ウツウツ記

毎日の生活で感じたことを書いています。

遠く離れているけど。

2011-03-16 13:35:53 | Weblog
地震の大きさ、酷さが日を追うごとにわかってきて
TVの前から離れられない毎日だ。
それでも、私が住む広島県は被災地からはとても遠いので
街はいたってのんびりムードが漂っていたのが本当のところだ。
東京出張から帰宅した夫は
「東京は何となく街全体がピリピリしていたのに・・」と話していたぐらい。
東北は遠いので親戚や友人、知人を持つ人も少ないから当たり前なんだろう。
逆に阪神大震災の時には、とても慌しい雰囲気だったのを覚えている。
子どもが通う小学校にも被災地から避難してきた子ども達が転校してきたりしたし
街全体が震災の話題でざわめいていた。
今回は少なくとも月曜日あたりまでは、のんびりムードだった。
それが、昨日あたりから何となく違ってきた。

昨日私は近くのスーパーに買い物に行った。
買ったものはカップめんと乾電池。
実は前の晩、横浜の娘からスーパーに何も無くなったので送って欲しい
と電話がきたのだ。
普段備えもなく暮らす娘が悪いのだが、何しろ一人暮らしでは通勤するのが精一杯で
買い物に行く時間もないし、物自体が無くなっているというのだ。
で、要望のあったカップめんと乾電池を買った。
そして今日。
地元デパートのセールがあったので、出かけていってビックリ。
地元メーカーの美味しい即席味噌汁が安くなっていたので、買おうと思って出かけたのだけれど。
(美味しいけれど残念ながら値段が高く、いつもこのセールをアテにしている)
自炊の娘も重宝していて、毎回宅配便には欠かせない商品なのだ。
味噌汁よりどり10個で840円。
これだけを買ってレジに並ぼうとしたら・・!!
かる~く20人は並んでいる。。
何しろ田舎なのでね、レジにこんなに並ぶなんてことは無い。
見たことナイ。。
でもまぁ、並んでいた。
私の後ろにもやはり味噌汁を30個ほど買うおばさんが並んだ。
「子ども達が東京にいて、何でも送って欲しいと言うので・・・」
と話しかけられる。
どこもそうなんですねぇ~、なんて軽く応じていた。
すると私の前に並んでいたおばさんが急に振り向いて、いきなり怒り出した。
「味噌汁は一人10個までしか買えないって書いてあるでしょッ!」
??いやぁ、よりどり10個であって、限定10個ではないんだけどな・・・
小さな声でおばさんに言ってみるけれど、怒るおばさんに耳は無い。
「どうしてこういう時に秩序が守れないのッ!私は我慢して10個しか買わないわよッ!
 正直者は馬鹿を見るのはオカシイでしょッ!!!!
 被災地の人があんなに困っているのにッ!!!」
ん、ん、ん~。
とにかく凄い剣幕なのだ。
よくある自分は絶対に正しい、と信じてる人ね。
なんでこんな場所で正義を振りかざさないといけないんだか。
しかも自分が誤解している正義を。
そんなにピリピリしなくたって、もしも万が一一人10個しか買えなかったとしたって
レジで返却すればいいだけなのに。
ん~、どうしてこうも勝手に苛立って怒るのか。
とにかく辺りにイヤ~なムードを撒き散らし、オバサンの会計の番がきた。
「一人10個ですよねッ!」
「いいえ、よりどり10個で、限定なんてしていませんよ」
「イイエ、一人10個って書いてあるでしょッ!」
「書いていませんよ・・・」
「・・・・・・・・・」
まぁオバサンなので知らん顔してそのままレジを通過していったけれど。
なにも遠く離れたこんな場所で、そんなにイライラしなくたって、と思う。
確かに戦後最大(戦後を知らないけれど・・)の危機なのでは?と正直不安があるけれど
それでも、思う。
遠く離れた私達にできること。
それはこんなときだからこそ、努めてにこやかにすることなのかもしれないな、と。
30個買うおばさんは買い占めてる、と見えたんだろう。
でも、せめて聴く耳は持っていないと。
それこそ大変な思いをしている被災地の人が努めて平静を保っておられるのに
こんな所でピリピリしてどうする。

被災地の人にはあえて、頑張ってくださいといいたい。
事実を受け入れるのは苦しいから、苦しいときちんと声に出し涙を出し
時には苛立ち当り散らしながら、それでもやはり生きる力を振り絞ってほしいと思う。
私達はそんな大変な思いの人達が振り返ったときに
大丈夫、と言える余裕を持つことこそ、大切なんじゃないかと痛切に思う出来事だった。
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