黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

近況

2012-01-23 08:07:01 | 健康・病気

講演の予定は、1月29日(日)大泉学園でしますが、予約で会場がほぼ埋まってしまいそうです。次は、2月5日に遠く渋川ですから、近くの方はいらして下さい。渋川市中央公民館午後2時からです。

2月19日に東京で「子ども相談会」を国分寺労政会館と亀戸ひまわり診療所で行います。「子どもたちを放射能から守る 全国小児科医ネットワーク」主催です。詳細未定です。

私は3月1日から練馬駅前の「すずしろ診療所」へ移ることが確定しました。それまでは堀ノ内病院にいます。すずしろでは土曜日の午前中は確定ですが、他の日は調整中です。小児(総合診療)科、内科、心療内科になります。(家庭医科もアレルギー科もしたいのですが)詳細は移ってからになると思います。


福島へ行って来ました

2012-01-11 07:17:39 | 健康・病気

1月8日第六回子どもの健康相談会に行って来ました。医師10名と臨床心理士、栄養士、などの方が集まり、相談に乗りました。40家族が、相談に来られましたが、今の段階では避難できる人が少なく、線量が高いのにどう対処したらよいかとの相談が多く、内部被曝を減らすことと、年に何日かは非汚染地へ行くことを勧めるしかありませんでした。

まとめの段階で、避難や疎開と言う言葉ではなく、チェルノブイリで使っている「保養」という言葉で年1カ月以上汚染地を離れることを勧めることになりました。しかし、行政が対応してくれないなら、家族のグループで1軒屋を借りて3家族くらいで行くとか、いろいろな話が出ましたが、学校に行っている子ども特に中高生のいる家族の保養が問題になりました。ベラルーシのように国や自治体が援助して学校サナトリウムを作り、(先駆けは私たちのチェルノブイリ子ども基金とドイツのNGOと自治体で作った「希望21」ですが、今は9か所あります)学校もしくはクラス単位で保養に出るのと違い、転校とか仲間から離れるとか問題が残り、なかなか難しい問題です。北海道から沖縄の石垣島まで、受け入れを表明してくれていますが、実際にどうするかは難しい所です。

とにかく今は、避難から保養に替わりつつあります。避難がベストですが、できない社会経済的事情があり、岩手や宮城の家が無くなってしまった被災者と比べて、家が残っているために踏ん切りがつかない家族も多いようです。汚染度は、髙い所で福島市内でも、強制避難地区に該当するのに、政府や県、市は動きません。

相談を受ける私たちも、そんな現状に困惑してしまいます。せめて学校サナトリウムが作れるとよいのですが。測定所と違い大変なお金がかかり、しかも教育をするとなれば、自治体の教育委員会の協力も必要です。目標はできましたが、実現は難しく、取り敢えず小学校低学年以下のこどもの保養を考えることになりそうです。家族単位での受け入れは可能です。

とりあえず福島での相談会と反省会の報告をしておきます。詳しくは「子どもを放射能から守る全国ネット」が福島を中心に動いています。

講演会の追加は2月5日渋川の中央公民館で14時から行います。


賀正

2012-01-01 09:16:52 | 健康・病気

賀正

皆さま如何お過ごしでしょうか。私は一病息災のようで、一応元気でおります。ほぼ回復して来たようです。

昨年は3.11から大変な年になりました。すぐしたことは、母乳調査・母子支援ネッワークの発起人になり、アドバイザーをしました。その後、四月から暮れまで、日曜、休日は、ほとんど「子どもと放射能」の講演をし、平日に休みを取る状況で、疲労のため体調が一時悪くなりましたが、友人のアドバイスにより、元気を取戻しました。

CSTV、NHK第一放送などの出演、福島での「子どもの健康相談会」は5回出かけましたが、海外からのスカイプ取材は準備ができないため、お断りしました。

チェルノブイリの子どもたちだけでなく、日本の子どもたちの救援をと「未来の福島こども基金」をデイズジャパンの広河隆一さんと立ち上げ、代表になり、どこよりも、特に国に先駆けて内部被曝の問題に取り組み、まず福島市に市民が市民のためにする「市民放射能測定所」を作り、食品の放射能測定を開始し、続いていわき市にも作り、その後各地に広げていきました。福島市といわき市にはホールボディカウンターを贈り、内部被曝の測定を開始しています。公表、公開を原則とし、測定値を個人に教え、個人名は伏せて公開しています。国は慌てて、追いかけるように開始し、個人の意志を無視するようなやり方をしています。お蔭様で市民グループや生協、さらに民間企業までが乗り込み、飲食品や土壌の放射能の測定が各地で進んでいます。

また、いち早くクーヨン6月号に掲載、それから京大の小出裕章さんと共著で「原発・放射能 子どもが危ない」という文春新書も出版しました。「大阪保険医雑誌」や「食べもの文化」などにも掲載しました。まだ出版予定も2件、連載予定も1件、ほかにもあり、昨年に続き、今年も忙しい年になりそうです。

吹上診療所を辞め、堀ノ内病院でのんびり過ごす夢も消え、3月からは練馬のすずしろ診療所に行くことになり、そちらも忙しくなりそうです。誰か所長で来てくれる内科医はいませんか。小児科だけでなく、内科をメインに診療することは、負担になりそうです。どうなるかはこの2ケ月で決まると思います。3月1日から土曜日の午前中の診療は、すずしろ診療所になるのは、ほぼ確実です。それ以外の担当日は決まっていません。

また、まだ原発事故も収束せず、放射能も出続けています。子どもたちの避難や疎開も、チェルノブイリ並にすれば千校に及ぶため、政府は動きません。そこでせめて、ベラルーシでやっている年24日間の保養をしようとの動きがあります。それだけでも内部被曝した放射性セシウムの量が20%減少するからです。できれば、学校またはクラス単位での保養で、ベラルーシでは学校サナトリウムと呼んでいます。これも政府に先駆けてしたいのですが、この「希望」サナトリウムは小さなものから始めても、大変な費用がかかりますから、夢かも知れませんが、大きな夢を持って生きて行きたいもので、それがチェルノブィリでやって来たことだったからです。

頑張らないで、できる範囲から少しずつやっていきましょう。政府は官僚に牛耳られ、政治家は何をしているのでしょう。市民が動くことによって、政府を動かしていきましょう。取り敢えずは、小回りのきく市町村を動かしましょう。首長を揺さぶることです。

今年は、私にとっても皆さまにとっても、変化の年になりそうです。どうか皆さまにとって良い年になりますように。

2012年元旦