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水早 -mizuha- 神社と写真と一人旅。

カメラ片手にゆるり神社めぐり。
公共機関&徒歩での日帰り参拝記録をメインに綴っています。

福井4 大瀧神社・岡太神社-3 拝殿・本殿 <福井県越前市大滝町>

2015-12-18 | ├ 福井(ひとり旅)

 

大瀧神社・岡太神社つづき。

 

 

 

 

 

神門の中へ。

 

 

 

門をくぐると、これまた息をのむような光景が広がっていました

 

 

本拝殿(国の重要文化財

 

1843年再建。

3年の歳月をかけて造営されたとのこと。

 

 

大瀧神社
御祭神:国常立尊、伊弉諾尊

岡太神社(おかもとじんじゃ)
御祭神:川上御前(岡太大神/水波能賣命)

 

 

正面にきらきらゴールドの三葉葵(岡太神社の神紋)が入ってます。

 

 

 

誰もいない境内。

ここに満ちているものが、体の隅々まで染み込んでくるような感覚になります。

 

 

 

この社殿、正面からだと分かりませんが、

横からみると・・

 

 

手前の拝殿に、後ろの本殿がくっついてるんです。

社殿の画像はネットで見ていたにもかかわらず、
思わず、なにこれすごい(・Д・ ;) と口に出してました。

 

 

これは、
拝殿(入母屋造・妻入)と本殿(一間社流造)の屋根をつなげ一体化させた、
全国的にも珍しいタイプの複合社殿。

 

 

拝殿と本殿が一体化している建築様式には、権現造り(日光東照宮など)もありますが、
権現造りには、本・拝殿の間に「石の間」という一段低い建物が存在するので、
「拝殿-石の間-本殿」の複合社殿となります。

一方、こちらは連結部のない吹き放し状態なので、「拝殿-本殿」の複合拝殿です。

 

 

この社殿は、永平寺の勅使門を手掛けた大久保勘左衛門によるもので、
躍動感あふれる屋根が大きな特徴。

重みで下が潰れちゃうんじゃないの?とつい思ってしまうほど、立派な屋根です。

 

 

曲線が美しい檜皮葺の屋根には、向拝付きの小屋根や軒唐破風が設けられていて、
それが段状になって幾重にも重なっているため、
ぱっと見、どこがどうなっているのかよく理解できない・・。

 

 

ダイナミックなのに繊細。

久々に神社で圧倒されました。

 

 

 

両者は、社殿の屋根をただ共有しているといった単純なものではなく、
独立した2つの社殿が違和感なくつなげられ、
本殿から拝殿へとすべり落ちていく自然さを作り出している。

社名のように、滝のごとく流れるような美しい姿の社殿です。

 

 

さらに、

階段状に折り重なっている屋根が作り出す流れは、
その背後にある権現山からつづいているかのようにも見え、
山との一体感を醸し出していました。

 

 

 

一瞬、まるで傾斜のある土地に段差をつけて造られた住宅のごとく見えたのは、
拝殿と本殿に2メートルほどの高低差が設けられているからでしょう。

 

 

 

 

どこから見ても隙のない造形美。

 

 

こんな素晴らしい社殿、神社が、
本当にひっそりと山の麓に佇んでいるんですよねー。

ただただ圧倒されて、言葉にならないくらい。

 

 

 

また、素晴らしいのは造りだけではありません。

 

 

本殿の全面に、中国の故事をテーマにした彫刻が施されています。

 

右面(東側)

 

左の板面には、「巣父」の故事。
右の板面には、「許由」の故事。

右端の袖板戸には、「三酸図」の故事が描かれています。

 

 

本殿すべてをキャンバスにするかのように彫られた、手の込んだ彫刻。

ケヤキの木目を生かした素晴らしい作品です。

 

背面(北側)

 

三面あるうちの中央の板面は、「昇利剣図」。

左右の二面は、「張梁・黄石公図」

 

左面(西側)

 

 

左の袖板戸に、「截髪図」。

その隣にある板面には、「賢媛諫言図」。

 

 

右の板面には、「厳子陵図」

 

 

 

重厚な組物にも目を奪われます。

 

 

 

 

もうね、言葉にならなかったです。ほんとに。

 

 

長々と見上げていたので首が痛くなりましたが、
もうそんなもんどーでもいいって感じで。

 

 

これほど荘厳かつ優美な建物を、神社の境内で見るのは初めてかも。

これらの彫り物は、永平寺唐門の彫刻を担った人物の作だと伝わっているそうですが、
江戸後期の作り手の思いの一端に、今自分がここで触れているような気がして、
ありがたく思うとともに幸せな気持でいっぱいになりました。

 

 

 

そして、美しいのはもちろん拝殿もおなじ。

 

 

 

龍、獅子、鳳凰や植物など、
複雑で細やかな彫り物が至るところに。

 

 

 

この本拝殿は重文ですが、
自分的には、国宝といっても過言じゃないと思う。

 

 

今にも飛び出してきそうな龍さん。

 

 

よく見たら、あごの下にセミの抜け殻が。

どこに行っても見かける、
夏の落しもの。

 

 

あれ、この龍さんアイライン引いてる?

・・と思って画像を無理やり大きくして、よーーーく見てみる。

 

首の後ろに乗ってる黒いのって、ヤモリかなんかよね。

てことは、
アイラインじゃなくて、これも・・。

 

 

あぁやっぱり。

時間差で写した同じ龍さんには、アイラインいなかった(笑)。

みんなに好かれる人気者なんだね。

 

(わたしは爬虫類系好きだからいいですが、苦手な方はごめんなさい(´-ω-`))

 

 

 

さきほども触れた、
岡太神社の神紋、三葉葵。

 

 

 

 

こちらの五三の桐は、大瀧神社の神紋。

 

 

 

今回はこの里宮参拝だけで、山頂の奥の院には行っていませんが、
大瀧神社の奥の院社叢(権現山山頂付近のブナ原生自然林)は、
県指定の天然記念物です。

おなじく奥の院の、
大瀧神社と岡太神社の各本殿は、
市指定文化財となっています。

 

 

 

はあ。

素晴らしすぎて拝殿・本殿だけで何枚写真撮ったかわかんないわ(笑)。

 

その4へつづく・・。