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完全無欠の名探偵 <著:西澤 保彦>

2006年07月30日 22時16分34秒 | ブックレビュー
タイトル:完全無欠の名探偵  著:西澤 保彦

東京の名家・白鹿毛源衛門は、四国の片田舎・高知県は安芸市に就職すると言
い出した孫娘のりんが心配でたまらない。そこで、彼女の真意を探るため、
不思議な能力を持つ青年・山吹みはるを一緒に高知に送り込むことにした。
みはるは、ただ誰かと一緒にいるだけで、その相手の潜在意識に眠る謎を
相手自身に推理展開させ、自然に真相まで導き出させてしまうという、
推理の「触媒」となる体質だった。
そしてりんは、数々の事件の中に隠された真相をついに明らかにする・・・?!

ということで、みはるが登場人物たちのさまざまな情報を引き出し、
小さな数々の事件、事実が繋がり合って、最後の最後に全てが明らかになる。
だから、最初の方の、これは関係あるのか?というようなことも
覚えておかないと、とにかく後で必ずどこかに出てくるので、
えーと、これ誰だっけ?と、ページを戻って確認することは確実です。

ただ言っておきたいのは、みはるは前述したように、自身が何かするという
ことではなく、あくまで相手の真相意識に眠っていたものを起こして、
相手自身に考えさせ解決させるということである。即ち、証拠も何もなく、
あくまで自己完結であるということ。でも、自分で推理し、自分で
納得してしまうのだから、ある意味、確かに完璧なのかもしれない。
だって、反論も何もないのだから。

設定自体、登場人物が特殊な能力を持っていて、その能力が当然あることが
前提になっているのが西澤さんらしいですね。SFではなく、あくまで
パズラー物の設定としての能力なのですから。

総評     : 7点
パズル    : 7点