ウツウツ記

毎日の生活で感じたことを書いています。

NHKスペシャル「家族の肖像①」

2007-05-28 19:33:03 | TV
昨晩NHKスペシャル「家族の肖像」を見た。
シリーズ物らしいが、今回はハンセン病によって
隔離されてしまった母と子のドキュメント。
何度も涙がこぼれた。
何故なんだろう。

母はハンセン病に罹ったため、幼い息子から隔離されてしまう。
妊娠していた女の子は無理やり堕胎されてしまう。
深い悲しみの中、彼女はただひたすらに子供の幸せを祈り
自ら離婚を申し出て身を引く。
亡くなった女の子には詫び続けるだけしかできない。
限られた生活空間の中で、それでも彼女は生き続ける。
そうして膨大な闇のような時間が流れ、今。
息子は退職後の多くの時間を母に捧げる。
桃子ちゃんと名付けた女の子は標本となって存在していた事が判明、
再会を果たす。
彼女は今を感謝する。明るく振舞う。
感謝できるその心の奥底には何があるのか。
明るく振舞える強さの源は何処にあるのか。

命あるものは、どうして生きるのだろう、
などと宇宙の果てを考えるような、答えのないものを考えてしまう。

今日、現職の大臣が自殺した。
そういう結末のつけかたか、と思ってしまう。
昨日の彼女を見たからだろう。余計にそう思う。
彼は自殺で終わる人生を描いて生きていた訳ではないだろう。
誰だって、初めからそれを描く人はいない。
彼女だってそうだった。
極々普通の、誰しもが望む、そして多くの人が叶えている
そんな生活を描いていただろう。
けれど。病に罹ってしまった。
嘆いただろう。呪った日もあったかもしれない。
けれど。必死で考えた。
自分に何ができるのか。何をすべきなのか。
この地の底のような深い悲しみをどう処理するのか。
そうして、出来る事を小さく積み重ねていったんだ。
実直にそうする事でしか、今の時間は作り出せなかったと思う。
だからなおさら。
大臣の自殺は、惨めで哀れだ。
幻に終わる自分の理想にただただ、怯えた結果としか見えない。
こんな結末のつけ方を、大人は子供に見せてはならない。
現職大臣なら、その責務の重さからなおさらだ。
彼を「侍」などと評したバカたれがいたが、
当たり前だが決して美化したりしてはならない。

命を持って生まれたら。
出来る事を小さく積み重ねてゆくしかない。
考えて、諦めて、潔く。
それが感謝できる今を勝ち取った彼女と
想像しなかった結末を迎えてしまった彼との違いなのかもしれない。

強さを素直に感じさせてくれた彼女に
本当に感謝しています。
これからも彼女に幸せな時間が続く事をお祈りします。

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