制している。大腸菌は1g中に100万から数千万個いる。ここで外来菌が排除されれば、腸壁に着床できずに素通りする。
 大腸菌の好む餌は、動物性の蛋白質とその分解物、特に肉汁であるから、穀類、野菜や果物を多く食べる方がよい。植物性蛋白質の代表は納豆や豆腐。乳酸菌は大腸菌を抑制し、その餌は糖類で米やさつまいも。納豆には納豆菌がいる。これらの菌が繁殖して、O-157の繁殖を妨げてしまえばよい。しかし圧倒的に多くの大腸菌は、腸内では無害である。

 ③腸内細菌叢の働きをくずすのは、ストレス、抗生物質、副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤、放射線被曝などである。


7.発病するのは少数である。
 ①大人の発病率は極めて低く、子ども特に小学校低学年以下の発病が主である。
 堺市の集団発生で、同じ給食を食べた教職員の発病は2.2%(100人)以下。
 91年から94年までのO-157が検出されたのは386件で、その内15歳以下が83%(322件)。横浜のレバ刺しで発病したのは子ども1人だけ。

 ②菌が入っても、病気にならない人がいる。
 堺市で発症者0の学校もある。堺市の健康な市民の検便では、9152人中、2.3%(206人)からO-157が検出された。これを健康保菌者という。この人たちは、菌を腸内にもっていても、発病せずに、菌と共存している。
菌をもっていても、大便後の手洗いをして、大便の処理をきちんとしていれば他の人に迷惑をかけることはない。抗生物質を飲む必要もない。

⑥ 小学生の発病率も48%をこえない。
 岡山県邑久町の集団発生では、同じ給食を食べた2つの小学校の、発病率が高かった低学年489人では、発病率48%で235人が発症した。高学年や教職員ではもっと低い。
 堺市の集団発生では、学校により大きく異なり、多くても50%を超えていない。地区ごとでは、最高が南地区で27%。発症者0の学校もある。
 堺市全体でも約4万5千人のうち6千400人が発病し、発病率は15%である。

⑦ 発病しても大部分は、下痢(水様便)か、出血性下痢で治ってしまう。
 1990年の浦和市の幼稚園で起きた集団感染では、発病したこども174人の調査では、血便が出たのは24%(42人)で、76%は下痢だけだった。

 ⑤溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすのは、発病したこどもの8~10%。
 浦和市の幼稚園では、発病者319人、うち溶血性尿毒症症候群が21人、8%。
 堺市での発病者は、7月28日までで6473人で、重症者は102名となり、1.6%である。発病しても98.4%は軽症である。重症者は全児童の0.2%である。  市立堺病院では、入院79人のうち4人が溶血性尿毒症症候群を起こした。(5%)

 ⑥溶血性尿毒症症候群を起こしたこどもの3~5%が脳障害で死亡し(発病者の0.2~0.5%)、10%が腎臓や脳に後遺症が残るという。(7月22日毎日新聞)
 浦和市の幼稚園では、溶血性尿毒症症候群21人のうち、死亡2人で、9.5%だった。(発病したこどもでは死亡0.6%)
 岡山県邑久町では、患者468人中死亡は2人、0.4%。
 96年5~6月のO-157の集団感染では、岐阜市347人、広島県東城町185人、春日井市21人、福岡市40人、岡山県新見市346人などで、いずれも死者0であった。邑久町などを含め総計1426人で、死亡3人、0.21%。
 堺市では、発病者6557人(9月まで)、重症102人、死亡3人。HUSは1.5%以下で、死亡0.04%であり、堺市児童全体では死亡は、1万5千人に一人。

8.どんな症状か。--腹痛を伴う出血性の下痢--
 ①潜伏期は4~9日(4~5日が普通)
 ②始めは普通の下痢である。軽い下痢で終わることもある。→軽く済む。
 ③進むと、水様便を頻回に繰り返し、激しい腹痛を伴う。→ここでおさまると良い。
 (但し、水様便の9割は、ウィルス性で、1割がO-157を含む細菌性である。)
  熱は、7~29%に38℃以上出る。吐き気も半数に出て、吐いたりする。
 ④そのうちに、1~2日して更にひどい血便になる。真っ赤な血液がそのまま出てくる。 僅かに線条に血がつくのではなく、便に血液が混じるというよりは血液がお尻から出てくる感じである。ここまで来たら入院するしかないでしょう。
 ⑤溶血性尿毒症症候群(HUS)は通常、既に下痢が快方に向かっている時の、発病して第1週の終わり頃(5~7日目)に発症する。尿量が少なくなる(乏尿、無尿)のが、最初の症状である。むくみ(浮腫)や、うとうとしたり(傾眠)、意識がなくなったり、けいれんしたりすることもある。突然症状が出ることが多い。蒼白、倦怠もみられる。まれには、血尿、出血斑、黄疸がある。検査では、貧血(破砕状赤血球)、血小板減少、蛋白尿、血尿が出る。血中LDHの異常な上昇も特徴。
 下痢がおさまって1週間たてば、HUS(溶血性尿毒症症候群)が発症する心配は無くなるという。
⑧ 脳症は、HUS(溶血性尿毒症症候群)と同じ頃またはHUSに先がけて発症するこ
とが多い。その予兆は、頭痛、傾眠、不穏、多弁、幻覚で、これが見られてから12時間以内に、けいれん、昏睡が始まると考えなければいけない。

9.対策はあるのか。
 基本的には、赤痢と同じと考えると良い。日本では6~7月に大発生している。
 ①通常手から感染することは少ない。飲食物からがほとんどである。
  手洗いはよく水で洗えばよいが、心配なら普通の石鹸を使えばよい。しかし、保菌者 や汚染された食品を扱うのでなければ、手から感染することはない。健康保菌者だけは 他人に感染させないために、手洗いを十分にすること。
 ②消毒されていない生水を飲まない。(水道水は良い)
 ③肉の切断面にはよく火をとおす。62.8度24秒間で死滅。こま切れ肉(ハンバー グなど)は中まで、ステーキは表面でよい。(ステーキでの感染例は文献にはない)
 ④野菜や果物は、よく水洗いする。流水で30秒洗えば汚染されていても落ちる。
 ⑤念のため、生肉を扱った包丁やまな板は、よく洗ってから使う。
 ⑥水様便が頻回にでたら、医者にかかる。でも1~2回なら心配はない。
  ひどい血便が出たら、必ず医者にかかる。
 注)新聞やテレビなどでは、かかった子どもの家族内感染の予防も一緒に「注意」とし  てのせていますが、かかっていなければ関係ありません。かかっても、大便の始末をきちんとすれば問題はありません。

10.大切なことは、感染しても発病しないようにすること。
 ①本当に心身共に、健康であればよい。
 菌が腸内に入っても発病しないか、発病しても軽く済めばよい。それには抵抗力があれば病気にならない。
抵抗力が少し落ちると軽くかかる。
抵抗力が大きく落ちると、重症になる。抵抗力を左右するものは、薬品類、放射線やストレスなど。堺市での報道を見ると、HUSになった子どもの母親は、子どものベッドに入って抱きかかえたりしてるが、こんなに過保護にしていると子どもが危ないと思います。
赤ちゃんでは、過保護、過干渉がストレスです。
 ②今まで、大きな病気にかかったことがない子、余り病気をしない子、熱が出たり、病気になった時に平気な子は、かからないか、かかってもひどくなる確率は低いです。
 ③やたらに神経質にならないこと。病気に神経質になると病気にかかりやすくなります。
 下痢をした時に、親があわてたり、不安にならないこと。子どもが不安になると病気は悪くなります。子どもが不安になるようなことは言ってはいけません。
 子どもは親のラウドスピーカーと言います。親の不安を拡大して受け止めます。
 ④抵抗力が落ちる最大の原因は、ストレスです。
  そのためには、のびのびと生きること。ストレスが多いと抵抗力が落ちてひどくなります。子どもは、叱らずにほめて育てましょう。
  子どもに、がまんさせないこと。いやなことは、いやと言わせましょう。
  毎日を楽しく送っていれば病気をしないし、もししても軽く済みます。

11.水様の下痢を繰り返したらどうするか。
 ①6~8時間は絶飲食にして、お腹を空にします。その後は水分だけにして、固形物は食べさせないようにします。お茶類、水、みそ汁、コンソメスープ、OS-1などで好きなものを、のどが乾いたら飲ませます。市販のジュースは勧めないと言います。家で作るジュースは良いです。糖分が入っていても良いです。甘いのが好きなら、糖水でもよいです。
 お腹が空いてきたら、回復の徴候ですから、果物、野菜、炭水化物(おかゆ、うどん、軟飯、パンなど)ならよいです。
 ②下痢止めは飲んではいけません。下痢止めはかえって有害であることが最近判ってきました。正露丸は絶対飲ませないこと。クレオソートが入っています。
 整腸剤(ビオフェルミンなど)は、回復を早くすると言うことが判ってきました。
 ③抗生物質は賛否両論。初期に飲むと治りが早いといいますが、O-157が死ぬ時にベロ毒素を大量に放出するとも言います。
厚生省のお薦めの抗生物質ホスホマイシン、キノロン系、ミノサイクリンは、いずれも乳幼児にはすぐには使いたくない抗生物質なので、他に方法がない時にしか使いたくありません。ミノサイクリンは歯が黄色くなります。ホスホマイシン、ニューキノロン系の乳幼児への安全性が確立されていません。

12.もう少し、考えよう。
 新聞記事を見ると、O-157大腸菌は、猛毒で、強い病原菌と騒がれ、ついには指定伝染病にされてしまいました。確かに、食中毒を起こす黄色ブドウ球菌が100万個で発病するのに、O-157大腸菌は数百個で発病するといいます。しかしこれも、最低条件であって、かならずしも発病する訳ではありません。
 菌が体内に入ったら、100%病気にかかると思われていますが、そうではありません。人間の体には病気にかからないようにする身体の仕組みができています。例えば人間の皮膚には1平方cmの中に10万の微生物が住んでいて、それが人間の身体への外来菌の皮膚からの侵入を守ってくれます。人間の腸内にも1g中の腸内容物に、小腸1000万、大腸100億~数千億の細菌が住んでいて、外から来た細菌やウィルスを駆逐してくれています。
 大腸菌を始め多くの菌は良い条件の下では、約20分ごとに分裂増殖します。1匹の大腸菌が少量の肉汁に加えられると、3時間で千倍に増加し、1日経つと数十億の子孫を生産するといいます。しかし、腸内の多数の細菌叢の中で、繁殖できずに排除されてしまうことも多いのです。外来菌は、その仕組みのために、健康な人では排除されてしまいます。
 昔、コッホがコレラ菌を発見した1892年、コレラの原因はコレラ菌ではないと主張するドイツのペッテンコーファーやロシアのメチニコフら数人の医師が、コレラ患者から分離したコレラ菌を何百万個もふくむ培養液を飲んでみせました。彼等の何人かは、軽い下痢を起こし、全員の便からは大量のコレラ菌が発見されたが、誰もコレラにはかからなかったのです。ペッテンコーファーは、「急性感染症は、何か特別な健康上の問題が先行しない場合には、成立しない。」と主張しました。
 その後、篤志家が数十億の赤痢菌を飲んだのです。しかし、赤痢の症状を起こしたのは、ごく少数の志願者だけで、大多数の人は感染しなかったのです。
 パスツールも「細菌が問題なのではなく、その環境がすべてである。」といっています。
「全く同じ毒性の強い細菌が、免疫のない人に感染した場合にも、ある人は発病し、他の人は発病しない。人間と微生物の関係は、交戦状態に陥るよりもむしろ、平和共存に傾きやすいのである。」(B.ディクソン)
 だから本当に健康な人は、感染しても病気になりません。健康とは、WHOの定義にあるように、「身体的にも、精神的にも、社会的にも完全に良好な状態をいう」のです。
 現代では、本当の原因を取り除こうとせずに、病気の症状を緩和することしか、なされていないから、次々と病気が出てくるのです。 
 本当の原因は、現代社会のもつストレスです。子どもの発病率が高いのは、それだけ子どもの世界にストレスが多いことの象徴です。
 子どもがいきいきと育ち、病気をせずに、成長していくことを、少しでもお手伝いしたいと願っています。

        総数     発病(下痢) 入院、重症    HUS   死亡
岡山県邑久町         468人   入院26人    5人+α   2人                          (発病者の1%+α)0.4%
堺市小学生 4万5千人余  6557人   102+?人   4+?人   3人              14.5%   0.2%+?   00.007%
堺市南地区(最高率)     27%
堺市教職員  4500人余  100人以下(2.2%以下)          0
浦和幼稚園          319人    57+?人     21人  2人
             (発病者の18%) (発病者の6%)
 1996年は、9月24日までに9804人発病し、死亡11人でした。

昨今、惣菜店で買った総菜からの、O-157の発病が騒がれています。そんなに怖い病気ではありませんし、だれもが溶血性尿毒症症候群になるわけでもありません。
 怖がることはありませんが、ちょっとだけ気を付けましょう。

                             文責 黒部信一
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O-157病原性大腸菌なんか恐くない

2017-09-26 19:04:37 | 免疫の仕組み
みなさん、マスコミと厚労省に左右されず、子どもを守るには、もっと「のびのぴ子育て」しましょう。

その第一弾です。

O-157なんて恐くない
    あなたの子どもの免疫を働かせよう
みなさん、今騒がれている病原性大腸菌O-157を恐がらないで下さい。マスコミは
大げさに騒いでいます。それは、マスコミは公衆衛生学を無視しているからです。公衆衛生学者は、厚生労働省の中では重要視されていないのです。なぜなら、政府の方針をやりにくくさせるからで、厚労省ではもっと大衆操作をして、世論を形成して自分たちに都合の良い政策へ誘導したいのです。

最近では「ヒアリの脅威」、「黄色スズメバチや大スズメバチの増加」、「麻疹が増えている」、「梅毒が増えている」、「子宮頸がんが増えている」、災害時には決まってお年寄りに「インフルエンザワクチンを」とか、誇大宣伝をして利益誘導をしています。過去には「エイズ」、「デング熱」などもありました。これらに対しては、別の機会にします。

O-157病原性大腸菌は、強毒の病原菌ではありません。エボラ出血熱のような致死的な病原微生物ではありません。どこにでもいて、誰でも食べているかもしれません。
菌の強さが病気を左右するのではなく、人間の側の免疫システムが十分働くかどうかが問題なのです。詳しくは別稿の「病原性大腸菌O-157」をお読み下さい。堺市での集団発生の時に書いたものです。

それは、私の師と言っても書物での師ですが、ルネ・デュボスはロックフェラー研究所の結核研究所長でした(「白い疫病」の著者)。そして、軽症の結核患者からとった結核菌と重症の粟粒結核や結核性髄膜炎を起こした結核菌を比較研究した結果どこにも違いがないことを確かめたのです。
それで感染症にかかった時に、軽症で済むか重症化するかは、人間の側に違いがあるとの結論を出したのです。誰もがかかると同じ症状経過をたどる訳ではないのです。
それが私の提唱する病原環境論または適応説(ルネ・デュボス著「人間と適応」)を提唱したのです。しかし、命名は私です。

人には、生物の長として、最高の免疫システムを構築して持っています。それは、自然に働かせれば、一億の抗体を作る能力(つまり一億の病原微生物や毒物に対応する能力)をもっていることを、利根川進さんが証明しました(私の同世代だからこう呼ばせてもらいます。慶応義塾では「先生」は福沢諭吉先生一人です。今はどうか知りませんが、私の在学時代は、大学の掲示板に「○○君休講」と教授の休講の知らせが貼られていました)。

しかし、前にこのブログに載せた、「自然免疫」の第一段階は、1970年代にイギリスで出された「見えざる同盟軍」に書かれていますが、人間の外界と接触するすべての場所に微生物が住み、外界からの病原微生物の侵入をはばんでいるのです。
皮膚とすべての粘膜(目、耳、鼻、口、唇、のど、胃腸管、気管、肛門、泌尿器、性器)には、微生物とそれを助けて働く仕組み(皮膚の垢、涙、鼻汁、鼻水、耳垢、唾液、痰、腸粘液、多数の消化液、性腺の液)があります。それによって、自然免疫の第一段階が働くのです。
生ワクチン(生きたウイルス)を接種しても免疫ができないことを、ワクチン学者たちはVactin Failure として、ごまかして説明をしません。私は、注射や採血の時に注射針を血管に刺すと、一時的ですが、菌血症(血液中に細菌がまわる)が起き、一瞬にして消える、つまり対処され処理されてしまっているのです。だから、生きたウイルスも同じ運命にあっているのです。その為、免疫(血液中の抗体の産生)ができないのです。

次に自然免疫の第二段階になります。それは、皮膚や粘膜での戦いです。ここで初めて細胞免疫が働きますが、細胞免疫は重要なものなのに、それを測定する方法はツベルクリン反応しかないのです。ツベルクリン反応は、結核菌に対する細胞免疫の検査なのです。
そんなことは、大学では教えてくれませんでした。ワクチンの中で細胞免疫を作るのは、ポリオの生ワクチンです。不活化ワクチンではできません。それで、私は「不活化ワクチンは効果の証明がない」と言います。
私が大学一年の時に、日本でのポリオの大流行(1960年に5000人ものポリオ患者が発生。この考察は別にしたいです)が、当時既にポリオの不活化ワクチンがあったのに、流行を阻止できず、母親たちの運動で、緊急事態として厚生大臣がソ連とカナダからポリオ生ワクチンを輸入し、3年後に子どもたちのポリオ発生は100人以下になったのです。

そしていよいよからだの自然免疫の登場です。それは既に、ブログに載せました。
続いて、適応免疫です。ここで、免疫が獲得され、このシステムがワクチンによる免疫形成に関わるのです。
「免疫学要説」、「近代医学の壁」、「病気と免疫の社会学」、「医療人類学」、などに書かれていますが、現代医学はここからの理論構築に失敗し、ワクチンも抗生物質も抗がん剤も限界になり、壁にぶつかっています。

いま、私は言いたいのです。現代医学は、失敗していますが、それに気づいていません。

そしてワクチンを批判的に見る皆さん、放射能の汚染に心配されている皆さん、どちらも同じ免疫システムをしっかり働かせれば、心配することは無いのです。
しかし、そう育児すると、子どもたちは自立し、親離れをし、親の言うことを聞かなくなります。
親の言うなりに育った子どもたちは、発達障害や、引きこもり、不登校、そしていろいろな感染症の重症患者になります。アレルギーも子どもの反旗のしるしと思います。食べさせたいと思わないで下さい。蜂蜜を乳児に与える失敗をおかすことになります。
アレルギーの話も別にします。今多い食物アレルギーは、飢えた私の子ども時代にはありませんでした。今世界でも、飢えに悩む国にはないと思います。生きていくことが第一ですから。

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私のしている乳児健診は、他の所と違います。

2017-09-12 17:23:24 | 予防接種、育児法
 私のしている乳幼児健診は、他の所の検診と違います。

 私の健診は、アドバイスが中心で、何も知らなくて子どもを産んでも、私の所へ一か月、二か月、四か月、六か月、九か月、一歳と健診に来て頂けるとその時期に必要なことを教えます。他では、ほとんどが先天性の病気の発見と、順調に育っているかのチェックだけで終わります。

 ですから、少なくとも20分以上はかかります。一緒に健診の時に聞こうとは考えないで下さい。健診以外のことはお答えする時間がありません。

 いろいろ聞きたいことがあるならば、その都度いらして下さい。ついでに聞こうとしても、20分で打ち切ります。他の患者さんに迷惑が掛かりますから。遠慮して下さい。

 私も疲れて来たので、順次、アドバイスをブログに載せることにしました。

 まず、離乳食を載せました。
 母乳にこだわることも、無用なことです。母乳は三か月まで与えればよく、アメリカでは養子を三か月まで母乳で育てるように指導しています。愛情があり、母乳育児を経験していれば、養子を貰っても母乳が出ます。

 子どもを自分の所有物にしないで下さい。子どもは本来は社会的な存在で、みんなで育てていくものなのです。子どもは可愛いものです。ですが、あなた一人の物ではなく、みんなで育てていきたいものです。今の日本の社会が、個人社会になり、一人ひとり別々になっているから、
その社会から子どもを守ろうとするのは判りますが、もう少しのびのび育てましょう。昔、「消費者レポート」の誌上でそう言ったら、ある読者から「そうしたら言うことを聞かなくなり、わがままになった」と言われ、それから載せてくれなくなりました。

 のびのびさせても、ちゃんとお釈迦様が孫悟空をのびのびさせたようにすれば、お母さんの手の中で育ちます。その育児法を教えます。

 まず、取り敢えず、私の本をお読みください。小児科医の子が病気が少ないし、なっても軽く済むのはなぜかと思って書きました。



 
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「私は赤ちゃん」 赤ちゃんの人権はいつからかⅡ

2017-09-12 17:17:59 | 予防接種、育児法
赤ちゃんの人間としての権利、人権はいつから認められるのか。

いろいろ考えてみましたが、やはり生まれた時ではないかと思います。いろいろな意見もあるでしょう。

        子どもの人権は何歳から認められるのか

これは昔私の若い頃から、問われてきたことです。
世界ではいろいろ議論され、小児科医、産婦人科医、教育者、宗教者、倫理学者、心理学者などたちが、それぞれの立場から意見をだしてきました。しかし、結論は出ませんでした。
 それは、それぞれの立場の違いから、一致した結論を導き出せなかったのです。
 おぎゃーと生まれた瞬間からとか、いや受精した時からとか、中絶できない時期になってからとか、いや3歳頃からとか、成人になってからとか、議論されて来ました。
 私は、少なくとも生を得た時、つまり生まれ出でた時からだと思っています。これは誰もが認めた時期で、あとはそれより早くという見解でした。
「私は赤ちゃん」という本を出し、赤ちゃんの視点からの見方をとって育児書を書いた松田道雄さんを忘れることはできない。当時新鮮に聞こえたこの言葉、この物の見方は、一時大きく取り上げられましたが、いつの間にか消えて行ったようです。
 もう一度、ここで声を上げたいのです。 「私は赤ちゃん」と。
「こんにちは赤ちゃん」という梓みちよの歌で知られたこのことは、今どこにいったのでしょうか。
私はこの歌を、医学部学生時代にアイスホッケーの合宿で行った赤城山の大沼の氷の上で滑りながら聞きました。先輩たちはリンクの中で練習をし、新人の私たちはリンクの周りをリンクの周りをぐるぐる滑らされていた時でした。
その後小児科医になり、松田道雄医師を知りました。そして大人の視点からしか見ていなかった赤ちゃんを、赤ちゃんの立場に立って見るという画期的なことでした。
その後、「子育てする女性の立場からでないと書いてはおかしい」と言って一時、育児書を書くことをやめたアメリカのスポック博士の登場しました(その後考えを変えてまた書きました)。
私の小児科医になりたての時期にはいろいろありました。アメリカでのウーマン・リブの運動は、アメリカでの強姦告発から、子どもへの虐待、特に性的虐待を明るみにだし、その続きとして、アメリカでの親殺しの分析が、闇教育を表にだしたのです。
私の調べた所では、2000年頃から日本での闇教育の研究も主に女性研究者によって進められていたようです。今でも、サスペンス、テレビドラマなどにも取り上げられているテーマで、現実にありますが明るみに出されていないだけです。著名人もいて、某精神科医もそうだと言われています。知っている人はくちを閉ざします。自分や自分の家族が襲われることを恐れているからです。

私は、今、ワクチンをうつことに躊躇しているお母さんたちに言いたいことは、「赤ちゃんの人権、個人の権利を認めていますか」と。
母乳をいつまで飲ませるかということも問題です。母乳を一歳過ぎても飲ませている人たちへ言いたいこと。そう指導している小児科医、助産師、栄養士たちに、母乳の理論をどう考えているのか聞きたいものです。
母乳は生後初期の赤ちゃんの食料です。
しかし、離乳食が食べられるようになったら、離乳食の方が栄養があります。赤ちゃんにビタミンKを飲ませるのは、ビタミンK欠乏症で頭蓋内出血にならないためです。
母乳が出ない為に、江戸時代の母親たちは子どもを育てられず、高貴な人たちは乳母を雇い、乳母の母乳を飲ませたのです。乳母は自分の子を産んで子育てしたあと、離乳したらそのまま乳母になり、他人の子に母乳をあげたのです。今の牛乳も同じ仕組みでとっているのですが。
中世のフランスでは、赤ちゃんが生まれると近隣の農家に預け離乳してから引き取ったので、その頃の乳児死亡率は高かったと言います。(アナール派の医学書より)
男でも母乳が出ます。
私は、内藤寿七郎先生からそう聞かされて驚きました。でも、その後新生児医療に携わり、赤ちゃんは男の子でも、母乳が出るのを見て、納得しました。新生児は母親のホルモンの影響で乳房がふくらみ、母乳が出ます。乳がんもごく少数ですが男性でもあります。
抗うつ剤のスルピリドを飲むと、女性はホルモンバランスが崩れる人が少なくありませんが、男性で乳房がふくらんできた人がいて驚きました。でも当然のことでした。

ではいつまで母乳が出ているのでしょうか。「出ている間は飲ませる」という母親がいたので、そう聞きましたら知らないのです。母乳は出し続けていると何年も出ています。
それで乳母と言う職業も成り立ちますし、牛乳もしぼれるのです。質の悪い牛乳は、ずっとしぼり続けて、出が悪くなると廃牛処分されるという方法でしぼられた牛乳です。
良質の牛乳は、毎年一度出産させ、仔牛を産み、母乳で育てて、その後離乳すると、そのあとしぼるのです。
哺乳類は、ほとんどが離乳期になると体のDNAに組み込まれた指令が働き、母乳を分解する乳糖分解酵素を分泌しなくなるので、母乳を利用できなくなり、下痢してしまい、母乳を飲めなくなり、離乳します。
人間とその連れ添いの犬と猫の多くは、哺乳類としては例外で、牛乳を飲めますが、一部の人は飲むと下痢をします。それは、長い年月をかけて牛乳や山羊乳に適応し、まず牧畜をしてきた民族が飲めるようになり、その後農耕民族も飲めるようになったのですが、農耕民族の中には飲めないでいる人たちがいます。それを世界的に調べた研究者がいます。
日本人でも牛乳を飲むと下痢をしてしまう人がいることは知られていると思います。牛乳は牛の赤ちゃんの飲み物で、それを人間が横取りしているのです。
ではいつまで母乳は出るのでしょうか。いつまででも良いという小児科医の見識を疑います。根占正一さんは、自分のことを顧みて、「小学一年まで飲んでいました。学校から帰るとまず母親の所へ行って、母乳を飲み、それから外へ遊びに行った」と書いていました。私の思い違いかもしれませんが、そう記憶しています。
昔新聞記事にあったのですが、インドで見つかった子どもの話ですが、15歳まで母乳だけで育てていたと言い、その子はやせ細り6歳くらいの体格で、知能は遅れていました。
少なくとも15年は出続けるのです。
私の早期離乳は、一つは母乳が栄養があると言うことの間違いを知ってほしいことです。
母乳化されたミルクは、牛乳の55%程度の濃度ですし、成長に必要な栄養素をそれ程多くは含んでいません。あくまで生まれたばかりの赤ちゃんに良い飲み物で、成長したら合わなくなります。それで哺乳類の多くは飲めなくなるようにとの指令がDNAに書き込まれているのです。赤ちゃんは成長すると、ビタミンC、K、A(D)から、鉄分、カロリーが不足してきます。母乳にはそれを満たすことはできません。
 超未熟児には、鉄分とビタミンCを経口補給します。母親から胎盤を通してもらった以上のものを母乳で得ることはできません。日本では離乳が遅いために、離乳期のミルクが必要になります。
 母乳の免疫学上のメリットは、新生児期から満三か月までの腸管感染症(胃腸炎)を予防するだけで、つまり赤ちゃんの胃腸管内の免疫に有効ですが、血液まで入りません。
血液中の免疫は、母親の体内にいた時に胎盤を通してもらったものだけです。母乳の免疫が、血液中に入ると言う証拠はありません。あくまで腸管内だけです。ですから、ロタウイルスワクチンは、3か月過ぎてからです。
 母乳はあくまで赤ちゃんの食事の一部です。それを精神安定剤の代わりや、睡眠導入剤の代わりにしてはいけないのです。誤飲事故を防ぎ、指しゃぶりの癖をつけないようにしましょう。
フロイトは「口唇期」と言って、人間の成長段階の一つとして、口唇で物を判断する時期があると言いましたが、それはそれは間違いであることが判ったのです。離乳を早期に進めたら、口に物を入れなくなったのです。
 
 人や動物は、自然に、体に不足したものを美味しく感じるようになっていますし、不足している栄養素を欲しく感じるようになっています。フィリピンで戦後も一人で戦っていた小野田さんは、何を食べたいか体に聞いたそうです。体が一番よく知っていると考えてそうしたそうです。それで何十年も健康でいられたと言うのです。若者に説得されて日本に帰国しても同じ生活を続けたようです。
 赤ちゃんや子どもが美味しく感じるものを食べたいだけあげましょう。そうすると、むら食い、まとめ食いになります。それでよいのです。それは好き嫌いではありません。体がそう判断しているのです。赤ちゃん特に元気なよく動く子は、離乳食を喜んで食べ、母乳を欲しがらなくなります。その時期を、人見知りする前に始めることです。人見知りするようになると、新しいことを受け付けなくなります。その前に、離乳食や硬い食べ物の味を、おいしさを教えることが大切なのです。
 今の犬たちは、骨の髄を食べません。美味しいことを知らないからです。

 ワクチンを疑ったら、離乳食も疑って下さい。小児医療も疑って下さい。別の医療があります。ワクチン村に住んでいる小児科医の言うとおりになる必要はありません。原発村の人たちは、原発は無事故と主張し、事故が起きても過小に見せようとしています。その犠牲になるのは社会的弱者特に子どもと女性です。福島の子どもたちにも目を向けて下さい。
コメント

「私は赤ちゃん」 赤ちゃんの人権はいつからか。

2017-09-12 17:01:08 | 予防接種、育児法
   赤ちゃんの人間としての権利、つまり人権はいつから認められるのか。

   本当に母乳はそんなに体によいのか。
 
 哺乳類は、幼児期には母乳が飲めなくなり、離乳します。牛乳を飲むと下痢をする人はその名残りです。


      赤ちゃんを楽しく育てるにはⅣ (早期の離乳食の進め方)                             
§1.赤ちゃんの食事(授乳と離乳食)を楽しく
  赤ちゃんの授乳や離乳食の時は母子共に楽しい時間にしましょう。快適で満足の得られる授乳や食事は、母子を情緒の面で健康にします。
 私が早期の離乳をお勧めする理由は、(1)赤ちゃんの空腹を満たし、ストレスの一つを無くすこと。赤ちゃんが指をしゃぶったり、物を口に入れる原因は何らかのフラストレーションからで、その7割は空腹感があるからです。食欲を満たすことは気持ちのいいことです。(2)また、物を口に入れないようになることで誤飲事故を予防することができます。(3)指しゃぶりを3歳頃まで続けて、それが爪かみに代っていきます。それを予防します。

1) おなかが空いた時に、おなかが一杯になるまで与えましょう。食欲を充分に満たす
ことが、こころを安定させます。そのため、赤ちゃんが「いらない」と意志表示するようになる時期からで、赤ちゃんが口から舌で押し出したり、顔を横向けたりできるようになったら、離乳を開始しましょう。

2) 食欲にも個性があり、一人一人ちがいます。
 上の子やよその子とくらべないで下さい。赤ちゃんが自分で決めます。欲しがる時に欲しいだけあげて下さい。少しずつ慣らしていくという方法は、まちがいです。赤ちゃんが欲しがるだけ、口を開けて待っている時は、あげて下さい。
 大きくなる子や動きの激しい子が沢山飲み、小さい子や動きの少ない子は、母乳やミルクを少しか飲みません。
日本では、沢山飲ませるから大きくなるという医師や保健婦、栄養士たちがいますが、そうではなく、遺伝的に大きくなるから、お腹を空かせて欲しがるのです。欧米では、欲しがるだけ与える、個性を尊重するのが主流です。
 少しか飲まない時も心配しないで下さい。大きくなる素質ではないか、動きが少ないから、身体が必要としないから欲しがらないのです。赤ちゃんの自然の食欲に任せて下さい。

3)ミルクの缶に書かれている量や、離乳食の食べ物の種類や量の目安というのは、間違いで、一人一人の個性を大切にして下さい。ひとりひとり違うのです。昔、若い時に学会でミルク量や離乳食の目安を書くことを反対しましたが、学会の権威者には通用しませんでした。それが今まで続いています。第二次世界大戦後すぐの頃のやり方に戻ってしまいました。その頃は、赤ちゃんの体重が2倍になるのが6か月頃でしたが、今は2~3か月で2倍になります。それだけ早く進めてあげないとお腹がすのです。
私が小児科医になった頃は、体重5kgで離乳準備食の開始、体重7kgで離乳食の開始と教えられました。

4) 授乳の時間をお母さんの楽しみにしましょう。
 良く出る母乳は、自然に、母子共に授乳時間を、楽しく待ちどおしい時間にするので、良いのです。俗にスキンシップ云々と云いますが、大切なことは、こころのつながりで、肌をくっつけることではないです。ですから、ミルクだけになってしまっても、母子共に楽しくなれば良いです。授乳時間がお母さんの楽しい時間になるように、こころがけましょう。

5) 3才までの食事は、欲しがる時に欲しいだけ、飲んだり食べたりさせましょう。自然の食欲に任せましょう。
 食事を押しつけたり、制限したりすると、食事の時間が楽しくなくなり、少食や偏食の原因になります。3才までの乳幼児は、身体の要求に従って、飲んだり食べたりしますから、飲み過ぎや食べ過ぎはありません。(3才過ぎると、見た目や好きなものだからなどと、頭で判断して食べるようになります。)
 何でも食べなければいけないとか、好き嫌いを直さなければというのは間違いです。
 日本の栄養学は間違っています。私の友人の栄養学者は亡くなり、それを私は証明できませんが、一部の栄養学者はできるはずです。
 人(動物たち)は、自然に自分の体に必要なものを美味しく感じるようになっているのです。ですから、食欲とその味覚を大切にして下さい。それが狂ってくるのは、精神的なことと、病的な老化現象です。生理的な老化では、そうなりません。
食べたい物を食べ、飲みたい物を飲むことを3歳までに習慣づけると、そのまま成長すれば、その体の働きが維持されますが、そうでないと狂ってきます。その第一は、食物アレルギーです。
 食べること、食べるもの、その順番などを赤ちゃんや子どもに強制しないで下さい。それが食べることでの問題を起こします。ただし、3歳までは食べて欲しくないもの、飲んで欲しくないものを与えず、その味を教えないことが必要です。嗜好食品がそれにあたります。例えばチョコレートとか、コカ・コーラとかです。
 甘いものは子どもの必需品ですから、制限しないで下さい。グルコースは脳の代謝に必要なので、子どもは大人になるまで甘いものを欲しがります。できるだけたっぷりと糖分の含まれた物を食事の一部に入れて食べさせましょう。

6) 白湯、茶、糖水などの水分は、飲ませてみて飲むだけ与えて下さい。糖水でも茶でも、好む方を与えて下さい。(身体が水分を必要としない場合は、飲みません。)
 生後1ヵ月から、甘い方を好む子と好まない子に分れます。なおすことはできませんから、好む方を与えて下さい。お茶は、番茶でなくても、構いません。紅茶、煎茶、麦茶などでも、一番茶をさけて、うすくすれば良いです。
 ミルクや牛乳は、赤ちゃんには濃厚食品ですから、水分ではありません。今のミルクは昔に比べ、うすくなっているので、嘔吐下痢症の時もミルクをうすめて与えてはいけません。

§2.母乳のあげ方と母乳メリットは

1) 母乳の時は、1日の回数や時間にはこだわらなくてよいです。母乳は必ず出るものです。でも母乳の出は、半分は精神的なものですから、緊張したり、心配事があると、出なくなります。母親を暖かくとりまく環境が、母乳を出してくれるのです。母乳は3ヶ月まで与えれば、充分です。これはアメリカ小児科学会の見解です。
その理由は、母乳は赤ちゃんの胃腸(消化管)の免疫を強化します。そのため、母乳を飲んでいると、ロタウイルスなどの胃腸の感染症を抑制してくれます。しかし、吸収されて血液中に出ている証明はありません。
 母乳の出方が悪くなるのは、社会的な影響で、ストレスが多い為で、個人で解決できるものではありません。母親の責任ではありません。だから母乳が出ないと悲観することもありません。出る分だけ飲ませれば良いです。生後2週間過ぎても、必要なだけ出なければ、いくら吸わせても出ませんから、ミルクを足すしかありません。ミルクでも、ちゃんと育つのですから、気にすることはありません。

2)アメリカでは、子育てを終ってから、養子をもらう人が多く、赤ちゃんを養子にもらって、生後3ヵ月まで母乳で育てる率が60%を超えているそうです。母乳はこどもへの愛情と、「出るものだ」という確信があれば出るのですが、ストレスがあると、とたんに出なくなります。
 また出ている時は、出し続けている限り、いつまでも出ます。適当な時期を選んで、卒乳(断乳)しましょう。世界の記録では、15歳まで飲ませた例があります。
牛は、仔牛を産んで1ヶ月したら離して、乳をしぼり続けるのです。普通乳が出なくなったら、廃牛にされて肉にされてしまいます。一部の酪農家は、1年に一度搾乳を止め、妊娠させて仔牛を産ませ、1ヶ月後からまたしぼり始めています。その方が質の良い牛乳がとれ、廃牛にしないで済みます。

3)牛や多くの哺乳類は、乳児期は母乳が飲め、幼児期になると母乳をのめなくなります。母乳を消化吸収できなくなるからです。母乳を分解する酵素(乳糖分解酵素)を産生する遺伝子の働きが止まってしまうからです。
人間はそうでないのはなぜだろうかと遺伝子学者は言い、それは環境の影響だろうと言います。牛乳を飲めない人は、農耕民族に多く、牧畜民族に少ないという統計が出ています。だから日本人は飲むと下痢する人が多いのです。
 
4) 母乳不足のしるしは、「①授乳している時間が20分を超える。②授乳の間隔が2時間もたない。③便秘。④体重増加不足。」です。
  これらの兆候があれば、ミルクを足しましょう。

5) ミルクを与える時のポイントは、
おなかが一杯になるまで飲ませましょう。多めに作り、少し飲み残りが出れば、おなか一杯に飲んだことが分かります。
 おなかを空かせたら、いつでも飲ませましょう。
 ミルクを飲んでいる時間は、15分以下が適当です。
 授乳の間隔は、3時間もてば充分です。
乳首はMを使いましょう。Sだと、生後一ヵ月になると、穴が小さい為に、疲れて必要なだけミルクを飲めずに、発育が遅れる赤ちゃんが10人に1人出てきます。
クロスカットやチュチュは、三ヵ月以後からの方がよいです。吸う力が必要なためで
す。
 哺乳ビンと乳首は、よく水洗いすればよく、煮沸の必要はありません。心配なら、お湯をかけてすすげば充分です。昔、ある小児科医が、小児科医にアンケートをとったら、7割の小児科医は、自分の子の哺乳ビンは水洗いだけで、消毒していませんでした。
私もその一人です。消毒薬は貧血の原因の疑いが持たれていますからお勧めしません。
授乳の時は、必ず抱いて飲ませること。ミルクの一日の回数と一回の量は、気にしないこと。

6) 混合栄養の場合は、どうするか。
 生後二週間までは、毎回母乳を飲ませ、不足ならミルクを足して下さい。
 生後二週間過ぎたら、母乳は、乳房がはった時だけ飲ませ、はっていない時はミルクだけを与えます。これは、赤ちゃんが母乳かミルクに片寄るのを、少しでも遅くしようとするもので、母乳を与える時とミルクを与える時を別にするのです。でもそのうちに母乳かミルクに片寄ってしまいます。
 そうなったら、無理に飲ませないで、喜んで飲む方を与えるしかありません。母乳しか飲まなくなったら、早めに離乳食を進めて、不足分を離乳食で補うように すればよいです。

§3.早く進める離乳食の進め方
1) 離乳食を早めに始めましょう。
 一般に6ヵ月過ぎると病気になりやすくなります。その時期に、ビタミンC、D、A、鉄分、カロリーの順に不足してきます。だから、2か月から果汁、果物、緑黄野菜、穀類の順に進めるのです。おかゆ類は、4か月から進めます。4か月から始める離乳食は、おかゆから始めるので、一般に4か月から始めていました。今はもっと遅く指導するようになりました。
 でも赤ちゃんたちは待てません。体(体重)が大きくなったので、おなかが空くのです。そして糖分(炭水化物)を必要とするのです。だから、おかゆを喜ぶようになります。

2) 離乳食は、赤ちゃんの食欲を尊重して、そして楽しくしましょう。手のこんだ物を作らず、手軽に、大人の食事の一部を利用して作ります。初めて与える時は、赤ちゃんに好ましい印象を与えるようにしましょう。うす味で、赤ちゃんの喜ぶ味で、おいしく作ってあげましょう。嫌がったらやめて、またこの次の時にあげてみましょう。お母さんが食べてみておいしくないものはやめましょう。

3) 離乳食を進めるのは赤ちゃん次第で。
 最新の離乳食の進め方は、月数でも、体重でもなく、神経と筋肉の発達に応じて、進めるのです。そのために、1か月健診から、それを見てくれる小児科専門医にかかりましょう。
 一人一人の赤ちゃんの発達に応じて、進めるのが基本ですから、早めに始めて、食べる食べないは、赤ちゃんの自由に任せて下さい。
 赤ちゃんが喜ぶならどんどん進め、喜ばないならゆっくり進めましょう。
 喜ぶなら、一日三~四回へと回数を増やして下さい。

4)毎回主食と副食などと考えて献立を作るのではなく、適当に有り合せのもので作り、果物(バナナやリンゴ)とか、野菜とか、おかゆとか、いろいろ取り混ぜて、適当に作ってあげてみましょう。
 食べない時にがっかりしないで下さい。同じ食物でも、赤ちゃんだって、食べたい時もあれば、食べたくない時もあります。それを強制すると、大嫌いになります。
だから、手抜きの離乳食を作りましょう。栄養士はプロですから、簡単に作りますが、普通のお母さんは結婚して夫の食事を作るのも大変なのに、赤ちゃんの離乳食を作ることも大変です。だから、一番お勧めは、バナナとリンゴで、あとは季節の果物や野菜を使い、簡単に作りましょう。栄養士の献立などに振り回されないようにしましょう。
 適当に作って、赤ちゃんが食べてくれればOKです。

5) 果汁や離乳食を与える時間は--
 赤ちゃんにとっては、果汁は水分ではなく、食事の一部ですから、お風呂あがりではなく、食事の時間にあげます。赤ちゃんがおなかを空かせた時が、赤ちゃんの食事の時間です。
 午前午後にこだわらないで、授乳の少し前の、おなかが空きすぎないが、少し空きかけた時に、あげます。決った時間に食事をする習慣は、四才からで充分です。
 大切なのは、おなかが空いた時に、おなか一杯食べる習慣を身につけることです。時間を決め、量を決めて食べさせようとすると、少食、偏食になりやすいです。

6) 離乳の準備を始める時期は--
 ◎離乳の準備食は、生後1~2ヵ月過ぎたら、または体重5kg超えたら、始めましょう。
 ◎指しゃぶりを始めたら、すぐ始めましょう。
 ◎コンビラックなどに座らせて支えてやれば、首がふらつかないようなら、果汁を始める時期です。
 ◎一口飲んでみて、味をみてから口を閉じて、飲みたくないと、意志表示ができれば与える時期です。

§4.離乳準備食の与え方
1) 離乳の準備食は、サラサラッとした液状のもの--果汁、みそ汁、おつゆ--を云います。
ポイントはスプーンになれることと、乳汁以外の味を覚えることです。うす味で一通りの味を教え、しだいに濃くします。自分の家の味を教えましょう。
 まず果汁からで、主にみかん(柑橘)類をしぼって、白湯で倍にうすめて、砂糖で酸味をけしておいしくして、与えます。砂糖を制限しないで下さい。市販のものは、避けましょう。果汁を勧めない医師がいますが、それは市販品を使うからです。市販の果汁は問題があるので、使わないで下さい。

2)おなかが少し空きかけた頃を見はからって、スプーンであげます。でもちょっと口を開けて、スプーンが口にさわると、すぐ口を閉じてしまいます。そしたら終わりにし、また翌日与えます。これを毎日繰り返していると、おいしい果汁が少しずつ口の中に入り、その味を覚え、欲しがるようになると、いやなスプーンをがまんして口を開け、硬いスプーンで果汁を飲むようになります。大体1週間以上かかります。
 果汁の量は、まず1さじから始めて、翌日の便が悪くなければ、あとは欲しがるだけ与えてよいです。
 みそ汁は、倍にうすめて味噌のままで飲ませます。(味噌に栄養があります。)
 鍋物や煮物、うどんなどのつゆも、うすくして、飲ませましょう。
 スープは家族が飲む時に、あげればよく、わざわざ赤ちゃん用の野菜スープを作る必要はありません。みそ汁もおでんも英語では、スープです。ふだん家庭で食べていない物を与える必要はないのです。


§5. 離乳食を始めましょう
1) 離乳食を始める時期は--
 ◎生後3~4か月、または体重が7kgを超えるようになったら始めましょう。カロリー不足になります。
 ◎母乳やミルクを飲んだ後も、指をしゃぶるようなら、始めてみましょう。母乳やミルクだけでは物足りないのです。
◎赤ちゃん用のいすに座らせて、首を横に向けて、いやいやができるようになれば、与える時期です。
 ◎必ず、果汁でスプーンになれてから、始めましょう。

2) 離乳食は、ドロドロッとした、半固形食からを云います。
 トロトロッとしたウースターソース状から→→ドロドロッとしたとんかつソース状→→プリン状→→おろしたリンゴ状→→ベタベタしたつぶしたバナナ状
 それから、つぶつぶや、細かく刻んだものへと進めていきます。
 飲み込めるていどに小さく切ったものや、歯ぐきでつぶせるものが食べられると、離乳は、ほぼ終わりです。いつも同じものを食べさせず、毎週少しずつ固くして、ならしていくのです。
 ドッグフードしか食べずに育った犬は、骨を食べません。こどもの性格にもよりますが、やわらかい物しか与えないと、固い物を食べないことがあります。固い物を食べないと、かむことをしなくなり、よくかまないと食べられない物を嫌がるようになります。かむとおいしい物を与えるのがその対策です。

3)早く始める離乳食は、果物から野菜へ進めます。バナナやりんごは、生後1ヵ月か
ら消化できますが、重湯、十倍がゆ、おかゆなどの穀類は、4ヵ月過ぎてからでないと消化できません。また重湯から始める必要もありません。赤ちゃんが食べてくれればよいのです。そのために、果物でつぶつぶに慣らしてから、つぶしがゆに進めるとうまく行き、楽です。

4) まず果物から--フルーツがゆ、果実がゆ--
 バナナやりんごなど。りんごソース(アップルパイを液状にしたもの)から。
 りんごソースの作り方は--りんごをおろして、湯ざましと砂糖を加えて煮ます。
 おいしくすることがこつです。
初めは、お湯を多くして、時間をかけてトロトロッとするまでよく煮込み、なれたら、しだいにお湯の量を減らし、煮る時間も減らしてザラザラが残るようにし、最後はおろしただけで与えます。
 バナナは、フォークの脊でよくつぶして、どろどろにして与えます。
 慣れたら、だんだんつぶし方に手をぬいて、つぶつぶが残るようにしていきます。初めは変な顔をしますが、いつもの味だと食べてしまいます。
 果物は、いちご、メロン、すいか、桃などやわらかくつぶれて、赤ちゃんが食べられるものならなんでもよいですが、いちごやみかん類は酸味が強いので、砂糖を足さないと食べません。

5) 消化しているかいないかは、翌日の便で判断します。
 食べさせる量は、新しいものは、2日間は1~2さじにして、2日目の便を見て、悪くなっていなければ、あとは赤ちゃんが欲しがるだけ、あげてよいです。もし便が悪くなったら、離乳食をやめて2日たてば元の便に戻ります。

6) 果物から、野菜へ進めましょう。回数もふやします。
 野菜は、緑黄野菜を中心にし、マッシュポテト(バターを使ってよい)などで、最初からつぶしただけでよく、どうしても嫌がった時だけうらごしにします。面倒なうらごしは、できるだけやめましょう。
 バナナの様な、いつも食べているもので、しだいにつぶつぶにならしていきます。野菜の煮つぶしになれたら、細かくきざんで与えます。
 できるだけ、大人や上の子の食事の一部を利用して作りましょう。手をかけずに作るのがよいです。食べなければ、また作るからいいや、と思うのです。
 手をかけると、食べてくれないと、がっかりして作りたくなくなります。

7) バナナや野菜のつぶつぶになれ、四ヵ月すぎたら、おかゆを始めてよいです。おかゆ、パンがゆなどの穀類は、満四ヵ月すぎてからにして下さい。重湯、十倍がゆは、余り喜ばないし、与える必要もありません。
 おかゆは、母乳かミルクに果物野菜の食事では、カロリーが不足する赤ちゃんが、喜んで食べますが、足りていると食べません。だから、一般に男の子、よくふとった赤ちゃん、のべつ休まず動いている赤ちゃん、が喜ぶことが多く、女の子、小さい赤ちゃん、おとなしい赤ちゃんは喜びません。喜ばない時は、五~六ヵ月すぎまでのばします。

8) おかゆを食べるようになったら、たいていのつぶつぶ状のものが食べられます。
  五ヵ月過ぎたら、そろそろ肉を始めましょう。鉄分と良質の蛋白質を供給します。 牛のひき肉をつぶして野菜にまぜて煮込みます。牛肉から、鷄肉へ進めます。
 果汁1回。←フルーツがゆ1回。←野菜1回。←おかゆ1回とだんだん回数を増す。
1日3~4回にふやすと共に、しだいにいろいろな種類のものをふやします。

9) 魚は、ほぐしたのが食べられるようになったら、与えましょう。
 白身の魚と赤身の魚の違いはありませんから、白身の魚にこだわることはありません。亡くなった詫摩武人という元東大小児科の教授が、戦後まもなく、白身も赤身も違いがないという論文を書いていますが、知っている人は少ないようです。

10) 離乳は早いと6ヵ月、遅いと9ヵ月頃には終わります。赤ちゃんが自分で決めたペースで進めて下さい。赤ちゃんが欲しがっているのに、離乳食を与えないで、母乳またはミルクを沢山飲まそうとはしないで下さい。赤ちゃんが可愛そうです。離乳食の方が、栄養的価値が高いから、進めるのです。

11) 離乳期のミルクは、離乳食が充分与えられない発展途上国で必要ですが、先進国では必要ないです。一般に日本の小児科医の離乳指導が遅いので、離乳が進んでいない場合は、離乳期のミルクが必要ですが、ここに書かれているやり方で、早めに離乳を進めていけば、必要ありません。

12) アレルギー性湿疹やアトピー性皮膚炎をさける為に
 最近、食事アレルギーが騒がれていますが、本当の食事アレルギーは食べなければ絶対に症状が出ません。2週間食べずにいてよくならなければ、原因とは言えません。
 食事アレルギーで、一番多いのが卵(特に卵白)、二番目が牛乳、次が大豆です。乳児期には、卵アレルギーが約5%あり、成長と共に減少し、大人では1%以下です。牛乳アレルギーは1%以下です。
 加熱処理しない生の蛋白質が、一番アレルギーを起こしやすいので、三才までは生の蛋白質を与えない方が安全です。
だから生卵は、こどもの食べ物ではありませんし、半熟の卵もさけましょう。牛乳は、必ずわかして(沸騰させて)さます。暖めただけの牛乳は生です。刺身や、納豆も3才までは、さけた方が安全です。
① 赤ちゃんの両親つまり母親(あなた)と父親(夫)の家系(血縁の親戚)に、
気管支喘息、じんましん、花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などにかかったことのある人がいますか?
--「いいえ」の人は②へ、「はい」の人は③へ
 ②アレルギーの病気の人がいなければ、卵は6ヵ月から始めます。硬ゆでで黄身だけ与えます。ほぐして何かにまぜてあげればよいです。白身は1才過ぎてから与えます。
 ③アレルギーの病気の人がいれば、1才までは卵を与えてはいけません。1才過ぎてから、硬ゆでで黄身だけにします。卵の白身は3才までは与えないようにします。
卵が沢山含まれている食品もさけた方がよいですが、わずかなものは構いません。

13) 甘い物を好きにしない為に
 糖分は、子どもの栄養に必要です(グルコースが脳の代謝に必要なため)から、食事の途中や中休みにそれとなく、与えましょう。糖分を制限すると、かえって欲しがります。充分満ち足りていると、それ程欲しがらないものです。
 子どもの食事の基本は、お子様ランチで、ワンセットになっているものの中から、どれを先に食べても良いです。お菓子やデザートを先に食べ、次がおかずで、最後にご飯を食べてもよいです。好きな順に食べさせましょう。じっと見ていると、最後に白いご飯をもくもくと食べていたりします。
 ご飯を先に食べさせようとすると、「もうお腹いっぱいだから、デザートを食べて言い」と言い、デザートを食べてもお腹いっぱいになっていなくても、ご飯をたべる訳にはいかずに食べず、結果として小食になる傾向になります。これをさけるために、食べたい時に、食べたい物を食べさせて下さい。

14) 3才までに覚えた味が、好みの基本になりますから、3才までは、食事として必要のない、チョコレートなどのし(嗜)好食品や、し好飲料の味を教えないようにしましょう。
 飲み物はお茶類や果汁類を与えましょう。合成飲料や、コーラ、炭酸飲料、スポーツドリンクなどは、化学的に合成し着色した飲料が多く、糖分が多く、特にコーラは成分が企業秘密で、何が入っているか分からず、こどもに飲ませたくない飲み物です。低糖分のコーラは合成甘味料を使っていますから、子どもに飲ませたくありません。
 コカ・コーラはコカが入っていて、精力減退しますからアメリカの兵隊用の飲み物です。ベトナム戦争の時に若い米兵が持って歩いて飲んでいました。
乳酸菌飲料は、飲ませてよいですが、ビフィズス菌が腸内に定着してくれる証拠はありません。腸内にいる間だけ働きます。それで今は、「毎日飲ませましょう」と宣伝しています。毎日飲む飲料なのです。腸内を通過して、その間に働くようです。
15) 赤ちゃんに、食べる楽しさを、教えましょう。
 一人で食べる、もぐもぐする、ちゅうちゅう吸ったり、なめたり、つぶしたり、コップやスプーンを使ったり、麺類をツルツルッと飲み込んだり、みんな楽しいことなのです。
1才前後になると、手でこねたり、つぶしたり、握ったり、たたいたり、かきまわしたり、食べ物をいろいろなことをしながら、食べます。それでも、食べている間は、やらせてあげて下さい。どんな性質なのか確かめているのです。遊び専門になったら片付けて構いません。
固いものを食べさせたければ、固いがかんでいるとおいしい食べ物を与えるしかないのです。おいしいと、かんで食べるようになります。

16)  生の牛乳は、僅かずつ腸管から出血を起こすので、食事を余り食べずに、牛乳を生のままで(暖めただけで)大量に(一日 600ml以上)飲みますと、貧血がでます。
でも三食しっかり食べていれば、貧血にはなりませんが、カロリーが過剰になり、肥満になりやすいです。生後六ヵ月過ぎれば、生の牛乳を消化はできますが、アレルギーの問題は分かっていません。出血は変わりません。

17) こどもでは、ムラ食い、まとめ食いは当たり前です。矯正してはいけません。長い期間で見ると、栄養のバランスのとれた食事を、自分で選んで食べているのです。こどもの自然の食欲に任せておけばよいのです。この事は、「スポック博士の育児書」に「デービス博士の実験」として出ています。
いろいろな食べ物を、バイキング方式にして、子どもに好きな物を食べさせてみると、その時その時でいろいろと食べます。しかし、その量を測っていて1か月合計してみると、ちゃんと必要な量を必要なだけ食べていました。ですから、子どもの食べたい物を食べたいだけ与えてよいのです。むしろ、バランスよく食べさせなさいという栄養士の言うことは間違っていたのです。
 最新のやり方は、バランスのとれた食事を用意し、どれを食べるかは赤ちゃんが自分で決めます。いやだというものを、無理に食べさせようとすると、その食べ物をまるで敵のように思い込んで、大嫌いになってしまいます。好き嫌いを作らないで下さい。
 また、それが食べものアレルギーを作る原因だと私は思います。食べものアレルギーは、遺伝的要因と環境要因で作られます。親がそうだとなりやすいですが、ならないように育てることも必要です。

18) 病院勤務の時に、入院してくる子どもに、病院食を与えていました。好き嫌いのある子どもも、食べるものがないとお腹がすくので、何でも食べるようになります。別に強制はしません。おなかがすくし、家から持ってきてもらえるものに制限がありますから、食べるしかないのです。何でも食べるようになります。でも、家に帰るとたべなくなります。今の日本は、食料が豊富ですから、好きな物を選んで食べられるからです。
 食べるものがなくなれば、何でも食べるようになりますから、好きな物をたべさせてあげて下さい。

19)最近、小児科医の間で問題になっていることは、子どもにスポーツドリンクやイオン飲料、野菜ジュース、オレンジジュース類を、飲ませ過ぎることで、子どもが病気になることです。たまに、少量飲ませても問題はありませんが、毎日沢山飲ませることが問題を生じます。できるだけ、飲ませないようにしましょう。
スポーツドリンクは、スポーツをする時の飲み物で、塩分と糖分が入っていて、純粋な水分ではありませんから、かえってのどがかわきます。与えてはいけない飲み物の代表です。マラソン選手は別に自分にあった飲み物を作って飲んでいます。
スポーツをしたことがありますか。私は昔陸上ホッケーをしていましたが、私の先輩の中に、汗をかいて、汗が水分を蒸発させて塩のように白くなっているのを見たことがあります。そのような時のための飲み物です。
イオン飲料は、子どもの腎臓が処理できずに、身体の電解質(塩分などの)バランスを崩します。野菜やみかん類は、ジュースでなく、そのものを食べさせましょう。

19)最後に、うまくいかなかったら、相談して下さい。
 本やパンフレットに書いてあることには、うそがありますが、生きている赤ちゃんは真実です。目の前にいる子どもを信じて下さい。
 気楽に、困ったら考え、考えがまとまらなかったら相談して下さい。
 私は、患者さんの子どもたちから、多くのことを教えられて成長し、一人前の小児科医になれました。
 あなたも、子どもたちと一緒に育っていきましょう。子どもたちと一緒に学んでいきましょう。
 私の一番の先生は子どもたちでした。
                        
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