(1) 遠き別れに 耐えかねて
この高殿(たかどの)に 登るかな
悲しむなかれ 我が友よ
旅の衣を ととのえよ
(2) 別れと言えば 昔より
この人の世の 常なるを
流るる水を 眺むれば
夢はずかしき 涙かな
(3) 君がさやけき 目の色も
君くれないの くちびるも
君がみどりの 黒髪も
またいつか見ん この別れ
(4) 君がやさしき なぐさめも
君が楽しき 歌声も
君が心の 琴の音も
またいつか聞かん この別れ
久々に、詩の投稿です
今日、車の中で聴いたCDにはいっていた曲です
自分の好きな歌なので、たまに聴くといいもんですね
歌詞は島崎藤村の処女詩集「若菜集」の「高楼」からピックアップされています
原詩は嫁いでいく姉を妹が送る8節の詩ですが、第1節のうちの「かなしむなかれ わがあねよ」が「我が友よ」に変えてあります
高楼(たかどの)
わかれゆくひとををしむとこよひより
とほきゆめちにわれやまとはん
妹
とほきわかれに
たへかねて
このたかどのに
のぼるかな
かなしむなかれ
わがあねよ
たびのころもを
とゝのへよ
姉
わかれといへば
むかしより
このひとのよの
つねなるを
ながるゝみづを
ながむれば
ゆめはづかしき
なみだかな
妹
したへるひとの
もとにゆく
きみのうへこそ
たのしけれ
ふゆやまこえて
きみゆかば
なにをひかりの
わがみぞや
姉
あゝはなとりの
いろにつけ
ねにつけわれを
おもへかし
けふわかれては
いつかまた
あひみるまでの
いのちかも
妹
きみがさやけき
めのいろも
きみくれなゐの
くちびるも
きみがみどりの
くろかみも
またいつかみん
このわかれ
姉
なれがやさしき
なぐさめも
なれがたのしき
うたごゑも
なれがこゝろの
ことのねも
またいつきかん
このわかれ
妹
きみのゆくべき
やまかはは
おつるなみだに
みえわかず
そでのしぐれの
ふゆのひに
きみにおくらん
はなもがな
姉
そでにおほへる
うるはしき
ながかほばせを
あげよかし
ながくれなゐの
かほばせに
ながるゝなみだ
われはぬぐはん
参考 <惜別の歌>
この高殿(たかどの)に 登るかな
悲しむなかれ 我が友よ
旅の衣を ととのえよ
(2) 別れと言えば 昔より
この人の世の 常なるを
流るる水を 眺むれば
夢はずかしき 涙かな
(3) 君がさやけき 目の色も
君くれないの くちびるも
君がみどりの 黒髪も
またいつか見ん この別れ
(4) 君がやさしき なぐさめも
君が楽しき 歌声も
君が心の 琴の音も
またいつか聞かん この別れ
久々に、詩の投稿です
今日、車の中で聴いたCDにはいっていた曲です
自分の好きな歌なので、たまに聴くといいもんですね
歌詞は島崎藤村の処女詩集「若菜集」の「高楼」からピックアップされています
原詩は嫁いでいく姉を妹が送る8節の詩ですが、第1節のうちの「かなしむなかれ わがあねよ」が「我が友よ」に変えてあります
高楼(たかどの)
わかれゆくひとををしむとこよひより
とほきゆめちにわれやまとはん
妹
とほきわかれに
たへかねて
このたかどのに
のぼるかな
かなしむなかれ
わがあねよ
たびのころもを
とゝのへよ
姉
わかれといへば
むかしより
このひとのよの
つねなるを
ながるゝみづを
ながむれば
ゆめはづかしき
なみだかな
妹
したへるひとの
もとにゆく
きみのうへこそ
たのしけれ
ふゆやまこえて
きみゆかば
なにをひかりの
わがみぞや
姉
あゝはなとりの
いろにつけ
ねにつけわれを
おもへかし
けふわかれては
いつかまた
あひみるまでの
いのちかも
妹
きみがさやけき
めのいろも
きみくれなゐの
くちびるも
きみがみどりの
くろかみも
またいつかみん
このわかれ
姉
なれがやさしき
なぐさめも
なれがたのしき
うたごゑも
なれがこゝろの
ことのねも
またいつきかん
このわかれ
妹
きみのゆくべき
やまかはは
おつるなみだに
みえわかず
そでのしぐれの
ふゆのひに
きみにおくらん
はなもがな
姉
そでにおほへる
うるはしき
ながかほばせを
あげよかし
ながくれなゐの
かほばせに
ながるゝなみだ
われはぬぐはん
参考 <惜別の歌>
くりさんは車の中でこのような歌を聞いていらっしゃるのですね
なんという歌なのでしょう?
それとも詩の朗読なのでしょうか?
曲名も「惜別の歌」です
もう、大分前の歌ですね~
いたします。先日、長野県の小諸市にある
「シェイクスピア美術館」へ行き、大変お
もしろいことを知りました。実は島崎藤村
は信じられないほど絶大な影響をシェイク
スピアから受けたということです!藤村に
ご関心ある人も、シェイクスピアにご関心
ある人も大き楽しみをご発見になることと
思われます。少なくとも知的好奇心のある
人にとっては最良の美術館、いや文化館
でしょう。