百日咳に上手に対処しよう
小児科医しか知らない対処のこつ
百日咳の話
1. 最近、百日咳が流行っています。乳幼児の病気ですが、近年小中学生や大人の方が流行しています。長引くひどい咳は、まず百日咳を疑うこと。かぜだろうと思っていると長引き、周りの人にうつすことになります。6カ月未満の乳児では、無呼吸になるので死の危険が出ることがあります。
2. 症状は、
コンコンコンコンコンと咳込み、直後にふーっと息を吸いこみ、またコンコンコンコンコンと咳込みます。コンコンコンコン、ふーっ、コンコンコンコン、ふーっ、が特徴です。
子どもに典型的に出て、大人は高齢者に多く、典型的ではありません。
始めは、普通のかぜの症状で、熱は出ないか、出ても38℃前後と軽いことが多く、咳が主で、鼻水はでないこともあります。かぜかなと思っていると、3~5日過ぎてから、ある夜、突然ひどい咳が始まります。ひどい咳が始まったら、すぐ小児科専門医にかかりましょう。
ひどい咳が始まってから、4~5日以内に有効な抗生物質(エリスロマイシン系)を飲んでおけば、重症化が防げ、咳の期間も1カ月以内で済みます。1カ月と言ってもだんだん軽くなって止まるまでで、大人ではもっと早くおさまり、完全に止まらなくても来なくなる人もいるようです。
典型的な咳は、息を吸う時の笛声(フープ)と言われるが、古典的には、コンコンコンコンコンと咳込み(スタッカート)その間、息がつけず、咳が切れた時にふーっと息を吸いこみ(フープまたはレプリーゼ)、息をつくとまたすぐコンコンコンと咳こむのが特徴です。特に、乳幼児では、息をつけずに、顔を真っ赤にし、さらにひどいと唇が紫になり(チアノーゼ)ます。6カ月未満の乳児では、無呼吸になることがあります。
年長児や大人は、余り典型的ではなく、2週間持続する咳の時は、百日咳を疑います。
3. DPT三種混合ワクチンを打っていても、かかります。百日咳ワクチンの効果は低く、副作用も強いのですが、有効性は、かからないか、かかっても軽く済むというのが70%というのです。実際、ワクチンをきちんと接種していながら、重症化することがあり、まれに死亡例の報告もあります。ワクチンをしているからと安心はできません。またワクチンをしていた為に診断が遅れることがあります。小児科専門医にかかることが、大切です。内科医では適切な薬をもらえないことが多いです。
4.百日咳には、有効な抗生物質と咳止めがあります。早期に飲めば、重症化を防ぎ、咳も1カ月以内でおさまります。百日咳の人に接触したら、すぐ有効な抗生物質を飲ませると予防もできますが、保険はききません。しかし、百日咳ワクチンを廃止したスウェーデンでは、かかるのは子どもの5%くらいと言います。きっと、かかっても発病しないのでしょう。
抗生物質は、マクロライド系と言われる種類(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)がよい。咳止めは、弱い麻薬の(粉薬では麻薬の処方箋がいらない程度)リン酸コデインを使います。これで咳込みが楽になり、ほっとします。苦い薬ですが少量ですから、スプーンに入れて、何か好きな飲み物に混ぜて、一回でごくんと飲ませるのがこつです。苦しいのが楽になることが判ると、子どもは大抵飲んでくれます。
5.抗生物質は、できれば2週間、少なくとも1週間は飲んで下さい。感染力は、初めの軽い咳の時期が最大で、その後低下し、抗生物質をまる二日飲めばほとんどなくなり、五日以内に菌陰性になります。そして菌が死んでも、咳だけ残るのが特徴です。昔は、6~10週間咳が続いたのですが、早期に治療すれば3~4週間くらいでおさまります。発病後早期に飲むと咳の期間が短くなります。
いずれにせよ、早く気づき、早期に小児科専門医にかかって、適切な治療をすることで、ワクチンに期待してはいけません。
6.合併症は、けいれん発作、肺炎、脳症、死亡があります。
潜伏期間は、6~10日、最大20日です。21日過ぎても発病しなければ、かかっていません。
7.百日咳にかかると、その後、1年くらいの間、かぜをひいても似た症状になることがあります。再発なのか、再感染か、ただ症状が似ているだけなのかは、判っていません。
ポイントは薬を早期に飲むこと。しかも、マクロライド系しか効果なし。リンコデしか効かないこと。上手く行けば1ヶ月。そうでないと百日も咳が続く。

小児科医しか知らない対処のこつ
百日咳の話
1. 最近、百日咳が流行っています。乳幼児の病気ですが、近年小中学生や大人の方が流行しています。長引くひどい咳は、まず百日咳を疑うこと。かぜだろうと思っていると長引き、周りの人にうつすことになります。6カ月未満の乳児では、無呼吸になるので死の危険が出ることがあります。
2. 症状は、
コンコンコンコンコンと咳込み、直後にふーっと息を吸いこみ、またコンコンコンコンコンと咳込みます。コンコンコンコン、ふーっ、コンコンコンコン、ふーっ、が特徴です。
子どもに典型的に出て、大人は高齢者に多く、典型的ではありません。
始めは、普通のかぜの症状で、熱は出ないか、出ても38℃前後と軽いことが多く、咳が主で、鼻水はでないこともあります。かぜかなと思っていると、3~5日過ぎてから、ある夜、突然ひどい咳が始まります。ひどい咳が始まったら、すぐ小児科専門医にかかりましょう。
ひどい咳が始まってから、4~5日以内に有効な抗生物質(エリスロマイシン系)を飲んでおけば、重症化が防げ、咳の期間も1カ月以内で済みます。1カ月と言ってもだんだん軽くなって止まるまでで、大人ではもっと早くおさまり、完全に止まらなくても来なくなる人もいるようです。
典型的な咳は、息を吸う時の笛声(フープ)と言われるが、古典的には、コンコンコンコンコンと咳込み(スタッカート)その間、息がつけず、咳が切れた時にふーっと息を吸いこみ(フープまたはレプリーゼ)、息をつくとまたすぐコンコンコンと咳こむのが特徴です。特に、乳幼児では、息をつけずに、顔を真っ赤にし、さらにひどいと唇が紫になり(チアノーゼ)ます。6カ月未満の乳児では、無呼吸になることがあります。
年長児や大人は、余り典型的ではなく、2週間持続する咳の時は、百日咳を疑います。
3. DPT三種混合ワクチンを打っていても、かかります。百日咳ワクチンの効果は低く、副作用も強いのですが、有効性は、かからないか、かかっても軽く済むというのが70%というのです。実際、ワクチンをきちんと接種していながら、重症化することがあり、まれに死亡例の報告もあります。ワクチンをしているからと安心はできません。またワクチンをしていた為に診断が遅れることがあります。小児科専門医にかかることが、大切です。内科医では適切な薬をもらえないことが多いです。
4.百日咳には、有効な抗生物質と咳止めがあります。早期に飲めば、重症化を防ぎ、咳も1カ月以内でおさまります。百日咳の人に接触したら、すぐ有効な抗生物質を飲ませると予防もできますが、保険はききません。しかし、百日咳ワクチンを廃止したスウェーデンでは、かかるのは子どもの5%くらいと言います。きっと、かかっても発病しないのでしょう。
抗生物質は、マクロライド系と言われる種類(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)がよい。咳止めは、弱い麻薬の(粉薬では麻薬の処方箋がいらない程度)リン酸コデインを使います。これで咳込みが楽になり、ほっとします。苦い薬ですが少量ですから、スプーンに入れて、何か好きな飲み物に混ぜて、一回でごくんと飲ませるのがこつです。苦しいのが楽になることが判ると、子どもは大抵飲んでくれます。
5.抗生物質は、できれば2週間、少なくとも1週間は飲んで下さい。感染力は、初めの軽い咳の時期が最大で、その後低下し、抗生物質をまる二日飲めばほとんどなくなり、五日以内に菌陰性になります。そして菌が死んでも、咳だけ残るのが特徴です。昔は、6~10週間咳が続いたのですが、早期に治療すれば3~4週間くらいでおさまります。発病後早期に飲むと咳の期間が短くなります。
いずれにせよ、早く気づき、早期に小児科専門医にかかって、適切な治療をすることで、ワクチンに期待してはいけません。
6.合併症は、けいれん発作、肺炎、脳症、死亡があります。
潜伏期間は、6~10日、最大20日です。21日過ぎても発病しなければ、かかっていません。
7.百日咳にかかると、その後、1年くらいの間、かぜをひいても似た症状になることがあります。再発なのか、再感染か、ただ症状が似ているだけなのかは、判っていません。
ポイントは薬を早期に飲むこと。しかも、マクロライド系しか効果なし。リンコデしか効かないこと。上手く行けば1ヶ月。そうでないと百日も咳が続く。
